プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

5/30【新日本】デスペラードが大逆転で意地のAブロック1位通過 HAYATAと敬意の握手

『レック Presents BEST OF THE SUPER Jr.31』東京・後楽園ホール(2024年5月30日)
Aブロック公式戦 ○エル・デスペラードvsHAYATA×

 デスペラードがHAYATAの腕攻めを耐え抜いて大逆転勝利。スーパージュニアAブロック1位通過を決め、悲願の初優勝に一歩前進した。試合後、デスペラードはHAYATAに敬意を示し、握手と抱擁を交わした。

 Aブロック最後の公式戦は5勝3敗で首位タイに立つデスペラードとHAYATAによる注目の初シングルマッチ。第8試合までの結果を受けて、Aブロック首位突破を懸けての試合となった。NOAH所属のHAYATAは現在、GHCナショナル王座を保持。デスペラードは開幕前の会見からHAYATAを意識し、「最終公式戦でもHAYATA選手に僕が勝って、今、HAYATA選手が持っているベルトに対しても“やいやい"モノを言える状態で優勝したいと思います」と予告していた。

 試合は静かなグラウンド戦で幕開け。デスペラードはHAYATAのダイブ攻撃を連続して防ぎ、場外ヌメロ・ドスに捕獲する。ここから得意のヒザ攻めに持ち込むかと思いきや、巧みに防いだHAYATAが左腕攻めを開始。ラフファイトとテクニックを上手く使い分けて、シリーズ中に攻め込まれる場面の多かったデスペラードの左腕に集中砲火を浴びせた。デスペラードが悲鳴を上げる展開が長時間続く。

 デスペラードは投げ技を連発したり、ギターラ・デ・アンヘルを決めたりと何度も反撃に打って出るが、流れに乗る前にHAYATAがテクニック全開の腕攻めで鎮圧。DDT、トラースキックの連続攻撃から一気に403インパクトの体勢に。こらえたデスペラードはスパインバスターからヌメロ・ドスに持ち込んだものの、巧みに逃れたHAYATAはハンマーロックに捕らえると、そのままブリッジ。奥の手・変型アームロックでギブアップを迫った。

 しかし、デスペラードは必死のロープエスケープ。エルボー合戦を仕掛けると、珍しく熱くなったHAYATAと裏の読み合いで火花を散らす。HAYATAのクロスフィックス(連続回転十字固め)で何度も追い詰められるが、なんとか肩を上げると、逆さ押さえ込みの体勢からピンチェ・ロコを決めてみせた。

 今度はHAYATAが意地のキックアウト。続くリバースタイガードライバーを防ぎ、両腕クロス式DDTで突き刺す。デスペラードの抵抗を受けても止まらず必殺の403インパクトがさく裂した。デスペラードはニアロープに救われ、ギリギリでロープに足が届く。ならばとHAYATAは今回のスーパージュニアで一度も使わなかったヘデックの構えに。

 デスペラードは死力を振り絞り、エルボーを浴びせてなんとか阻止。トラースキックの直撃を食らい、またもヘデックを狙われたが、カウンターのスパインバスターでピンチをチャンスに変える。勝機を逃してなるものかと、垂直落下式リバースタイガードライバーからクラッチを解かずにピンチェ・ロコにつなげ、大逆転の3カウントを奪った。

 デスペラードが執念でHAYATAを撃破。この結果、デスペラードはAブロック1位通過が確定した。2位には勝ち点10点でHAYATA、ティタン、TJP、ブレイク・クリスチャンが並んだものの、3人に直接勝利を上げているTJPが2位で決勝トーナメントに進むことが決まった。

 試合後、デスペラードは倒れるHAYATAに向けて深々と座礼。そして近寄ると握手し、抱擁も交わす。セコンドの肩を借りてリングを去っていくHAYATAに大きな声援が飛ぶ。リングに残ったデスペラードはマイクを持って率直な気持ちを語った。

 「正直さ、この状況だったらHAYATA選手が勝って、初出場・初優勝とか、かっさらっていったら、新日本ファン以外はメッチャ盛り上がるじゃん。気持ちはわかる。でも、新日本ファン以外のことをバカにしている言い方じゃなくて、単純にそのほうが刺激的なのはわかってるんだけどさ、最後の最後で俺が負けて、新日本以外の人が優勝するのはさすがに見たくないんだ」。そう思いを吐露すると、「HAYATAさん、ありがとうございました。最後の公式戦があんたでよかったです。最初だったら俺はたぶん1位通過とかしてない。ヤバいな。やっぱすげえな。久々だったよ。昼飯から緊張してあんまり飯食えなかったというのは」とHAYATAに敬意を表した。

 何はともあれ、悲願のスーパージュニア初優勝に向けて一歩前進。6・3後楽園大会では明日(31日)決定するBブロック2位の選手と準優勝で対戦する。デスペラードは「明日決まるんだろ。楽しみにしとくよ。でも、最後の最後、大阪城ホールでメインに立って、最後の最後、バズーカを受けるのは俺だから」と改めて聖地の観客の前で優勝を誓った。

 バックステージではNOAHから乗り込んできたHAYATAに改めてリスペクトを示し、「ベルト持っちゃってたら個人で上がるっていうのは無理な話なんだよ。でも、その気持ちは最高に嬉しかった。だから、あの人はチャンピオンで、俺は勝ったかもしれないけど、あの人のベルトについてとやかく言う権利はないと思っている」と明言。「『SUPER Jr.』に出てくれたHAYATA選手個人に、ありがとうございました。アンタみたいな人たちがいてくれるから、『SUPER Jr.』ってのは面白い」と賛辞を惜しまなかった。Aブロックでしのぎを削った選手たちの思いも背負い、デスペラードは決勝トーナメントに臨む。

【デスペラードの話】「むか〜し、昔、『NOAHのジュニアは最強です』って言っちゃった人がいてさ、やっぱ悔しかったわけよ。そんなこともある。でも、あの人は、HAYATA選手は、『NOAHとは関係なく俺は1人で上がっている。HAYATA個人として上がっている』って言ってたけどさ、新日本ファンだって、NOAHファンの人だって、周りのファンだってさ、俺たちもだよ、ベルト持っちゃってたら個人で上がるっていうのは無理な話なんだよ。でも、その気持ちは最高に嬉しかった。だから、あの人はチャンピオンで、俺は勝ったかもしれないけど、あの人のベルトについてとやかく言う権利はないと思っている。『SUPER Jr.』に出てくれたHAYATA選手個人に、ありがとうございました。アンタみたいな人たちがいてくれるから、『SUPER Jr.』ってのは面白い」

※HAYATAはフラフラの状態でインタビュースペースにたどり着き、前のめりに倒れ込むと、なんとか体を起こして無言で立ち上がって控室へ戻っていった

プロ格 情報局