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1/4【新日本】覚醒・ワトの大爆発にドーム沸騰も…ヒロムが逆転撃破で2年ぶりジュニア戴冠

『アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム〜闘魂よ、永遠に〜』東京ドーム(2023年1月4日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合4WAYマッチ ○高橋ヒロムvs石森太二vsエル・デスペラードvsマスター・ワト×

 覚醒したワトが大技を連発して東京ドームを沸騰させたものの、ヒロムがTIME BOMBIIで競り勝ち、約2年ぶりにIWGPジュニア王座を戴冠した。

 新春ドーム大会で組まれたのは王者・石森にデスペラード、ヒロム、ワトが挑むIWGPジュニア4WAY戦。昨年の10・10両国大会でノンタイトルながらワトが石森を破り、挑戦表明をぶち上げると、デスペラードとヒロムも名乗り。石森が3人まとめての迎撃を宣言して実現したが、新年早々ジュニアらしいハイスピードバトルとなった。

 いずれかの1選手が勝利した時点で決着する形式だけに、のっけから共闘と裏切りが連鎖。スリリングな展開が連続する。石森はやってられないとばかりに花道に座り込んで高みの見物を決め込んだ。王者不在のまま戦いが続くと、見かねた3人が石森に殺到。しかし、石森は上手く立ち回って返り討ちにし、逆に王者が悠然とリングに帰還。リングサイドにヒロムらが戻ってくると、コーナーからケブラーダを発射した。

 その後も石森がインサイドワークを発揮して試合をコントロールするが、そんな王者にデスペラードのトペコンヒーロが直撃。ワトのノータッチトペコンヒーロ、ヒロムのダイビングセントーンアタックが連鎖すると、試合はさらに混戦となる。各選手の得意技が次々と連鎖。石森のリバースブラディサンデーやデスペラードのギターラ・デ・アンヘル、ワトのバズソーキック……といつ試合が決してもおかしくない大技も連鎖し、4選手がリングで大の字に。

 疲労困ぱいながらも打撃戦を展開。スキを突いたワトのレシエントメンテが石森にさく裂するも、仕留めきれない。今度はデスペラードがヒロムに強烈なエルボーからピンチェ・ロコを決める。負けじとヒロムもTIME BOMBを爆発させるが、デスペラードはギリギリで肩を上げた。各選手が大技を決めるたびに場内は大きくどよめく。そんな中でも大歓声を浴びたのはワト。スワンダイブ式エルボースマッシュでヒロムを排除すると、デスペラードには石森からピンフォールを奪ったレシエントメンテIIをズバリ。決定的場面だったが、石森はレフェリーの足を引っ張って妨害した。

 石森はパイプイスでワトを殴打。レフェリーをリングに戻してブラディサンデーを狙ったものの、ここでもワトはレシエントメンテIIを決めて場内を沸騰させる。急行したヒロムには急角度のジャーマンをズバリ。再びレシエントメンテIIの構えに。だが、防いだヒロムはコルバタ狙いを踏ん張り、TIME BOMBIIで逆転の3カウントをもぎ取った。

 ワトが何度も場内を沸かしたものの、最後は勝機を逃さなかったヒロムが激勝。約2年ぶりにIWGPジュニア王座を戴冠した。前回は返上でベルトを失ったヒロムが、2023年の新日本ジュニア戦線の主役の座を手に入れた。

 「2年ぶりだからね。俺は何度も挑戦はしたけどさ、獲れてないんだよ。やっと帰って来てくれたベルトさん。もう離さないよ」。そう言ってベルトを抱きしめたヒロム。5度目の戴冠となったが、「それだけ負けてるってことだからね。もう5度目で終わりにしようよ! もう永久チャンピオンですわ」と宣言してみせた。

 そこでヒロムが目指すは最多防衛記録の更新だ。現在の記録は第46代王者・ヒートの11回。「もう何年前よ? その記録。塗り替えたいじゃん。そろそろ塗り替えなきゃいけないでしょ。それが俺の役目だと思ってるよ」と言い切ったヒロムは、挑戦者について「来る者拒まず」の意向を示しつつ、「チャンピオンから勝ってないですもん。だから石森太二から獲るまではね、このベルトを巻きたくないと思ってるよ」と前王者撃破も視野に入れていた。

【試合後のヒロム】
▼ヒロム「キツいって……、あの試合の後にすぐコメント出すのは。悪いけど! (テーブルに着席すると)ここでこのまま10分間休ませてもらうから、10分後に来てください。解散! (と、テーブルに突っ伏す)」

──お疲れさまでした!

