7/10【全日本】秋山が社長退任でGM職に、新社長には福田剛紀氏が就任 全日本が新人事を発表
全日本は10日、東京・後楽園ホール大会の試合前に会見し、新人事を発表。秋山準が7月8日付で社長を退くと同時に取締役ゼネラルマネージャー(GM)に就任。新社長には福田剛紀(つよき)氏が就く新体制が発足した。
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全日本を運営するオールジャパン・プロレスリング株式会社が設立されたのは2014年7月。秋山が社長となって全日本の看板を守り続けてきた。それから5年が経過し、秋山が社長の座を退くことになった。オーナーの福田氏が「ここまで多くのファンの方に会場に来ていただくことができましたし、若い選手がどんどん育って、もう恥ずかしくない戦いを皆様にお見せできるステップまで来ましたので、ここで一つ会社の経営の重荷を肩の荷を下ろしていただいて、現場監督という立場で次の秋山準の才能を発揮していただければ」と打診し、今月8日の株主総会で決まったものだ。
「僕だけの力じゃなくて、やっぱり社員もそうですし、選手もそうですし、みんなの力を借りてやってきたんで、僕だけという感じではないですけど、いい経験させてもらいました」と5年間の社長時代を振り返った秋山。これからは新たにGM職に就く。役割はいわゆる現場監督。「今までも経営を福田オーナーにいろいろ助けていただいて、僕は実質、現場を預かってるというのがほとんどだったので、何も変わらないという感じ」とした秋山GMはこれまでと変わらず、選手育成など現場を取り仕切る立場に立つ。「ゼネラルマネージャーとして、今後も全日本プロレスに貢献できればと思っております」と誓い、「選手のクオリティを落とさないようにしっかりみて、どこに出しても恥ずかしくないと思ってるし、どこに負けるとも思ってないですし、その素晴らしい戦いをたくさんの人に見てもらう」と目標を掲げた。
秋山退任に伴い、新社長には福田剛紀氏が就任することになった。福田氏は不動産業を本業とする実業家で、オーナーとして全日本をバックアップしてきた。これからは社長として陣頭指揮を執ることになり、「リング上の戦いの素晴らしさは秋山前社長がここまで育ててくれた大きな資産だと思っておりますので、どこに出しても恥ずかしくない戦いをみせられていると思っております。ですから今後は一人でも多くの方に知っていただきたい」とファン層拡大を目標の一つに設定。「今までのプロレス業界、私どもだけでなく他団体にもあるかもしれませんが、わりとどんぶり勘定的な伝統があったというふうに聞いておりますが、これからは1円の積み重ねを毎日続けることで着実に利益を上げていくような形に。それがこれから求められているのではないか」と堅実経営を目指し、そのためにかつてK-DOJOで会長を務めたこともあり、コンビニエンス業界で実績のある十枝利樹氏を取締役として迎え、財政面での後方支援を得ることになった。また、大森隆男が選手に専念するため取締役を退任したことも福田新社長から発表された。
オールジャパン・プロレスリング株式会社になってから6年目に突入する今夏、全日本はさらなる発展を目指して新体制で再出発を図る。
☆新人事に関してのお知らせ
この度、2019年7月8日(月)付けでオールジャパン・プロレスリング株式会社の新人事は、下記の通りとなりました事をお知らせ致します。
代表取締役社長 福田剛紀
取締役 ゼネラルマネージャー 秋山準
【会見の模様】
▼秋山GM「本日はお忙しい中、ありがとうございます。皆様に全日本プロレスの人事についてご報告です。7月8日付をもちまして私、秋山準は社長を退任することになりました。後任は隣にいます、今までの全日本プロレスを陰から支えてくれたオーナーの福田剛紀が社長に就任してくれることになりました。僕は現場を取り仕切るゼネラルマネージャーとして、今後も全日本プロレスに貢献できればと思っております」
▼福田新社長「今、ご紹介をいただきました福田です。前の経営者から経営をお預かりしまして、ずっと秋山社長をサポートしてまいりましたが、秋山社長も社長を5年も続けていただいて、かなりご苦労も多かったことと思います。ここまで多くのファンの方に会場に来ていただくことができましたし、若い選手がどんどん育って、もう恥ずかしくない戦いを皆様にお見せできるステップまで来ましたので、ここで一つ会社の経営の重荷を肩の荷を下ろしていただいて、現場監督という立場で次の秋山準の才能を発揮していただければと思って社長を私が継ぐことにいたしました。現場監督という名前はちょっと古臭い感じですので、今風にゼネラルマネージャー、GMということで、これから秋山さんにゼネラルマネージャーとして、ますます活躍を期待しておりますので、よろしくお願いします」
――社長退任の経緯は?
