【新日本】IWGP新王者・オメガが会見 7・7サンフランシスコでCodyとのV1戦決定「新日本代表として大きな戦いになる」、Codyとの関係修復も視野に 2018/6/11 14:18
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6・9大阪城ホール大会でIWGPヘビー級王座初戴冠を果たしたケニー・オメガが11日、東京・目黒の新日本事務所で会見。7・7サンフランシスコ大会でCodyとの初防衛戦が決まった新王者は「自分自身が新日本プロレス代表として大きな戦いになる」と責任感に燃え、Codyとの関係修復も見据えた。 ◇ 6・9IWGP決戦は史上初となる時間無制限3本勝負で争われ、トータルタイム64分50秒に及んだオカダ・カズチカとの死闘を2-1で制したオメガがIWGPヘビー初戴冠を果たした。その代償として今なおダメージが残ってはいるが、長年の努力が実を結んだ形のオメガは「自分にとって信じられなかったことが起こった。このIWGPのベルトというのは新日本プロレスにおけるトップである象徴だと思うが、俺にとってはそれ以上のものだ」と喜びを表現。「これを獲得し、長い間、トップに君臨していたオカダ・カズチカはもちろん世界最強、そして最高に素晴らしいチャンピオンだったと思う。今はオカダ・カズチカという男がスタンダードになっていて、日本のみならずアメリカやイギリスのレスラーがオカダのようになりたい、オカダと戦いたいと思ってプロレスを続けているだろう」と前王者に敬意を表しつつ、「だが、このベルトは今、俺が持っている。ベストバウト・マシーン、そしてベストパフォーマーの俺がこれからはその役割を担っていく。このベルトを持った俺がこれからプロレスを代表していく。そして新しい標準を作っていかなければいけない」と責任感に燃えている。 さっそく初防衛戦が決まった。舞台はアメリカ・サンフランシスコ。Codyを迎え撃つ遺恨決着戦となる。CodyとはROH4・7ニューオーリンズ大会以来3ヶ月ぶりの再戦。前回はヤングバックスの誤爆もあって敗戦に終わっている。その後も二人の遺恨は深まるばかりで、BULLET CLUB内紛問題は未だくすぶったまま。「負けた試合で心に残っていて痛みが残っているのはCodyとの試合」と振り返ったオメガは、「もちろんCodyのことを憎んできたし、彼が数ヶ月、俺に苦しみを与えた張本人」との感情を抱き続けてきたが、「今は彼のことが好きだし、彼はスポットライトを望む男なんだなと思った。もちろん彼はスポットライトを当てられてしかるべき男」と心変わり。「彼がこのベルトに挑戦したいというなら、もちろん権利があると思う。新日本プロレスが最強の挑戦者と認定したからこの試合が決まったのだと思う」と認めた。 大阪城大会の試合後には飯伏、ヤングバックスとのゴールデン・エリート結成を宣言した。「状況的には何も変わってはいない。俺はまだBULLET CLUBのリーダーだ。そしてゴールデンエリートは新たなブランドというふうに思っていてほしい」と説明したオメガは、「飯伏はBULLET CLUBのメンバーではないが、ヤングバックスとケニー・オメガはBULLET CLUBに属している。そしてCodyもまだBULLET CLUBにいる。こういった状況を考えると、サンフランシスコ大会が終わった頃にしっかりと全てが元に戻り、何もなかったファインな状態になればいい」とCodyとの関係修復を見据えつつ、「自分自身が新日本プロレス代表として大きな戦いになる」と新日本のトップに立った男としての責任感をむき出しにV1戦に臨む覚悟を口にしていた。 また、7・7サンフランシスコ大会ではIWGP戦に加え、IWGP USヘビー級選手権試合「ジェイ・ホワイトvsジュース・ロビンソン」、IWGPタッグ選手権試合「マット・ジャクソン&ニック・ジャクソンvsEVIL&SANADA」も決定。3大タイトルマッチが行われることになる。 ☆7/7(土)アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコCOW PALACE『G1 SPECIAL IN SAN FRANCISCO』15:30開場、17:00開始 ▼IWGPタッグ選手権試合 [挑戦者組] SANADA EVIL (1/60) ニック・ジャクソン マット・ジャクソン [第80代王者組] ※マット&ニック初防衛戦 ▼IWGP USヘビー級選手権試合 [挑戦者] ジュース・ロビンソン (1/60) ジェイ・ホワイト [第2代王者] ※ホワイト4度目の防衛戦 ▼スペシャルタッグマッチ BUSHI 内藤哲也 (1/30) ウィル・オスプレイ オカダ・カズチカ ▼IWGPヘビー級選手権試合 [挑戦者] Cody (1/60) ケニー・オメガ [第66代王者] ※オメガ初防衛戦 ※全8〜10試合予定 【会見の模様】 ▼オメガ「大阪城ホールのメインイベントからまだ数日しか経っていないが、試合の前にもっと楽にここまで来れればよかったのではないかと思ったりもしたが、これまで戦ってきたシングルマッチよりも努力を惜しまず練習を続けてこの試合臨んだ。この試合の前、自分自身、心身ともに打ち砕かれ、友人も失い、財産も失い、全てをなくした状態でキャリアでも一番厳しいと思われる試合を勝ち抜き、このベルトを勝ち取った。そういった全ての努力というものも勝利につながったが、このベルトはそれ以上に本当に大きな意味のあるものになった。今現在、完全に体が痛めつけられているし、疲労もあるし、傷もアザも残っているが、こうしてしっかりスーツを着てチャンピオンとして皆様に会うために来た。10年の苦労は価値あるものだったなと今思っている」 ――世界中からの反応は? ▼オメガ「戦いだけではなく人生の中でさまざまな目標を人々は立てると思う。そういった数々の目標というのは一つ一つを順番に達成するものではないのかもしれない。IWGPジュニアを獲った時、まさか自分がG1に優勝することを予測していなかったし、東京ドームのメインを飾ることも予測していなかった。もちろんIWGPヘビーのベルトを獲ることも思ってもいなかった。だが、G1に優勝した時、そこで少し未来というものが見えてきた予感がした。その未来とは何かというと、もちろん自分がこれまで達成したことで、東京ドームのメインイベントも達成し、その時、もしかしたら俺はもっと上にいけるのかもしれないと思った。この団体、もしくはプロレス界で最強になれるかもしれないと思ったが、何度も何度も挑戦し続けたにもかかわらずオカダ・カズチカという男には届くことができず、越えることができなかった。2日前、しっかりした準備を怠らず、愛と友情の力を借りて、そして自分自身を信じること、それを全て成し遂げた上で手にしたこのベルト、自分にとって信じられなかったことが起こった。このIWGPのベルトというのは新日本プロレスにおけるトップである象徴だと思うが、俺にとってはそれ以上のものだ。これを獲得し、長い間、トップに君臨していたオカダ・カズチカはもちろん世界最強、そして最高に素晴らしいチャンピオンだったと思う。今はオカダ・カズチカという男がスタンダードになっていて、日本のみならずアメリカやイギリスのレスラーがオカダのようになりたい、オカダと戦いたいと思ってプロレスを続けているだろう。しかし、このベルトは今、俺が持っている。ベストバウト・マシーン、そしてベストパフォーマーの俺がこれからはその役割を担っていく。このベルトを持った俺がこれからプロレスを代表していく。そして新しい標準を作っていかなければいけないと思っている。俺は新日本の美しさ、強さをみせていきたい。もしかしたら、これからまた新しいゴールをみつけるかもしれないが、今は新しい責任感に自分自身を浸らせている」 ――Codyとの初防衛戦が決まった心境は? ▼オメガ「この試合は本当に怨恨を含む血みどろの戦いになるのではないかと予想していた。なぜなら俺はもちろんCodyのことを憎んできたし、彼が数ヶ月、俺に苦しみを与えた張本人だからだ。だが、今、この段階で俺の中で新しい視点が芽生えている。今は彼のことが好きだし、彼はスポットライトを望む男なんだなと思った。もちろん彼はスポットライトを当てられてしかるべき男だと思っている。