11/11【新日本】ザックが時間切れ6秒前にベイリー料理でTV王座V16 棚橋指名
『Lonestar Shootout』
アメリカ・Curtis Culwell Center(テキサス州 ダラス/ガーランド)(2023年11月10日※現地時間)
NJPW WORLD認定TV選手権試合 ○ザック・セイバーJr.vsマイク・ベイリー×
ザックが時間切れ6秒前にベイリーを料理し、TV王座V16を達成。棚橋弘至を次期挑戦者に指名した。
初代TV王者・ザックは10・24後楽園大会でボルチン・オレッグを退け、15度目の防衛に成功。V20を目標に掲げ、この日、ダラスの地でジュニアの実力者・ベイリーを迎え撃った。
開始早々、ベイリーが打撃の雨を降らせ、得意とする左右のミドルキック連打から延髄斬りを放って先制。三角飛びケブラーダを発射した。ならばとザックは蹴りを封じるべく、左右の足首をひねり上げるなど足攻めを展開した。
ベイリーがハンドスプリング攻撃を狙っても、読んだザックは腕ひしぎ逆十字で捕らえた。耐えたベイリーはミサイルキックで反撃を開始。ソバット、カカト落とし、ミドルキックと蹴りまくり、ランニングシューティングスタープレス、顔面蹴りと攻め立てる。互いの蹴りが何度も空を切る目まぐるしい読み合いもベイリーが制し、ムーンサルトダブルニーを繰り出したが、ザックが両ヒザで迎撃して相打ちとなった。
ともにダメージを負った両者は座り込んだ状態で蹴り合い、スタンドに戻るとベイリーがトラースキックをぶち込んだが、ザックはハイキックで応戦。両足を踏みつけてからヒザ十字固めで捕らえる。その体勢で足首をひねり上げると、変型STFに移行。アキレス腱固めを極めた状態でエプロンにもつれると、ベイリーはムーンサルトダブルニードロップを投下した。
チャンスと見たベイリーは三角飛びケブラーダを敢行。リングに戻ると旋風脚、アルティマウェポンを立て続けに発射したが、ザックは3カウントを許さない。ハイキックをキャッチしてスリーパーで捕らえると、ザックドライバーを爆発させた。ベイリーがギリギリでキックアウトして場内は沸騰。丸め込み合戦からベイリーがその場飛びスパニッシュフライ、ムーンサルトダブルニーと空中殺法を連発したが、ザックは飛びつき三角絞めで捕獲。クラーキーキャットに移行して絞め上げ、ベイリーをギブアップさせた。
勝負タイムは14分54秒。時間切れ6秒前にベイリーを仕留めたザックがTV王座V16を達成した。「もう少しでノックアウトされるところだった。危険な男だ。マイク・ベイリーは、とてもとてもとても、とてもとてもとても危険な相手だ。まさしく俺がこの王座戦に望んでいた相手」と振り返ったザックはV20達成まであと4つと迫った。そこで次期挑戦者に棚橋を指名。「次のWORLD認定TV王座戦を望むだろう? ヒロシ、ドーゾ、オネガイシマス」と日本語も交えて投げかけていた。
【ザックの話】「(ベイリーを)診てやってくれ。“スピード・ボール"。楽しませてもらった。今後は彼にカフェインを摂り過ぎないでもらいたい。何であんなに元気いっぱいなんだ? 怒りに満ちた脚は見せかけのものだろう? マイク・ベイリー、楽天的な空手マスター。何で彼はあんなに怒ってる様子なんだ? 彼の脚に何があった? 俺の顔はあの脚に対して何もできない。俺が彼の素足、あの汚い指先のために用意したものはすべて折り紙つきだ。俺は強迫性の潔癖症として知られているからな。次回はホースで洗って、俺たちの文化に合わせて入浴してもらおう。まあ彼の足のことは置いておいて、もう少しでノックアウトされるところだった。危険な男だ。マレットヘアの男に平衡感覚を乱されるなんて、非常に憂慮すべき事態だな。2023年なのにマレットヘアなんだぞ。どういう訳だか。(カメラマンに向かって)知ってたか? マレット。マレット! 何でそうした? どうやってオーダーしたんだ? 生まれた時からその髪型なのかと思った。彼はカナダ人だ。一体何だって……コモンウェルスは……なぜならマレットと言えば、アメリカのレッドネックのイメージだ。でも今やカナダ人が、オーストラリア人までもが、あの怒りを身につけてる。俺が何か見落としてるんだろうか。マレットだぞ。とにかくこれ以上、彼の汚い足と馬鹿げた楽天的な性格と、髪型の話をするのはよそう。マイク・ベイリーは、とてもとてもとても、とてもとてもとても危険な相手だ。まさしく俺がこの王座戦に望んでいた相手。16、ジュウロッカイ、ジュウロッカイ防衛成功。だが、前に進もう。同じぐらい怪しい髪型の男がいるな。ヒロシ・タナハシ。俺はこのベルトを手にしてから失ったことがない。11ヵ月だ。11ヵ月、初代王者、16回防衛。一度として制限時間切れはない。一度事故で制限時間を迎えたことはあるが、そのことは忘れよう。プロレス界のほかのTV王者は時間制限の引き分けに持ち込み、簡単な道を選択する。だが俺はそうはしない。俺はお前から隠れたりしないぞ、ヒロシ。次のWORLD認定TV王座戦を望むだろう? ヒロシ、ドーゾ、オネガイシマス」
【ベイリーの話】「(曲がった指を見せて)アアッ! 指を失うところだった。NJPW WORLD認定TV王座戦に負けた。TVを見ない男、ザック・セイバーJr.に負けたんだ。一言言い直そう。王者の資格がある男だ。今晩の教訓は身にしみる。だが、俺はTV番組から教訓を得てきた。『アドベンチャー・タイム』『ザ・ソプラノズ』『ブレイキング・バッド』『となりのサインフェルド』『フレンズ』なんかから。最後までどうなるかわからないんだ。まだまだ俺のエピソードは続く。何シーズンもあるし、続編だってあるんだ。10年後にリメイクだってやるかもしれない」