4/8【新日本】オカダ陥落…SANADAがIWGP世界ヘビー初戴冠で新風景到来 ヒロム挑戦表明も金丸迎撃名乗り
『CSテレ朝チャンネル Presents テレビ朝日 新日本プロレス放送50周年記念 SAKURA GENESIS 2023』東京・両国国技館(2023年4月8日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○SANADAvsオカダ・カズチカ×
SANADAがオカダを破り、IWGP世界ヘビー級王座初戴冠。予告通りに新風景を到来させた。試合後、IWGPジュニア王者の高橋ヒロムがSANADAに挑戦表明。すると、金丸義信がそのヒロムの前に立ち塞がり、IWGPジュニア挑戦へ名乗りを上げた。
SANADAはNEW JAPAN CUP中にユニット・Just 5 Guysに加入すると、その勢いのままにトーナメントを制覇。新日本の景色を変えるべくオカダとのIWGP戦に駒を進めてきた。IWGPヘビー級時代を含めると、SANADAが王者・オカダに挑戦するのはこれで4度目。いまだに至宝戴冠は成し遂げておらず、今度こその思いを胸に、レインメーカーの牙城に挑んだ。
SANADAは真新しいエメラルドブルーのショートタイツ姿で登場。オカダと真っ向から気持ちをぶつけ合う。オカダがロープ際でブレイクせずにエルボーを放ってくれば、負けじとエルボーでお返し。場外戦に持ち込まれても、鉄柵に足を固定してのネックスクリューで先手を取った。
オカダはフラップジャックを皮切りに反攻。コーナー上のSANADAをドロップキックで場外に蹴落とすと、床直撃のDDTを強行する。しかし、SANADAは気持ちで引かず、スワンダイブ式ミサイルキックやドロップキックからのプランチャで応戦。得意のSkull Endで絞めに絞めた。オカダがギブアップしないとみるや、ラウンディングボディプレスで勝負に。
オカダはヒザを立てて撃墜。高角度のジャーマンで引っこ抜き、手首を固めたままショートレンジのラリアットを連発すると、マネークリップでギブアップを迫る。エスケープを許しても得意のドロップキックを発射。抵抗するSANADAを開脚ドライバーで突き刺した。
しかし、SANADAは起死回生の逆レインメーカーで反撃開始。これまでのポーカーフェイスをかなぐり捨てて、オカダに食らいつく。真っ向からエルボー合戦を繰り広げると、ショットガンドロップキックを食らっても即座に立ち上がって打撃戦を継続。オカダのドロップキックに被弾するが、ホイップ式TKOで叩きつけると、ラウンディングボディプレスを連続投下した。
続く新兵器のデッドフォール(変型DDT)は決まらず、オカダの延髄斬りを食らってしまうが、オコーナーブリッジで押さえ込む。キックアウトしたオカダに抱え上げられてもドラゴンスリーパーに捕らえて動きを止め、シャイニングウィザードをズバリ。満を持してデッドフォールの構えに。オカダは上手く切り抜け、変型エメラルドフロウジョンで突き刺すと、今度こそレインメーカーを仕掛けるが、SANADAはこれをドンピシャのタイミングで、デッドフォールで切り返し、3カウントを奪った。
SANADAがついにIWGP世界ヘビー級王座を獲得。オカダがリングを去っていく一方、両国は割れんばかりの「SANADA」コールに包まれる。SANADAは「やっとIWGPチャンピオンになりました」と観客にメッセージ。オカダには「あなたが同世代でいたから、俺もここまで来れました。ありがとうございました。オカダさん、またやろうぜ」と投げかけた。
再び「SANADA」コールに包まれたが、セミファイナルでロビー・イーグルスを破り、IWGPジュニア王座防衛を果たしたばかりのヒロムが登場。SANADAの前に立つと、「SANADAさん、NEW JAPAN CUP優勝とIWGPヘビー級王座奪取本当におめでとうございます。L・I・Jを抜けて正解だったと証明しましたね。さっそくですけど、そのIWGP世界ヘビー級王座、俺に挑戦させてくださいよ」とぶち上げた。
これを受けてSANADAは「ヒロムさん、いいんですけど、その前にやるべき相手がいるんじゃないですか?」と返答。すると、SANADAに代わって金丸がマイクを持ち、「おい、ヒロム。お前、俺の名前を出してたな? SANADAに挑戦する前に俺が、お前のそのジュニアのベルトに挑戦してやるよ。お前に決定権はない。次は俺がお前のそのベルトに挑戦する」と名乗りを上げた。