ROHでの試合でCodyに敗れたが、そういったもの全てを今は横においておきたい。なぜなら、これは個人的な感情とか、そういった戦いではないからだ。Codyは挑戦に値する強さを持っていて、それなりのアピールをしたから、この挑戦が決まったのだと思っている。自分の戦績をしっかりとは覚えていないが、負けた試合で心に残っていて痛みが残っているのはCodyとの試合だ。彼がこのベルトに挑戦したいというなら、もちろん権利があると思う。新日本プロレスが最強の挑戦者と認定したからこの試合が決まったのだと思う。それがサンフランシスコで行われるのも意味があることだ。ケニー・オメガvsCody。片やIWGPヘビー級チャンピオンで、相手はアメリカン・ナイトメア。新日本の興行ではあるが、アメリカで行われるということで、どちらにとってもホームであるアドバンテージはないと思うが、これは自分自身が新日本プロレス代表として大きな戦いになると思う」 ――ゴールデンエリート始動を宣言していたが、BULLET CLUBと平行してやっていく? ▼オメガ「状況的には何も変わってはいない。俺はまだBULLET CLUBのリーダーだ。そしてゴールデンエリートは新たなブランドというふうに思っていてほしい。飯伏はエリートのメンバーだと思っているが、BULLET CLUBのメンバーではない。飯伏はプロレス界を新たな次元に持っていき、新たな世界観を見せてくれる選手だと思っている。飯伏はヤングバックスとも仲がいい。このメンバーで世界を変えていこうという意味も含めた新たなプランニングだ。飯伏はBULLET CLUBのメンバーではないが、ヤングバックスとケニー・オメガはBULLET CLUBに属している。そしてCodyもまだBULLET CLUBにいる。こういった状況を考えると、サンフランシスコ大会が終わった頃にしっかりと全てが元に戻り、何もなかったファインな状態になればいいと思っている」 ――インターコンチ、US、NEVERと外国人王者となったが? ▼オメガ「そうだったね。クリス・ジェリコとは東京ドームで戦ったが、こういう展開になるというのは実は全く考えていなかった。だが、クリス・ジェリコは言ってみれば、プロレス史上最高峰の選手の一人だと思われる。もちろん内藤も日本国内では大変人気があり、会場に行けばロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのグッズを身に着けているファンも多いし、トランキーロの姿勢も人気が出る要因になってと思っているが、ぶっちゃけ言わせてもらえれば、内藤哲也はワールドワイドなスーパースターではないということだ。世界規模のスーパースターとしての思考がない。だから、この試合が決まった時、内藤は大変なことになるだろうなということは容易に予測がついたよ。マイケル・エルガンも大阪城ホールで俺と試合したことがあるが、彼が勝ったのを皆さん覚えていると思う。あのようなビッグマッチの前、マイケル・エルガンは必ず完璧な状態に自分を仕上げてから試合に臨む男だ。実際、2日前もそうだった。今までにないぐらい素晴らしい体に仕上げて試合に臨んでいた。それだけのことができる男だから、ベルトを勝ち取ることも想像できた。日本人選手は楽な試合をしているのではないかと思う。というのも我々外国人のような長い移動もなければ、一度ベルトを獲られても、すぐにチャンスが巡ってくる。そういう戦い方をしている選手とマイケル・エルガンを比べれば、それは全く考え方、マインドが違うと思う。必ずしっかり整えてくる。そんなマイケル・エルガンが勝てたのは当然だと思う。クリス・ジェリコもそうだ。彼は年に1回か2回、いくらギャラをもらっているか知らないが、そんなお金のためだけに生きている男ではない。日本に来て試合をするためには何らかの存在意義、存在をアピールするために来ている。彼は2日前の試合で持ちうる限りの経験を発揮して試合をみせてくれた。俺はカナダ人だが、今は新日本がホームだと思っている。カナダ生まれだが、今は日本に居住している。ここで一言日本人に言わせてもらいたい。我々はより強くなければならない。3人のカナダ人がベルトを持っていて、トップツーのベルトをウィニペグ出身の二人が持っているのはとても喜ばしいことだが、国内の選手には警告と受けて止めてほしいと思う。別に悪い意味で言うわけではないが、君たちはしっかりと自分自身をアピールして、より強くなるべきだ。なぜならば君たちはまだ外国人選手に力が及ばないからだ。日本人みんなに頑張ってもらいたい。そういった叱咤を込めてここでメッセージを送りたいと思った」
