2/8【HOLY WAR】本田が25周年記念試合で潮崎&芦野と真っ向火花 “レスリング道"まい進誓う
『Holy War〜vol.4〜』神奈川・横浜ラジアントホール(2019年2月8日)
本田多聞デビュー25周年記念試合 ○潮崎豪&芦野祥太郎vs本田多聞&井上雅央×
25周年記念試合で本田が潮崎&芦野と真っ向から火花。最後はパートナーの井上を敗れてしまったが、充実感をあらわにし、今後もレスリング道をまい進していくと誓った。
アマレスの日本代表として3大会連続でオリンピックに出場した本田は、93年10月に全日本でデビュー。川田の後輩にあたり、リング上で絡んだ経験も多い。そんな本田の25周年記念試合が川田興行で実現。本田は「一番信頼できるパートナー」だという井上とタッグを組むことになった。アジアタッグ王座も戴冠したことのある2人が対戦するのは、かつてバーニングで共闘していたノア・潮崎とアマレス出身のWRESTLE-1・芦野だ。本田は日大レスリング部、芦野は日体大レスリング部出身で、両校は宿命のライバルにあたる。川田プロデュース興行のテーマである「ベテランvs現役」の図式となった。
川田から花束を受け取った本田は同期の志賀賢太郎から届いた花輪のパネルを持って、記念撮影に応じる。先発を買って出ると、いきなり芦野と対峙。グラウンドで激しいポジション争いを繰り広げると、差し合いで競り合い、レスリングの技術をぶつけ合った。体格で劣る芦野だったが、エルボースマッシュでカチ上げると、豪快な巻き投げをお見舞いする。本田も下がらずにやり返すと、潮崎を挑発。逆水平に被弾したが、得意の頭突きで譲らなかった。
その後、代わった井上が長時間捕まってしまうが、控えに回っても本田は見せ場を作る。カットに飛び込むと、芦野をスタンディングの肩固めに捕獲。潮崎も同じく肩固めで井上を捕らえて、結果的に元バーニングの2人が“共演"した。さらに、本田は芦野を回転地獄五輪に、潮崎を三角絞めに同時に捕獲する離れ技で大暴れ。芦野に俵投げで、潮崎にフィッシャーマンバスターでぶん投げられたものの、闘志は消えず、潮崎の左腕ラリアットを仁王立ちで受け止めると、飛行機投げの体勢から巧みに丸め込んでニアフォールを奪い取り、必殺のデッドエンドも敢行。潮崎は負けじと豪腕ラリアットを打ち返し、白熱の攻防で場内を沸かした。
終盤では井上との合体ストマックブロックなども披露。最後は潮崎の逆水平連打で虫の息になった井上が、ゴーフラッシャー、ショートレンジ豪腕ラリアットを立て続けに食らってごう沈したものの、本田は熱闘に満足げ。珍しくマイクを持ち、プロデューサーの川田、対戦相手の潮崎や芦野、同期の志賀に感謝のメッセージを送る。さらに、「私の一番やりやすいパートナーで、今日までお互いレスリングを続けていられて、今日は私の横に立ってくれて本当にありがとう」と井上と握手を交わした。
続けて本田は「今日の会場に足を運んでくれている、私の志を継いでレスリングの頂を目指す、私の教え子たち、今日は応援ありがとう。明日はキッチリ練習するぞ」とレスリングの愛弟子にゲキを飛ばすと、最後に「今日、皆さん感じていると思うんですけど、ハイエイジ、ヤング、その中で親と子供が違う選手を応援すると思うんですが、新しいプロレスの形を私は感じました。プロレスをやって、見て、楽しんでいただいて、最後にいいねと言って帰れるのが一番だと思います。家族で楽しめるプロレスの新しい姿を感じました」と新しい景色に刺激を受けたことを吐露し、「私を支えてくれた皆さん、本当にありがとう」と頭を下げて25周年記念試合を締めくくった。
バックステージでは、川田から「歳は自分と同じなんですけど、よくこの歳で…。やっている年数が短いというのもあるんですけど、未だにこれだけ活躍しているのは羨ましい話で。なんだかヤキモチ焼きたくなるぐらい頑張ってるなって」と激励された本田は、「プロも含めて全部ですけど、レスリングの山というのは高くてなかなか届かない。我々はみんなそれを目指してやっているんですけど、志賀のように道半ばで出てこれなくなってしまう人間もいたりするんですが、何かの形で山頂を目指すということを、この先も伝えていけたら」と気持ちを新たに。「レスリングの裾野を拡大して、親子でこういう試合を観に来て、みんなでいい気分になって、さあ、練習しよう、レスリングをやりたいと思うようなことを、この先も一日でも長く続けていきたいと思います」と今後もレスリング道をまい進していくと誓った。
【試合後の本田、川田】
――本田選手の25周年試合だったが?
▼川田「本田選手と田中稔選手。本田選手があれだけ喋ってくれると思わなかったんで、凄いビックリしました。同期の志賀賢太郎から正面に花が来てたんで。志賀は来てくれなかったけど、その花が来ていることをわかってもらうために、札だけ持ってきました」
――本田選手はかつての後輩や仲間との試合だったが?
▼本田「やっぱり勝ち負けを超えて、どこまでついていけるか…。あの2人に引っ張ってもらって、試合をしたようなところはありました。だけど、いいですね。思い切ってやって、終わって、やりきったと思えるっていうのはやっぱりいいです。デビューの時からの付き合いですからね、潮崎とは。井上さんとは長いですしね。一番タッグとしては小橋さんというイメージが強いですけど、アジアタッグでは井上さんとパートナーでしたから、ずっと。負けないままアジアタッグを返上してますし、思い入れのあるパートナーでした。やはり変わらずに…。リングの上で言った通りです」
――芦野選手とはレスリングの攻防をする場面が多かったが?
▼本田「芦野選手の出身校が自由が丘(学園)。先生が私とオリンピックに行っている奥山先生なんですよね。その部分もあって、どういう選手なんだろうと気になってました。学生時代は、日体大と言えば我々日大のライバルで、彼はグレコ、私はフリー。どっちがどうなるんだろうという部分があったので、そこで来いと」
▼川田「グレコをやってたんで。俵返しをやってね」
▼本田「日体大のグレコのキャプテンだったらしいですね」
▼川田「この体を俵返しできるって凄いですよ」
▼本田「凄いですね。久しぶりに…杉浦以来じゃないですかね。ああいう風に投げられたのは」
――本田選手の試合を見てどうだった?
▼川田「本当に素晴らしいですね。毎回毎回言っているんだけど、歳は自分と同じなんですけど、よくこの歳で…。やっている年数が短いというのもあるんですけど、未だにこれだけ活躍しているのは羨ましい話で。なんだかヤキモチ焼きたくなるぐらい頑張ってるなって。マイクは予想外に喋ってくれて、ビックリしました」
――25周年記念試合を終えた今後の抱負は?」
▼本田「あえてレスリングって言いますけど、プロも含めて全部ですけど、レスリングの山というのは高くてなかなか届かない。我々はみんなそれを目指してやっているんですけど、志賀のように道半ばで出てこれなくなってしまう人間もいたりするんですが、何かの形で山頂を目指すということを、この先も伝えていけたら。レスリングの裾野を拡大して、親子でこういう試合を観に来て、みんなでいい気分になって、さあ、練習しよう、レスリングをやりたいと思うようなことを、この先も一日でも長く続けていきたいと思います」
――明日も練習で?
▼本田「はい。今日も何人か来てましたけど」
▼川田「そういう教え子たちがドンドン育ってきて、いろんな方面に向かってくれたらね」