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1/4【新日本】オカダが猪木さんに捧ぐIWGP奪回 涙の闘魂伝承宣言で新春ドーム「ダァー!」締め]

『アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム〜闘魂よ、永遠に〜』東京ドーム(2023年1月4日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○オカダ・カズチカvsジェイ・ホワイト×

 黒タイツで試合に臨んだオカダがジェイを下してIWGP世界ヘビー級王座を奪回。今は亡きアントニオ猪木さんに向けて涙ながらに闘魂伝承を誓うと、新春の東京ドーム大会に集まった26085人の大観衆とともに「1、2、3、ダァー!」の雄叫びを上げた。

 昨年6月の大阪城ホール大会でジェイに敗れてIWGP世界ヘビー級王座を失ったオカダだが、8月に史上4人目となるG1 CLIMAX連覇を達成。満を持して、新春恒例の東京ドーム大会で7ヶ月ぶりの再戦に挑んだ。昨年10月1日には敬愛する新日本の創始者・猪木さんが死去。追悼大会となった新春ドームのメインでオカダの闘魂が燃え盛った。

 新日本伝統の黒タイツで試合に臨んだオカダだったが、序盤は苦しい戦いを強いられた。ジェイは正攻法とラフファイトを巧みに織り交ぜて脇腹や首に集中砲火。盤石の試合運びを見せた。オカダも花道DDTなど見せ場を作るが、ジェイはコンプリートショット、ジャーマンの連続攻撃で再び主導権。得意技を面白いように繰り出していく。

 しかし、オカダの闘志は消えない。激情むき出しの表情で逆水平を真っ向から受け止めると、豪快なドロップキックを放って絶叫。旋回式ツームストンパイルドライバーからこん身のローリングラリアットをぶち込む。場外のジェイ&外道めがけてコーナーから捨て身のトペコンヒーロも発射して気を吐いた。

 ジェイはオカダのレインメーカー狙いを力なくリングに倒れて抵抗。のらりくらりと受け流し、ツバまで吐きかけると、スキを逃さずに裏投げで引っこ抜く。ロープ際で場外めがけてのバックドロップを強行すると、その後も急角度のスープレックスで一気にたたみかけた。オカダはジャーマンを皮切りに怒とうの猛追を見せるが、レインメーカーを狙ったところで急転。この瞬間を待っていたジェイが一瞬にして体を引き込み、ブレードランナーをズバリ。勝利を確信するが、オカダはギリギリでキックアウトする。

 呆然としたジェイだが、手を掴んだ状態でオカダばりにショートレンジのラリアットを連発。お株を奪うレインメーカーポーズでブーイングを浴びると、ブレードランナーを仕掛ける。オカダは裏をかいてレインメーカーを一閃。ダブルダウンに持ち込んだ。

 30分を経過すると、激しいエルボー合戦になだれ込んだが、オカダは猪木さんを思わせる延髄斬りで流れを変えた。先読み合戦から掟破りの逆ブレードランナーで勝機をたぐり寄せる。そして、旋回式の変型エメラルドフロウジョンにつなげると、最後は死力を振り絞ってのレインメーカーで激闘に終止符を打った。

 オカダが7ヶ月ぶりにIWGP世界ヘビー級王座に返り咲き。金色に輝くベルトを腰に巻き、レインメーカーポーズを決めた。

 試合直後には早くも挑戦者が現れた。昨年の東京ドーム大会でオカダに敗れた鷹木信悟だ。鷹木は「今の試合を見てわかるように、オカダは凄くて強い。これは間違いないことだ。だがよ、お客さんが高いチケット買って見たいのは非日常だよな。単刀直入に言ってやろう。再び俺がそのIWGP世界ヘビー級王座を奪って、新日本プロレスに非日常の世界を見せてやろうじゃねえか。わかりやすい挑戦表明だ」と宣戦布告。鷹木は明日(5日)行われる『KOPW 2023』決定戦進出が決まっているが、「次に俺がお前の前に来る時は、KOPWのベルトをしっかり手土産に持ってくるからな」とも予告した。

 早くも次なる戦いが浮上したオカダに、東京ドームの大観衆から歓声が降り注ぐ。「東京ドーム! 今日も熱い熱い熱い声援、本当にありがとうございました。声援の力が凄いパワーになりました。本当にありがとうございました」と感謝の意を表したオカダは、声援が禁止されたコロナ禍での興行を思い出したか、「新日本プロレス50周年、1年間本当にありがとうございました。これだけお客さんが入って試合できて、本当によかったです」と感極まって涙を流した。