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6・9大阪城ホール大会でIWGPヘビー級王座初戴冠を果たしたケニー・オメガが11日、東京・目黒の新日本事務所で会見。7・7サンフランシスコ大会でCodyとの初防衛戦が決まった新王者は「自分自身が新日本プロレス代表として大きな戦いになる」と責任感に燃え、Codyとの関係修復も見据えた。
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6・9IWGP決戦は史上初となる時間無制限3本勝負で争われ、トータルタイム64分50秒に及んだオカダ・カズチカとの死闘を2-1で制したオメガがIWGPヘビー初戴冠を果たした。その代償として今なおダメージが残ってはいるが、長年の努力が実を結んだ形のオメガは「自分にとって信じられなかったことが起こった。このIWGPのベルトというのは新日本プロレスにおけるトップである象徴だと思うが、俺にとってはそれ以上のものだ」と喜びを表現。「これを獲得し、長い間、トップに君臨していたオカダ・カズチカはもちろん世界最強、そして最高に素晴らしいチャンピオンだったと思う。今はオカダ・カズチカという男がスタンダードになっていて、日本のみならずアメリカやイギリスのレスラーがオカダのようになりたい、オカダと戦いたいと思ってプロレスを続けているだろう」と前王者に敬意を表しつつ、「だが、このベルトは今、俺が持っている。ベストバウト・マシーン、そしてベストパフォーマーの俺がこれからはその役割を担っていく。このベルトを持った俺がこれからプロレスを代表していく。そして新しい標準を作っていかなければいけない」と責任感に燃えている。
さっそく初防衛戦が決まった。舞台はアメリカ・サンフランシスコ。Codyを迎え撃つ遺恨決着戦となる。CodyとはROH4・7ニューオーリンズ大会以来3ヶ月ぶりの再戦。前回はヤングバックスの誤爆もあって敗戦に終わっている。その後も二人の遺恨は深まるばかりで、BULLET CLUB内紛問題は未だくすぶったまま。「負けた試合で心に残っていて痛みが残っているのはCodyとの試合」と振り返ったオメガは、「もちろんCodyのことを憎んできたし、彼が数ヶ月、俺に苦しみを与えた張本人」との感情を抱き続けてきたが、「今は彼のことが好きだし、彼はスポットライトを望む男なんだなと思った。もちろん彼はスポットライトを当てられてしかるべき男」と心変わり。「彼がこのベルトに挑戦したいというなら、もちろん権利があると思う。新日本プロレスが最強の挑戦者と認定したからこの試合が決まったのだと思う」と認めた。
大阪城大会の試合後には飯伏、ヤングバックスとのゴールデン・エリート結成を宣言した。「状況的には何も変わってはいない。俺はまだBULLET CLUBのリーダーだ。そしてゴールデンエリートは新たなブランドというふうに思っていてほしい」と説明したオメガは、「飯伏はBULLET CLUBのメンバーではないが、ヤングバックスとケニー・オメガはBULLET CLUBに属している。そしてCodyもまだBULLET CLUBにいる。こういった状況を考えると、サンフランシスコ大会が終わった頃にしっかりと全てが元に戻り、何もなかったファインな状態になればいい」とCodyとの関係修復を見据えつつ、「自分自身が新日本プロレス代表として大きな戦いになる」と新日本のトップに立った男としての責任感をむき出しにV1戦に臨む覚悟を口にしていた。