ヒロムは「SANADAさんとやる前に金丸さんがこのベルトに挑戦する…。ハハハ、そんなのただのご褒美じゃねえか! やってやるよ、金丸さん」と受諾。「IWGPジュニアのベルトを巻いたまま、IWGP世界ヘビー級王座を獲りに行く夢を叶えにいこうか」とその先に二冠獲りを見据えた。
ヒロムが去っていくと、当然、最後を締めるのはSANADA。「両国の皆さん、久しぶりにあれやりますか? ギフトやりましょう」と呼びかけると、場内の照明が落とされ、観客たちのスマートフォンのライトが暗闇の中で星空のように輝く。
SANADAは「この光景は俺からのギフトって言いたいところなんですけども、今日のこの光景は皆様のギフトです。ありがとうございます」と観客にメッセージ。「じゃあ、最後に一つだけ言わせてください。世界で一番このIWGP世界ヘビーが好きです」と断言し、「おい、両国! See you next time!」と絶叫して締めくくった。
タイチと金丸がSANADAを担ぎ上げて勝利を祝福。黄金のテープがリングに降り注ぎ、大会はフィナーレとなった。
予告通りに新日本マットに新風を巻き起こしたSANADA。早くも挑戦者候補が現れ、今大会ではG1 CLIMAXの日程も発表となったが、これからの新日本マットの主役になるのはSANADAで間違いない。
【試合後のSANADA】
▼タイチ「(拍手をしながら)ヨーシ、やった!」
▼金丸「ヨシ、乾杯(と言って、ビールを配る)」
▼タイチ「早えな(笑) 飲みたくてしょうがねえじゃん。じゃあ、乾杯の音頭を取らせてもらいます」
▼TAKA「ヨッシャ!」
▼タイチ「(缶ビールの表示を見ながら)え〜っと、5℃」
▼金丸「その温度じゃねえよ! 何回やってんだよ。もういいよ」
▼タイチ「(マスコミを指差し)3人ぐらいウケたよ(笑) じゃあ、サナヤン、IWGP世界ヘビー戴冠おめでとう! 乾杯! 手が滑った(と言いながらビールをSANADAの頭から注ぐ) あ〜あ〜ベルトにかけるヤツがいるかよ(笑)」
SANADA「(頭からかけられたビールを拭きながら)これやられるほうはあんまり好きじゃない、嬉しくないっすよ」
▼タイチ「えっ、嬉しくない? 嬉しいっしょ? 気持ちは嬉しい?」
▼SANADA「(金丸にビールを向けて)やります?」
▼金丸「いや、俺はいい」
▼タイチ「いやいやいや、やったな」
▼金丸「いいもの見た」
──改めておめでとうございます
▼SANADA「ありがとうございます」
──ようやくベルトを手に入れた今の思いは?
▼SANADA「このリングに来て7年なんですけど、ちょうど7年前の4月の両国で、しかもIWGP戦の乱入で、その時リングにいたのがオカダと内藤で。なんか対戦相手が、その時いた人に勝ったっていうのが、なんかストーリーあるなと思ってて。ここまで獲れなかったのも全部意味があったのかなと、今日獲るために今まで獲れなかったのかなと。まぁ一番の理由は(周囲のタイチ、金丸、TAKA、DOUKIを指しながら)このJust 5 Guysのメンバーと組んで取れたっていうことが凄く嬉しいです」
──レスラー人生をかけて戦うと試合前にも話していた。今日はどんな思いでリングに上がった?
▼SANADA「そうですね。ここでSANADAが負けたらもう後がないなとずっと思っていたので、やっと獲れたんですけど凄く嬉しいです」
──改めて4年前にはオカダ選手自身がライバルと表現されたが、オカダ選手という相手はどんな存在だった?
▼SANADA「ライバルっていうのは自分で言うものじゃないと思っているんで、周りが言うべきだと思っているんで自分からは言えないですけど、そういう関係だったら嬉しいなと思います」
──まだその二人のストーリーっていうのは続いていく?
▼SANADA「まだまだ。今35なので、まだまだいけるんじゃないですか?」
──そうした中、次の挑戦者という形で、かつて同じユニットの仲間であるヒロム選手が現れた。改めてヒロム選手の挑戦はどのように感じている?
▼SANADA「まだ正式には決まっていないので、その前にノブおじさんが行くので。それからですね」
▼金丸「もうこれは決定だよ。アイツに決定権はない。これが俺の挑戦するタイミングだよ。今まであったかもしれないけど、今がそのタイミングだった。ただそれだけだよ」
──これからどのような景色を私たちに見せてくれる?
