【全日本】宮原が地元での三冠挑戦へ断言「福岡で三冠ベルトを巻くのは俺がふさわしい」 2024/8/26

 9・1福岡大会の三冠ヘビー級選手権試合へ向けた会見が26日、東京・湯島の全日本事務所で行われ、王者・青柳優馬、挑戦者・宮原健斗が出席した。

 8・17立川大会で最年少王者・安齊勇馬を破った青柳が9ヵ月ぶり2度目の三冠王座戴冠。試合後、宮原が9・1福岡大会での挑戦を表明し、早くも青柳V1戦が決まった。両者が三冠ベルトをかけて戦うのは昨年10・21後楽園大会で第70代王者・青柳が勝利して以来、約10ヵ月ぶりとなる。

 宮原の三冠王座挑戦は5・29後楽園大会で第72代王者・安齊に挑んで以来、約2ヵ月ぶり。勝利すれば昨年2月に第68代王者から陥落以来、1年7ヵ月ぶり7度目の戴冠となる。

 しかも舞台は地元・福岡。同地での三冠戦は2017年1・15博多スターレーン大会における「宮原vs大森隆男」以来、7年8ヵ月ぶりとなる。地元凱旋で至宝ベルト挑戦。最高男にとって頂点返り咲きのおぜん立ては申し分ないほどに整った。

 そんな大一番に最高男は「三冠ベルトが似合うデザイン」の新コスチュームで出陣する。前回と違うチャレンジャーの立場ながら「7年半ぶりで全日本プロレスの今を福岡、九州のプロレスファンの皆さんにお見せできるのは僕自身ワクワクしてる」と胸を躍らせつつ、「福岡はこの俺、宮原健斗の地元です。そんな福岡で三冠ベルトを巻くのは俺がふさわしい」と言い切った。

 8・17立川大会での青柳戴冠劇は宮原の目に「青柳優馬を後押しするシチュエーションというか熱がすさまじいものがありましたよね。会場は青柳優馬を推してたなと思います」と映った。が、「立川では凄い声援だったけどね。それは東京のみだからね」と言うように一過性であると考えており、「あの日は確実に青柳優馬一色になりましたけど、果ては福岡でどうなるのか、プロレスファンは何を望むのかっていうことが僕の背中を押して、このベルトを1年7ヵ月ぶりに巻くことになると思うし、巻かなきゃいけない」と誓った。

 今、全日本はリング上の充実、集客の両面において上昇気流に乗りつつある。そんな中、宮原は「一回、青柳優馬のファンの人、青柳優馬自身も満足してるんじゃないかなと俺は思ってるので、ここいらで全国区の男がまた全国を練り歩いた方がいい」と主張。「これからさらにこの全日本プロレスは加速して、日本全国を回ることになります。そんな日本全国を回る時のチャンピオンはやはり全国区のスーパースター、この俺、宮原健斗がふさわしい」と断言してみせた。

 対する青柳は初防衛戦でいきなり最強のチャレンジャーといえる難敵中の難敵を迎え撃つ。青柳にとって今年3度目となる宮原との一騎打ちは「黄金カード」だが、「まだまだプロレス界全体で言うと黄金カードにすらなってないというのが現状」と実感。今回の博多決戦によって「本当の意味で黄金カードにしていかなきゃいけない」との責任感を抱いている。

 三冠王者になっても青柳の陰湿ぶりは変わらない。スーパースターを自負する宮原を横目に「スーパースターという言葉自体が軽すぎる。じゃあ、本当にそんなにスーパースターなんですか?」と指摘し、「もうちょっと安齊勇馬とか斉藤ブラザーズの爪の垢を煎じて飲むべき」と言い放った。その3人を「どこからどう見ても、誰が見ても本当のスーパースターになるだろうという片鱗がある彼らはずっと謙虚なんです」と評価する青柳は「そういう点で謙虚さに欠けているチャレンジャーを福岡でお説教しつつ、福岡で宮原健斗を応援する人たちのメンタルもろともぼてくりこかしてやろうかなと思います」と宣言。会見には来日中のドリー・ファンク・ジュニアPWF会長が同席したが、青柳はその眼前で「僕は正直、会場にいない人とか、引退した人たちとか、たまにゲストで来るような人たちのために気を使ってプロレスをやってるわけじゃないんで。こんなスリーショットを拝めるのは今日だけ」と毒を吐いていた。

