7/5【新日本】KENTA初防衛戦で陥落…キングストンが憧れの日本で涙のSTRONG王座戴冠
『レックPresents NJPW STRONG INDEPENDENCE DAY』後楽園ホール(2023年7月5日)
STRONG無差別級選手権試合 ○エディ・キングストンvsKENTA×
キングストンが憧れの日本でKENTAを破り、STRONG無差別級王座初戴冠。日本のファンに祝福され、思わず涙を流した。
伸びすぎた髪が裏目に出て、ベルトを一度失った経験のあるSTRONG無差別級王者のKENTAは本人曰く「弱気な散髪」を施し、万全の状態で『NJPW STRONG』後楽園大会での防衛戦に進んできた。前夜の前哨戦では、13歳から日本のプロレスに憧れていたキングストンが逆水平連打やエクスプロイダーなど全日本流のファイトで存在感を発揮していた。
KENTAはロープ際でビンタを浴びせて挑発。怒ったギングストンから逃れて翻ろうにかかる。キングストンはダブルアームスープレックスから場外戦に持ち込んだものの、KENTAは逆水平を避けて鉄柱への誤爆を誘発。そこから右腕攻めでペースを握った。
キングストンはエクスプロイダー、バックドロップと全日本の影響を感じさせる投げ技で逆転。ハーフネルソンスープレックスの構えに。しかし、KENTAはとレフェリーに組みついて無法地帯を作り、自ら持ち込んだTシャツを使ってチョーク攻撃を偽装。さらに、今度はキングストンとレフェリーを交錯させ、ベルトを持ち込み、殴打を狙った。
キングストンはニーリフトで迎撃。ベルトを手にするが、本部席に返却して拍手を浴びる。だが、KENTAはリング下に隠しておいた自身が保持するDEFY王座のベルトを投入して、今度こそ痛打。ダイビングフットスタンプを投下した。
勝負を捨てないキングストンは川田利明ばりのストレッチプラムに持ち込み、ねじ切らんばかりに捻り上げるが、KENTAは命からがらロープに逃れる。歓声を浴びたキングストンはバックフィスト・トゥ・ザ・フューチャー(裏拳)へ。KENTAはこれをガードすると、ローリング袈裟斬りチョップから底を乱射。ブサイクへのヒザ蹴りをねじ込む。そして、go 2 sleepへ。
ヒザを掴んで必死の抵抗を見せたキングストンはジャンピングハイキックでKENTAの動きを止めると、バックフィスト・トゥ・ザ・フューチャーをズバリ。ラリアットの打ち合いもこん身の一撃で押し勝つと、中指を立てるバックフィスト・トゥ・ザ・フューチャーに再びぶち込み、ノーザンライトボムで突き刺してKENTAを沈めた。
キングストンが憧れの日本でSTRONG無差別級王座奪取。王者としてG1 CLIMAXに臨むことが決定的となった。ホミサイドと抱き合って喜びを爆発させると、大歓声が降り注ぐ。キングストンは思わず涙。感極まった表情でベルトを抱きしめた。一方、KENTAは一度も防衛できず、再びベルトを失う結果となった。
バックステージでは「俺はこの瞬間を夢に見てきた。ここで涙は流したくない。感情を爆発させたくない。でも21年戦ってきた」と感慨深げに語ったキングストン。「世界中の子どもたちに伝えたい。俺は本来、ここにいる人間じゃないんだ。俺はバカなことをやってるストリートキッドだった。誰かに殺されてもおかしくない、刑務所に入っていてもおかしくないヤツだった。でも、そうはならなかった。なぜならプロレスが、日本のプロレスが俺を支えてくれたからだ」とあふれる想いを吐露すると、「俺にできたのだから、誰にだってできる」とメッセージ。「ただ感謝したい。真剣に命をかけてこの王座を守る。皆ありがとう。もう行くよ。アリガトウゴザイマス」と感謝の言葉を連呼していた。
【キングストンの話】「アー。これは3人の人に捧げられるものだ。母、父、そしてテリー・ファンク。俺にとって史上最高の人たちだ。俺は、俺はこの瞬間を夢に見てきた。ここで涙は流したくない。感情を爆発させたくない。でも21年戦ってきた。皆、納得できないことに面することがある。自分の時間を無駄にしていると感じることがある。世界中の子どもたちに伝えたい。俺は本来、ここにいる人間じゃないんだ。俺はバカなことをやってるストリートキッドだった。誰かに殺されてもおかしくない、刑務所に入っていてもおかしくないヤツだった。でも、そうはならなかった。なぜならプロレスが、日本のプロレスが俺を支えてくれたからだ。俺にできたのだから、(涙を我慢しながら)誰にだってできる。ほかに俺が言えることは何もない。ただ感謝したい。真剣に命をかけてこの王座を守る。皆ありがとう。もう行くよ。アリガトウゴザイマス。通して、ありがとう」
【KENTAの話】「(DEFY王座のベルトを肩にインタビュースペースに現れると、ビデオカメラマンを見やって)太ってんじゃん。ウソだろ。大事な試合には来んなっつってんじゃん。勝率ヤバいだろお前、振り返ってみろよ。何で来んの? 俺がどれだけ重たい思いしてベルト2つ持ってきたと思ってんの? 1個になっちゃったよ。メッチャ太ってんじゃん。何だっけ? エディ、エディ。ふざけんなよ。……誰だよ、エディって? アイツ、柴田? ふざけんなよ。プーさん? プーさんだろ、アレ? ……いやこんな俺でもさ、負けると悔しいんだよ。負けると悔しいんだよ、こんな俺でも。次、G1。俺にしかできない、俺だからこそできる仕事やってのけてやるから。見とけよ。(ビデオカメラマンに)お前、来んなよ、G1。俺、ホントに賭けてるから。……来るなぁ、コイツ! ざけんなよ。俺が何が言いたいかっていうと、真面目に、俺だって悔しいんだよ。誰かが陽ぃ浴びてりゃ、苦しい時もあんだよ。その分、G1で俺がやってやるから、見とけ」