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3/6【新日本】毘沙門がドリームタッグ撃破でタッグV2 旗揚げ記念日、伝説級?“ざんまい"締め

『旗揚げ記念日』東京・大田区総合体育館(2023年3月6日)
WGPタッグ選手権試合 ○YOSHI-HASHI&後藤洋央紀vsオカダ・カズチカ&棚橋弘至×

 “毘沙門"後藤&YOSHI-HASHIが“ドリームタッグ"オカダ&棚橋を撃破し、旗揚げ記念日にIWGPタッグ王座V2。歓喜の棚橋超えを果たしたYOSHI-HASHIは後藤とともに伝説級?の“ざんまい"締めを決めた。

 新日本プロレスにとって51回目となる「旗揚げ記念日」のメインで、王者・毘沙門にドリームタッグが挑戦するIWGPタッグ戦が行われた。オカダは2・18サンノゼ大会で棚橋を破り、IWGP世界ヘビー級王座を防衛。試合後、棚橋にドリームタッグ結成を呼びかけ、ベルト獲りに乗り出した。オカダは意外にもIWGPタッグ王座は未戴冠。史上5人目となる26年ぶりのヘビー&タッグの二冠を狙う好機に。勝利に自信を示すドリームタッグに対し、毘沙門は「まさかの光景」を予告していた。

 オージーオープン、FTR、TMDKと世界の強豪タッグを次々と破り、勢いに乗ってる毘沙門が、連係攻撃で先制。棚橋に照準を合わせて主導権を握った。だが、オカダが登場すると流れは一変。場外DDTで毘沙門2人を同時に突き刺して気を吐いたオカダは、後藤をマネークリップに絡め取って勝機を掴む。棚橋のスリングブレイドを挟んで、なおも絞めに絞めた。YOSHI-HASHIのカットが間に合ったものの、止まらないオカダはさらに猛攻を続ける。

 棚橋も奮闘。後藤を仕留めきれず、代わったYOSHI-HASHIのドラゴンスープレックスを食らってしまったものの、急角度のダルマ式ジャーマンから再び攻勢。スリングブレイドからハイフライフローの構えに。後藤に阻まれると、YOSHI-HASHIにはお株を奪うドラゴンスクリューをもらってしまうが、オカダが得意のドロップキックで好フォロー。ドリームタッグは対角線のコーナーに上がると、オカダがダイビングエルボードロップ、棚橋がハイフライフローを時間差で浴びせる。

 完璧な連続攻撃だったが、YOSHI-HASHIはヒザを立てて棚橋を撃墜。客席から大歓声や重低音ストンピングが巻き起こる中、YOSHI-HASHIと棚橋は打撃戦を繰り広げるも、後藤がリングに飛び込み、隠し狭間(ブラインド式トラースキック)、激烈一閃(牛殺し&トラースキック)が連続してさく裂する。すかさず必殺の消灯が火を吹くが、オカダのカットが間に合った。毘沙門は孤軍奮闘するオカダをGYWで戦線離脱に追い込む。

 粘る棚橋は奈落狙いをサムソンクラッチで切り返して逆転勝利を狙う。しのいだYOSHI-HASHIがカルマを狙ってもツイスト&シャウトで切り返して場内を沸騰させた。だが、YOSHI-HASHIは先読み合戦から逸材の足を掴んで動きを封じると、そこに突っ込んだ後藤が延髄ラリアットを一閃。YOSHI-HASHIのトラースキック、後藤の頭突きから今度こそ毘沙門の奈落がさく裂。ついに逸材を沈めた。

 毘沙門が熱闘の末にドリームタッグを打ち破り、旗揚げ記念日にタッグ王座V2。勝利したYOSHI-HASHIはマイクを持つと、「2度目の防衛に成功しました。そして、ついに今日、タッグではあるけど、棚橋弘至から勝利することができました」と喜びを爆発させる。YOSHI-HASHIは「前、バックステージで棚橋が『早く俺を超えないと鶏ガラになっちゃうぞ』と言ったことあるけど、でも今日戦った棚橋弘至はまだまだ食べるところがいっぱいあって、まだまだこれから先も輝き続けるって俺は思いました」と逸材にメッセージ。「新日本プロレス51年目の今日、旗揚げ記念日の日、まさかオカダ・カズチカでもなく、棚橋弘至でもなく、この俺が最後喋るなんて誰も想像してなかったでしょ?」と満足げに語ると、場内は「YOSHI-HASHI」コールに包まれた。

 YOSHI-HASHIは「俺は棚橋弘至にもオカダ・カズチカにもなることはできない。でも、生まれ持った自分自身をどんどん磨いていって、進化して、今日ここに立っているんだと思います」と断言。「最後に俺が言いたいのは、今日この会場から帰る時、なんかスゲェ元気出たなと思って、なんかニッコリしてもらって帰ってもらえると凄い嬉しいなって思うよ」と照れくさそうに訴えると、再び「YOSHI-HASHI」コールがこだました。

 「俺たちが毘沙門が勝ったってことは、最後何をするかなんとなくわかるでしょうか?」と呼びかけたYOSHI-HASHIは「普通のざんまいじゃなくて、伝説に残るざんまい、いいですか?」とアピール。最後はロープに走って前転してから「ハイ!」と後藤とともに絶叫し、多幸感溢れる「伝説級のざんまい」締めで旗揚げ記念日を締めくくった。

