プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

6/17【NOAH】大スギウラコール切り裂きジェイクがGHCヘビーV3 早くも「N-1全勝優勝」宣言

『GREEN JOURNEY 2023 in NAGOYA』名古屋国際会議場イベントホール(2023年6月17日)
GHCヘビー級選手権試合 ○ジェイク・リーvs杉浦貴×

 NOAH名古屋ビッグマッチのメインに据えられたGHCヘビー級選手権試合は、『覚悟』をまとった杉浦の猛攻をしのぎきった王者ジェイクが3度目の防衛に成功。「このベルトを持ったままN-1 VICTORYを全勝優勝してやる」と宣言してみせた。

 中嶋勝彦を破って「NOAHの強さ」、丸藤正道を破って「NOAHの歴史」を感じてきたジェイクが、次は「NOAHの覚悟を感じたい」と杉浦を指名して実現したタイトルマッチ。

 杉浦は自身との試合をきっかけに長期欠場に入ったZERO1・大谷晋二郎から激励を受け、「大谷さんをリングで待つ」覚悟を新たに背負ったタイミングで地元・名古屋のビッグマッチメインに立った。

 ゴングが鳴れば、海千山千の杉浦の存在感がぐんぐん際立った。落差を生かしたジェイクの攻撃に押されても、非情の場外ネックスクリューや豪快な雪崩式ブレーンバスターでまったく譲らず。腕への集中砲火を浴びてもスギウラコールに支えられて乗り切った。

 ジェイクもコールを断ち切るかのように強烈なヒザ蹴りを連発。落差十分のバックドロップで投げ飛ばすや、必殺FBS(串刺しフロントハイキック)をめり込ませて万事休す…かと思われたものの、むしろ“ここから"が杉浦の真骨頂だった。逆に意地の予選スラムを放って両者大の字に持ち込むと、場内は再びスギウラコール一色となった。

 必死に立ち上がった両者は、そのまま猛烈なエルボー合戦を展開。ここでも杉浦はジェイクの顔面をヒザで蹴り上げ、非情の生拳ストレートをワンツーで叩き込む。さらには崩れ落ちたジェイクを予選スラムでぶん投げ、カウントの大合唱となった。

 ジェイクも3カウントぎりぎりで肩を上げたものの、再び場内は大スギウラコール。応えるように杉浦はジェイクの後頭部に一発、また一発と非情のエルボーを叩き込んだ。

 だが、ジェイクも追撃をしのいで逆に起死回生の右ハイキックを発射。なおもタックルを狙う杉浦の顔面にカウンターのジャイアントキリングをめり込ませるや、続けざまにジャイアントキリングを3連発。杉浦も肩を上げて大歓声に包まれたものの、最後はこの日2発目のFBSを突き刺して3カウントが数えられた。

 30分を超える激闘の末に、“覚悟"をまとった挑戦者を下したジェイクが3度目の防衛に成功。去りゆく杉浦を呼び止めるようにマイクを握ったジェイクは「杉浦さん、知ってるか? 明日も俺と試合なんだぜ。次の後楽園も確か当たるんだよ。あんたみたいな人とこうしてやれて、ああ…俺は幸せモンだ。俺はこの試合前、闘ってるのはあくまでリング上の選手なんだと言った。自分を助けるのは自分だけだと思ってた。けど、あんたと試合してると伝わってくるんだよ。いろんな人の思いが、そして覚悟が。それに気づけて心底よかった。ありがとうございました」と意気な感謝の言葉を送り、花道奥の杉浦も頭を下げると同時に、場内も大拍手に包まれた。

 ひるがえってジェイクは「気になるのは次だろ。次はどうするかな…」としばし思案。「この名古屋の地で宣言してやる。N-1 VICTORY…あれをこのベルト持ったまま全勝優勝してやるよ。そしたらもう誰も文句ねえよな?」と、早くもNOAH年間最大のリーグ戦『N-1 VICTORY 2023』(8・6横浜武道館で開幕)の全勝優勝を宣言した。


 バックステージでも次なるテーマを「勝利」に設定したジェイク。GHCヘビーのベルトを持ったままN-1(グローバル・リーグ)を制覇したレスラーはいない。勝つことで道を切り拓いてきた男が、次は前人未到の頂を目指す。

【試合後のジェイク】

――改めて戦ってみて、杉浦貴というプロレスラーをどう感じた?

▼ジェイク「いろいろ言いたい言葉はあるんですけど、一言、やっぱり化け物だな。けど、今日タイミングが合って、その化け物から3カウントを奪えたということは、俺も化け物の仲間に、中に入ったんじゃないですかね」

――負けるんじゃないかというシーンがあったが、そこから逆転につなげられた勝因は?

▼ジェイク「執念ですかね。俺は負けられないんですよ。ここで負けたら、俺の計画全て狂っちまう。何のために全日本を出て、何のためにここを主戦場にしてるのか。勝ち続けないと意味がないんですよ。どんな状態であれ。そうすることで、見えてくる次ってものがやっと、やっとかすかに見えてきて。今日は本当にその大きな一歩ですよ」

――これで中嶋勝彦、丸藤正道、杉浦貴とNOAHを支えてきた人間を3人とも倒した形になる。次に見据えたのはN-1だったが、そこに向けては?

▼ジェイク「俺は何度も何度も言ってますけど、タイミングがよかったんですよ。タイミングが合っただけなんですよ。中嶋勝彦、丸藤正道、杉浦貴、この人たちから3カウントを奪えたのは、タイミングと一歩踏み出す……今まで持ってなかったハートがやっとできるようになって、作られて。それで奪えたものであって、俺はその感覚を忘れちゃいけないと思っているし、その感覚を持っていれば、次の計画であるこのベルトを持ちながらN-1全勝優勝をできるんじゃないかなって思っている。掲げるのはもっともっと上です」

――そのベルトを持ったままリーグ戦を制覇した人は今までいない

▼ジェイク「今までにいないからこそ価値があって、それができたら、もっと本格的にこの団体の舵を取れるんじゃないかなって。いい選手はたくさんいる。売り込んだたら、確実にもっともっと知名度が上がる選手もたくさんいる。あとはタイミングとハートと、そして工夫です」

――強さと歴史と覚悟というテーマできたが、次のテーマは何になりそう?

▼ジェイク「勝利ですかね、シンプルに。全勝と言っているんだから。勝つことだけに意味を持たす、という感じですかね」


【試合後の杉浦】

▼杉浦「負けた。負け。ジェイクは強いチャンピオンだったし、素晴らしいチャンピオンだと思うよ。俺が言うのも偉そうだけど。負けた。でも、俺のプロレスは、俺のプロレスの旅はまだまだ続くんで。今日は負けたけど、前を向いてまた歩いていくよ。まだまだ俺はここで終われないから。まだまだ」

――大スギウラコールが背中を押してくれたんだと思うが、どうだった?

▼杉浦「ありがたいね。一歩前に出れたし。まだまだ、まだまだいけると思うよ。本当にありがたい」

――ジェイク選手はいろんな人の覚悟が杉浦選手から伝わってきたと言っていたが、その言葉を聞いて感じることは?

▼杉浦「今まで23年やってくると、やっぱいろんなことがあって。いつの間にか、背負っているものもあったりしてね。それは家族でもあるし、23年もやっていると背負って。リングに立ったら1人のプロレスラーだけど、でもなんかやっぱこれだけやっていると、いろいろ乗っかってくるよ。でも、その重さは嫌な重さじゃないし、まだまだ俺は乗られても倒れないし。ありがとう。負け、今日は」

プロ格 情報局