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1/4【新日本】武藤が新春ドームで故郷・新日本マットに別れ 棚橋&海野と快勝、愛弟子・SANADAと熱戦

『アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム〜闘魂よ、永遠に〜』東京ドーム(2023年1月4日)
武藤敬司新日本プロレスラストマッチ ○海野翔太&武藤敬司&棚橋弘至vs内藤哲也&SANADA&BUSHI×

 武藤が新日本ラストマッチで棚橋&海野とともにL・I・Jに快勝。愛弟子・SANADAと火花を散らし、2月の引退試合へ向けて「いい形で東京ドームを吸収することができた」と刺激を得た。

 ノア2・21東京ドーム大会での引退を控える武藤。昨年の11・20有明大会で化身であるグレート・ムタの新日本ラストマッチが行われたが、毎年恒例の新春東京ドーム大会では武藤自身の古巣ラストマッチが組まれた。師弟関係にあたる棚橋、新時代のエース候補・海野と陽性トリオを結成。対するL・I・Jは武藤に憧れてレスラーを志した内藤、武藤が社長時代の全日本出身・SANADA&BUSHIと、縁ある選手がリングに集結した。

 L・I・J、海野、棚橋に続いて、最後に武藤が「HOLD OUT」に乗って登場。声出し声援ありの東京ドームは大・ムトウコールに包まれた。

 武藤が自ら先発を買って出ると、愛弟子のSANADAと対峙。SANADAはLOVEポーズで武藤と指を合わせると、低空ドロップキックでスキを突き、ドロップキック、スワンダイブ式ミサイルキックと躍動。武藤ばりのシュミット流バックブリーカーからいきなりラウンディングボディプレスを投下して場内を沸かせた。だが、武藤も低空ドロップキックからシャイニングウィザードを放って応戦。勢いに乗ってムーンサルトプレスを狙うと、東京ドームは沸騰するが、パートナーの棚橋が必死に止めた。

 武藤は控えに回ったが、内藤と意識し合う。武藤がエプロンから目を見開くポーズを決めれば、内藤もその眼前で拳を突き上げて挑発した。そんな中で奮闘した海野が内藤をSTFに捕らえると、武藤と棚橋は同時にドラゴンスクリューを決め、それぞれ足4の字固め、テキサスクローバーホールドに捕らえて絞め技共演も決まった。

 最後も大技リレーで試合が決した。棚橋がツイスト&シャウトを乱れ打って主導権を握ると、BUSHIにスリングブレイドをズバリ。実況席の蝶野正洋と言葉を交わした武藤がリングに飛び込み、シャイニングウィザードを放つと、最後は海野がデスライダーでダメ押ししてBUSHIを仕留めた。

 武藤が新日本ラストマッチで快勝。陽性トリオで勝ち名乗りを上げると、武藤はリングサイドに立つ内藤としばらく視線を交錯させる。最後はかつて付き人を務めていた棚橋が先導する形で花道へ。別れを惜しむ観客からの声援を浴びながら、古巣・新日本に別れを告げた。

 「今日は猪木さんのイベントも兼ねてるということで、本当は試合の中で卍固めとかさ、あと俺はインディアンデスロックとか得意としているから、本当は狙ってた」という武藤。かつての愛弟子であるSANADA&BUSHIとは2019年11月のザ・デストロイヤーメモリアル興行・大田区大会以来の対戦となった。全日本時代に公開オーディションで二人の入門を認めたとあって「あいつらのやる気とか輝きを見たら『あぁ、あいつらをプロレスラーにしてよかったな』って思いましたよ」と感慨しきり。11年ぶりの再会となった内藤については「武藤LOVEっていうのをいろんなところで言っている中で、やっぱりそういうことを言われると、こっちも気分は悪くないからね。そういう部分で非常に興味を持ちましたよ」と言及。「興味を持ったって言っても、あと1回しか試合がないからね。どうしようもできないんだけど」と続けた。

 引退試合の舞台は東京ドーム。1ヵ月半前に同じ舞台に立った。「やっぱり東京ドームクラスだと普段と感触も体感も違うじゃん。その中で今日こういういい形で東京ドームを吸収することができたよ」とプラスに受け止めた武藤は最後の新日マット登場を「楽しい空間」と満足げに振り返っていた。

