12/19【タカタイチ興行】鷹木がタイチKOでKOPW死守 最終興行惜敗もタイチ「タカタイチ、イチバーン」締め
『タカタイチ2人合わせて50周年記念サヨナラタカタイチ興行』東京・国立代々木競技場・第二体育館(2022年12月19日)
「KOPW 2022」争奪戦 ○鷹木信悟vsタイチ×
鷹木が死闘の末にタイチをKOし、KOPW2022を死守。タカタイチ最終興行で惜しくも敗れたタイチだが、「タカタイチ、イチバーン!」の叫びでタカタイチ最終興行を締め、TAKAみちのくら盟友たちに別れを告げた。
KOPW保持者・鷹木に挑戦を迫ってきたタイチは「ふさわしい舞台」としてタカタイチ興行・代々木大会のメインを用意。鷹木も受諾し、「鷹木式ラストマン・スタンディングマッチ・ランバージャックデスマッチ」で対決することになった。相手から3カウントピンフォールを奪った後、ダウンカウント10でKOしたら決着となるルールで、場外に転落した選手はリングサイドを取り囲んだ選手たちによってリング内に押し戻される。
両者は序盤から相手を場外に落とし合ったが、先手を取ったのは鷹木。バックエルボー、左ラリアットの連続攻撃、セントーン連射で攻め込む。タイチも逆水平合戦、ノド輪合戦に持ち込み、差し合いから上手投げで鷹木を場外に叩き落とす。戻された鷹木をタイチ式外道クラッチで丸め込んで3カウントを奪うと、技を解かずKOを狙った。
立ち上がった鷹木にタイチはアックスボンバーで追い討ち。天翔十字鳳が不発に終わってもローリングソバットを打ち込み、ノド輪落としで叩きつけた。鷹木がバックドロップで反撃しても、バックドロップで応戦。次の瞬間、鷹木も意地のパンピングボンバーを叩き込んだ。
両者はアックスボンバーとパンピングボンバーの相打ちを繰り返して意地をぶつけ合う。差し合いから鷹木がお株を奪う上手投げを決め、MADE IN JAPANを連発して攻め込めば、タイチは横綱式かち上げエルボーをぶち込んで譲らず。ステップキック連打を浴びせたが、鷹木がお株を奪うジャンピングハイキックで応戦。タイチも延髄アックスボンバー、ジャンピングハイキックで徹底抗戦。天翔十字鳳、パワーボムとたたみかけて3カウントを奪った。
だが、鷹木も意地で立ち上がる。ならばとタイチはノド輪落としの要領で鷹木をコーナー金具に激突させ、雪崩式ノド輪落としを狙ったが、鷹木が決めさせず。逆に雪崩式デスバレーボムでタイチを叩き落とし、ダブルダウンとなった。
ともに立ち上がると両者はショートレンジアックスボンバーとショートレンジラリアットを打ち合う真っ向勝負で火花。ミドルキックとパンピングボンバーの打ち合いに突入し、タイチがノーモーション頭突きをぶち込めば、タイチは上手投げでやり返す。「オー!」からのバックドロップホールドで3カウントを奪った。
それでも鷹木は立ち上がる。CR IIの体勢から急角度のパワーボムで突き刺し、タイチがジャンピングハイキックやハイキックで反撃しても、パンピングボンバーで返り討ち。ラスト・オブ・ザ・ドラゴンを爆発させて3カウントを奪うと、タイチは立ち上がれず。10カウントが数えられ、鷹木のKO勝利が決まった。
鷹木が死闘を制してKOPWを死守。試合後、自作のトロフィーを手にした鷹木に新日本が新たに制作したトロフィーが贈呈された。大の字のままのタイチに鈴木軍メンバーが寄り添う中、鷹木はマイクで「タイチ、何度やっても紙一重だ。お前としては面白くない、ただただしんどいルールかもしれないが、会場のお客さんは楽しんだんじゃないか?」と呼びかけた。場内が拍手と歓声に包まれると、鷹木はかつてジャイアント馬場にピンフォール勝ちを収めた時の天龍源一郎のように「今日の試合は東京ドームより重いよ!」とキッパリ。「最初はKOPWに引きずりやがってって頭に来たけど、終わってみたら有意義な一年だったよ。レスラーは熱い戦いができれば最高の気分なんだよ!」とタイチにメッセージを送り、締めを託して去っていった。
