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12/7【WRESTLE-1】武藤プロデュースの進化形レジェンド興行『PRO-WRESTLING MASTERS』が来年2・8後楽園から発進 「武藤&長州&藤波&ライガーvs平成維震軍」が実現

 武藤敬司が“プロレスの達人"を集めてプロデュースするWRESTLE-1の新プロジェクト『PRO-WRESTLING MASTERS』が来年2月8日の後楽園ホール大会からスタートすることになった。7日に都内W-1事務所で開かれた会見には武藤と長州力が出席し、互いのプロレス論を交えながら大会のコンセプトを語り合った。

 武藤版“レジェンド興行"ともいうべき企画がスタートする。武藤自身が以前から思い描いていたもので“プロレスの達人"を集める意味合いから『PRO-WRESTLING MASTERS』と命名。第1弾のメインイベントでは、かつての“新日本本隊vs平成維震軍"となる「武藤&長州力&藤波辰爾&獣神サンダー・ライガーvs越中詩郎&ザ・グレート・カブキ&AKIRA&齋藤彰俊」が実現する。

 会見で武藤は「以前、俺が発した言葉で『思い出と喧嘩をしても勝てない』という言葉が取り上げられたことがありましたが、俺の一番イイ時の思い出…1990年代ですか。プロレスをもって“時"と真っ向勝負をしてブチ破りたいと思っております」と意気込み、「もしかしたら、俺たちがやってたプロレス…昔のプロレスと今のプロレスでは形態が変わってきてるのかな…なんて思っていて。その変わっていく部分へのちょっとした不満…というものもあったりして。そういうものをぶつけてみたい…という思いがありまして」と説明した。

 また、武藤は「その時(90年代に)応援してくれてた人たちはその時20歳だったとしたら、もう40歳になってるわけであって。そういう人たちに今俺たちが頑張ってるんだ…ってことを示して、少しでもエネルギーを与えることができたらな…なんて思っています」とも語った。この日はメインの一カードのみの発表だったが、その他のカードも“達人"を集めたものになるという。

 単なる“懐メロ"にはしたくない。そんな武藤が唱えたコンセプトに長州も共鳴した。「今のプロレスと張り合ってリングに上がる…というのは僕には無いんですよ。それはやろうと思っても絶対にできないことですから」と強調した長州ではあったが、“昔"にあって“今"に足りないものを見せていく点では、「その時代のプロレスと今の時代のプロレスの“違い"みたいなものは出るんじゃないですかね。その辺を僕は期待してるんですけどね」と話した。

 1年以上リングから遠ざかっている長州だが「上がる以上は意識を持って上がりますよ。我々のチームの中でも(対抗)意識はあるし。そういうものが自分の気持ちの中で無くなったらリングに上がれない。この業界のすべての選手に対しても、僕は意識して上がります。それは別にヘンな意味じゃなくて。それくらいの気持ちがないと、ホントにリングに上がるのはしんどい」と変わらぬプロ意識をのぞかせたうえで、「今回も(大会の)前のほうの試合では若い選手がどういう意識をもって動くか。そして僕らのカードはメインになってるから、僕は上がる限りは張り合って、全部飲み込む。そういう意識がないと、敬司に言われても上がれないですよね、ウン」と波及効果への期待も含んだ。

 とはいえ、会見では勝手知ったる“先輩・後輩"の和やかムードでベテランの余裕。今回のチームの中でもっともキャリアの浅いのが何と武藤で、「まだ時間がありますんで。一番“働ける"ように、一番目立てるようにコンディションを整えていきます」と殊勝に宣言。

 すかさず長州も「(長州合宿の定番である)サイパンついてくる?」と持ちかけながら笑顔。笑いの中にも「試合をしていて一番疲れたのは敬司とジャンボ鶴田さん」と振り返り、かつて「武藤が技をかけている間にたばことコーヒーがのめる」と話した武藤の“巧さ"を、「ズルい」と笑ってみせるなど、会見とはいえ“達人プロレス対談”さながらの空気に。ともあれ“昔”にスポットを当てた企画はこれまでもプロレス界では何度も行われてきたが、初めて武藤が仕掛ける“進化形レジェンド興行"の第一歩に注目となる。

 同大会の決定分カードと会見における武藤、長州の詳細コメントは以下の通り。


☆2/8(水)東京・後楽園ホール『PRO-WRESTLING MASTERS』18:00開場、19:00開始

▼メインイベント「プロレスリング・マスターズ集結! 蘇る平成維震軍 スペシャル8人タッグマッチ」
齋藤彰俊
AKIRA
ザ・グレート・カブキ
越中詩郎
(1/60)
獣神サンダー・ライガー
藤波辰爾
長州力
武藤敬司


【会見の模様】

▼武藤「WRESTLE-1のリングはですね、ここに来て若手中心で良い形でまとまりつつあるなか、若干俺自身が“浮いた形"になってきていて。そんななかで以前からやりたかったことがありまして。それがズバリ、今回の企画“PRO-WRESTLING MASTERS"であります。以前、俺が発した言葉で『思い出と喧嘩をしても勝てない』という言葉が取り上げられたことがありました。その思い出も、今思えば“時"と戦ったら勝てないのかな…なんて思うなか、俺の一番イイ時の思い出…1990年代ですか。プロレスをもって“時"と真っ向勝負をしてブチ破りたいと思っております」

