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1/20【新日本】EVILが緊急決定ランバージャック戦制してNEVER強奪 タマは涙で新日本マットに区切り

『THE NEW BEGINNING in NAGOYA』愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)(2024年1月20日)
NEVER無差別級選手権試合 ○EVILvsタマ・トンガ×

 EVILが緊急決定したランバージャック戦を無法ファイト連発で制し、NEVER王座を強奪。一方、タイトルから陥落したタマは涙ながらに14年間過ごした新日本マットに大きな区切りをつけた。

 タマは1・4東京ドーム大会で鷹木信悟を破り、2ヵ月ぶりにNEVER王座に返り咲き。試合後、1月いっぱいで新日本を去る意志を明らかにした。翌日の墨田区大会でそんなタマに噛みついたのが、HOUSE OF TORTUREの首領・EVILだ。ハサミを手にして勝手に断髪を強行すると、NEVERのベルトも強奪。タイトル戦を強引に決めた。その後もEVILはHPからタマのプロフィールを削除し、チャンピオンの表記も自分に変えるよう新日本のスタッフに強要。暴挙の連続に対し、タマは「新日本に残って、お前を叩きのめしてやる」と怒りを溜め込んでいた。

 EVILは自分が王者だと言わんばかりにベルトを持って登場する。ブチ切れたタマはゴングを待たずに奇襲を仕掛けると、ハサミを持ち込んでEVILの断髪を狙った。拷問軍は総出で乱入すると、タマを助けようとヒクレオ、エル・ファンタズモ、海野翔太、エル・デスペラード、邪道も介入。リング上は大混乱に。収拾が付かず、海野レフェリーは「無効試合」の裁定を下した。しかし、タマもEVILも納得いかず。タマがランバージャックマッチを要求すると、EVILも受諾し、再試合のゴングが打ち鳴らされた。

 タマサイドはEVILが場外に転落しても即座にリングに押し戻すが、拷問軍はタマが場外に落ちると、集団暴行する。ヒクレオたちが駆けつけても返り討ちにすると、金丸&東郷が床直撃の場外ダブルブレーンバスターでタマに大ダメージを与えた。その後もEVILはラフファイトでタマを蹂りん。ことあるごとに拷問軍が介入する。

 金丸がタマの足をすくって妨害すると、見かねたデスペラードがEVILの足を掴んで報復。ここで激情をあらわにしたタマは猛攻に転じる。EVILがベルトを持って花道を逃走するも、ヒクレオ&ファンタズモが急行し、乳首攻撃で足止め。リングに押し戻すと、タマは変型デスバレーボムからシュプリームフロー(ダイビングボディプレス)を投下。セコンドに付いた仲間たちと共にマットを叩くと、ガンスタンの構えに。

 だが、EVILは海野レフェリーを盾にして防ぐと、急所蹴りから海野レフェリーの肩を使ってマジックキラーをズバリ。裕二郎はタマを場外に連行してDDTで突き刺し、リングに押し入れると、EVILはダークネスフォールズで叩きつける。なおも抵抗を止めないタマにラリアットを連発した。

 意地の仁王立ちで受け止めたタマは起死回生のトンガンツイストを繰り出す。セコンドのディック東郷がレフェリーの死角を突いて、パイプイスでタマを殴りつけたものの、怒りの邪道もEVILを竹刀で痛打して加勢。海野レフェリーが試合に巻き込まれ、無法地帯になっても、ヒクレオらが飛び込み、拷問軍の介入を許さない。ファンタズモがケブラーダで飛翔して、EVILを孤立させた。ベルト痛打を狙うEVILだったが、タマはベルトごとドロップキックで蹴り飛ばす。互いに大技を狙うスリリングな展開になるも、タマは海野レフェリーを飛び越えてガンスタンをズバリ。DSDで突き刺して決定的チャンスを掴んだ。

