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1/4【新日本】オカダ雪辱、ダニエルソンと座礼に終わるドーム大熱闘

『WRESTLE KINGDOM 18 in 東京ドーム』東京ドーム(2024年1月4日)
スペシャルシングルマッチ ○オカダ・カズチカvsブライアン・ダニエルソン×

 ダニエルソンの執ような腕攻め地獄を耐え抜いたオカダが執念のレインメーカーで雪辱に成功。ドームを揺るがす大熱闘を繰り広げた2人は座礼をかわして、遺恨を清算した。

 オカダとダニエルソンは昨年6月のAEWと新日本の合同興行『Forbidden Door』のメインで初対決。ダニエルソンがオカダからギブアップ勝ちを奪ったものの、この試合で右腕を骨折し、長期欠場に追い込まれた。その後、10月にAEWマットでのタッグ対決が実現すると、直接勝敗には絡まなかったものの、オカダはレインメーカーをダニエルソンに叩き込んで報復に成功。ダニエルソンはこの試合で目を負傷する不運に見舞われた。

 2戦連続で負傷に追い込まれたダニエルソンは「今度は俺がお前の腕を破壊してやる」と決着戦を要求。オカダは「右腕が破壊されようと、今度はレインメーカーで俺が勝つ」と受けて立つ構えを見せ、スペシャルシングルマッチでの再戦が実現した。

 オカダは白いガウンで登場。途中で音楽が止まると、ガウンに色が入るど派手なパフォーマンスを披露した。眼帯をつけたダニエルソンも「YES」コールの中、リングイン。いやが上にも決戦ムードに包まれる。

 場外戦に持ち込んだオカダが積極策を取る。特設花道を横断する形で突進するが、ダニエルソンは飛びヒザ蹴りで迎撃。予告通りにオカダの右腕破壊へ。鉄柵の扉部分で腕を挟み込んだ。ラフファイトのみならず、厳しい関節技や打撃でも一点集中攻撃を重ねると、何度もオカダの悲鳴が場内に響く。右腕のダメージがひどく、オカダは反撃も単発で終わり、ペースを掴めない。反対にダニエルソンはエルボースマッシュ連打、コーナー最上段からの雪崩式ダブルアームスープレックスと怒とうのラッシュ。エプロンでも右腕をしつこく蹴りつけた。

 だが、オカダは死力を振り絞ってダニエルソンを抱え上げると、ツームストンで突き刺し、反撃ののろしを上げる。ケンカモードのオカダはダニエルソンの左目を狙ってストンピングを連打。眼帯を引っぺがして踏みつけた。得意のドロップキックからアクセルを踏み、鬼の形相でレインメーカーを予告する。

 ダニエルソンは十字固めで腕を絡め取って切り抜けると、腕へのミドルキックを誘い水にして、側頭部も蹴り飛ばす。首筋に何発もエルボーを振り下ろすと、飛びヒザ蹴りもクリーンヒット。そして、総仕上げとばかりにヌメロロック(YESロック)に捕獲。昨年6月にギブアップを奪われた変型羽根折り式に持ち込んでギブアップを迫る。東京ドームは悲鳴にも似た「オカダ」コールに包まれた。

 オカダは粘りに粘ってロープに足を伸ばし、九死に一生を得る。ならばとダニエルソンは顔面を非情に踏みつけて再び腕を取ろうとしたが、切り抜けたオカダは起死回生のレインメーカーをぶち込んだ。右腕に激痛が走るが、オカダはなおも奮闘。ダニエルソンのミドルキックで何度も右腕を蹴られるが、意地になって、その右腕でエルボーを振り抜く。関節技に持ち込ませず、ジャーマンで投げた。

 ダニエルソンはローリングエルボー、ハイキック、飛びヒザ蹴りと打撃で活路。「YES」コールを巻き起こすと、突進するが、読んだオカダは変型エメラルドフロウジョンで突き刺した。レインメーカーは読まれてもドロップキックや開脚ドライバーで猛攻は止めず。最後にこん身のレインメーカーを振り抜き、死闘を制した。