【試合後の武藤&棚橋&海野】
▼武藤「まあ、感想を言うか? いやあ、久しぶりの東京ドーム、タナよ。試合よりも入退場の長さに参ったよ。腰痛くなったよ。たださ、今日は猪木さんのイベントも兼ねてるということで、本当は試合の中で卍固めとかさ、あと俺はインディアンデスロックとか得意としているから、本当は狙ってたんだけど、お前が余裕を与えてくれなかったな」

▼棚橋「すいません」

▼武藤「ホ〜ント、せっかちなプロレスしやがって。本当はそういうの狙ってたんだよ」

▼棚橋「いやあ、まだちょっと若さが出ちゃって、僕も。すいません」

▼武藤「まあそんなところだな、俺の感想は。まあまあ久しぶりの東京ドームなんだよ。その中で俺、1ヵ月後に引退試合を控えているから、やっぱり東京ドームクラスだと普段と感触も体感も違うじゃん、なんか」

▼棚橋「違いますよね」

▼武藤「その中でなんか今日、こういい形で東京ドームを吸収することができたよ、ありがとう」

▼棚橋「ありがとうございます」

▼武藤「俺ばっか喋ってもしょうがねえ。(隣りにいる海野に向かって)お前が目立たなきゃいけねえんだから」

▼棚橋「武藤さん、新日本プロレスラストマッチになりますけども、そのあたりは?」

▼武藤「そんな、必死だからあっという間に終わったよ。感想どころじゃないよ、息も上がって」

▼棚橋「新日本プロレスのキャリアの中で一番思い出深いこととかありますか?」

▼武藤「東京ドームか? それは2009年にお前とここでやって、お前に負けたことだよ」

▼棚橋「ありがとうございます!(笑)」

▼武藤「やっぱ負けた試合のほうが覚えてられるんだよ」

▼棚橋「ありがとうございます。こちらからは以上です」

▼武藤「(再び海野に向かって)お前、喋れ」

▼海野「はい。本当に偉大なる先輩方と今日タッグが組めて光栄でした。新日本プロレスのトップ、いやプロレス界のトップに立つための何かを、今日は得たと思います。今後の自分のプロレス人生において、必ず活かしていきたいと思うので、自分にもご注目ください。本日はありがとうございました」

──武藤選手、対戦相手で一番気になった選手は誰?

▼武藤「いや、全員気になってましたよ。やっぱりSANADAとかBUSHIとかね、プロレスのオーディションで俺が引っ張った人材であって、果たしてそこで俺が引っ張ったことが良かったのかどうなのか、俺だって少しは自問自答して。でも、なんかアイツらのやる気とか輝きを見たら、『ああ、アイツらをプロレスラーにして良かったな』って思いましたよ。あと内藤にしてもいろいろ噂で武藤LOVEっていうのをいろんな所で言っている中で、やっぱりそういうことを言われるとこっちも気分は悪くはないからね。そういう部分で非常に興味を持ちましたよ。興味を持ったって言っても、あと1回しか試合がないからね。どうしようもできないんだけど、まあまあ楽しい空間でした」

──試合中、蝶野選手と何かコンタクトされていたが、何か言葉を交わした?

▼武藤「いや、やっぱり引退試合……もう遅いんだけどな。もう遅いんだけど、やっぱり蝶野もリング上がってほしいなと思いながらハッパかけたつもりだったけど、やる気なかったな(笑)

──ムーンサルトプレスは棚橋選手に止めらたが、止められなかったら飛んでいた?

▼武藤「いやあ、あの一瞬にね、いろいろ走馬灯のようにね、医者の顔とかさ、家族の顔とかさ。あそこで棚橋が止めてくれて良かったですよ」

▼棚橋「僕も武藤さんのムーンサルトプレスを見たいという思いと、まだ序盤だし、引退試合も残されてる状況で、泣く泣く、泣く泣く。ファンの方からはきっとブーイングだったと思うんですけど、止めさせていただきました」

──武藤選手の全く知らない世代の海野翔太選手はどうだった?

▼武藤「いや良かったですよ。ルックスもいいし、肉体もタナに負けてないぐらいいいし、動きも良くて。あとは経験。あとはいっぱい失敗もしてほしい。いいことばっかりじゃなくて、失敗もカサになるから。失敗のほうこそカサになるからね。ねえ、タナね? 苦労したもんな、お前もな」

▼棚橋「はい(苦笑)」

▼武藤「いろんな部分で。いいっすか? ウィーッシ! どうもありがとう」

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