1/22【全日本】田村が“壁越え"誓う 岩本は最多戴冠タイ記録樹立で「渕さんとやりたい」 世界ジュニア会見
1・27八王子大会の世界ジュニアヘビー級選手権試合へ向けた会見が22日、東京・湯島の全日本事務所で行われ、王者・田村男児が“壁超え"を誓えば、岩本煌史は戴冠の先に重鎮・渕正信との防衛戦を描いた。
昨年12・31代々木大会でエル・リンダマンから世界ジュニアを奪還した田村は1・2後楽園大会における佐藤光留とのEvolution対決を制して初防衛。試合後、岩本を次期挑戦者に指名し、八王子大会でのV2戦が決まった。
両者は昨年11・29後楽園大会のジュニアリーグ公式戦以来の再戦。前回敗れている田村にとっては雪辱戦となる。田村が2019年1月にデビューした時、岩本は全日ジュニアのエースに君臨。2020年8月に世界ジュニア初挑戦を果たした時の相手も岩本だった。そして今に至るまで一度も勝利できていない田村にとっては壁のような存在。だからこそ「ずっと強いままでいるので、その岩本煌史に勝ちたい」との思いで指名し、「あとはぶつかるだけですね。小細工とか必要ないんで、体でぶつかり合って防衛します」と“壁超え"を誓った。
対する岩本は第55代王者から陥落した2021年6月以来、2年7ヵ月ぶりの世界ジュニア戦線復帰。勝てば5度目の戴冠で、重鎮・渕正信と並ぶ最多戴冠タイ記録となる。昨年9月から古巣・全日本に参戦しているが、当初は「ベルトに対しての執着だったりとか、ほとんどなくて、このベルトが欲しい、あのベルトが欲しいというのはそんなになかった」という。
しかし田村からの指名とあれば話が違う。昨年10・9角田大会でタッグ対決した時、「過去に勝てた田村男児と全然違うなというのと、シンプルに戦ってこいつ面白いな」と実感させられたからだ。「田村男児が世界ジュニアを持ってる、だから欲しい。田村男児から獲りたい」と言い切った。岩本は「まず目の前にチャンピオン田村男児がいるんで、そこをクリアしないと明確な展望というのは見えてこない」と前置きしたうえで、「ぜひとも渕さんと世界ジュニアかけてタイトルマッチやりたい」とその先を描いた。
【会見の模様】
▼岩本「今回、チャンピオンの田村男児から指名を受けてチャレンジャーになりました。世界ジュニアのタイトルに絡むのはおそらく2年半とか、それ以上なのかわからないですけど、それぐらいぶりになるので。過去に4回戴冠してて、今回戴冠すれば全日本のレジェンド・渕さんと最多戴冠記録5回というところに並ぶので。しっかりと強いチャンピオンから勝ち取りたいなと思います」
▼田村「こうやって岩本選手を指名して。何で指名したかって、去年のJr.BATTLE OF GLORYで負けてるし、それまでもずっと勝ててないんですよ。一度も超えたことなくて。岩本煌史という壁、それを越えたくて指名しました。強い岩本煌史、今も強いんですけど、ずっと強いままでいるので、その岩本煌史に絶対に勝ちたいという気持ちを込めて指名させてもらいました。あとはぶつかるだけですね。小細工とか必要ないと思うんで、体でぶつかり合って防衛します」
――ジュニアリーグ公式戦で勝利しているが、王者になった田村選手に違いは感じた?
▼岩本「違いを感じたのは9月、自分が出戻りで参戦して、10月の宮城の角田市体育館で6人タッグで初めて田村男児と試合で当たったんですけど、その時すでに過去戦ってた田村男児と全然違うなというのと、シンプルに戦ってこいつ面白えなというのが素直にバンと出てきたのが角田の時だったので。上から目線になっちゃうんですけど、強くなったな、変わったなというのがありましたし。ジュニアのリーグ戦でも10分しかないとはいえ結構、獲りに行くために必死でしたし、前哨戦でも結構早い段階でエンジンかけてガツっと獲りにいったので。一度も勝ってはないとは言ってますけども、結構、自分は常に当たる時に危機感持って戦ってるので、そこらへんはかなり警戒してますね」
――全日本を離れてからの全日ジュニアの世界ジュニアをめぐる戦いは見ていた?
▼岩本「全くなかったですね。意識してなかったですし、そんなにちゃんとも見てないんですよね。僕が離れてる間って。戻ってきてリング上で戦って、そこでやっと実感するというような感じでしたね」
――王者が田村選手だからこそというのが大きい?
▼岩本「そうですね。コメントとかでも何回か言ってるんですけど、復帰以降ベルトに対しての執着だったりとかがほとんどなくてですね。このベルトが欲しいとか、あのベルトが欲しいみたいなのはそんなにないんですけど、戦っていて一番面白いなと思ったのが田村男児ですし。その田村男児がエル・リンダマンから取り戻して今チャンピオン。戦っていて面白い相手で、強い選手である田村男児がチャンピオンである。その強いヤツから獲りたいなというような感じなので、世界ジュニアがっていうよりは、田村男児が世界ジュニアを持ってる、だから、その世界ジュニアが欲しい、田村男児から獲りたいという気持ちですね」
――壁という表現をしたが、その意識はずっとあった?
▼田村「そういう意識がありましたね。僕が初めて世界ジュニア挑戦したとき、岩本選手ですし。それこそ5年前。トップで支え続けてくれた方だったので。僕が世界ジュニアを巻いたからにはそういう方たちとも戦わなきゃいけない。強いチャンピオンになりたいんですけど、それでも弱さがありますし。すべてを背負っていきたい、背負っていかなければいけないなという思いもあるので、今までの歴史もあったので、そういう方たちとやりたいと思ってます」
――仮に岩本選手を超えることができれば自分の中で変化がありそう?
▼田村「どうなんですかね。やってみないとわからないけどね。それは1月27日、八王子でタイトルマッチやってどうなるのか。そこでしかわからないと思います」
――全日本の歴史への挑戦になるが?
▼岩本「まず目の前にチャンピオン田村男児がいるんで、そこをクリアしないと明確な展望というのは見えてこないと思うんですけど。目の前にチャンピオンがいるというところで、そこに勝つことに必死になると思うんで、まだ詳しくは見えてこないですけど、獲って渕さんに並べるんだったら、この前の後楽園でも見てましたけど、安齊選手が渕さんとシングルマッチやってましたけど、ぜひとも渕さんと世界ジュニアかけてタイトルマッチやりたいなというのは一つ思ってますけど。まず目の前にチャンピオンがいるんで、そこに全力を注ぎます」
――壁という岩本選手との思い起こすエピソードはある?
▼田村「難しいですね(苦笑) 試合以外でもいろいろお世話になってたので、先輩としていろいろ学ぶ部分もあったし。何ですかね。エピソードって難しいですね(苦笑) 難しくて、すいません。ホント初めての世界ジュニア戦、あれが思い入れがありますね。初めて挑んだっていうのもあるんですけど、それがエピソードというか思い入れはありますね」
――当時よりも技術的にも進化を遂げて自信はあるのでは?
▼田村「それでも強いんで岩本煌史という男は。そこは絶対超えないといけないですね。僕が超えないといけないと思ってます」