▼長州「ホントに久々にこういう記者会見に出たんですけど、もう(リングを離れて)1年にもなりますが、『上がってみたい』と自分で思ったところは、今までどんな“田舎"であろうが、都会であろうが、『こういう志でやってんだな』と思ったところは上がってきました。今回、敬司から色んな意味で話を聞いて、『あぁ、だったら上がろうか』と。ただ、僕は1年近くリングを降りてますけど、考え方は昔と変わらないですから。リングの中で頑張ってコンディションを作って、自分なりの長州力というものを客に見せつけて、選手にも見せつけて。それがどういう風に見られるか。今さらあがいてどうのこうのっていうのは、まったくありませんから。僕は僕として“レスラー・長州力"というものをちゃんと作り上げてリングに上がりたいと思います」

――以前からやりたいと思っていた…というが、どんな考えのもとでそう思っていた?

▼武藤「もしかしたら、俺たちがやってたプロレス…昔のプロレスと今のプロレスでは形態が変わってきてるのかな…なんて思っていて。漠然としたものだから口では説明できないんですけど。その変わっていく部分へのちょっとした不満…というものもあったりして。まぁ今さら“昔のプロレス"なんて言っても、1990年代って言ったらもう20年も経ってますからね。ただ、そういうものをぶつけてみたい…という思いがありまして」

――ただ昔を懐かしむものではない?

▼武藤「点では終わらせたくないですけど、点で終わる可能性もあるし。まさしくこの“マスターズ"というのは直訳すると“達人"であって。プロレスの達人ばかりを集めたもの。“現存"するね。現存しない人も多くなってきてるなかで。まぁ線にはつなげたいとは思ってますけど、それも2月8日次第ですね」

――長州選手はこのコンセプトについては?

▼長州「何年か前に“レジェンド"を立ち上げて。今現在のプロレスと自分たちがやってきたプロレスと。その“違い"をみせるとかそういうのは僕には無いですね。一レスラーとしてその時代で頑張ってきたものがある。ファン層も間違いなく違いますからね。だからファンの人にとっては、ある部分見方がハッキリした興行ですし、今のプロレスとどうのこうの…っていうのはまったく無いですね。今のプロレスは新しいファンの中でニーズに応えてリングで頑張ってるし。それが今、反映されて、プロレスの世界は新日本を中心に頑張ってるってことは凄いことだな…と思います。今、敬司が言ったように、今のプロレスと張り合ってリングに上がる…というのは僕には無いんですよ。それはやろうと思っても絶対にできないことですから。間違いなくできないですから。でも敬司が言ったようなことを見せつけるというか、そういうものは一人で気負ってるのかもしれないですけど、その時代のプロレスと今の時代のプロレスの“違い"みたいなものは出るんじゃないですかね。その辺を僕は期待してるんですけどね」

▼武藤「プラスですね、その時(90年代に)応援してくれてた人たちはその時20歳だったとしたら、もう40歳になってるわけであって。そういう人たちに今俺たちが頑張ってるんだ…ってことを示して、少しでもエネルギーを与えることができたらな…なんて思っています」

▼長州「それは一緒だね」

――人選は武藤選手が行った?

▼武藤「はい。なかなか苦戦してですね。現存する選手がなかなかいないなかで。いち早く長州さんに相談したんですけど、なかなか重い腰は上げてくれなかった。ここに来て口説き落とすことができたことが良かったですね」

▼長州「藤波さんも入ってるし、藤波さんもこの場にいれば良かったな…と思うんですけど」

▼武藤「長州さん、マスターズはみんな忙しくってですね、暇な人がいなくて。ライガーは巡業いってるし。長州さんだけだったんですよ、つかまったのは」

▼長州「そっか(笑)」

――対戦カードについては?

▼長州「それは敬司がこういうコンセプトでやりたい…ってことで作ってるわけですから。僕はこの対戦カードがどうのこうのっていうのは無いですね。ここに来て初めて知りましたから。よくこれだけ揃えたな、と」

▼武藤「ズバリ、相手は当時の“平成維震軍"のメンバーを集めてるわけであってですね。やっぱりある種…同窓会みたいに見えちゃうかもしれないですけど、長州さんが常々言ってる“闘い"は見せていきたいとは思ってます」

――二人がタッグを組むのはいつ以来?

▼長州「ちょっと記憶にないですね」

▼武藤「全日本でも組んではいないですよね。そういった意味では(新日本時代の)20年ぶりくらいじゃないですか」

▼長州「やってる(戦ってる)ほうが多いよね」

――今になって長州、藤波と組むことについて?

