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11/9【RIZIN】KIDおい・山本アーセンのMMAデビューが決定 ヒクソン次男・クロンと対戦で“レスリング山本一族vs柔術グレイシー一族"実現!(写真あり)

 RIZIN実行委員会は9日、山本“KID“徳郁を叔父に持ち、元女子レスリング世界王者・山本美憂の長男でもある山本アーセンが『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 さいたま3DAYS』(12月29日、31日さいたまスーパーアリーナ)で総合格闘技(MMA)デビューすると発表した。相手はヒクソン・グレイシーの次男クロン・グレイシーで、“レスリング山本一族vs柔術グレイシー一族"が実現する。

 MMA初挑戦となる19歳のアーセンは、まさに“格闘サラブレッド"だ。祖父にミュンヘン五輪グレコローマンレスリング57キロ級7位の山本郁榮、母親に元女子レスリング世界王者の山本美憂、叔母にも元女子レスリング世界王者の山本聖子がいる。そして山本“KID“徳郁も叔父にあたる。アーセン自身もアマレス界のホープで、4歳からレスリングを学び、数々のジュニア大会で優勝。現在はリオ五輪、東京五輪の日本代表を目指している。引き続き五輪出場を目指しながら、同時にMMAの世界にも飛び込む。

 一方のクロンは「400戦無敗」のヒクソン・グレイシーを実父に持つ27歳。19歳で父から柔術黒帯を授かり、2013年にはグラップリングのワンマッチで青木真也から一本勝ちをおさめた。昨年MMAデビューを果たし、今回はプロMMAマッチ2戦となる。

 29日と31日、いずれかで行われるかは現在のところ未定だが、世界的に有名な“レスリング山本一族"と“柔術グレイシー一族"の対決が暮れの大舞台で実現するとあって、この日都内で行われた会見には多くの報道陣が集結。会見にはアーセンと郁榮さん、合宿中で欠席となったクロンに代わってヒクソン氏、RIZINの榊原信行実行委員長、高田延彦統括本部長が出席した。

 会見でアーセンは「“グレイシー一族vs山本一族"という見方をされると思いますが、僕は日本人として負けたくない。山本アーセンとして負けたくない。最後は思い切りブッ飛ばして勝ちたいと思います」と意気込んだ。

 叔父KIDの指導のもと打撃を特訓中。「9月ごろに話をもらって、その時にMMA挑戦を決意しました。おじが小さい頃から後ろについていったし、UFCにもついていった。ベースはレスリングですけど、格闘技で育ちました。MMAも大好きです。MMAの練習は楽しいですし、レスリングとは違う刺激があってハマってます。(MMA挑戦の話に)おじは凄い喜んでいた。すべてに関してアドバイスしてもらっていますし、すべてためになってる。試合に出したい」と腕をぶした。クロンの印象を「寝技が凄い」と話した一方で、「スポーツ選手はすべてが上回ってると思う。寝技はクロン選手が上だと思いますが、それ以外はボクが上回ってると思います。体力勝負にはなると思うし、グレイシー一族は絶対にあきらめない。タフな試合になると思いますが、最後に自分の手が上がるように、寝技、ストライク(打撃)すべて練習していきたい」と話した。

 長男アーセンのMMAデビューに際して母・美憂さんもコメントを寄せ「本当に突然のことで私自身、大変驚いています。本人もいろいろと考えたうえでの決断だと思いますし、決断したからには母親として全力で応援したいと思っています。この経験が彼のこれからの人生にとって大きな財産となることを心から願っています」と思いやった。

 同席した郁榮さんも「アーセンの良さはひるまないところ。山本ファミリーは親子3代世界のトップでやってきた。手に汗握る戦いになると思います。グレイシーファミリーも素晴らしいですが、山本レフェリーも世界チャンピオンを育ててきた。その戦いをしっかり見せてほしい」と話した。

 一方のヒクソン氏は「RIZINがグレイシーファミリーに声をかけてくれて光栄に思う。山本ファミリーは素晴らしいファミリーだし、まさに王者同士の戦いになるはず。何よりMMAの未来を担う未来ある若者2人が戦う。クロンは残念ながら今日来られなかったが、100%の状態で出てくる。結果は神のみぞ知るが良い試合をしてほしい」とエール。一方でUFCが主流となっている現在のMMAのあり方に疑問を呈し、「UFCには戦士としての魂が欠けている。ショートラウンドやポイントシステムで、勝ちに行く試合よりも“負けない試合"が多くなった。本来逃げ場のない戦いをするために設置されているケージも、本来とは違う使い方をされているように感じる。リングで戦うRIZINは武士道精神、真のMMAスピリットを獲り戻せる場所。RIZINがリアルMMAを獲り戻してくれたことを嬉しく思う」とRIZINにも期待を寄せた。

 そのヒクソンとは久々の対面となった高田本部長も、注目の“一族対決"決定に興奮。「長きに渡り実績を積み上げてきた一族の誇りをかけた戦い。イメージすると今、高ぶる気持ちが抑えきれない。RIZINがスタートするタイミングで、サポートする郁榮さん、ミスター・ヒクソン、みんなの意識がピタリとハマった。良い運命を我々は共有してる。そんな実感があります。“クロン対アーセンの一戦は伝説の一戦だった"というものを残してもらいたい」と話していた。

プロ格 情報局