【会見の模様】

▼ドリー「(日本語で)日本のプロレスファンの皆様、あなたの温かいご支援は誠にありがとうございます。(英語で)5年ぶりに日本に帰ってこれました。PWF会長としてまた皆様のためにお役に立たせていただけることをうれしく思っております。(日本語で)いつも日本のプロレスリングファン、ありがとうございます。ガンバッテクダサイ!」

▼宮原「いよいよ三冠戦が迫ってきました。舞台は9月1日、7年半ぶりに三冠戦が開催される福岡。7年半前はこの俺、宮原健斗がチャンピオン。そして今回はチャレンジャー。この7年半で全日本プロレスのリング上はガラリと変わり、新時代と言われる世代が登場しています。そんな全日本プロレスは今、どの会場もメチャクチャ盛り上がっています。そしてこれからさらにこの全日本プロレスは加速して、日本全国を回ることになります。そんな日本全国を回る時のチャンピオンはやはり全国区のスーパースター、この俺、宮原健斗がふさわしい。そして今回の舞台は福岡だ。福岡はこの俺、宮原健斗の地元です。そんな福岡で三冠ベルトを巻くのは俺がふさわしい。一つ、ワクワクしているのが青柳優馬vs宮原健斗の三冠戦が福岡で開催されるということ。九州のプロレスファンもワクワクしていることでしょう。この9月1日の三冠戦で僕は新しいコスチュームをお披露目する。デザインはこの三冠ベルトが似合うデザインにしてある。もう準備は万端だ。プロレス界の夏の最後のビッグマッチ、夏を締めるのは俺だ。俺が三冠チャンピオンになって、このプロレス界の最後の夏の大一番を締めくくります」

▼青柳「第73代三冠ヘビー級チャンピオンの青柳優馬です。青柳優馬vs宮原健斗というカードは自分が言うのもなんですけど、全日本プロレスにとっては黄金カードだと思っているカードですね。そんな黄金カードではあるんですけど、すでに今年3度目になります。そんなこすりにこすった黄金カードではあるんですけど、やはり何人たりとも邪魔できない三冠戦にしないといけない、本当の頂上対決である、そういう黄金カードにしないといけない責任がありますので。去年の10月でしたかね。僕がチャンピオンでチャレンジャーが宮原健斗で、試合後に変なバカヤローが入ってきましたけど、そんなバカも、バカ嶋勝彦とか、そういうのが入れないような、何人たりとも邪魔のできない三冠戦にしてやろうと思ってます」

――三冠王者に返り咲いた青柳選手はどのように映っている?

▼宮原「安齊勇馬が防衛するだろうという世間の声を先日の三冠戦では味方につけて、すべて入場から見てたんですけど、何か青柳優馬を後押しするシチュエーションというか熱がすさまじいものがありましたよね。あのときにピープルズ青柳優馬、ピープルズチャンピオンみたいなことを言ってましたけど、それは全部生ものなので。会場は青柳優馬を推してたなと思います。ただ、それはシチュエーションが整ってたからね。チャンピオンというのはチャンピオンになってからが大事ですから。一回、青柳優馬のファンの人、青柳優馬自身も満足してるんじゃないかなと俺は思ってるので、ここいらで全国区の男がまた全国を練り歩いた方がいいんじゃないかなと俺は思ってます。一発で獲ります」

――福岡でのビッグマッチも久しぶりだが?

▼宮原「7年半ぶりで全日本プロレスの今を福岡、九州のプロレスファンの皆さんにお見せできるのは僕自身ワクワクしてるし。むしろこの7年半、この三冠戦が九州のプロレスファンの熱い福岡で行われてこなかったということがビックリするぐらい時間が経ってますけど。福岡が生んだスーパースターを待ち望んでる人は多いと思うんで。そして7年半ぶりが青柳優馬vs宮原健斗ということに意味があるのかなと。俺は結構、重く捉えてますね」

――三冠王者に返り咲けば最高の凱旋になるが?

▼宮原「青柳優馬はチャンピオンになって、あの日は確実に青柳優馬一色になりましたけど、果ては福岡でどうなるのか、プロレスファンは何を望むのかっていうことが僕の背中を押して、このベルトを1年7ヵ月ぶりに巻くことになると思うし、巻かなきゃいけないしね」

――初防衛戦からいきなりの強敵になるが、宮原選手との三冠戦にどんな思いがある?

