6/4【新日本】ワト肉薄もヒロムが頂上対決制してIWGPジュニアV5 “イニシャルF"との対戦を熱望
『DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL』大阪城ホール(2023年6月4日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 ○高橋ヒロムvsマスター・ワト×
ヒロムが接戦の末にワトを下し、自身最多となるIWGPジュニア王座V5。“イニシャルF"との対戦を熱望した。
IWGPジュニア王者・ヒロムは今年のスーパージュニアで前人未到の4連覇を逸した。優勝したのはワト。新日マットにおける初のシングル栄冠獲りを果たし、この日、王者・ヒロムとの新日ジュニア頂上対決を迎えた。
優勝トロフィーと優勝旗を携えて出陣したワトはドロップキックで先手を取ったが、ヒロムは場外戦でフェンス攻撃を連発してすぐさま逆転。エプロンから場外へのミサイルキックで吹き飛ばした。2発目が不発に終わっても、特設花道に連行して高速ブレーンバスターを敢行した。
かろうじてリングに生還したワトはゼロ戦キックで反撃すると、トペコンヒーロを発射。フェースクラッシャー、飛びつきネックブリーカーと攻勢を続ける。ベンダバール、レシエントメンテをことごとく阻止したヒロムはファルコンアローで逆襲。コーナーへのデスバレーボムも決めたが、TIME BOMBはワトがベンダバールで切り返す。ヒロムがロープに逃れても、トルニージョを発射した。
ヒロムも正面飛びドロップキックで応戦。一進一退の読み合いを変型デスバレーボムで制した。TIME BOMB II狙いはワトがTTDで切り返し、レシエントメンテもさく裂。通天閣ジャーマンはヒロムがこらえても、高速ジャーマンで追い討ちをかける。レシエントメンテIIを阻止されても再びベンダバールで捕らえて一気に絞め上げた。
ヒロムはグッタリしかけたが、何とかロープに足を延ばした。通天閣ジャーマンを意地で食い止め、ワトが蹴りの雨を降らせてもトラースキックで応戦。ラリアットを叩き込むと、ワトはカウンターの旋風脚でやり返す。そして通天閣ジャーマンを爆発させたが、ヒロムはギリギリで肩を挙げる。レシエントメンテIIを阻止したヒロムは名も無きヒロムロールでニアフォールに追い込み、トラースキックを連打。TIME BOMBを敢行した。ワトも3カウント寸前に返したが、ヒロムはTIME BOMB IIでダメ押しして3カウントを奪った。
ワトがヒロムの牙城に迫ったものの及ばず。ジュニア頂上対決を制したヒロムがIWGPジュニア5度目の防衛を果たした。「なんだか今日、マスター・ワトが王子様のように見えたよ。カッコよくて強かった」と称えたヒロムは「俺はずっとこの位置でお前のことを待ってる。だから安心して、もっと強くなれ」とエールを送った。
IWGPジュニアV5で自己最多防衛記録更新となった。「知ってましたか? 高橋ヒロム、4回以上防衛してないんですよ。この4かいっていうのが俺にとって鬼門だったんだ。でも5度目の防衛。これはいくぜ。いける気がするぜ」と最多防衛記録(第46代王者・ヒートの11回)更新の手応えをつかんだ。試合後、挑戦者は現れなかったものの、ヒロムは「俺もワトみたいにさ、昔その人に言ったことがあるんだよ。『いつの日か、また俺と戦ってください』。いつかまたできるかな」と“イニシャルF"との対戦を熱望した。
それが誰なのか定かではないが、その言葉から判断すると、ヒロムが対戦したことのある選手であることは間違いない。そのイニシャルFとの再戦を実現させるためにもヒロムは新日ジュニアの頂点の座を守り続ける。
【ヒロムの話】「ワト、2017年6月20日、お前があの試合で感じたこと、そして決意したことは間違いじゃなかっただろ。俺はずっと(ベルトを見せつけるようにして)この位置で、お前のことを待ってる。だから安心して、もっと強くなれ。なんだか今日、マスター・ワトが王子様のように見えたよ。かっこよくて強かった。あぁ……これで5度目の防衛ですか。実はさ、知ってましたか? 高橋ヒロム、4度以上、防衛してないんですよ。この4回っていうのが俺にとって鬼門だったんだ。でも5度目の防衛。これはいくぜ。いける気がするぜ。最多防衛。俺次第だけどな。今の勢いなら間違いなくいける。そんな気がするよ、そして次の挑戦者……来ないみたいですね。いいことなのか悪いことなのか……。まぁだったら、ちょっと先のことというか、俺が思ってること、俺が思っていたこと、独りごとのように話そうかな。イニシャルK……懐かしくないですか? やりたいやりたい言ってた相手。名前も出さず『イニシャルK』とだけ言った男はそう、狂神ライガー。いろいろあったよね。“金本さんか?"とか。狂神ライガー……まぁもちろん、その闘いは叶わなかったんだけど。挑戦者がいないなぁ……まぁ、この人の名前を正面から言ったところで、特に何もないことでしょう。何も言われないでしょう。アクションも何も起こされないでしょう。でもさ、俺もワトみたいにさ、昔その人に言ったことがあるんだよ。『いつの日か、またこの俺と戦ってください』。ワトみたいにさ『あなたのこと倒します』とかさ、そんな大きいこと俺は言えなかったけど、いつか、またできるかな? “イニシャルF"……。さて、次は『ALL TOGETHER』か。そしてその次のシリーズは八王子大会もある。そして……出れるかどうかわからないけどAEWもあんのかな? そしてその次は7月2日、DRAGON GATE(年間)最大のビッグマッチ、神戸ワールド記念ホール大会。YAMATO選手……YAMATO選手ってあんなにTwitterでベラベラとしゃべるんですね。ビックリしちゃったよ。でもね、あの人はこの俺の顔を立てて、3月1日『ALL STAR Jr. FESTIVAL』に出てくれたんだ。だったらこの俺がさ、あなたの美しい顔を立てるのは当たり前の話じゃないですか。俺はただ約束を守っただけです。YAMATO選手……悪いのかな? いい子なのかな? どっちでくるのかな? まぁ、どっちでもいいや。楽しみにしてます。(いったん引き揚げたが戻ってきて、用意されていた缶ビールを手にすると独りで)5度目の防衛、おめでとうございます! 乾杯! (と一気に飲み干して)いつ飲んでもうまいや、SAPPORO!」
【ワトの話】「(大岩の肩を借りて引き揚げてくるとフロアに座り込んで)スーパージュニア優勝しても、あんただけは超えれねぇ。けど、このBEST OF THE SUPER Jr.優勝したこと、俺にとっててすごく自信になってんだ。これは一生の自信かもしれねぇ。だからこそ、高橋ヒロム、ここ大阪で超えたかった。けど、わかったよ。グランドマスターへの道はまだまだ、まだまだ続くってことだ。マスター・ワト、このBEST OF THE SUPER Jr.覇者として、これからどんどんどんどん前に進んでいくぞ。そして、必ずあんたを超える」