また、7・7サンフランシスコ大会ではIWGP戦に加え、IWGP USヘビー級選手権試合「ジェイ・ホワイトvsジュース・ロビンソン」、IWGPタッグ選手権試合「マット・ジャクソン&ニック・ジャクソンvsEVIL&SANADA」も決定。3大タイトルマッチが行われることになる。
☆7/7(土)アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコCOW PALACE『G1 SPECIAL IN SAN FRANCISCO』15:30開場、17:00開始
▼IWGPタッグ選手権試合
[挑戦者組]
SANADA
EVIL
(1/60)
ニック・ジャクソン
マット・ジャクソン
[第80代王者組]
※マット&ニック初防衛戦
▼IWGP USヘビー級選手権試合
[挑戦者]
ジュース・ロビンソン
(1/60)
ジェイ・ホワイト
[第2代王者]
※ホワイト4度目の防衛戦
▼スペシャルタッグマッチ
BUSHI
内藤哲也
(1/30)
ウィル・オスプレイ
オカダ・カズチカ
▼IWGPヘビー級選手権試合
[挑戦者]
Cody
(1/60)
ケニー・オメガ
[第66代王者]
※オメガ初防衛戦
※全8〜10試合予定
【会見の模様】
▼オメガ「大阪城ホールのメインイベントからまだ数日しか経っていないが、試合の前にもっと楽にここまで来れればよかったのではないかと思ったりもしたが、これまで戦ってきたシングルマッチよりも努力を惜しまず練習を続けてこの試合臨んだ。この試合の前、自分自身、心身ともに打ち砕かれ、友人も失い、財産も失い、全てをなくした状態でキャリアでも一番厳しいと思われる試合を勝ち抜き、このベルトを勝ち取った。そういった全ての努力というものも勝利につながったが、このベルトはそれ以上に本当に大きな意味のあるものになった。今現在、完全に体が痛めつけられているし、疲労もあるし、傷もアザも残っているが、こうしてしっかりスーツを着てチャンピオンとして皆様に会うために来た。10年の苦労は価値あるものだったなと今思っている」
――世界中からの反応は?
▼オメガ「戦いだけではなく人生の中でさまざまな目標を人々は立てると思う。そういった数々の目標というのは一つ一つを順番に達成するものではないのかもしれない。IWGPジュニアを獲った時、まさか自分がG1に優勝することを予測していなかったし、東京ドームのメインを飾ることも予測していなかった。もちろんIWGPヘビーのベルトを獲ることも思ってもいなかった。だが、G1に優勝した時、そこで少し未来というものが見えてきた予感がした。その未来とは何かというと、もちろん自分がこれまで達成したことで、東京ドームのメインイベントも達成し、その時、もしかしたら俺はもっと上にいけるのかもしれないと思った。この団体、もしくはプロレス界で最強になれるかもしれないと思ったが、何度も何度も挑戦し続けたにもかかわらずオカダ・カズチカという男には届くことができず、越えることができなかった。2日前、しっかりした準備を怠らず、愛と友情の力を借りて、そして自分自身を信じること、それを全て成し遂げた上で手にしたこのベルト、自分にとって信じられなかったことが起こった。このIWGPのベルトというのは新日本プロレスにおけるトップである象徴だと思うが、俺にとってはそれ以上のものだ。これを獲得し、長い間、トップに君臨していたオカダ・カズチカはもちろん世界最強、そして最高に素晴らしいチャンピオンだったと思う。今はオカダ・カズチカという男がスタンダードになっていて、日本のみならずアメリカやイギリスのレスラーがオカダのようになりたい、オカダと戦いたいと思ってプロレスを続けているだろう。しかし、このベルトは今、俺が持っている。ベストバウト・マシーン、そしてベストパフォーマーの俺がこれからはその役割を担っていく。このベルトを持った俺がこれからプロレスを代表していく。そして新しい標準を作っていかなければいけないと思っている。俺は新日本の美しさ、強さをみせていきたい。もしかしたら、これからまた新しいゴールをみつけるかもしれないが、今は新しい責任感に自分自身を浸らせている」
――Codyとの初防衛戦が決まった心境は?
