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3/7【新日本】鷹木が石井を死闘突破 悲願のNJC制覇へ「1番じゃなきゃダメなんです」

『NEW JAPAN CUP 2022』東京・大田区総合体育館(2022年3月7日)
1回戦 ○鷹木信悟vs石井智宏×

 鷹木が死闘の末に石井を突破。NEW JAPAN CUP2回戦進出を決めると、悲願の初制覇に向けて「どっかの偉い政治家さんが言ってたな。なぜ1番にこだわるんでしょうか? 2番じゃダメなんでしょうか? 俺がお答えしよう。ダメなんです。1番じゃなきゃダメなんです。やるなら優勝じゃなきゃダメなんです」と宣言した。

 1・4東京ドーム大会で、鷹木はIWGP世界ヘビー級王座から、石井はNEVER無差別級王座からそれぞれ転落。石井はリマッチでも敗れており、両者ともに再浮上を狙って、今年のNEW JAPAN CUPを迎えた。過去にNEVER王座戦やG1公式戦などで何度も激闘を繰り広げてきたが、直近のシングル戦となる昨年のG1公式戦では鷹木がラスト・オブ・ザ・ドラゴンで勝利していた。

 鷹木は手書きの龍が刻まれた真新しい白いガウン姿で入場。昨年は悔しい準決勝で終わったNEW JAPAN CUPに向けて並々ならぬ気迫を漂わせる。一方、石井はタイツ姿の臨戦態勢で登場した。

 のっけから激しい肉弾戦で幕開け。石井は強烈なビンタで張り倒す。たまらず鷹木は場外に転落。あとを追った石井は鉄柵やエプロンにしつこく叩きつけると、「どうした、オイ!」と挑発した。呼応した鷹木は自らエプロンに頭を叩きつけて気合いを入れると、エルボー合戦に発展。デスバレーボムで石井に大ダメージを与えると、試合は鷹木ペースに。石井は「来いよ」と勝ち気に叫ぶも、鷹木のパワフルな攻撃が続いた。

 フラフラになった石井だったが、カウンターのパワースラムで反撃ののろし。鷹木のビンタやエルボーを表情ひとつ変えずに受け止めながら、強烈な逆水平を喉めがけて乱射する。鷹木が巻き返しに出ても、真っ向から応戦。ショートレンジのパンピングボンバー連発を正面から受け止めると、壮絶なバックドロップ合戦でも意地で押し勝った。そして、雪崩式ブレーンバスターでぶっこ抜く。

 鷹木の意地にも着火。急角度のDDTやコーナーめがけての投げ捨てパワーボムで試合を立て直すと、石井に負けじとコーナー最上段から雪崩式ブレーンバスターを敢行した。石井の猛抵抗をものともせずに、熨斗紙、パンピングボンバーも火を吹く。

 しかし、石井は屈せず。豪快な頭突きでアゴをカチ上げて、強引に形勢打開。試合を五分に戻すと、2人の情念はさらに燃え上がる。石井がこん身のラリアットを振り抜いても、鷹木はカウント1でキックアウト。逆に鷹木がお株を奪う垂直落下式ブレーンバスターを決めても、今度は石井がカウント1で肩を上げた。鷹木のパンピングボンバーも、石井のラリアットも互いにカウント1で返し、壮絶な意地の張り合いとなる。

 ラリアットの相打ちから、石井は延髄斬りを叩き込み、ラリアットを狙って突っ込むが、腕を絡め取った鷹木は急角度のMADE IN JAPANでマットに突き刺す。石井はここでも肩を上げたものの、鷹木はグーパンチ、投げ捨てドラゴンスープレックス、スライディングエルボーと怒とうのラッシュ。最後はラスト・オブ・ザ・ドラゴンで熱戦に終止符を打った。

 新日本旗揚げ51年目の初戦、しかも旗揚げの地・大田区のメインで鷹木が激勝。NEW JAPAN CUP1回戦を突破を果たした。一方、石井は3年連続の1回戦脱落に。勝負が決して、互いに大の字になっても、2人の気持ちは燃え上がったままで小競り合いを展開。石井はセコンドをはね除け、自分の力で歩いてバックステージへと消えていった。

