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5/30【全日本】鈴木が三冠初戴冠で「師匠ロビンソンに恩返し」宣言、安齊「自分の持てる力全て信じて戦う」

 6・24後楽園大会で三冠ヘビー級選手権試合が決まった王者・安齊勇馬、挑戦者・鈴木秀樹が30日、東京・湯島の全日本事務所で会見した。

 5・29後楽園大会で三冠王者・安齊がチャンピオン・カーニバル覇者・宮原健斗を退け、初防衛に成功した。試合後、鈴木が現れ、無言で挑戦を意思表示。安齊も受諾し、6・24後楽園大会でのV2戦が決まった。

 鈴木はこれが三冠ベルト初挑戦。「その団体の象徴のベルトを狙わないのであれば、その団体に上がる必要もないので。何か言うわけではないけど、ずっと意識はしてたし、タイミングをうかがってました」との思いを抱き続けてきた中で今回、全日本の至宝ベルト獲りに動いた。

 そこには「強いチャンピオンに挑戦したい」との思いがある。「諏訪魔であったり、宮原健斗。この二人が全日本プロレスの象徴であり、チャンピオンだったという印象」が強かったと言うが、「実際上がってみて、もちろんそれだけじゃない」と気づかされた。そこには当然、安齊も含まれ、「チャンピオン・カーニバルの時に諏訪魔に勝った試合もそうですし、昨日のタイトルマッチも説得力があるというか、ありきたりな言葉で言うと素晴らしい試合だった」と評価。自身にとっても今が絶好のタイミングと判断し、「いわゆる全日本の風物詩のリーグ戦が二つ終わって、さあ、ここからどうするかって時に自分がベルトを獲ることが自分の仕事を増やすことだし、実力を証明すること」と三冠戴冠を果たすことで、全日本での居場所をより確固たるものとするつもりだ。

 これまで三冠王座に縁はなかったが、師匠のビル・ロビンソンはその前身であるPWFヘビー級、UNヘビー級両王座を戴冠している。時を経て師匠ゆかりのベルトに挑戦することになり、鈴木は「そこを僕が獲るということは、ロビンソンに教えてもらったことが一つ結果を…ロビンソンに対して恩返しができる」と見据えた。

 迎え撃つ安齊は5・4三条大会におけるチャンピオン・カーニバル公式戦で鈴木に敗れており、雪辱戦となる。「試合がうまいっていうか、押したら引くし、引いたら押してくるし、その駆け引きと多彩な技と。今、全日本で何回か試合をしたんですが、未だにつかめない」という安齊は鈴木のことを「強くて厄介な相手」と表現した。それでも強敵相手のV2戦へ向けて「普段、諏訪魔選手とバカの時代とかやって、楽しくプロレスをやっている時とは変わって、本当に殺気を放って目の前に現れて、また気が引き締まったというか楽しみ」と武者震いしている。

 「今回も一筋縄でいかないのは分かってます」というように鈴木相手に苦闘は覚悟の上。宮原に初勝利しての防衛によって「今なら僕は胸を張って『俺が三冠チャンピオン』って言える」と大きな自信をつかんだ。本田竜輝、綾部蓮、ライジングHAYATOと新世代ユニットも結成し、「新時代の一歩目」を踏み出したばかりで、ここでつまずくわけにはいかない。宮原戦がそうだったように「とにかくやってきたことと自分の持てる力全て信じて戦うだけ」と言い切った安齊は「目指した三冠ベルト、手にした三冠ベルトが僕を成長させてると思うので、僕はまだまだこのベルトと一緒にいたいし、成長するためにもこのベルトを手放すわけにいかない」と己に言い聞かせるように誓ってみせた。

【会見の模様】

▼鈴木「昨日のメインイベントの試合終了後、何も言いませんでしたが、チャンピオンに対して僕からしっかりアピールしたと自分の中であの時点で思っていて、それを快く受けてくれたチャンピオンにまずは感謝しています。強いチャンピオンに挑戦したい。その気持ちでリングに上がりました。詳しいことは質問があれば、そこで答えます」

▼安齊「昨日の後楽園ホールで三冠ヘビー初の防衛成功でき、一安心というところで、また強くて厄介な相手が挑戦してきたなという思いです。普段、諏訪魔選手とバカの時代とかやって、楽しくプロレスをやっている時とは変わって、本当に殺気を放って目の前に現れて、また気が引き締まったというか楽しみだなと今は思っております。昨日の試合を通じて、また僕は簡単に負けられない理由が増えたので、必ず次も防衛したいと思います」

――安齊選手は「強いチャンピオン」と感じる?

▼鈴木「結果ですね。去年の夏ぐらいから全日本プロレスにたびたび上がらせてもらうようになって、そこまでの僕の全日本プロレスの印象は諏訪魔であったり、宮原健斗。この二人が全日本プロレスの象徴であり、チャンピオンだったという印象が凄く強くて。チャンピオン・カーニバルの時に諏訪魔に勝った試合もそうですし、昨日のタイトルマッチも説得力があるというか、ありきたりな言葉で言うと素晴らしい試合だったなと思います」

――三冠ベルト自体に対する思いはある?

▼鈴木「あまり古い話をしても意味がないと思うんですが、僕のコーチをしてくれたビル・ロビンソンが三冠ベルトの中の二つ(PWFヘビー級、UNヘビー級)を巻いていて。ただもう一つ(インターナショナルヘビー級)は巻いていないので、そこを僕が獲るということは、ロビンソンに教えてもらったことが一つ結果を…ロビンソンに対して恩返しができるというか。そういう意味ではずっと、これはどの団体に上がった時もそうなんですけど、その団体の象徴のベルトを狙わないのであれば、その団体に上がる必要もないので。何か言うわけではないけど、ずっと意識はしてたし、タイミングをうかがってました」

――チャンピオン・カーニバル公式戦で敗れているが、鈴木選手の印象は?