するとTAKAが「タカタイチでスタートした時、100人、200人、新宿FACE、新木場、千葉BlueFieldってのもあったな。ジュニアの雑魚1号、2号みたいだった俺とタイチがこんな大舞台で熱い試合して、やりたいこといっぱいやって、いろんなドラマが生まれて、タカタイチをやってきた意味、凄くあったんじゃないかなと思うよ。俺とタイチだからこそできたことだと思うし、もうやりつくしたと思うし、今日俺は負けた、タイチも負けた。これもタカタイチらしくてよかったんじゃないかなと俺は思う。タイチがいたから俺はここまでやれたと思うし、9年間ありがとうな」タイチに向かって熱いメッセージを送った。
場内がタイチコールの大合唱に包まれる中、タイチは「鷹木、今日この舞台に出てきてくれて、この1年、俺に付き合ってくれてありがとな。お前とやってきて一つも間違いなかった。今日もここまで俺を叩き潰してくれて感謝してる」と鷹木に感謝。「今年で鈴木軍解散。もはや俺に手を差し伸べるヤツなんて一人もいないだろ。ただ、長年の腐れ縁、TAKAありがとう。感謝してる。TAKAともここでさよならだ」とTAKAにも感謝しつつ別れを告げた。
あべみほ、鈴木軍メンバーにも感謝したタイチ。TAKAが呼び込む形で鈴木軍メンバーがリングに集結すると、鈴木が「せっかく鈴木軍が揃ったから鈴木軍って言いたいところだけど、ここはタイチ、お前が締めろ」とマイクを渡した。タイチは「ボロクソに言われたTAKAと俺が始めたことが、こんなでけぇ舞台、こんな大勢の舞台にたどり着くとは思わなかったな」と感慨をのぞかせると、「しかも二人そろって負けて、そんな俺らクズか? ゴミか? カスか? 俺ら何番だよ?」と問いかけた。場内から「一番!」の声が飛ぶと、タイチは「じゃあ今日だけ一番だ。タカタイチ、本当に今までありがとうございました。俺たちタカタイチ、イチバーン!」と叫んでタカタイチ最終興行を締めた。
バックステージでタイチは疲労困ぱいとなりながらも「この結果になって、俺も全力出し切った。一つも悔いはない」と言い切り、改めて鷹木に感謝した。「鈴木軍が終わるってことは、俺らもいったんケジメつけなきゃいけない」との思いからタカタイチ興行に終止符を打つことを決めた。そのメインで勝利による有終の美はならず。2023年へ向けて「来年からはそんな俺らもそれぞれ別の道を行くんだろう。今日少し結果を出せばまた俺とやってもいいよとか、タイチ面白そうじゃん、俺と組むか、俺と試合やるかって言ってくれるヤツいたかも知んねぇけど。今後、この結果。何も1年残せなかった。ここから孤独な戦いが…孤独軍団でやっていってやるよ」と話していた。
【タイチの話】「俺、生きてる? この世? 生きてる? はぁ、鷹木。すっきりしたよ。ありがとう。自分の実力を思い知らされた。鈴木軍最後に一つ手土産獲りたかったけど。リング上で一つ言い忘れた。ノブおじの名前出すの忘れた。ボコボコにされすぎて、ノブおじが今日いないし、申し訳ない。今頃酔っぱらってひっくり返ってるかもしれないけどごめん。それぐらいボコボコにされたよ。鷹木に感謝してるよ。お前と戦って一つも悔いはない。この結果になって、俺も全力出し切った。一つも悔いはない。全力出し切ってこの結果。下手したら東京ドームみたいな試合よりもタフだったかもしれない。それは鷹木だったからできたし。鈴木軍はあと2試合あるけど、タカタイチとしてはこれで最後です。