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8/26【TAKAYAMANIA】高山支援メインで30分熱闘…鈴木と丸藤が握手、聖地から1500人「ノーフィアー」大合唱 帝王は“8・26恒例化"希望

『TAKAYAMANIA EMPIRE 2』東京・後楽園ホール(2019年8月26日)
△鈴木みのる&鈴木秀樹vs田中将斗&丸藤正道△

 欠場中の高山を支援する興行『TAKAYAMANIA』のメインで、みのる&秀樹と丸藤&田中が30分時間切れ引き分けの熱闘を展開。試合後、VTRで登場した高山は“8・26夢のオールスター戦"の恒例化を希望し、復帰への思いを新たに。恩讐を超えて丸藤と握手を交わしたみのるは、1500人超満員の後楽園から「ノーフィアー」の大合唱を盟友に送った。

 高山は2017年5月に首を負傷。頚椎完全損傷と診断され長期欠場に突入し、懸命にリハビリと治療に励んでいる。そんな高山を激励し戻ってくる場所を作るべく、みのるが発起人となって昨年8月に『TAKAYAMANIA』を開催。そして、今年も2回目となる大会が行われ、団体の枠を超えた34選手が集結した。

 8月26日は40年前に日本武道館で「プロレス夢のオールスター戦」が行われた記念日。プロデューサーを務める高山自らこの日の大会開催を望んだ。メインイベントに登場するのはみのると秀樹の“W鈴木"コンビ。高山は2人の師匠に当たる「カール・ゴッチ&ビル・ロビンソン組」をイメージしたという。対するはノアとZERO1のトップ選手である丸藤と田中。みのると丸藤は2016年12月に鈴木軍がノアを撤退して以来、2年8ヵ月ぶりの対戦で、TAKAYAMANIAらしい刺激的な顔合わせとなった。

 いきなりみのると丸藤の絡みが実現。かつてタッグを組んでいたこともあるだけに、お互いをけん制して静かな立ち上がりに。しかし、打撃戦になるとヒートアップ。みのるの胸板への張り手と丸藤の逆水平が激しく交錯した。

 一旦控えに回ったみのるだったが、エプロンから丸藤をぶら下がり式腕十字で丸藤を捕獲。そのまま場外乱闘に持ち込むと、丸藤を実況席に連行し、羽交い締めにして解説者を務める小橋建太に逆水平を打つよう促す。が、丸藤が体勢を入れ換えてみのるを捕獲すると、そこに小橋が逆水平をぶち込み、昨年に続いてみのるが餌食になってしまった。

 一進一退の攻防が続いたが、20分を超えると、それまで緊張感を漂わせて距離を取っていたW鈴木が合体。交互にエルボーをぶち込んで丸藤をメッタ打ちにした。

 両軍勝負に出て試合はさらに白熱。田中のスライディングD、秀樹のダブルアームスープレックスが交互にさく裂して大の字になると、今度はみのると丸藤だ。胸板への張り手、逆水平を激しく打ち合う。みのるは「来いよ、丸藤」と叫ぶと、胸板を突き出して連射を受け止める。丸藤も呼応して手招きすると、今度はみのるは張り手を連打。いつ果てることなく意地の打ち合いは続き、場内は熱を帯びた。互いに胸板を真っ赤に張らして意地を張り合うと、残り1分を切ったところで、みのるはエルボーに切り換えたが、丸藤もトラースキックから虎王を乱れ打って猛攻を浴びせる。しかし、みのるも残り30秒のコール直後にゴッチ式パイルドライバーを敢行。だが、ダメージを引きずりにフォールにいけず、30分時間切れ引き分けとなった。

 試合が終わればノーサイド。両軍は握手を交わす。みのると丸藤はしばらくにらみ合ったが、最後に握手を交わすと場内はドッと沸いた。みのるは出場選手、さらに小橋、山崎一夫、来場していた垣原賢人や桜庭和志、そして高山の息子をリングに呼び込んで、記念撮影に。そして、みのるが「実はメッセージが来てるんだよ」と宣言すると、ビジョンに病室にいる高山の姿が映し出された。