 猪木さんへの思いも抑えきれないオカダは「猪木さん、僕たちの戦いは届きましたか? まだ50周年に来ただけなんで、猪木さんが創ったこの新日本プロレスを、闘魂をどんどん受け継いで、100年、200年、新日本プロレスが続くようにまだまだ盛り上げていきますんで、よろしくお願いします」と涙の闘魂伝承宣言。「これから始まる51周年がこんなもんじゃないですよ、新日本プロレス。50周年を超えて、もっともっと素晴らしい新日本プロレスを皆さんにお届けします。そして、天国の猪木さんにもお届けします!」と2023年の戦いに思いを馳せると、「皆さんが応援してくれる限り、新日本プロレスを愛してくれる限り、まだまだ新日本プロレスは続いていきます。そして、この俺がIWGP世界ヘビー級チャンピオンである限り、51周年の新日本プロレスに金の雨が降るぞ!」と一旦締めくくった。

 しかし、入場ゲート前で立ち止まると、「猪木さんの追悼興行なのに、このまま終われないでしょ? せっかく声が出せるのに、このまま終われないでしょ? やりますか、皆さん。猪木さんに届けましょう」と観客に呼びかける。そして、「猪木さん、新日本プロレスを創っていただいて、本当にありがとうございました!」と感謝の雄叫びから、大観衆とともに「1、2、3、ダァー!」を大合唱。闘魂伝承の決意を胸に、猪木さん追悼大会を締めくくった。

 「みんなで手をあげてる姿、まあ、お客さんの数は違うと思いますけども、これが猪木さんが当たり前のように見ていた景色なんだなっていう。それがなんか凄くいいものを見られたなと思いますね」と「ダァー!」締めを感慨深げに振り返ったオカダ。「100周年だったらまだ僕も85歳ですし、それぐらい続いていかせないといけないですから」と新日本100周年まで見据えていた。

【試合後のオカダ】
▼YOH「(オカダ、後藤、YOSHI-HASHI、石井、矢野と一緒にビールを持ち)オカダさん、後藤さん、YOSHI-HASHI さん、おめでとうございます! 乾杯です! (と言って乾杯した後、オカダを残して他のメンバーと共に退席)」

──改めてIWGP世界ヘビー級を取り戻した今のお気持ちは?

▼オカダ「まあ、取り戻したっていうよりは、やっとジェイに勝てたっていうのが大きいですかね。その中でいろんなことが重なったタイミングで、またチャンピオンに戻ることができたので凄く嬉しいですし、やっぱりシングルマッチで凄い孤独な中で帰ってきて、こうやって仲間に祝ってもらえるのは安心しますし、凄く嬉しいですね。なんか本当にいろんな嬉しさが重なってますね」

──リング上でも話していたが、改めてジェイ・ホワイト選手にどういうメッセージを伝えたい?

▼オカダ「僕も若い頃からポンポンポンとトップ戦線を上り詰めてきて、こうやってなかなか勝てない相手はいなかったですから。僕よりも年下でキャリアも浅いと思うんですけど、僕の前に高い壁として立ち塞がってくれていたっていうのは凄くありがたいことですし。でも、まだ2回しか勝ってないですし、僕は4回負けているみたいなんで、あと3回いろんなところでやって、また向こうが勝ち越してる分は取り戻していきたいと思います」

──最後リング上でベルトを巻いた時に、ジェイ選手とかわした言葉は覚えている?

▼オカダ「覚えていますよ。なんだかんだ言ってもジェイも元々はCHAOSに入って、いろんな関係があるからこそ、今日に繋がったと思いますし、そういうことを含めたいろいろなことを伝えたかったんじゃないかなと思いますね」

──今日は入場の時から赤いマフラー、そして新たな黒く統一したコスチュームで臨んでいだが、その思いは?

▼オカダ「特にこれと言って意識はしてないですよ(笑) 意識してないって言うと意識してたみたいですけど。まあやっぱり猪木さんの追悼でしたし、だからと言って猪木さん過ぎるのもおかしな話だと思いますし、僕は僕で僕なりの今の新日本プロレスを体現させてもらいました」

──久しぶりに声出しが解禁された東京ドーム大会だったが、ファンの歓声を受けた気持ちは?

