プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

6/19【リアルジャパン】6・23後楽園で船木とのレジェンド王座V2戦へ リアルジャパン提供・関本インタビュー

 6・23後楽園大会で船木誠勝とのレジェンド王座2度目の防衛戦を控える関本大介。リアルジャパン提供のインタビューは以下の通り。

---

 関本大介は昨年のリアルジャパン12・9後楽園ホール大会で船木誠勝を破り、レジェンド王座を獲得した。そして、今年の3・24後楽園では長井満也を下し、王座初防衛に成功した。

 普段は真っ向勝負の肉弾戦を信条としている関本だが、このレジェンド王座を巡る戦いでは“U系"との激闘で新たな経験を積み、更なる進化を遂げている。最近では全日本プロレスマットで『チャンピオン・カーニバル』を制覇し、世界タッグ王座も獲得(パートナーは岡林裕二)。最前線で名勝負を連発している関本は名実ともにプロレス界のトップレスラーだと言えよう。

 そんなレジェンド王者・関本に更なる試練が到来。前王者・船木とのリターンマッチが『初代タイガーマスク黄金伝説〜LEGEND OF THE GOLD V』6・23後楽園ホール大会で決定した。過去2試合のタイトル戦で学んだもの、船木から植え付けられた恐怖感、それを吹き飛ばすための強靱な肉体、そして35歳・デビュー16年というシビアな立ち位置……。数日後に迫った決戦を前に、関本が今の思いを赤裸々に語ってくれた。

【関本インタビュー】
――昨年12月にレジェンド王座のベルトを獲得してから半年経ちました。様々な団体の試合会場で「レジェンド選手権王者」とコールされていますが、王者としての自覚みたいなものは感じていますか?
▼関本「レジェンド王者と呼ばれると凄くプレッシャーを感じるというか。やっぱり恥ずかしくない行動をしなければいけないし。レジェンドという言葉に重みがありますからね」

――“伝説の王者"という意味になりますからね。

▼関本「僕はまだ伝説でも何でもないですけど、船木さんから取って、長井さんに防衛したというのはかなりの自信になっています」

――3・24後楽園ホール大会で行われた長井戦は、かなりヒザ攻めで苦しめられました。

▼関本「最後はジャーマンスープレックスを狙ったところでヒザ十字を取られそうになったんですけど、完璧に入ったらまずかったんで、何とか力で踏ん張って。腕ハンマーで阻止はできたんですけど、あのままガッチリ入ってヒザ十字を決められてたら、危なかったと思います」

――チョップ合戦や力比べといった真っ向勝負が多い関本選手の試合の中で、船木戦も長井戦もちょっと空気の違う試合でしたね。

▼関本「とにかく一番印象に残っているのは、昨年の12月に船木さんと戦った時のことなんですけど、序盤のグラウンドで下になったら、まったく動けなくなったことなんです。船木さんの方が絶対に僕よりも体重が軽いと思うんですけど、上になられたらウエイトのコントロールが凄くて、まったくひっくり返せなかったんですね」

――試合後のコメントでも「200〜300kgぐらいあるように感じた」と仰ってました。

▼関本「本当にそんなイメージでしたよ。あんなに上に乗られて重く感じたのは初めての経験でした。あの時の印象が凄く強いです」

――瞬間的とはいえ、歴代日本人レスラー最重量の浜亮太選手(225kg)ぐらいの圧迫感ということですよね。船木選手との再戦に向けて“打撃"という部分が話題になっていますが、グラウンドや関節技でも足りない部分は感じていますか?

▼関本「やっぱりウエイトコントロールの部分では技術や経験が足りないんだなって感じました」

――普段の試合ではあまり注目されないところですが、関本さん自身はグラウンドの攻防というのも好きなんですか?

▼関本「実は好きで、ファン時代はそういう試合もよく観に行ってました」

――佐藤光留選手のツイッターで、関本さんがパンクラスの道場で練習している姿が見られたんですが、そういう機会は定期的にあるんですか?

▼関本「そうですね。光留さんがリーダーとなって、『関本さん、今度グラウンドの練習をしましょう』と声をかけてくれるので『わかりました』と」

――船木さんがかつて設立したパンクラスの道場で学んでいるというのも不思議な縁を感じます。

▼関本「そうですね。今は北岡悟さんが長になっていますけど、場所を提供していただいて。一緒に川村(亮)さんともやったり、本当に勉強になりますね」

――今後、関本選手が関節で一本取るような試合も見られるかもしれません。

▼関本「まだまだそんなレベルじゃないんで(笑)。もっともっと勉強と練習が必要ですね。つらくて苦しい練習なんですけど、勉強のためにと思ってやっています」

――“打撃"の部分ですと、前回の船木戦ではハイキックをもろに食らって一瞬意識が遠のいたと記者会見で仰っていました。

▼関本「はい。中盤ぐらいに食らったハイキックが……あんまりよく覚えてないんですけど、知らない間に倒れていたんです。倒れた時にすぐ気がついたから良かったですけど」

――関本選手でもそこまで経験は滅多にないことなんですか?

▼関本「そうですね。『来た!』と思って、ブロックしようとしたんですけど間に合わなくて。そこで食らったところまで覚えていたんですけど、気がついたら倒れていました。確かそこでカウントされてたのかな。それで目が覚めて『あれ?』って」

――他の場面でもローキックで体勢を崩されたり、ミドルキックで脇腹を射貫かれて苦しそうな表情を見せたり、船木選手の蹴りがかなり効いていた印象があります。

▼関本「蹴りは本当に怖かったですね。想像していた以上にスピードが速くて。あんなに切れるナイフのような蹴りというのはなかなか打てるもんじゃないと思います」

――再戦に向けて、関本選手は肉体の強化でその蹴りに対応すると宣言されています。現状はいかがですか?

