3/18【新日本】春の番狂わせ…フィンレーが“同期"ジェイ撃破で準決勝進出! 「今までの俺とは違う」
『NEW JAPAN CUP 2021』静岡・ツインメッセ静岡北館(2021年3月18日)
準々決勝 ○デビッド・フィンレーvsジェイ・ホワイト×
静岡で春の大番狂わせだ。ニュージャパンカップ(NJC)準々決勝でフィンレーが“同期"ジェイを破って準決勝に進出。「今までの俺とは違う、生まれ変わったんだ」と一気の頂点獲りを宣言した。
フィンレーとジェイは2015年入門の“同期"。ともに青い目のヤングライオンとして若き日々にしのぎを削ったが、常に先を走ってきたのはジェイだった。ヤングライオン時代のシングル戦績は実にジェイの12勝1敗。ジェイが『スイッチブレード』として凱旋してからは、さらにその“差"は開いていた。
後塵を拝し続けてきたフィンレーも一昨年から徐々に浮上。ジュース・ロビンソンとの“フィンジュース"でタッグリーグ戦を制し、昨年のアメリカ版NJCでも決勝まで勝ち進んだ。今年に入ってからはフィンジュースでインパクト・レスリングのタッグ王座にも就き、道は違えどジェイの背中を追い続けた。
そして迎えた今年のNJC準々決勝で、久々に両雄の対決が実現。序盤から圧倒したのは、やはり実績上位のジェイだった。
ダーティかつ狡猾(こうかつ)に主導権。フィンレーが反撃しても、そのたびにセコンド・外道がちょっかいを出して波に乗らせない。フィンレーのセコンドに就いたジュースが、見かねて外道をバックステージに強制連行したものの、“タイマン勝負"となってもジェイ優位は揺るがなかった。
スクリュー式ブレーンバスターからの逆エビ固めで絞めに絞め上げ、必死に逃れたフィンレーがカウンター式の旋回式パワーボムを放ってきても、カウンターのコンプリートショットからのぶっこ抜きジャーマンであっけなく鎮圧。強烈なニーリフト3連発でどてっ腹をかち上げ、投げの打ち合いになっても、場外に投げ飛ばすパワーを見せるや、すかさずリング上では裏投げ、変型キークラッシャー…と畳みかけ、顔面を踏みにじりながら力の差を誇示した。
意地のフィンレーも、カウンター式のブルーサンダーボムや、喧嘩腰のエルボーで巻き返す。倒れたジェイを何度も引きずり起こしては殴りつける激情をあらわにし、カウンターのワンハンドバックブリーカーもズバリ。ジェイの反撃もラリアットで断ち切り、膝上へのブレーンバスターも繰り出すや、ジェイのSSS(スリーパースープレックス)狙いも巧みに丸め込んで切り返してみせる。
それでも崩れないジェイはフィンレー必殺のPrima Noctaは豪快にマットに叩きつけながら切り返し、今度こそのSSSを発射。さらには必殺のブレードランナーで仕上げ…かと思われた。
だが、切り抜けたフィンレーも再び先の読み合いに持ち込んでPrima Nocta発射に成功。立て続けに放ったACID DROP(不知火式のダイヤモンドカッター)も完璧に決まり、そのまま電光石火の3カウントを奪い去った。
声援禁止の場内も思わずどよめくなか、フィンレーがジェイを破って会心のNJC準決勝進出。後塵を拝し続けてきた“同期"にようやく追いついた瞬間でもあった。
「俺の言った通りだ! 俺は『ジェイ・ホワイトよりも強い』と言った。これでそれが本当だってことがみんなに伝わっただろ! 今日でデビッド・フィンレーは世界トップのレスラーの1人だってことが証明された」と興奮気味に“トップレスラー宣言"を放ったフィンレーは、「これでもう、俺のニュージャパンカップ優勝を信じないわけにはいかないよな!? 俺が優勝して、イブシからベルトを獲る。『今年は俺の年になる』って言っただろ! 今年の俺は今までの俺とは違う。生まれ変わったんだ」と一気の頂上獲りを誓った。
3・20仙台大会の準決勝の相手はウィル・オスプレイ。杜の都でも、同じく外国人選手として後塵を拝し続けてきた男に猛然と襲いかかる。父に伝説の技巧派デーブ・フィンレーを持つサラブレッドが、いよいよ新日本のトップ戦線に這い上がってきた。