▼オカダ「やっぱりプロレスしてるなって感じがしましたね。本当にオカダコールに助けられたというか、それが今日は凄い覚えていることというか、なんか本当に歓声って力になるなと改めて思えたんで。また少しずつですけども戻ってこれたっていうのはプロレスファンの皆さんが我慢してくれたから、今回東京ドームで声出しがいいという形になったと思いますし、まだ完璧に戻ったわけでもないですし、まだまだ我慢させてしまうことはあると思うんですけれども、皆さんのおかげでこうやって選手のパワーにもなっていますし、皆さんに協力してもらってですね、僕たちは僕たちでしっかり戦いで返していくだけですので。本当に歓声は凄いパワーになったので、新日本プロレスは前以上の新日本プロレスになって、みんなの力をパワーにして、歓声をパワーにして、また素晴らしい新日本プロレスを51周年も見せられるんじゃないかなと思います」

──お客さんの数ということで言うと、速報値で26085人ということで、去年の2日間の動員数を8000人ぐらい上回った。これについては?

▼オカダ「でも、本当に入場した瞬間に凄いお客さんの数は分かりましたし。でも、僕が目指しているのは本当にそこじゃないんで。まだまだ満足できないですし、超満員にしたいとずっと言ってますしね、猪木さんが見た景色をまた見ることができたらいいなと思いますね」

──花道の奥で猪木さんに捧げる「1、2、3、ダァーッ!」があったが、あの時はどういう景色だった?

▼オカダ「やっぱり『1、2、3、ダァーッ!』は僕じゃないのかなと。やっぱり縁のある人がやったほうがいいのかなと思ったんですけども、追悼大会でしなきゃこれは追悼できないなと思って(笑) 『1、2、3、ダァーッ!』、声出しもできる中でみんなでやって、みんなで手をあげてる姿、まあお客さんの数は違うと思いますけども、これが猪木さんが当たり前のように見ていた景色なんだなっていう。それがなんか凄くいいものを見られたなと思いますね。本当に僕の先輩方でいろいろな方のを見た方もたくさんいると思うんですけど、僕が一1で言わせてもらってダァーをね。猪木さんも今頃天国で怒ってるかもしれませんけど、勝手に言ってんじゃねえって言っているかもしれないですけど(笑) でも、今のプロレスファンの皆さん、最近のファンの人もいれば、猪木さんのバリバリの時期を見ていた人たちも今日は来てくれたと思いますし、やっぱりダァーをして猪木さんに届けたいという思いが皆さんにあったと思いますんで、最後にできて凄い良かったですね。しっかり猪木さんにも…何を言っているかは分からないですけど、しっかり届いたんじゃないかと思います」

──今年51周年が始まる。改めて鷹木選手の表明はどう受け止めた?

▼オカダ「去年の1・4でやりましたけど、正直、その後KOP とかいろいろやっていたと思うんですけど、まだ何もなく来るのは早いんじゃないかなと。何か実績を残してきたわけじゃないですし、まだ早いよと。何もなく手ぶらで来るのは早いよ、東京ドームに挑戦表明しに来るのは早いよって、鷹木さんと11年前の自分に言いたいですね(笑) でも、僕もそこで挑戦表明して認められたことありますし、まだ明日KOPWもあるとは思いますんで、ベルトがあってもなくても僕はまあどっちでもいいですけど、あったほうがお客さんは乗ってくれるんじゃないかなと思います。持ってきたら持ってきたで僕のカズチカ・オカダのプロレスリングを教えてやります」

──鷹木選手は、オカダ選手がここに到着する寸前に、まさにオカダ選手が今座っている場所で、「KOPWを手にして、そして面白いことも考えているから」と言っていた。非日常というキーワードと共にアイデアがあるという言い回しをしていた。鷹木選手の決意はどのように受け止める?

▼オカダ「まあ頑張ってください(笑) こっちはIWGP世界ヘビー級のチャンピオンなんで、自分の目標に向かってしっかりやってくれればいいんじゃないかなと思います。まあ非日常、非日常って言ってましたけど、非日常を見せるのがプロレスラーだと思いますんで、そこはIWGP世界ヘビー級チャンピオンに任せてくれればいいんじゃないかなって感じですね」

──改めて今年1年の抱負は?

▼オカダ「50周年ということで昨年はかなり盛り上げることができたと思うんですけど、50周年だからとか、やっぱり50周年だったから面白かったとか言われたくないので、50周年で得たものはたくさんあると思いますし。それは僕たちレスラーだけではなく会社もそうですし、その50周年で得たものを引き続きやってダメだというルールはないですから、ドンドンドンドンパワーをつけていってですね、51周年、52周年、本当に100周年もやりたいですし、200周年もやりたいし。100周年だったらまだ僕も85歳ですし、それぐらい続いていかせないといけないですから。やっぱり猪木さんが作った新日本プロレスをドンドンドンドン続けていきたいですし、猪木さんの闘魂というのはですね、今まで新日本プロレスで育ってきたレスラーには全員受け継がれて、その闘魂という血が流れていると思いますから、その血をとぎらせないためにも51周年もしっかり盛り上げていってですね、新日本プロレスは凄いなと。日本のプロレスは世界中に届くんだなと、日本でしっかりお客さんを満足させてですね、その中心にいるのはやっぱりIWGP世界ヘビー級のチャンピオンの僕だと思いますんで、まだまだ引っ張っていって、新日本プロレスの51周年もこれからも盛り上げていきたいと思います」

