7/5【新日本】モクスリー「特別な場所」後楽園でデスペと死闘デスマッチ展開 「またここに戻ってくる」
『レックPresents NJPW STRONG INDEPENDENCE DAY』後楽園ホール(2023年7月5日)
FINAL DEATH ○ジョン・モクスリーvsエル・デスペラード×
モクスリーが前夜に続き、“特別な場所"後楽園ホールでデスペラードとデスマッチを展開。死闘の末に勝利をもぎ取ると、「またここに戻ってくる」と日本のファンに約束した。
『NJPW STRONG』は新日本プロレスワールド内で放送しているアメリカ発の配信番組。2020年8月からアメリカで興行が行われてきたが、今回の後楽園ホール2連戦が初の日本開催となった。2日目のメインイベントには「FINAL DEATH」と銘打たれたモクスリーとデスペラードの一騎打ちが据えられた。
両者は昨年7月のナッシュビル大会におけるNO DO戦で激突。モクスリーが勝利したが、日本で再戦が実現することに。前日には前哨戦として「デスペラード&葛西純vsモクスリー&ホミサイド」が組まれ、血まみれの死闘の末、デスペラードがホミサイドに激勝していたが、今宵はモクスリーが暴れ回った。
試合は「ロープエスケープ、場外カウント、反則カウントなし」で「レフェリーが特に危険と見なしたもの以外の全ての凶器使用が認められる」という完全決着ルール。リング上に有刺鉄線ボードが設置され、実況席に葛西が着席すると、場内は熱気に包まれる。デスペラードはギターと赤いバラを手に入場。モクスリーも客席の間を通って登場した。
互いに有刺鉄線ボードへの激突を狙うスリリングな幕開けに。デスペラードが場外に退避すると、すかさずモクスリーはトペスイシーダを敢行した。デスペラードはアルミバケツのフタを振り回すと、早くもテーブルを投入するが、これが墓穴を掘る結果に。モクスリーはステージ席からヒップトスでデスペラードをテーブルに激突させる。さらに、テーブルの上で大の字になるデスペラードにエルボードロップを連続投下した。
止まらないモクスリーはパイプイスを使って左足を挟み込んだり、フォークを額や背中に突き刺したりと、巧みに凶器を利用。ついに有刺鉄線ボードにデスペラードを叩きつける。客席からも悲鳴が起こるが、モクスリーは一転して正攻法に切り換え、パイルドライバー、ブレーンバスターからアームロックに絡め取った。デスペラードは起死回生のギター攻撃を狙うも、逆に奪い取られ、脳天に振り下ろされる。
その後も一方的な展開がしばらく続いたが、デスペラードは決死の反撃へ。有刺鉄線ボードに投げつけてようやく一矢報いると、四つん這いになったモクスリーに有刺鉄線ボードを被せて、パイプイスでメッタ打ちにした。有刺鉄線に絡まったモクスリーをバックドロップで投げると、敬礼ポーズで葛西にリスペクトを示しつつ、パールハーバースプラッシュを投下。バラの中に隠しておいたチーズスライサーでモクスリーの額を切り裂いた。デスペラードの猛攻は続き、リングサイドに設置したテーブルに有刺鉄線ボードを固定。そこめがけて捨て身の断崖式河津落としを敢行して、「holy shit」コールを巻き起こした。
2人の激情はさらに燃え上がり、有刺鉄線を拳に巻きつけて殴り合うと、互いに竹串を額に突き刺し合った。その状態でエルボー合戦を展開するが、モクスリーはスキを突いてダイヤモンドカッターをズバリ。前戦で勝利を奪ったブルドッグチョーク(チョークスリーパー)で絞めに絞める。
デスペラードは中指を立てて意地の抵抗。モクスリーのデスライダー狙いを切り返し、スパインバスター、バックドロップ、ピンチェ・ロコと一気呵成に大技を連発した。そして、葛西ばりの垂直落下式リバースタイガードライバーからクラッチを解かずにピンチェ・ロコの構えに。