 高山は「本日は「TAKAYAMANIA EMPIRE 2』、8・26夢のオールスター40周年記念大会にご来場ありがとうございました」とあいさつ。そして、「これは勝手に言ってます。夢のオールスター戦40周年と言うと、新しいファンはおわかりではないかもしれませんが、馬場&猪木の両名が久々にタッグを組んだ夢の舞台でした。その夢の舞台に負けないような試合が本日、レスラーたちのおかげで繰り広げられたと思います。これは本当に夢で終わらせたくないことだと思うので、もう僕がやるかどうかはわかりませんが、プロレス界は8・26、このまま今後、毎年1年に1回はやってほしいですね」とオールスター戦恒例化を提案。場内は大歓声に包まれた。

 さらに、高山は「ホントにちょっとずつですが、(感覚が)戻っているような気がします。1年前とどこが違うと言われると、これが違うというのを明確に映像でお伝えできないのが残念ですが、明らかに自分の中では感覚が違いますので」と回復状況を説明。「いつの日か本当に、去年も言いましたが、鈴木みのるにビッグブーツをかませる日が来ると思って、リハビリに励んでます。また皆様にお会いできる日が絶対来ると信じて頑張りますので、今後ともご支援よろしくお願いします」と改めて復帰への決意をあらわにした。場内には高山コールがこだまする。

 盟友のVTRメッセージを受けて、みのるは「最後にいつも高山が若い時からノーフィアーって叫ぶじゃない? ノーフィアーの意味知ってる? 怖いもの知らず、怖いものなし、恐れ知らず…。あいつはいつも叫ぶ。ノーフィアーって。で、この間、高山善廣vsドン・フライを見返したら、あんな試合、怖くないわけねえだろ? 高山は若い時から言っているけど、ノーフィアーって俺は怖いもの知らず、俺は何にも怖くねえぞってことじゃなくて、今から怖いものに向かっていくから、俺は怖くないぞって自分のことを鼓舞するために叫んでいるんじゃないかなって思うんです」と戦いに向かう高山の思いを代弁した。

 そのうえで、「考えてみ? ある日、突然、首から下が動かなくなって、自分で飯も食えなくなって、トイレにも行けなくなって。想像してみ? そんなの怖いに決まってるじゃん? だけどあいつは俺らとは比べものにならないぐらいものと戦っているんで。怖いけど戦っているんで、この言葉をみんなで送ってあげよう。ノーフィアーって」と観客に呼びかけた。そして、「今病院にいる高山にみんなの声を届けよう。頑張れって」とアピールし、最後は会場一体になって「いくぞ、ノーフィアー!」と大合唱で締めくくった。

 終了後は入場口で自ら募金箱を持って支援を呼びかけたみのる。コメントブースでは改めて「この大会はまだ2回目。3回目、4回目、5回目って続けていくことに意味があると思うし、高山の現状は莫大な治療費がかかります、これからも。少しずつ良くはなっているけど、プロレスファンの皆さん、1人1人の力添えがまだまだ必要なんで」と大会継続を宣言し、深々と頭を下げていた。

【試合後のみのる&秀樹】
――2回目の大会も盛況に終わったが、大会を終えた感想は?

▼みのる「今回は前回以上に出ている選手のほうから『今回出させてくれ』って自分からの逆オファーというか、協力したいと言ってくれる人がたくさんいたんで。ありがたいことに。高山少年がプロデュースする夢のオールスター戦みたいなのを年に1回ぐらいできたらなと思いましたけど、どうなんだろう? 性格悪いからな、こいつ(秀樹)が」

▼秀樹「そうなんすよね…」

――秀樹選手は?