【ジェイの話】「(意気消沈したような声で)俺の時代はまだ続いているんだろうか……? 皆様、お待たせいたしました。TOJAYショーの始まりです。司会は私、"スイッチブレード"ジェイ・ホワイトです。今日のゲストは元IWGP世界ヘビー級チャンピオン、ヤングライオンからここまでのし上がった“スイッチブレード"ジェイ・ホワイトです。ジェイ・ホワイトと言えば、プロレス界でのナンバー1、ラストロックンローラー、1人でマディソン・スクエア・ガーデンとユナイテッドセンターを完売させた男、キング、唯一無二のチャンピオン、そしてBULLET CLUBのリーダーです。しかしながら、今夜はスイッチブレードと共にいてくれた人はいませんでした。まだ彼の時代は続いているのでしょうか? スイッチブレードの時代、まだあるのでしょうか? ゲストはそんなスイッチブレードです。まず1つ目の質問です。今のお気持ちをお聞かせください。オカダ、これまでだ。もう俺たちは終わりだ。お前にとって最後のタイトルマッチになるという話をしていたが、それが実現したらベルトはお前のものになってしまったな。もう再戦はゴメンだ。なんでかって? 今日この時、東京ドームで全てが上手くいくはずだった。3年ぶりに日本での会場で、ファンの声援を聞くことができた。もし今日、お前に勝つことができないのだったら何の意味もない。今日こそが自分にとって意味のある1日だったはずだ。オカダ、おめでとう。お前に言った通り、ごめんとは言いたくない。そして後悔もない。ここまで来るためにしてきた数々の決断。その中で1つの後悔もないと言える。なぜならば、そこで1つでも決断が違っていたら、今ここにはいないのだから。自分の名前、そして歴史、本当だったらこの場で『1、2、3、TOOSWEET』、これをコールするのは俺のはずだった。8年間、ずっと東京ドームで戦っている人たちを見てきた。8年前は自分自身がどこに行くか、全く分かってなかった。自分にどれだけ価値があるのか、それすらも分かっていなかった。もうみんな忘れているかもしれないけども、オカダと俺はかつてCHAOSで一緒に戦っていた。ずっと俺に親切にしてくれていた。そんな彼が今はチャンピオンになった。今日こそがアイツにまた勝ち、自分がベルトを防衛し、全てをいい方向に持っていくための最良の日だったはずなのに、何か足りなかったのだろうか? 何をすれば勝てたんだろう……。(しばらく沈黙してから)ああ、分かった。もう何年も前から間違っていた道に行っていたのかもしれない。(激昂しながら)これは全てヒクレオだ! BULLET CLUBでのユニットメイトだったが、あの長身の大柄な男のせいで、全てが崩れていったのかもしれない。ヒクレオ、お前にこんな目に遭わされるとは思わなかった! そもそもお前が波紋を広げたんだな。俺の人生を台無しにしてくれて、本当にどうもありがとう! お前にも全く同じことをしてやるよ! お前だけではなく、お前の家族にもな! お前の家族を破滅に追い込んでやる! お前は俺を傷つけた。俺はこれから時間をかけてお前を傷つけてやるから楽しみにしておけよ! というわけで、本日のゲストはジェイ・ホワイトでした。そして TOJAYショーは今日が最終回です。というわけで、ヒクレオ、スイッチブレードと共にあるがいい。TOO SWEET。(引き上げ際に下田美馬さんを見つけると)ミマ、ミマ、お前はクビだ!」

【鷹木の話】「チャンスを待ってたら一生来ないからな。チャンスは掴み取るもの、奪い取るものだ! だったら行動を起こすまでだ、なあ? KOPWもしっかりベルトいただくぜ。そしてKOPWを持って、ベルトを持って、オカダの前に立つ。ちょっと面白いことを考えててよ。新日本プロレスも今日で50周年の節目は終わりだろ? 明日から51周年だ。そうしたらよ、俺みたいなよそ者はよ、新日本らしさなんてクソ食らえだ。さっきリング上で言った通りイレギュラーな戦いを俺が見せてやるよ。そのためにも再び、IWGP世界ヘビー級王座は何がなんでも俺が奪取する」

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