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5/27【NOAH/LIMIT BREAK】潮崎と「“あの日"からの答え合わせ」へ 世界ヘビー級王者・齋藤彰俊インタビュー

 5・29『LIMIT BREAK』新宿大会で、潮崎豪の挑戦を受ける世界ヘビー級王者・齋藤彰俊。両雄による王座戦がTEAM NOAH同門対決として実現する。

 NOAH創始者、故・三沢光晴さん最後の試合をともに闘った特別な相手であり、特別な同志。これまで三沢さん追悼大会(2009年)、三沢さんメモリアル大会(2020年)で二度に渡ってGHCヘビー級王座を懸けて激突してきたが、いずれも潮崎が王者として防衛してきた。

 ベルトの種類こそ違えど、今回は王者・齋藤に挑戦者・潮崎が挑む構図。齋藤の指名に潮崎が応えた。はからずも三沢さん15回目の命日(6月13日)を控えるなかでのタイトルマッチ。その胸中を齋藤に聞いた。


【齋藤彰俊インタビュー】

――潮崎との世界ヘビー級王座戦に向けた率直な思いは?

▼齋藤「潮崎選手とシングルのタイトルマッチで当たるのはこれが3度目。最初はもちろん、三沢さんのことがあった直後でした。2回目はコロナ禍で無観客でした。あの時、自分は負けたんですけど、試合後に『次に進むよ。自分の人生を歩みだすよ、今まで止まってたところから歩みだすよ』っていう言葉を残したんですね。その歩んだ結果が今であって、3回目になるTEAM NOAH対決。歩んできた道の“答え合わせ"になると思いますね」

――2009年の追悼大会、2020年の三沢メモリアル…と、これまで2度の行われた「潮崎vs齋藤」のGHC戦は、いずれも三沢さんの名の下に行われてきた。今回は色合いが違う

▼齋藤「それも何か意味があるのかなと思っていますね。というのも、これまでは潮崎選手がチャンピオンで自分がチャレンジャーだった。その中でお互い何を伝えられるのか…という状況でやってきたんですけど、今度は逆で、やっと自分がベルトを巻いて、潮崎選手が挑戦してくる。だからやっと“挑戦者"の潮崎選手に伝えられるものがあるのかな、と。でももしそれで観る人が三沢さんの色を濃く感じてしまったら、自分で言った『歩みだすよ』って言葉に嘘があると思うんですよね。だから、そこから一歩進んだところの闘いをみせたい。それができた時、自分が歩んできたもののひとつの証明になるのかな、とも思います」

――改めて自身にとって、潮崎豪という存在どんな存在?

▼齋藤「彼が入団した頃、新弟子の頃から知ってますからね。そこから2009年のこと(三沢さん最後の試合)もありましたし、二人でタッグのベルトを巻いたこともあったし、後輩ではありますけど、今ではリスペクトしてるところもあります。ここまで来ると先輩・後輩っていう感じでもないのかな、と。冷たい意味ではなくてですね。イチ選手として尊敬しているところはあります」

――そんな潮崎選手と今このタイミングで向き合うタイトルマッチ、どんな試合にしたい?

▼齋藤「どんな試合をして何を伝えるのか。世の素晴らしいチャンピオンたちには、素晴らしいチャンピオン像があると思うんですよ。でも自分に関しては“等身大"でいいのかな?と。向き合った時に起こった感情をそのままぶつけて、それで何が伝わるのか。普通は選手側に『これを伝えたい!』っていう思いがあるので、観ている皆さんより一歩先を行ってるんですよ。でも今回は皆さんと足並みを揃えてスタートラインに立って、そこから一緒に何を感じて、何を伝えていけるのか。それをやってみたいなと思ってます」

――観る側も含めて、みんなでなにかのメッセージを創り上げられたら…と?