▼オメガ「この試合は本当に怨恨を含む血みどろの戦いになるのではないかと予想していた。なぜなら俺はもちろんCodyのことを憎んできたし、彼が数ヶ月、俺に苦しみを与えた張本人だからだ。だが、今、この段階で俺の中で新しい視点が芽生えている。今は彼のことが好きだし、彼はスポットライトを望む男なんだなと思った。もちろん彼はスポットライトを当てられてしかるべき男だと思っている。ROHでの試合でCodyに敗れたが、そういったもの全てを今は横においておきたい。なぜなら、これは個人的な感情とか、そういった戦いではないからだ。Codyは挑戦に値する強さを持っていて、それなりのアピールをしたから、この挑戦が決まったのだと思っている。自分の戦績をしっかりとは覚えていないが、負けた試合で心に残っていて痛みが残っているのはCodyとの試合だ。彼がこのベルトに挑戦したいというなら、もちろん権利があると思う。新日本プロレスが最強の挑戦者と認定したからこの試合が決まったのだと思う。それがサンフランシスコで行われるのも意味があることだ。ケニー・オメガvsCody。片やIWGPヘビー級チャンピオンで、相手はアメリカン・ナイトメア。新日本の興行ではあるが、アメリカで行われるということで、どちらにとってもホームであるアドバンテージはないと思うが、これは自分自身が新日本プロレス代表として大きな戦いになると思う」
――ゴールデンエリート始動を宣言していたが、BULLET CLUBと平行してやっていく?
▼オメガ「状況的には何も変わってはいない。俺はまだBULLET CLUBのリーダーだ。そしてゴールデンエリートは新たなブランドというふうに思っていてほしい。飯伏はエリートのメンバーだと思っているが、BULLET CLUBのメンバーではない。飯伏はプロレス界を新たな次元に持っていき、新たな世界観を見せてくれる選手だと思っている。飯伏はヤングバックスとも仲がいい。このメンバーで世界を変えていこうという意味も含めた新たなプランニングだ。飯伏はBULLET CLUBのメンバーではないが、ヤングバックスとケニー・オメガはBULLET CLUBに属している。そしてCodyもまだBULLET CLUBにいる。こういった状況を考えると、サンフランシスコ大会が終わった頃にしっかりと全てが元に戻り、何もなかったファインな状態になればいいと思っている」
――インターコンチ、US、NEVERと外国人王者となったが?
▼オメガ「そうだったね。クリス・ジェリコとは東京ドームで戦ったが、こういう展開になるというのは実は全く考えていなかった。だが、クリス・ジェリコは言ってみれば、プロレス史上最高峰の選手の一人だと思われる。もちろん内藤も日本国内では大変人気があり、会場に行けばロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのグッズを身に着けているファンも多いし、トランキーロの姿勢も人気が出る要因になってと思っているが、ぶっちゃけ言わせてもらえれば、内藤哲也はワールドワイドなスーパースターではないということだ。世界規模のスーパースターとしての思考がない。だから、この試合が決まった時、内藤は大変なことになるだろうなということは容易に予測がついたよ。マイケル・エルガンも大阪城ホールで俺と試合したことがあるが、彼が勝ったのを皆さん覚えていると思う。あのようなビッグマッチの前、マイケル・エルガンは必ず完璧な状態に自分を仕上げてから試合に臨む男だ。実際、2日前もそうだった。今までにないぐらい素晴らしい体に仕上げて試合に臨んでいた。それだけのことができる男だから、ベルトを勝ち取ることも想像できた。日本人選手は楽な試合をしているのではないかと思う。というのも我々外国人のような長い移動もなければ、一度ベルトを獲られても、すぐにチャンスが巡ってくる。そういう戦い方をしている選手とマイケル・エルガンを比べれば、それは全く考え方、マインドが違うと思う。必ずしっかり整えてくる。そんなマイケル・エルガンが勝てたのは当然だと思う。クリス・ジェリコもそうだ。彼は年に1回か2回、いくらギャラをもらっているか知らないが、そんなお金のためだけに生きている男ではない。日本に来て試合をするためには何らかの存在意義、存在をアピールするために来ている。彼は2日前の試合で持ちうる限りの経験を発揮して試合をみせてくれた。俺はカナダ人だが、今は新日本がホームだと思っている。カナダ生まれだが、今は日本に居住している。ここで一言日本人に言わせてもらいたい。我々はより強くなければならない。3人のカナダ人がベルトを持っていて、トップツーのベルトをウィニペグ出身の二人が持っているのはとても喜ばしいことだが、国内の選手には警告と受けて止めてほしいと思う。別に悪い意味で言うわけではないが、君たちはしっかりと自分自身をアピールして、より強くなるべきだ。なぜならば君たちはまだ外国人選手に力が及ばないからだ。日本人みんなに頑張ってもらいたい。そういった叱咤を込めてここでメッセージを送りたいと思った」
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