動きを読んだモクスリーは逆にデスライダーで突き刺したものの、デスペラードは意地のキックアウト。場内は沸騰したものの、粘りもここまで。モクスリーは後頭部を容赦なく踏みつけると、中指を立てるデスペラードにラリアットを一閃。デスライダーでダメ押しし、死闘に終止符を打った。
モクスリーが“FINAL DEATH"で激勝を果たした。セコンドの肩を借りて去っていくデスペラードに声援が集中。モクスリーはコーナーに上がって胸を叩き、素直にデスペラードへのリスペクトを示す。場内に「モクスリー」コールが響いた。
マイクを持ったモクスリーは「ここコーラクエンホールでプロレスをできること、そしてその一部になれることは特別なものだから。ここ、コーラクエンホールはプロレスの心臓部分なんだ。これは世界中で知られている事実なんだ。ここにいる全ての人たち、俺らやファンにとって特別な場所なんだ」と“聖地"後楽園への思い入れを早口でまくし立てた。
そして、「数年前、初めてここを訪れた時、俺はここで洗礼を受けて、生まれ変われたんだ。これもトーキョーのファンのお前らのおかげだ。お前らからもらったものは、言葉で言い尽くせない。お金でも決して買えないかけがえのないもので、世界で一番大切なものだ。俺の心の一部はいつもここ、トーキョーのコーラクエンホールにある。命ある限り、またここトーキョーの地に、NJPWに戻ってきて、最高のものを見せてやる」と再来日を約束。デスペラードや葛西への敬意も口にすると、“闘う男"の背中をみせながら、南側ひな壇客席を横切って姿を消し、激闘続きの『NJPW STRONG』2連戦を締めくくった。
「コーラクエンホールに帰ってくるたびにこれからも俺の出し尽くせる全てのスキルとハートをさらけ出して、最高のものを見せたいと思ってる。歳を取るごとに与えられるものは減っていくと思うが、その時々のベストを尽くすよ」とバックステージでも聖地への思いを口にしたモクスリーは、「俺はデスペラード、カサイ、タナハシ、イシイ、スズキ…NJPWのどんな対戦相手に対してもNOと言ったことはないし、これからも言うつもりはない」と断言。「やがてある日、リストに残る対戦相手がいなくなるだろう。その日がきたら、夢は現実のものとなるだろう。お前たちの夢、そう、この俺が、NJPWの持つ全てのタイトルやトーナメントを制覇する日だ。どんな相手、どんなスタイル、どんな場所でも関係ない。俺は世界最高のプロレスラーだ」とその先に新日本完全制覇の野望を描いてみせた。
一方、敗れたデスペラードは悔しさのあらわに。それでも「前にも言ったな。俺はデスマッチじゃ死なねぇぞ。しつこいぞ! モクスリー、勝つまでやってやるからな!」とリベンジを誓ってた。
【モクスリーの話】「(リングのほうを指差し)外でも言ったけれど、もう一度言う。NJPW、トーキョーに感謝する。ここ(後楽園ホール)は俺にとって特別な場所だ。コーラクエンホールに帰ってくるたびにこれからも俺の出し尽くせる全てのスキルとハートをさらけ出して、最高のものを見せたいと思ってる。歳を取るごとに与えられるものは減っていくと思うが、その時々のベストを尽くすよ。俺はデスペラード、カサイ、タナハシ、イシイ、スズキ…NJPWのどんな対戦相手に対してもNOと言ったことはないし、これからも言うつもりはない。やがてある日、リストに残る対戦相手がいなくなるだろう。その日がきたら、夢は現実のものとなるだろう。お前たちの夢、そう、この俺が、NJPWの持つ全てのタイトルやトーナメントを制覇する日だ。どんな相手、どんなスタイル、どんな場所でも関係ない。俺は世界最高のプロレスラーだ」
【デスペラードの話】「(フラフラとした足取りでインタビュースペースに着くと、床に寝そべり)悔しい! (体を起こして四つん這いになり)クソー! 悔しい! (立ち上がって)Final Death。前にも言ったな。俺はデスマッチじゃ死なねぇぞ。しつこいぞ! モクスリー、勝つまでやってやるからな! (フラつきながら控室へ)」