▼秀樹「まあ、あれだけお客さんが来てくれて、これだけレスラーが参加して、フロントもいっぱい参加して、記者もいっぱい来てくれているんで。パンフレットもチラッと見たんですけど、みのるさんが言ってた、何でもそうですけど、段々風化と言ったら変ですけど、時が流れていくと少しずつ縮小していくもんなんですけど。形はいろんな形があると思うんで、熱量を変えずにやれるといいなと思います」

▼みのる「今回はいいんじゃない? こんだけ(記者)が来てくれたからね。この間、俺がオカダに勝った時より多いもん。これは記事になるだろうと。前回はそんなはずないだろうと思ってたから、用意してなかったんじゃない?」

▼秀樹「ああ、ないだろなと」

▼みのる「だから、俺はお前ら嫌いなんだよ。まあ、いいけど」

▼秀樹「僕は皆さん好きですよ。いっぱい書いてください。みのるさんのところ、全部秀樹って名前に書き直して。写真とかは全部みのるさんでいいんで。何の話でしたっけ? 今日の大会か(笑) よかったです。もう全部言ってくれたんで。控え室でモニター見てても楽しかったです」

▼みのる「みんな楽しいんだよね。選手も楽しんだし、お客さんも楽しんだし。モニターでチラッと見たら、NOSAWAのバカが一番楽しんでたよね。椅子をもっとくれ、もっとくれって。あれはやり過ぎだよね。あれは欲しがり。今日はいろんなしがらみが。それぞれの団体からいろいろあったりとか、あいつとはタッグを組める、あいつとは組めないとか、いろんなことがあったんだけど、みんなが高山のためにこうして。俺なんか二度と顔も見ることもないだろうと思ってた丸藤とまたこうやって会うとか、これもまた1つの縁だよね」

▼秀樹「あとは高山さんの評価を聞きたいですね」

▼みのる「今日は実際、生放送で見れてないらしいんだよ。今の病院は生放送で見るのは難しいと。明日、楽しみに待ってるよ、あいつ」

▼秀樹「また、次行った時、僕は怒られなきゃいいなと思うんですけど」

▼みのる「『あそこさ…』って言われるよ」

▼秀樹「しょっぱいと言われても…。でも、もともとしょっぱいか」

▼みのる「この大会はまだ2回目。3回目、4回目、5回目って続けていくことに意味があると思うし、高山の現状は莫大な治療費がかかります、これからも。少しずつ良くはなっているけど、プロレスファンの皆さん、1人1人の力添えがまだまだ必要なんで、ぜひこれからも。募金箱はパイルドライバーにも置いてあるし、主要プロレス団体にも募金箱を置いてますんで、そちらのほうで。本当にポケットの中の10円でもいいんで。1円でもいいんで。1円玉1個、1億人がいれたら1億円になるんで、それぐらいの気持ちでやっていこうかなと思っています。これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。最後、ノーフィアーでいくか」

▼みのる&秀樹「ノーフィアー!」


【試合後の丸藤&田中】
――試合の感想は?

▼丸藤「今日は本当に高山さんのためというか、高山さんの願い、そういうものが、いろんなものが含まれた興行で。だからこそのこのマッチメイクだったと思うし。田中選手ほど心強いパートナーがいなかったんで。久々の鈴木みのる、相変わらずですね。やっぱり嫌いですね」

▼田中「最後、2人が凄く意地の張り合いをやってたんでね。ここに入っていくより、見てたほうがおもろいちゃうかっていう気持ちがコーナーで見ててあって。熱い戦いを見せてもらって。他の3人とはこのような機会でしか絡めなかったと思うし、高山さんには凄く感謝してます」

――試合後には握手を交わしたが?

▼丸藤「それはもう、全て高山さんがあってのことだから。今から控え室のほうに戻れば、もう別々の控え室だし、一言も喋んねえし、これからもまた連絡取ることもないと思うし。でも、こうやって何かの縁でリングで会うことがあれば、ああいう風に熱くなるっていうか。本当は時間内に勝負を決めるっていうのも1つの見所だと思うんですけど、それよりも何よりもお客さんだったり、高山さんが一番みたい乗って言うのは俺らの熱い戦いだと思ったんで。最終的にちょっと田中さんには申し訳なかったんですけど、ああいう形になっちゃったかなって」

▼田中「いやいや、いいもの見せてもらいました」

プロ格 情報局