▼秋山GM「株主総会で今オーナーがおっしゃったとおり、『5年間頑張っていたいただいて会長に』というお話もいただいたんですけど、オーナーの上に行くわけにいかないんで。社長でもちょっと若干選手と遠い印象があったのに会長となると、僕の感覚だけかもしれないですけど、またちょっと離れてしまうんじゃないかと思い、現場でやらせていただけないでしょうかということで、ゼネラルマネージャーということになりました」
――実質的には現場監督的な立場、役割になると?
▼秋山GM「そうですね。令和の長州力です」
――会場など現場での立場などもこれまでと変わらない?
▼秋山GM「そうですね。ほぼ変わらないと言っていいと思います。今までも経営を福田オーナーにいろいろ助けていただいて、僕は実質、現場を預かってるというのがほとんどだったので、何も変わらないという感じですね」
▼福田新社長「人事についてのご報告をした方がいいですね。今まで取締役として活躍していた大森隆男選手が、もしかしたら選手生活が残り長くないと判断したのか、選手として専念したいという申し出がありましたので、この機会に取締役という肩書を外してさしあげましょうということで、これからはイチ選手として、まだまだ活躍していただきます。そしてもう一人、取締役に十枝利樹という名前を入れました。どこかで聞き覚えある名前かなという方もいらっしゃるかもしれませんが、日本のコンビニエンスの広報誌など、今までの歴史の中で十枝利樹という名前が出てきまして、若い経営者なのにすでに伝説の人みたいに扱われていまして、コンビニエンス業界では有名な方でして、今までのプロレス業界、私どもだけでなく他団体にもあるかもしれませんが、わりとどんぶり勘定的な伝統があったというふうに聞いておりますが、これからは1円の積み重ねを毎日続けることで着実に利益を上げていくような形に。それがこれから求められているのではないかと思って、十枝取締役として意見をうかがうことになりました」
――福田社長はこれから全日本をどのようにしていきたい?
▼福田新社長「今まで秋山社長に築いていただいた基礎がございますので、これをファンの皆様の手で育てていただけるような、またプロレスを今まで知らなかった方々、それと他団体しか見たことない方々にもっと全日本プロレスを知っていただいて、ファン層を広げていきたいと思っております。おかげさまでリング上の戦いの素晴らしさは秋山前社長がここまで育ててくれた大きな資産だと思っておりますので、どこに出しても恥ずかしくない戦いをみせられていると思っております。ですから今後は一人でも多くの方に知っていただきたいのが今の気持ちです」
――社長の5年間を振り返って?
▼秋山GM「僕だけの力じゃなくて、やっぱり社員もそうですし、選手もそうですし、みんなの力を借りてやってきたんで、僕だけという感じではないですけど、いい経験させてもらいましたし。全日本プロレス社長というだけで若干の重みも感じましたし、これからは現場の責任者ということで、俺が俺らしくいられるところかなと思いますけどね」
▼福田新社長「腕の振るいがいがありますね」
▼秋山GM「(笑)」
――タイトル戦線にこれから積極的になる?
▼秋山GM「今の流れをせき止めるということはないです。どちらかというとタイトル戦線に絡んでくるような選手をどんどん作り上げていきたい。そうやってすぐ昔の人を上に持ってこようとするけど、今のウチのトップの人間は俺がすぐ行けるほど甘い選手じゃないですよ。いい選手ばかり揃ってるんで。もしかしたら教えてるうちによしと思うかもわからないですし。今は後進の指導というのが一番ですけど、やっていくうちに火がつくかもしれないですし。火がついたところで今年50の人間がどこまでやれるかわからないけど、それは楽しみにしてます。自分の気持ちの変化を」
――福田社長が「全日本をより多くの方に知ってもらいたい」とおっしゃったが、秋山GMも同じ思い?
▼秋山GM「もちろん。僕だとできないようなことも福田社長によってやってくれると思うので、今度は僕がそれを選手のクオリティを落とさないようにしっかりみて、どこに出しても恥ずかしくない…現時点で全然恥ずかしくないと思ってるし、どこに負けるとも思ってないですし、その素晴らしい戦いをたくさんの人に見てもらうというのは福田社長と同じです」