 オカダが執念でリベンジ達成。東京ドームを何度も揺るがす死闘を繰り広げた2人は向かい合う。そして、ともに座礼し握手を交わして健闘を称え合い、遺恨を清算した。

 雪辱を遂げたオカダは「また何回もやってほしいなと思いますし、AEWでもやったし、新日本のリングでもやったし、どこでも胸を張れるカードだと思いますので」と3度目にも前向き姿勢をみせた。

 「あの歓声に今日はとても救われた気がしました。本当にまたギブをしてもおかしくないようなサブミッションでしたし。本当に歓声が届いた」と振り返ったようにドームに響き渡る大歓声が勝利の原動力となった。最高の結果と内容で新年の幕を開けることができ、オカダは「いいスタート切れましたので、またプロレス界が盛り上がるように2024年もしっかりやっていきたい」と誓った。

【オカダの話】「こうやって、とりあえず一つ借りを返しただけなので、これで終わるような、そんな寂しいプロレス界ではないと思いますので、また何回もやってほしいなと思いますし、AEWでもやったし、新日本のリングでもやったし、どこでも胸を張れるカードだと思いますので。本当に2024年一発目、素晴らしい戦いができたと思いますし。当たり前なんですけど、当たり前じゃない、あの歓声に今日はとても救われた気がしました。本当にまたギブをしてもおかしくないようなサブミッションでしたし。本当に歓声が届いたので最高でした。いいスタート切れましたので、またプロレス界が盛り上がるように2024年もしっかりやっていきたいと思います。ありがとうございました」

【試合後のダニエルソン】

▼ダニエルソン「(左目を冷やしながら)自分自身が臨んでいた結果ではないとはいえ、負けたけれども凄く自分にとってはいい気分だ。ここ13年間、求めていた物がここにあったと思う。オカダ・カズチカのような素晴らしい選手と、ここトーキョー・ドームで闘えること。プロレスの最高の部分が今日は見えたと思う。もちろん勝敗は大事だけれども、それ以外にリングに上がると自分自身のことを学ぶことになり、と同時に相手のことをよく知ることができる。前回の試合ではオカダがタップアウトしてしまったので、自分自身はあまり納得がいっていない試合内容だった。しかし、オカダはG1を控えているなどいろいろあったので、致し方なかったのかなとも思う。オカダがタップアウトしたのは、2015年のシンスケ・ナカムラとの試合以来だったということを考えると、それも特別だったのかもしれない。でも、今日のオカダは100%燃え盛る炎のような状態で、自分と一緒にリングに上がってくれた。自分が求めていたオカダが目の前に立っていて、凄く嬉しかった。最高の自分、そして最高の誰か、そしてこの素晴らしい特別な場所で、特別な選手とリングで自分自身が交わった時、それこそが最高の時なんだと思う。なので、今回はここに自分の試合を組んでいただいたことに感謝したいと思う。自分の目も痛いし、体もやられてしていまっているけれども、今最高の時だった」

──前回、新日本に参戦した2004年から約20年経っているが、現在との違いは?

▼ダニエルソン「今の新日本とは違う面白い時代だったなと思う。もちろん猪木イズムもしっかりあって、勝負も素晴らしく、当時はバス・ルッテンやボブ・サップなんかと一緒に巡業を回っていたので、今とは全く違う雰囲気だった。それからその後も新日本プロレスのことはずっと見てきて、タナハシやオカダ、そしてその他の素晴らしいメインイベンターたちがこの団体をしっかり成長させていったところは、とても素晴らしいことだと思う」

──あなたにとっての新日本プロレスとは?

▼ダニエルソン「一言で言うのは難しい。新日本プロレスっていうのは、今も目を閉じて考えると夢のようなんだ。プロレスを始めた時に自分が行きたいと思っていた夢の場所であり、自分のヒーローたちの住まう場所。アメリカやカナダのプロレスラーたちは、ここで育ち、そしてここから旅立ってトップになっていったんだ。自分自身ももちろんここで学び、そして日本で長い間プロレスをしたいと思っていた。当時はそういう結果にはならなかったけれども、今またここに戻ってこられたというのは、何か夢を叶えたような、また夢の中にいるような気持ちだ」

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