 NEW JAPAN CUP真っ直中という難しいシチュエーションで最強の挑戦者を退けた後藤とYOSHI-HASHI。当然、この勢いはNEW JAPAN CUPにもつながるはず。YOSHI-HASHIは3・10山梨大会でカイル・フレッチャーとの1回戦を控えているが、ここを突破すれば、3・12滋賀大会ではパートナーの後藤と毘沙門対決が実現する。

 「必ず実現させたい。そう思ってるんで、2回戦で待ってるぜ!」と語り、先にコメントスペースから去っていった後藤。そんなパートナーの言葉を聞いて、YOSHI-HASHIも「俺はゴッちゃんと組んでてもいつも意識してる。ゴッちゃんよりも、一歩でも俺のほうが上に行ってやると思ってるから。今度の毘沙門対決、必ず俺が勝って、そしてシングルのチャンスをたぐり寄せようと思いました」とライバル心を燃やすと、「次は棚橋弘至から必ずシングルで勝利を収めて、完全なる棚橋弘至超えをしたいと思いました」とシングルでの逸材超えまで見据えていた。

【試合後の後藤&YOSHI-HASHI】

▼後藤「(缶ビールの山がある祝勝席に座り)ヨッちゃん、ありがとう!」

▼YOSHI-HASHI「ゴッちゃん、ありがとう! (と言うと、缶ビールの山に手がぶつかってしまい、缶ビールが崩れ落ちるが、床に落ちないように手でしっかりと受け止めると)OK! 大丈夫。落ちてない。ギリギリのところで俺たちはいつも踏み止まってきたから。これも俺たちらしいなって(笑) この最後の土壇場の強さは、他のヤツらには絶対にない俺たちだけの強さだから」

▼後藤「また一つ、絶対的なタッグチャンピオンに間違いなく近づきましたよ。これから始まるNEW JAPAN CUPに向けて、一つ大きな勢いとなります。2回戦では毘沙門対決。必ず実現させたい。そう思ってるんで、2回戦で待ってるぜ! (と言って、先に退出)」

▼YOSHI-HASHI「こっちも前々から言ってるように、タッグベルトだけじゃなくシングルのベルトも獲るって言ってるから。このNEW JAPAN CUP、凄く大きなチャンス。シングルのベルトを獲るぶんにはめちゃくちゃ大きな大会だから。そして、俺はゴッちゃんと組んでてもいつも意識してる。ゴッちゃんよりも、一歩でも俺のほうが上に行ってやるって思ってるから。今度の毘沙門対決、必ず俺が勝って、そしてシングルのチャンスを手繰り寄せようと思いました。とにかく、今日この時点ではこのタッグのベルトを防衛できたこと、この新日本プロレスを支えてきた棚橋弘至、オカダ・カズチカ……もちろんこの2人は今も支えてるけど、その2人からタッグとはいえ、今日勝利したっていうことはめちゃめちゃ大きいことだし、めちゃくちゃ意味のあった戦い。次は棚橋弘至から必ずシングルで勝利を収めて、完全なる棚橋弘至超えをしたいと思いました。そしてオカダ・カズチカ、最初にロックアップした時、ヤングライオンの頃を思い出して、なんとも言えない気持ちになって心が震えて、たぶんこれが新日本プロレスで育ってきた者同士がハートで感じるものなんだなって思ったよ。NEW JAPAN CUP、必ず勝ち進む」

【オカダの話】「(コメントスペースに現われると片ヒザを着き)まぁ、本当に強かった。シングルマッチとは違う強さっていうのは感じさせていただきましたし、毘沙門こそ1+1が2になるはずが、その何倍もの強さを出せるタッグチャンピオンらしいチャンピオンだなと思います。いやぁ、シングルのチャンピオンとして褒めたくないけど、強いなんて言葉を使いたくないけど、強かった。ただ本当にタッグマッチの楽しさっていうのは、今日改めて感じることができましたから。新日本プロレス、シングルだけじゃないでしょう。今までは棚橋さんと組んで終わりだったけど、まだ諦めずにドンドンドンドン次を目指して行きたいなと思います。これで終わりじゃない。まだまだドリームタッグで……ドリームタッグって言って負けてちゃ何もドリームじゃないでしょう。ドリームというからこそ皆さんに夢を届ける、夢を見させるような戦いを見せるのがドリームタッグだと思いますんで。まぁ本当に同じCHAOSだし、なかなか戦うことがなかったですけど、素晴らしいタッグチャンピオン。本当にタッグの厳しさってのを味わったんでね。ただ、シングルじゃこうはいかないから。しっかりとシングルは俺がやっていきたいなと思います。あと旗揚げ記念日、51年ですけど、この51周年イヤーもしっかりと新日本プロレスっていうのを見せていきたいなと思います。ただこんな大事なアニバーサリーの日に超満員にもなってないし、やっぱり客席が寂しい。僕たちは戦うことをしっかりして、また新日本プロレス一丸となって、もっともっとプロレスが盛り上がることを新日本プロレス全体で考えていって、選手だけじゃなく会社も考えていって、このNEW JAPAN CUPもこれだけ歓声があるわけですから、しっかりと盛り上がって、また新日本プロレスの凄さ、素晴らしさっていうのをまたこの51周年から見せていきたいなと思います。(帰り際に)悔しい」

【棚橋の話】「ふぁぁぁぁぁぁ……。(うめき声を上げながら現われると、しばらく床に転がったままの状態になり)チャンピオンとチャレンジャー、何の差かな? コロナ禍で時間が止まったようになってた中で努力してたんだろうな。ひっくり返っちまった。ただ、ただでは……。この1敗は10倍にして返しますよ。よーし。(立ち上がると)オカダには申し訳ないと思う。けど、このままじゃ終われないよね」

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