▼長州「それは学ぶことだろ、お前が(笑) はっはっはっはっは(笑)」

▼武藤「まぁ過去、いろんなパートナーといろんなタイトルを獲った経験がありますので。ええ…多分大丈夫だと思います」

――武藤選手はこのタッグを組む4人の中ではキャリアが浅い方になるが

▼武藤「ライガーも俺の先輩だからね。一番下だよ」

――その分一番試合に出なきゃいけないと…

▼武藤「いや、たださっき控室で長州さんが『まだ俺のほうがコンディションいいだろ』って言ってたんで」

▼長州「はっはっはっは(笑)」

▼武藤「まだ時間がありますんで。一番“働ける"ように、一番目立てるようにコンディションを整えていきます」

▼長州「サイパンついてくる?(笑) はっはっはっは(笑)」

――他のカードもマスターズの選手が出てくる?

▼武藤「ほぼマスターズの選手を中心にマッチメイクされてますね。WRESTLE-1の選手も出るけど、もしかしたらそれは単なる“接着剤"でしかないかも」

――若い人がマスターズを感じる…ということはコンセプトには入っていない?

▼武藤「はい。もしかしたらね、俺もただ“楽しみたいだけ"かもしれない(笑)」

▼長州「でも、やっぱり意識はしてるはずだよ。下(若い世代)も。下が意識すれば、上も意識してくるし。プロレスってそういうもんだろう? 若いヤツが意識すればするほど、上の人間も意識するし。そういうところに時代の違いもあるんでしょうし、プロレスというものの面白さもあるんでしょうね。まぁ、どっかのバカが“田舎のプロレス"とかって発言してますけど、プロレスはプロレスで。何のプロでもそうですけど、上がる以上は意識を持って上がりますよ。今回だって敬司が作ったカードの中で、僕は凄い意識して上がりますよ。我々のメンバーの中でも(対抗)意識はあるし。そういうものが自分の気持ちの中で無くなったらリングに上がれない。それに、この業界のすべての選手に対しても、僕は意識して上がります。それは別にヘンな意味じゃなくて。それくらいの気持ちがないと、ホントにリングに上がるのはしんどいですよ」

▼武藤「そういう意味では長州さん、他のマスターズの選手も誘ってみたんですけど、やっぱりコンディションに自信の無い人からはお断りされたりもしてですね」

▼長州「ウン、コンディションは大事だからなあ。いたしかたないことで。でも敬司だってこうして笑ってるけど、リングに上がったら意識して。その雰囲気のなかで、普段には無い動きを出す…っていうこともあるかもしれない。不思議なんだよ、あのリングの中は。だから今回も前のほうの試合では若い選手がどういう意識をもって動くか。そして僕らのカードはメインになってるから、僕は上がる限りは張り合って、全部飲み込む。そういう意識がないと、敬司に言われても上がれないですよね、ウン。そういうものが無いと重い腰っていうのは上がらないですよ」

――武藤選手はもうWRESTLE-1本体には上がらない…ということではない?

▼武藤「マッチメイクの中で必要とされたら上がるし。さっき(長州が言った)意識というなかで、ただの消化試合で上がるだけの肉体じゃないから。やっぱり意識というか気持ちがないと闘いに臨めない」

▼長州「ウン、どうしてもそういう考えになっていくよね。現実問題、肉体っていうのはどうしても衰えていくわけであって。でも、これもありきたりな言葉だけど、敬司はヒザが悪いとかって言われてるけど、今の人たちがどれだけ敬司のキャラ(存在感)と並んだり、上回ったりしてるか。いないとは言わないですけど。やっぱり長年やってますから、こいつはこいつで“ズルい"考えで、自分のキャラをたもって…」

▼武藤「いやぁ…長州さんにこれだけ褒めてもらえると…」

▼長州「褒めてはいないよ!(笑) やっぱり、そういう(ズルい? うまい?)部分を意識しながら、タッグを組んでも『こんの野郎…』って思いながらね(笑) まぁ上がったらチームワークでやりますけど」

▼武藤「昔、長州さん、俺(武藤)が技をかけてる間に『たばことコーヒーが飲める』って言ってたことがあって(笑)」

▼長州「はっはっは。だから、そういう意味では僕はホントに苦手とした選手は敬司ですよね。それは間違いない。僕が苦手とした選手はジャンボ鶴田か武藤敬司かっていうぐらいですね。ものすごい疲れる! ホントに。それは(観ている側には)分からないと思いますよ。噛み合ってるようでまったく噛み合ってないですからね」

▼武藤「すげー、そんな気持ちでいたことないっすよ。長州さんと試合してて」

▼長州「だからお前は疲れることないんだよ!(笑) お前と鶴田さんはほんっっっっと!に、何倍もの汗をかきながら戦ったよ。それでも敬司は…ヒザがどうのこうのって叩かれるでしょうけど、こうやって頑張ってやってるわけですから。今の全体のプロレスを見て、敬司と同じか敬司より上に行ってるって存在はなかなか…。だから我々がとらえてるところ(価値を感じる部分)は、(今のプロレスと)多分違うところなんでしょうね。まぁ観る側はそこまで考えて観ることないですけど、だから面白いですよ、プロレスの中っていうのは。でも、そういう(価値観の)選手が全員ここ(マスターズ)に集まってるわけですから、面白いですよね。だから僕は僕なりに考えて、この中では良い雰囲気でできる…って考えて、今回敬司の話を引き受けたっていうのはありますね。その辺が本音だよ」

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