1/2【大日本】“1月2日男"塚本返り討ち 小林がデスマッチ王座V1、25周年へ「俺から目を離すな」
『新春・年初めのデスマッチ』東京・後楽園ホール(2020年1月2日)
BJW認定デスマッチヘビー級選手権試合 ○アブドーラ・小林vs塚本拓海×
過去同日に3度の挑戦を経験している“1月2日男"の塚本を蛍光灯222本デスマッチで返り討ちにして、小林がデスマッチヘビー級王座V1。25周年記念に向けて「俺から目を離すな!」と吠えた。
小林は昨年の12・18文体で木高イサミを破り、2年8ヵ月ぶりにデスマッチヘビー級王座に返り咲き。25周年旗揚げ記念イヤーを王者として迎えた。記念大会となる3・16横浜文体が少しずつ近づく中、迎えた今宵の初防衛戦。相手はBASARA所属の塚本だった。
塚本にとって1・2後楽園は因縁の大会にあたる。2014年、2018年、2019年と過去同日に3度デスマッチ王座に挑戦。全てベルト奪取を逃してきた。今年もこの大会に照準を絞って挑戦表明。形式は「2020年1月2日」にちなんだ蛍光灯222本デスマッチとなったが、塚本はこれまでの鬱憤を小林にぶつけてきた。
四方のロープに大量の蛍光灯が吊される中、あとから小林が入場。エプロンに上がったところを、塚本が自身の代名詞的凶器・MEGハンマーを振り回して奇襲すると、蛍光灯が弾け飛ぶ。塚本は躊躇なくさらに蛍光灯を束にして小林に投げつけると、場外ではその破片を額に突き刺して流血に追い込んだ。小林も無数の蛍光灯を巧みに使って頭突きや背中への手刀で巻き返したものの、「愛してま〜す」からのダイビングチョップは塚本が阻止。コーナー上の小林にビニール袋を被せて呼吸困難にすると、雪崩式ブレーンバスターをお見舞いした。
蛍光灯の破片が散乱するリング上で引きずり回して背中を切り刻むと、容赦なく蛍光灯を王者に投げつける。小林は蛍光灯を使ってのバカチンガーエルボードロップを繰り出して反攻すると、箱に入った残りの蛍光灯を無造作にリング上にまき散らし、そこめがけて挑戦者を投げ飛ばそうと試みたが、塚本は背後に間一髪で不時着。王者の顔にビニール袋を被せ、窒息ずどんで逆転を試みたが、小林は自らの口に蛍光灯を刺して、空気穴を作ると、そこから袋を引きちぎって抵抗する。
それでも塚本は構わず体勢を崩しながらずどんを強行。無数の蛍光灯が割れる衝撃音に場内がどよめく中、「起きろ、小林!」と叫んで低空延髄斬りを放つと、蛍光灯を何十本も自らの頭でへし折って気合いを入れ、塚本コールを巻き起こした。
興奮状態の塚本はロープに吊された蛍光灯を鷲づかみにして何度も投げつけるが、一歩も引かない小林も背中を向けて仁王立ち。不意を突く秘策のニールキックを突き刺すと、塚本以上に大量の蛍光灯を掴んで、何度も叩きつける。幾度となく蛍光灯が割れる衝撃音が場内を包んだが、直撃を受けた塚本が崩れ落ちると、小林はダイビングバカチンガーエルボードロップを投下する。なおも塚本が沈まないとみるや、投げ捨てジャーマンをお見舞い。粘る塚本はムクリと立ち上がって突進したものの、小林は地獄突きで迎撃。ロープに残る蛍光灯を自らの手刀で払いのけると、ダイビングバカチンガーエルボードロップ2連発でダメ押しし、塚本を仕留めた。
大量の蛍光灯が飛び交う大乱戦を制して、小林がデスマッチ王座V1。12・29大阪大会を高熱のために欠場し、万全とは言えない体調だったが、それでも虎の子のタイトルを死守した。
血まみれになりながらも、「これが大日本プロレスだ!」と勝利の雄叫び。「塚本、お前のやる気、全て受け止めたぞ。でもな、大日本プロレス25年の歴史が俺には全て詰まっている。動きが遅いが、ひっくり返すのは大変だぞ。俺に勝つっていうことはな…今の俺に勝つってことはな…結構大変だぞ」と小林らしい言い回しで王者のプライドを見せつけた。
一方、塚本は「今の小林に勝つっていうのは、結構大変というのは今日身に染みてわかりました。肌で感じました」と潔く王者をを認めたものの、入場式で小林が呼びかけた「外出時はうがい手洗い忘れずに」の標語を観客がすでに忘れていることを指摘し、「うがい手洗いにマスクをするのはテメエだろ!?」と数日前まで体調不良だった小林をチクリ。「1月2日は俺だっていうのはまだ諦めてないからな。結果を出してこそ1月2日は俺だってことだよ。何回でも挑戦してやる、そして、今度こそ殺してやるよ」と闘志むき出しに言い放った。
去っていく塚本を「負けてもイキがいいっていうのはいいな」と称えた小林は、「けどな、俺はキャリア25年になる。キャリアにしがみつこうって気はねえぞ。最新の小林が最強の小林だ」と高らかに宣言。次期防衛戦の日取りは決まっておらず、挑戦者候補も現れなかったが、「今後の展開は俺のTwitterを見ててください。2020年、大日本というか、俺から目を離すな!」と主役奪取を予告した。
最後は「今年の大日本は進んでいくぞ。俺も進んでいくぞ。ドンドン進化していってやる。そのためには皆さんの愛が必要です」とアピールしてから、「大日本プロレスファンの皆さん、愛してま〜す」と拳を突き上げて締めた。
今日は昼間の全日本後楽園とダブルヘッダーで出場し、早くも獅子奮迅の活躍を見せている小林。25周年記念イヤーの主役を譲る気はさらさらない。宣言通り、さらなる進化を遂げて、デスマッチ王座を死守する構えだ。