▼齋藤「そうですね。何が起こる分からないし、闘いながらいろんな感情が生まれると思うんですよ。そのうえでどう転んで、結果的にみんなの心にどう伝わったか。そして自分は何ができたのか。その答えを知りたい。それに常に言っていますけど、自分はベルトを巻いていても心はずっとチャレンジャーなので、今回もチャンピオンとしてベルトを懸ける…という“チャレンジ"のつもりで行きます」

――そしてZERO1のベルトをTEAM NOAH同士で争うというシチュエーションになる

▼齋藤「いろんな意見があると思うんですよ。もちろんZERO1の宝ですから、ZERO1の選手が来て取り返すべきだろう…っていう声もあると思う。でも、今ベルトを持ってるのは齋藤彰俊。自分の歴史を振り返ってみると、常に“外様"なんですよね。だからこそ他団体のベルトで真剣にNOAHのことを考えてみようよ…っていうことをやれるんだと思ってますね」

――世界ヘビーを懸けたTEAM NOAH対決ですごい試合をして、対抗戦をしているZERO1勢に見せつけたい…という意図は?

▼齋藤「それもありますよね。このまま普通に対戦だけして、対抗戦やっていくよりも面白くなるんじゃないかな?っていうのはありますよね。もちろんZERO1の選手からしたら『俺たちのベルトだぞ?』って気分は良くないだろうし、ZERO1のベルトをTEAM NOAH同士で争うって『そんなことするの?』って声も実際にあった。でも、どういう答えが出るかは分からないですけど、普通じゃ考えられないことをやるほうが面白くなるだろう、という思いはありますよね」

――齋藤さんとしてはLIMIT BREAK2大会連続で、シングルのチャンピオンとしてメインを張る形に。やはり新鮮に映る

▼齋藤「このトシで新鮮ですからね?(笑) だから何かの一石を投じられたのかな、とは思いますね。それに潮崎選手とやる時は、常に何かの障害があるんですよね。最初にやった時も前日まで立てないぐらい腰が悪かったりだとか、2回目は首を痛めていたり…だとか。なんで潮崎選手とやる時に限って…って常に思うんですけど、でも自分自身にもの凄いものが生まれるための運命なんだろうな…とは思っているので」

――もちろん二人が闘った時に“三沢さん"のキーワードがなくなることはないとは思いますが、改めて過去の闘いと一番違うことというのは?

▼齋藤「もちろん自分と潮崎豪というレスラーが対角線に立ったら、それが消えることはないと思うんですよね。でも今回明らかに違うことが一つあるんですよ。それは何かっていうと、前回までの闘いでは“答え"を求めてました。自分自身のなかで。でも今回は“答え合わせ"なのかな?って思ってるんですよね。今までやってきたことの。前回やった後に『自分の道を歩みだす』と言って、そこから歩んできて。それが合っていたのかどうかの答え合わせ。(三沢さんが亡くなってから)15年くらい、自分自身に問いかけてきたこと。ようやくその答え合わせ…これで合ってるんだろうか、どうだろうか?っていう。TEAM NOAHという同じチームにいて、同じ方向を見ているなかで、二人で答えを出すからこその“答え合わせ"になるのかな…と思ってます」

――改めて最後に意気込みを

▼齋藤「もちろんお互いを信頼しているからこそ、手を抜くことも気を抜くこともなく全力で行くと思う。それはシオも一緒だ。だからこそ、どういう闘いになるかは分からないけど全力でぶつかり合うと思う。目をしっかり見開いて、これまでの歴史、その時の感情を刻み込んで欲しい。よろしく!」


【NOAH/LIMIT BREAK】5/29(水)東京・新宿FACE『ザ・リーヴPresents LIMIT BREAK .2』18:15開場、19:00開始

◇第1試合◇
関本大介
(1/20)
大和田侑

◇第2試合◇
ブラックめんそーれ
石川修司
(1/20)
菊池悠斗
モハメド ヨネ

◇第3試合◇
飯野雄貴
遠藤哲哉
(1/20)
晴斗希
Hi69

◇第4試合◇
松永智充
納谷幸男
樋口和貞
(1/20)
夕張源太
ヨシ・タツ
藤田和之

◇第5試合◇
秋山準
(1/30)
小峠篤司

◇第6試合◇
▼世界ヘビー級選手権試合
[挑戦者]
潮崎豪
(1/30)
齋藤彰俊
[第33代王者]

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