鈴木軍が終わるってことは、俺らもいったんケジメつけなきゃいけないと思うし。本当にボス・鈴木みのるが言うように、バカ、ゴミ、カス言われて、こんなでかい舞台でやれるようになって悔いはないよ。タカタイチがまさかこんなになると思ってなかったし、いろんなことあったよ。俺がヘビー級になるきっかけもタカタイチだし。来年からはそんな俺らもそれぞれ別の道を行くんだろう。今日少し結果を出せばまた俺とやってもいいよとか、タイチ面白そうじゃん、俺と組むか、俺と試合やるかって言ってくれるヤツいたかも知んねぇけど。今後、この結果。何も1年残せなかった。ここから孤独な戦いが…孤独軍団でやっていってやるよ。これも自分でまいた種だ。この11年間、何も残せなかった結果じゃないか。腐れ縁のTAKAともこれでおしまいだ。来年から全くわかんない。白紙。とりあえず残り二つ、鈴木軍として最後まで俺は鈴木軍を貫き通して、その時にまたおぼろげながら見えてきたら話せればいいし、何も見えなければ来年から孤独軍だろう。孤独でやっていくよ。みほ、ありがとう。強い男の元に行けばいいんじゃないか。これで俺とみほもいったん終わりだ。残り2試合、鈴木軍、鈴木みのるがいた11年間、最後まで鈴木軍としてやり尽くしてやる」
【試合後の鷹木】
▼鷹木「何だよ、新日本プロレス。聞いてねぇよ。いきなり会社の広報から連絡があって、勝者にトロフィーが渡される? 聞いてねぇよ。鷹木式DIYでわざわざ作ったんだ。こんなの知らねぇよ。今日の試合面白かったよ。IWGP、NEVERにも負けたくない気持ちがあったから。しょせんKOPWでしょ? トロフィーでしょ? 保持者でしょ? チャンピオンじゃないからね。そこもふざけんなって俺思ってたよ。だからしんどい試合をして、タイチとは3回目だからね。どうせやるならしんどい試合をやるしかない。ただ、新日本プロレス、俺頭に来てる。当日連絡来て、こんなもの持ってこさせて俺が喜ぶと思ったか? バカヤロー! だったら社長なり会長なり来いよ。誰かが持ってきてレフェリー渡しますって。よっぽど自分でDIYで作ったこっちの方が価値あるんだよ。一年間タイトルマッチ4月から散々やってきて12月でリセット、終わり? ふざけんな。新日本のプロレスラーはどこを目指してる? 総決算はどこだ?」
――1・4東京ドーム?
▼鷹木「1・4だろ。1・4に向けてレスラーは戦ってるんだ。何でKOPWが1・4でないんだよ? ふざけんな。他団体の女子の王座が本戦、TV王座が本戦。今日タイトルマッチがあるのに、その前に新日本が発表してたな。1・4のダークマッチかなんかでKOPW2023? やるんだろ? 知らねえけどな。これは勝手に作ったから家に飾るから。いい機会だから言っとくよ。1・4俺出ないから。今年の1・4最後に入場した俺が2023年1・4出ないから。KOPWはとりあえず卒業だな。散々やってきて、言ってきて、新しいトロフィーにしろ、ベルトにしろ。何も連絡もなく物だけ届いてふざけんな」
――2023年はどうする?
▼鷹木「来年のことはもちろん考えてるけど、俺としてはリング上で言ったように、今日の試合、今日の勝利が1・4より重いってことだ。それが全てじゃない。1・4出なくたって今日2、30分の試合できたから俺は満足だよ。気持ちよく年末年始を過ごさせていただきますよ。暇だからグアム合宿でも行くか。そんな感じですよ。悪いけどこっちの方が価値あるから。このトロフィーいらないから新日本に返してやる。こうして他団体のリングに上がったからには、他団体の選手とやりたいよな。とりあえず俺は今週末、クリスマスイブとクリスマスは福岡に行くんで。DRAGONGATE福岡大会で暴れに行ってくるよ」