▼ヒロム「(顔を起こし)休ませてもらえないとは。でも何すか、今日は質疑応答があるんですか。うれしい。うれしいな。よかった。ちょっと、乾杯ぐらいさせてくださいよ。(缶ビールを開けると)乾杯! ありがとう! (ビールを飲み干すと)あーっ! しみるぜ、オイ!」

──壮絶な戦いだったが、ベルトを獲った

▼ヒロム「2年ぶりだよ。知ってた? 俺がチャンピオンじゃないの、あんまり想像できないでしょ。2年ぶりなんて思わないでしょ。『またヒロムかよ!』ぐらいのテンションじゃないの、まさか? でも2年ぶりだからね。俺は何度も挑戦はしたけどさ、獲れてないんだよ。やっと帰ってきてくれた、このベルトさん。(ベルトを抱きしめると)もう離さないよ。何回目かな? 何回目のベルトかな? 分かんないけどさ」

──5度目となる

ヒロム「5度目だよね。でもそれだけ、負けてるってことだからね。もう5度目で終わりにしようよ! もう永久チャンピオンですわ、はい」

──今日も大変な戦いだった。少なくともライバルが3人確実にいるという戦いだったが、改めて4WAYにはどんな感想を?

▼ヒロム「だってさ、1人ひとりすごいんだもん。ていうかこの新日本プロレスっていうのはすごい人間しかいないわけだからね。その人間4人が集まってるんだよ。すごい試合なんて当たり前。読み合いなんて当たり前。騙し合いなんて当たり前。人を信じるだけ、バカを見るよね。でもさ、人を信じれなくなったら終わりじゃん、人間って。そう思わない? 人はだからさぁ、なるべく信じてたいよね。そう思わない? でもさ、好き勝手やってる人間がいい風に思える、そんな時代じゃない? 何か、真面目にやってることが馬鹿らしくなるぐらい、テキトーにやってることが、意外と華が出たりするからね。面白い時代だよ。その中での駆け引き、騙し合い、信じ合い。4WAYらしい試合だったんじゃないかなと思うよ」

──ただ最後はTIMEBOMBIIでしっかり沈めた。3強の中に割って入るワト選手の勢いを潰した形にもなったが?

▼ヒロム「3強だとかさ、何強だとか言ってるのってさ、結局、会社がつけてるわけでしょ。ジュニアはこの3人とかって。別にさ、3強だろうが何だろうが、関係ないよ。みんな新日本プロレスで戦ってるんだよ。何強とかさ、もうなくしてもいいんじゃないかな。何強とかって言うことによってさ、客さん、見てる人を洗脳してるわけだよ。『お、この3人がそんなに強いんか』みたいなね。会社がお客さんをコントロールするっていうのは、何かちょっと、好きじゃないよな。うれしいけどね、個人的には。3強だか4強だかに入れてもらえてるのはね。でもさ、そこは見てる人が判断すればいいと思うよ」

──この先は1強を目指す?

▼ヒロム「また、何かそう言ってくるね! 『3強とか4強はもういいんじゃないの?』って言ったのに! まぁね、これをさ、防衛し続けたいよね。そして最多防衛記録。だってヒート選手でしょ、今持ってる最多防衛記録。11回かな。もう何年前よ、その記録? 塗り替えたいじゃん。そろそろ塗り替えなきゃいけないでしょ。それが俺の役目だと思ってるよ」

──ありがとうございます

▼ヒロム「もういいの? ホントに? 聞きたいのそれだけ? 次の防衛戦の相手とか聞かなくていいの?」

──イメージはある?