▼安齊「やっぱり試合がうまいっていうか、押したら引くし、引いたら押してくるし、その駆け引きと多彩な技と。今、全日本で何回か試合をしたんですが、未だにつかめないというか。っていうのが率直な印象ですね」

――一筋縄でいかない挑戦者になると?

▼安齊「一筋縄でいかないというか、簡単な挑戦者がきっといないと思うので、誰がこようと僕は迎え撃って必ず防衛するっていうだけですね」

――宮原選手に初めてシングルで勝利して防衛したことで大きな自信につながった?

▼安齊「僕も入団してからずっと見ていた背中で、その人に勝って、たった1勝であの存在を超えたっていうふうに僕は言うことはできないんですけど、ずっと見てきた背中に近づけたっていう思いと、今なら僕は胸を張って『俺が三冠チャンピオン』って言えると思います」

――試合後、本田選手、綾部選手、HAYATO選手と新ユニット結成となったが、これからこの4人で戦っていく思いは?

▼安齊「昨日の今日なので、特にチーム名が決まってるとか何かがあるってわけじゃないんですけど、同じ志というか、同じ考えを持った4人であると思いますし。何をするにも楽しくなるだろうなって、いろんなことができるんだろうなって思ってます」

――ロビンソンさんへの恩返しと発言したが、ほかに三冠戦のテーマがあるとすれば?

▼鈴木「シンプルに勝負をしたいと思ってリングに上がってるから。さっき言ったことが僕の中の理由なんですけど、1個だけ気になるのは、ずっとチャンピオンに限らず、全日本プロレスは新時代でしたっけ? ゼンニチ何とか新時代? とか、そういうくくりというか。この類のことっていうのはプロレスの歴史でいうとずっとやり続けてきたことだと思うんですね。記者の方で長く見てこられた方はたぶん何度も何度も…何度もじゃないですね。10回、20回以上あると思うんですけど、僕の記憶でいうと一度も成功してないと思うんですよ。いわゆる世代闘争的なものっていうのは、グループでやったところで一度も成功したためしがないと思うんですね。誰かが必ず抜け出してくるので、昨日、僕が上がったあと下りた後に、リング上で集まった何人かわからないですけど、そこで組んでる以上は、その新時代はないだろうし。もっと言うと、そこの中になぜベテランの人が入らないのかなというのもありますね。今の時代で言うと、年齢とかキャリアとかで区別することは、古い時代だし、古い考え方だし、旧時代だと思いますね。だからチャンピオンが言う新時代ってのは物凄く古い考え方で、固定概念の塊だと思うので、それをぶっ壊したいと思います」

――今の鈴木選手の言葉を聞いて?

▼安齊「今まで過去の人たちが新時代だとうたって一度も成功したことがないというのはあると思いますが、僕が掲げる新時代は初めてですし、過去に僕はいなかったわけなので、今まで誰もやったことないんだったら、僕がやってみせるだけだし。集まった4人、僕はみんなで手を取り合って仲良く肩組んで、上目指そうね、頑張っていこうねっていう生半可なやつじゃないと思っていて。本田にも僕はチャンピオン・カーニバルで負けてますし、綾部選手は僕はライバルだと思ってるし、ジュニアヘビーを引っ張ってるライジングHAYATO選手ももちろんライバルだと思っているので。ただ仲良しこよしでやっていきましょうではないので、そこは勘違いしてほしくないなとは思います」

――タイミングを計っていたとのことだが、それが今になった理由は?

▼鈴木「最初に言った通り、諏訪魔であり、宮原というイメージがあったんですけど、実際上がってみて、もちろんそれだけじゃないとわかったんですね。その中の一人が安齊勇馬ですし、その彼が現在チャンピオンになっていて、いわゆる全日本の風物詩のリーグ戦が二つ終わって、さあ、ここからどうするかって時に自分がベルトを獲ることが自分の仕事を増やすことだし、実力を証明することだと思うので、あの場にリングに上がったという感じですね」

――22日のブラッドスポーツ両国大会も控え、中一日で激しい戦いが続くが、コンディション面で問題はない?

▼鈴木「佐藤光留さんに比べたら余裕のあるスケジュールだと思います」

――諏訪魔選手、宮原選手ら主力に勝っているが強くなっているスピードの実感はある?

▼安齊「とにかく今はガムシャラに進んでいて、周りの声とかを聞けばちゃんと成長できてるのかなと思いますね。それもすべて目指した三冠ベルト、手にした三冠ベルトが僕を成長させてると思うので、僕はまだまだこのベルトと一緒にいたいし、成長するためにもこのベルトを手放すわけにいかないので。という思いです」

――鈴木選手と戦ううえで注意する点は?

▼安齊「けして昨日の宮原選手だったり、諏訪魔選手だったり、簡単なわけではなかったんですけど、とにかく自分の持てる力と、土壇場のそれ以上の力を信じて僕はただ試合をしただけなので。今回も一筋縄でいかないのは分かってますし、気をつけてるのはいっぱいあるんですけど、それを別に今話してもマイナスにしかならないと思うので。横に対戦相手がいて。なので、僕はとにかくやってきたことと自分の持てる力全て信じて戦うだけですね」

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