▼関本「今のところ、体重も115〜120kgの間を行ったり来たりしているんですが、体の厚みは以前より増しているので、蹴りに対する耐久力はついてきていると思います。本当に1ミリとかの次元の話ですが、肉は分厚くなってますから、『打ち抜くなら打ち抜いてみろ』という気持ちですね」

――前回の試合前には船木選手の浴びせ蹴りを警戒していました。その浴びせ蹴りとハイブリッドブラスターを防いだのが勝因だったと思います。ただ、再戦となると船木選手も違う作戦を立ててくるでしょうね。

▼関本「僕も何か考えないと、と思っています。前回は上手く自分の勝ちパターンに持って行けたんですけど、今回もそれができるとは限らないので」

――船木選手は拠点を大阪に移し、試合数をしぼっているため、コンディションはかなりいい状態のようです。一方、関本選手はかなりのハイペースで試合をこなしていますが、最近のコンディションはどうでしょうか? ダメージを引きずっている時もあるんじゃないかと思うんですが。

▼関本「そういう時はありますね。まさに現時点ではダメージが残っています(苦笑)」

―― 一昨日は『Fortune Dream』の後楽園大会で火野裕士選手と組んで、岡林裕二&潮?豪組相手に凄まじい逆水平チョップ合戦を繰り広げました。そして、昨日は全日本プロレスの後楽園大会で岡林選手と組んで、ゼウス&ボディガー組に挑み、世界タッグ王座を奪取したばかり。どちらも壮絶な試合でしたからね(※取材日は6月16日)。

▼関本「まだチョップを食らいすぎて胸が痛いです。世界タッグの時もきつかったですね。ゼウス選手もボディガー選手も力が強いので、圧力が凄かったですから。胸を叩かれた時は痛みが凄かったです」

――激闘続きだと思うのですが、関本選手ご自身はコンディションにどの程度気を遣っているんですか?

▼関本「実は何も気を遣ってないんですよ(苦笑)。自分でもわからないんですけど、寝たら回復するんですよね。それは普通の人も一緒だと思うんですけど」

――シンプルですけど、「寝たら回復する」というのが関本選手の強さの秘密なのかもしれませんね。精神的にはどうですか? 最近はどんな風にモチベーションを保って試合に臨んでいるんでしょう?

▼関本「その場その場で思いっきりやるということだけを考えているんで。当たり前ですけど、ベルトの懸かった試合では『絶対に取ってやる』、防衛戦では『絶対に守ってやる』という気持ちでいますし、普段の試合でも自分でテーマを見つけるように心がけてます。例えば力の強い選手が相手なら、『打ち負けてたまるか』と思って思いっきりぶつかっていきますし、関節技が得意な選手なら『どうやって逃げようか? どうやって力で防いでやろうか?』って考えますし。力で対抗することが僕の普段のテーマになっているので」

――どういうシチュエーションでも「負けたくない」という気持ちが関本選手の試合からは溢れ出ている気がします。

▼関本「スピードの速い選手なら『力で止めてやる』って思いますし。あまり考え込まないようにして、とにかくその日その日の試合を全力でやるという気持ちでいます」

――ヒザを負傷して長期欠場した時もありました。「激しい戦いには怪我がつきもの」なんて言い方もありますが、試合を取材していると、今のようなファイトスタイルをずっと続けるのも難しいのではないかという目で見てしまいます。関本選手ご自身は今後に向けてどんな風に考えているんでしょう?

▼関本「正直、やっぱりガタが来ているところもあります。『将来はどうしよう?』と第二の人生みたいなことを考える時も少なからずありますしね。ここまでは応援してくれた皆さんに生かされてきた、という部分が大きいですけど、これからは自分で何とか生きていかなくちゃいけないって感じるので」

――年齢的にはそういうシビアなことも考える時期ですよね。プロレスを引退する、ということではなくても、レスリングスタイルという部分でも変化は必要になってきますし。

▼関本「そうですね。若い人たちがドンドン入ってきて、ドンドン強くなってきていますから。新陳代謝が必要だと思いますし、押し出される時がすぐそこまで来ているんじゃないかという意識もありますし」

――そういう危機感は常にあると。今回の対戦相手である船木選手は一度引退を経験されていますし、もしかすると今の関本選手のような気持ちになった時期があるかもしれませんね。

▼関本「船木さんは全てを経験している人なので、全部を達観した目で見られるんじゃないかって思うんですよね。記者会見で言葉を聞いててもそう思います。パッと目があった時、心の底を見透かされているような気持ちになって。だからこそ、心が燃えてくる部分もありますし、勝ちたいって気持ちにさせられます」

――そういう相手だからこそ、勝負を乗り越えたら見えてくるものがあるかもしれませんね。実際に前回の試合を経験したことで関本選手も大きな刺激を受けたわけで。

▼関本「そうですね。今は船木さんとの戦いに照準を合わせて、全力を注ぎたいなと思っています。船木さんと戦いきれば、また何かが見えるかもしれないですし。今は自分がチャンピオンですから。ベルトを持つ側として、今度は船木さんの挑戦を一歩も逃げずに全て受け止めたいですね」

プロ格 情報局