▼青柳「さっきも言ったように黄金カードだと思ってるんですけど、まだまだプロレス界全体で言うと黄金カードにすらなってないというのが現状だと思ってるので、本当の意味で黄金カードにしていかなきゃいけないという責任感がありますね。チャレンジャーはずっと自分のことをスーパースターと言ってますけど、スーパースターという言葉自体が軽すぎる。もちろん所属選手、全日本プロレス全体が目指すべき場所ではあるんですけど、じゃあ、本当にそんなにスーパースターなんですか?というところですね。もうちょっと安齊勇馬とか斉藤ブラザーズの爪の垢を煎じて飲むべきかなと思います。彼らはまだスーパースターとは言えないかもしれないですけど、どこからどう見ても、誰が見ても本当のスーパースターになるだろうという片鱗がある彼らはずっと謙虚なんです。チャンピオンになったからといって、トップを獲ったからといって、俺がスーパースターだとか、俺の地元で凱旋だどうのこうのとか、そういうことを絶対言わないんですよ。そういう点で謙虚さに欠けているチャレンジャーを福岡でお説教しつつ、福岡で宮原健斗を応援する人たちのメンタルもろともぼてくりこかしてやろうかなと思います」

▼ドリー「72年の旗揚げ当時から私は全日本をずっと見てきましたが、馬場さんが創られた偉大な団体の中で今回、激しい戦いができることをうれしく見守っております。馬場さんがいて、新日本はアントニオ猪木という偉大なるレスラーがいて、プロレス界の二大巨頭として頑張られましたが、次のリーダーをゆっくり観戦したいと思います」

――宮原選手に謙虚さがないという点は三冠戦の勝敗に作用するところはある?

▼青柳「今後にも左右するんじゃないかと思います。プロレスラーだからこう、肩で風切って歩くっていう時代は終わったんですよ。自分がスーパースターだから何なんだって。一歩、外を出たら一般人と変わらない。謙虚さを持ってもらいたい。これから全日本の一員として戦っていくわけですから。そういう節がある。中嶋勝彦の後輩なんでね。あの人は20年間積み上げてきたキャリアを一気に台無しにしたじゃないですか。僕の大将にはそうなってほしくないので、宮原健斗の暴走を暴走になる前に止めないといけない。青柳優馬を応援するファンのためにも三冠を持ち続けたいし、満足させて幸せいっぱいにして帰すことが僕の仕事ですから。仕事を全うしたいと思います」

――青柳選手の発言を受けて?

▼宮原「あのね、俺はスーパースターだからね。プロレスファンは誰しもが認めてるところだから。これはチャンピオン青柳優馬とのプロレスに対する価値観のぶつかり合いだから。青柳優馬はもしかしたら8月17日、東京・立川での会場の雰囲気が全てだと思ってるかもしれない。ただ、これから日本全国で興行やるにあたって、この俺のスーパースター感を青柳優馬は味わっていくことになるからね。これはチャンピオンとしてはつらいとこだよ、9・1は。会場中が俺を応援するかもしれないよ。だから俺言ってんだ。青柳優馬オタクのファンの皆様、あの立川では凄い声援だったけどね。それは東京のみだからね。これから青柳優馬、そして青柳優馬オタクはおそらく9・1福岡で俺の圧倒的存在にたじろぐことになると思いますよ。楽しみですよ」

――ドリー会長が会見に立ち会っているが?

▼宮原「全てはPWFのドリー・ファンク・ジュニアさんが立ち会うほど青柳優馬vs宮原健斗っていうものが期待されてることだと思うし、それはこのスリーショットが今日、皆様の写真の中に収まったっていうのは、この9・1福岡に、さらにプロレス界にとっても熱狂を生む日になったんじゃないですかね」

▼青柳「今を生きる全日本プロレスの今を戦うプロレスラーたちの戦いの見届け人にはなってもらいたいんですけど、このスリーショットで納まるのは今日が最後だと思ってください。僕は正直、会場にいない人とか、引退した人たちとか、たまにゲストで来るような人たちのために気を使ってプロレスをやってるわけじゃないんで。こんなスリーショットを拝めるのは今日だけだぞってことだけ頭に入れてもらえるといいかなと。ただし、この会見が終わってから通訳で伝えといて下さい。この場で僕がいるときには伝えてほしくないです。よろしくお願いします」