▼ヒロム「ないです! 来る者拒まず。まぁね、この後3WAYだか4WAYだかで勝っても、誰も納得いかないでしょ。シングルでやれよと、そういう意見が出るのは当たり前です。だってチャンピオンから勝ってないんですもん。当たり前だよね。だから俺もね、石森太二から取るまではね、このベルトを巻きたくないなとかって思ってるよ。でも、ノリで巻いちゃうかもしれないから、その時はごめんなさい。でも覚えてる限りは、チワワを倒すまではね、巻きたくないな、そういう思いもあるから。あとね何と言っても、BEST OF THE SUPER Jr.でボッコボコにやられた金丸、やりたいよね。チワワとさぁ、ノブおじを倒さない限りこのベルトを巻くことはできないかもしれないなぁ。ノリで巻いちゃったらゴメンけどね!」

──2人を倒してしっかり腰に巻きたいと?

▼ヒロム「いいよ、別に。負けた人間じゃない、石森、デスペラード、3WAYでもいいよ。4WAYでもいいよ。5WAYでも6WAYでも10WAYでも、別に誰でもいいよ。来る者拒まず、チャンスですよ。別にどんな人間でも、実績がなくても、俺はいいと思うんだよ。このベルトがほしい、その気持ちさえ俺に伝わればね! 俺はいいと思ってますよ」

──いつ何時、誰の挑戦でも受けると?

▼ヒロム「おお、いいね。そこにつながってくるのかな。俺もね、元気だけは、テンションだけは、とりあえず持ってるからね。それでここまで来てるから。そこだけは負けたくないよ」

──ありがとうございました!

ヒロム「ありがとうございました! (缶ビールを飲み干すと)そうだ、俺の友達であり、高橋ヒロムを作った男、ドラゴン・リー。いやぁ、また遠くに行ってしまったな。今までさ、団体間の見えない壁によって、俺とドラゴン・リーは巡り会えなかったのさ。でもその壁がまたさらに、高くなってしまったなと。そんなところに行ってしまったなと思います。でも、その、高い高い高すぎる壁は、下の方なのか、真ん中なのか、上の方なのか、分かんないけどさ、たぶん小さな小さな扉があるんだよ。そこおコンコンってやれば『何?』ってドラゴン・リーが出てくるかもしれない。小さなドアがあることを、1月1日のグレート・ムタvs中邑真輔で知ったんだ。と、いうことは、面白ければ実現すると。そういう風に、俺は取りました。別にすぐじゃなくてもいいんだよ。俺はずっとこの位置で待ってる。だからドラゴン・リー、お前もトップに立ってくれよ。その時は、考えてください。(カメラを覗き込むようにして)トリプルHさん、見てますか? 高橋ヒロムですよ! ハハハ、見てないか! バイバイ! ありがとう! 楽しかった! 乾杯! (ビールを飲む)」

【ワトの話】「(背中を押さえながらインタビュースペースへ)石森、あー……石森、自分で掴んだこのチャンス、あのイスがなけりゃ勝ったかもな。けど、また、自らこの手で必ずチャンスを掴む。そして、ベルトを掴んでやる!」

【デスペラードの話】「(壇上に上らず、テーブルの前に立ったままコメント)クソ……。あんなにバカにしてたワトに、途中退場させられたようなもんだ、今日の試合は。ヒロムにも石森にも負けちゃいねえし勝っちゃいねえが、俺は今日は、ワトに負けたよ。クソ……。このまま終わると思うな」

【石森の話】「(後頭部を押さえながらインタビュースペースに着くと、テーブルの前に立ってテーブルを強く叩いて)クソッ! まぁ、コケたらまた立ち上がればいい。地獄からここまで這い上がってきたんだ。うん、慣れてるよ。それにしても、新年早々、予定が狂っちまったな。どうすっかな……。まぁでも、敗者が長々と語るのは違げえと思うから、今日はここまでだ(マイクをテーブルに叩きつけて去る)」

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