 しかし、東郷が海野レフェリーの足を引っ張ってカウントを妨害。スポイラーチョーカーでEVILの首を絞める。邪道が竹刀攻撃でカットに入ると、タマはガンスタンで東郷を戦線離脱に追い込んだ。タマは再度EVILにDSDを狙うも、EVILはロープに押し込んで反攻した。ここでエプロンに上がった成田蓮が鉄板入りプッシュアップバーで頭部を一撃。不意を突かれて棒立ちになったタマを暗黒の王がEVILで叩きつけて、大乱戦に終止符を打った。

 EVILが大乱戦を制してNEVER王座を強奪。セコンドの肩を借りて去っていくと、リングにタマが残る。1・4東京ドーム大会での言葉通り、今回のタイトル陥落で、タマが2010年から戦ってきた新日本マットから離れることが決定的に。感極まって涙を見せたタマは、マイクを持つと「シンニホンプロレス、アリガトウゴザイマシタ」と日本語であいさつした。英語に切り換えて「ニュージャパンのファンたちよ、ありがとう。全てに感謝したい。俺を気にかけてくれたことに感謝したい。ホームを与えてくれたことに感謝したい。君たちを知る機会をくれたことに感謝したい」と何度も「Thank you」を繰り返して感謝の言葉を重ねると、最後に「I love you」と惜別のメッセージを送った。

 タマはセコンドに付いた面々と抱き合うと、4方向のコーナーに上がって観客の声援に応える。そして、ヒクレオとジャンプしてハイタッチを交わすと、マットを一度叩いて雄叫びを上げた。リングサイドの観客たちとハイタッチを交わして花道を下がっていき、最後はライオンマークの前で深々と一礼した。

 「もしニュージャパンのために過ごした日々がなかったら、俺はどんなヤツになっていただろう。ニュージャパンのファンたちのために過ごした日々がなかったら、俺はどんなヤツになっていただろう。それらがあったからこそ、今ここに俺はいる」。バックステージでも再び感極まった表情を見せたタマは、「15年かけて、俺はあらゆることを学んだ。レスリングだけじゃない。日本の文化、人々、ファン、仕事のことも。俺の人生で最高の体験だ。忘れることはない。それらはどこへ行こうと俺の中にあるし、どこへ行こうとも見せていくことになるだろう。ニュージャパンとファンたちのために。愛しているよ」と感慨深げにコメント。「最大の思い出」を問われると、涙をにじませながら「友情だ。ここでできた……生涯の友人たち。ここで得た経験。永遠に忘れることはないよ」と答えていた。

 現時点でタマが出場を予定している大会は1・23&1・24後楽園大会のみ。今回のタイトルマッチで大きな区切りを迎えたタマは、残り2試合を完走し、2010年から14年間過ごした新日本マットに別れを告げる。

【EVILの話】「(メンバーに支えられながらフラフラの状態で現れると、バタンと机に突っ伏して、顔を上げられないままコメント)ざまーみろコノヤロー。テメーみたいな弱ええヤツはな、クビだっつったらクビなんだよ。とっとと消え失せろ。わかったか、覚えとけ……」


【試合後のタマ】

▼タマ「もしニュージャパンのために過ごした日々がなかったら、俺はどんなヤツになっていただろう。ニュージャパンのファンたちのために過ごした日々がなかったら、俺はどんなヤツになっていただろう。それらがあったからこそ、今ここにいる俺がいる。15年かけて、俺はあらゆることを学んだ。レスリングだけじゃない、日本の文化、人々、ファン、仕事のことも。俺の人生で最高の体験だ。忘れることはない。それらはどこへ行こうと俺の中にあるし、どこへ行こうとも見せていくことになるだろう。ニュージャパンとファンたちのために。愛しているよ」

――新日本のレスリング人生の中で最大の思い出は?

▼タマ「友情だ。ここでできた……生涯の友人たち。ここで得た経験。永遠に忘れることはない」

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