▼SANADA「まず自分がチャンピオンになったことで景色が変わると思うんで。で、こうやってヒロムさんとかチャレンジャーで来るっていうこと自体がもう新しい景色で、こういうことが増えて、今までないものが今後実現していくんじゃないかと。それが新しい景色に繋がるなと思います」
──実際にそのベルトを腰に巻いてどんな気持ち?
▼SANADA「思ったより重かったんですけども、なんか凄い感動して涙が出てくるかなと思ったんですけど、やっぱりこのメンバーと共に獲れたんで嬉しさのほうが勝っちゃって」
──コスチュームをショートタイツに変えてきましたけど、それは?
▼SANADA「そうですね」
▼タイチ「(SANADAがしばらく考え込んでいるのを見て)あれ、ガウンは美川憲一をモチーフにしたんですか? 違う?」
▼金丸「違うよ。そんなわけねえだろう(笑)」
▼タイチ「違うんだ(笑)」
▼SANADA「美川憲一さんっぽかったですか?」
▼タイチ「ぽいなと思って。テーマ曲も…そんなわけねえ」
▼金丸「そんなわけねえだろう(笑)」
▼SANADA「そうじゃないことを祈っております」
▼タイチ「ちょっと見間違えた。ごめんね」
──シャイニングウィザードも出しあが、武藤さんが引退された年に新日本の最高峰に立ったことはどう思う?
▼SANADA「それはたまたまだと思います。別に狙っているわけでもないですし。あのう、もう言いたいこと言ったんで、皆さん、帰ってもらっていいですか?」
▼タイチ「(TAKAに向かって)先輩締めましょうか」
▼TAKA「1月、4 Guysを結成してから『景色変える、景色変える』って言ってたけどよ、全く変わらなかったのが、こうやってSANADAが入って5 Guysになって、やっと景色が変わった。あくまでもこれはスタートにすぎないから、これからもこの新日本プロレスをこの5人で動かす。これは本当にスタートにすぎない。憶えておけ。俺たちはもうただの5人組じゃねえ。チャンピオンが加わった新たな5人組、Just! 5! Guys!」
▼SANADA「ハイ、ありがとうございました」
▼タイチ「おめでとう!」
【試合後のオカダ】
※肩を担がれて戻ってくるオカダを、NEVER6人タッグ王座のベルトを肩にかけた成田蓮が待ち受ける
▼成田「オカダさん、いやオカダ! アンタがベルト持ってようが、持っていまいが俺には関係ない。俺が倒したいのはオカダ・カズチカ、アンタだ。あと2人揃えて、挑戦してください。アンタが俺ぐらいの年の時、逃げた人いますか?」
※オカダはぐったりとしたまま、指を立ててうなずくと
▼成田「逃げんなよ、元チャンピオン!(立ち去る)」
※オカダはまた肩を担がれて控室へ
【ヒロムの話】「どちらが勝っても挑戦するつもりだったけど、やっぱり心のどこかで『SANADAさん、アンタに勝って欲しい。SANADAさんアンタとやりたい』、そんな風に思ってたのかもしれない。SANADAさんがL・I・Jを抜けたこと……、正直俺は……心にきたよ。でもさ、まあなんて言うのかな、何か気持ち、わからなくもないなって。言ってることわからなくないなって。L・I・J、居心地良すぎるよね。わかるよ、それは。でもさ、俺、L・I・Jに入った理由があるんだよ。俺は内藤哲也とシングルをやるためにL・I・Jに入った。シングルで初めて当たるためにL・I・Jに入っったんだ。楽しみだよ。もう、そろそろじゃないの。ねえ、見たいでしょ。もうみんな我慢の限界なんじゃない? ただただ、IWGP世界ヘビー級のベルトを欲しいだけじゃない。俺は夢を叶えることだけじゃないんだ。みんな、もう我慢の限界でしょ。コロナ、終わらせようよ。内藤さん、アップ、始めて下さい。それから、ノブおじ。キツイね〜、アレだけロビーに足攻められて。ああー、金丸さんか、確かにやりたいやりたい、ずっとやりたいって、ずーーっとやりたい言ってた。このベルトを取る前から、やりたいやりたい、アナタともう1回やりたいと言ってた。でも、ここにきてやっぱり、ノブおじ。バックステージに着いて、改めてキツいことを感じます。でも、俺は追い詰められて追い詰められて応援されて応援されて強くなるから。今は、楽しくて仕方ないです。さあ、夢を叶えに行こう」