 「やっぱりあのオッサン、頭おかしいな」とらしいマイクで石井に最大限の賛辞を贈った鷹木は、「いろんなプロレスがあるかもしれないが、これもプロレスだ」と満足げ。ふらつきながらも「改めまして、改めまして、改めまして…来た来た来た!」と吠えた。

 「昨年同様、1回戦から強烈な対戦相手だったが、なんとか勝ち進むことができた。昨年は確か準優勝。準優勝という言葉だけ聞いたら響きはいいかもしれないが、実際は優勝決定戦でオスプレイにボロボロにやられて、俺としては後味の悪い結末だった。だからよ、せっかく出るんだったら、優勝しなきゃ意味がねえってことだよ」と悔しい結果に終わった昨年のNEW JAPAN CUPを振り返った鷹木。悲願の初優勝に向けて、「どっかの偉い政治家さんが言ってたな。なぜ1番にこだわるんでしょうか? 2番じゃダメなんでしょうか?」と、かつて民主党(当時)の蓮舫参議院議員が事業仕分けおける議論で発した言葉を引用した。

 鷹木の答えは単純明快だった。「俺がお答えしよう。ダメなんです。1番じゃなきゃダメなんです。やるなら優勝じゃなきゃダメなんです」と断言。決意をあらわにした鷹木は「よし、今年こそはやってやるぞ。NEW JAPAN CUPの優勝というテッペンを目指して、龍の如く駆け上っていくぞ」と改めて誓いを立てて大田区大会を締めくくった。

 バックステージでは「俺は昨年、IWGP世界ヘビー級チャンピオンにもなって、東スポプロレス大賞のMVPにもなったが、俺の野心は全然満足してねえんだよ。こんなもんじゃねえんだよ」と野心をむき出しにした鷹木。「俺の野心を達成するためだったら今回のトーナメントに限っては、同じ軍団のヒロムだろうが、SANADAだろうが、内藤だろうが、真っ向から叩き潰してやるよ。それがッ! プロレスラーだろ?」と同門対決を辞さぬ覚悟をアピールした。

 2回戦は3・13尼崎大会。昨年のG1でシングルプレイヤーとしての実力を発揮したタンガ・ロアと対戦する。

【鷹木の話】「(※イスに座って、しばらくペットボトルの水で額を冷やしてから)いやあ、キツかったね、キツかった。ホント、紙一重だよ、紙一重。一瞬でも気を抜いてたら俺が負けてた。負けてたに違いないよ。あいつには、石井には石井の世界がある。俺には俺の世界がある。ただ一つ分かったことがある。俺たちには俺たちにしかない世界があるかもな。別に因縁も冠もいらねえよ。ただただ負けたくない。その一心でここまで出来るんなら、こんなことを聞いたら石井のオッサンは『うるせえよ、顔じゃねえよ』って言いそうだけど、俺はそう思ったね。またいつでもあいつとはやってやるよ。だが、トーナメントとしては俺はスタートダッシュをしたいから1回戦、この勢いを持って一気に行くぞ。なんか武道館の開幕戦を見た時に試合後のコメントで、オカダが『チャンピオンの僕が優勝して盛り上げなきゃいけないでしょう』って。それを聞いた時に『バカ野郎! ふざけんな!』って思ったな、俺は。それは新日本プロレスと新日本のファンからしたらそれを求めてるかもしれんが、俺らレスラーからしたらそんなものは関係ねえんだよ、オイ! 勝ったヤツが盛り上げる! それでいいだろう。俺は昨年、IWGP世界ヘビー級チャンピオンにもなって、東スポプロレス大賞のMVPにもなったが、俺の野心は全然満足してねえんだよ。こんなもんじゃねえんだよ。俺の野心を達成するためだったら今回のトーナメントに限っては、(※イスから立ち上がって)同じ軍団のヒロムだろうが、SANADAだろうが、内藤だろうが、真っ向から叩き潰してやるよ。それがッ! プロレスラーだろ?」

※石井はノーコメント

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