6/29【NOAH/インタビュー企画】7・5後楽園GHCタッグ戦へ向けて 丸藤&矢野「鈴木&飯塚は古くさい」
7・5後楽園大会でのGHCタッグ王座防衛戦に臨む丸藤正道&矢野通組。挑戦者の鈴木みのる&飯塚高史組にベルトを盗まれた状態だが、そろって「やり方が古くさい」と一刀両断。何が飛び出すか分からぬ自身のチームを“化学反応"に続いて“パズル"に例えつつ、王座“奪回"に自信をみせた。7・5後楽園大会のGHCタッグ王座戦に向けた丸藤&矢野組のインタビューは以下の通り。
【丸藤&矢野インタビュー】
――鈴木&飯塚組の印象は?
▼矢野「一言で言えば古くさいですよね。ベルト強奪とか、飯塚高史っていうヒール像とか、全部古くさいですよね(笑)」
▼丸藤「ベルト強奪とかダメですよね」
▼矢野「そういうことやっちゃ絶対ダメですよ。今どきじゃない。古くさいレスラーですよ(笑) あっちは古くさいものを見せようとしている人間。我々は、交わることで新しいものを見せようとしている。試合ではその差が出るんじゃないですか」
――時代に合っている矢野&丸藤が当然勝つと
▼矢野「もちろん。アナログとデジタルの戦いみたいなもんですよ」
▼丸藤「相当、差がありますね。電卓とそろばんみたいなものですよ」
▼矢野「電卓もなかなか古いかも(笑) スーパーコンピューターとそろばんみたいな」
――2人は噛み合いそうだが?
▼丸藤「俺、本当はキャラは似てるんだと思う。スタイルが違うだけで」
▼矢野「いい意味でも悪い意味でも適当っていう(笑) でも、このプロレスにおいては、真面目すぎたら疲れちゃいますよ、2年くらいで」
▼丸藤「2年って結構長いな(笑) でもね“いい加減"っていうのは“良い加減"なんですよ。どうですか、今の?」
▼矢野「ちょっとうまいですね」
▼丸藤「試合に関して、事前に一切話し合いはしていないんです」
▼矢野「このインタビューもそうですから(笑)」
――それでもあのK.E.S.を下しているが?
▼丸藤「そうですね。結果がすべてですし。俺も今までの何回かベルトを獲ってきているけど、実に自然体でいられる。プロレスのタッグって、意外と恋愛と似ている部分があって」
▼矢野「…(笑) そうだと思いますよ」
▼丸藤「やっぱり自然でいられるのが一番だと思います」
――出たとこ勝負で試合に臨むと『こんな引き出しを持っていたんだ』と驚かされることもある?
▼矢野「お互い持っているもので『あ、これとこれが組み合わさるんだ』っていうのはあります。これは僕の勝手な感じなんですけど、面倒くさいんですよ、いろいろ考えるのが。結構プロレスやってきて、昔はいろいろ考えたけど、面倒くさくなっちゃった(笑) 結果、自分が持っているもの、丸藤選手が持っているものを、試合で出たとこ勝負で出したら、パズルがはまるってことだと思いますよ」
▼丸藤「『はまんねぇな』って思って、ちょっと角度変えたらはまることもあるし」
――勝った時は、パズルが完成する感じ?
▼矢野「そうですね」
▼丸藤「チーム名“パズル"でいきますか?(笑) かっこよくないですか? これでグッズ出したら売れますよ。パズルで矢野さんバージョンと俺バージョンを作って、うまくくっつくようにするとか」
▼矢野「売れますね。でも、片方のパズルがちょっと売れ残ったとか言われるのイヤだな(笑)」
――となると、7月5日はどんなパズルになる?
▼矢野「まず自分たちがどんなピースを持ってくるかですよね。互いにいろんな引き出し=ピースは持っている。でも、相手はね、古くさくて大体型が決まっているから(苦笑)」
――飯塚選手の動きは予測不能では?
▼矢野「不能なのか、低能なのか、ですよね。普通に考えたら低能でしょ。考える力がないから、ああなっちゃって。ペースが乱されないかって聞かれるんですけど、元々僕が飼い主なんで、そこは分かります。『お座りっ!』って言ったら、反応して急に座っちゃうかもしれない(笑) あの頃を思い出して、パブロフの犬みたいね」
――鈴木の手の内は知っている?
▼矢野「それは感じてはいますよ。でも、自分も相手も変わっているはず。多分、向こうは『あいつらはこうだろう』って考えてくると思う。でも、こっちは何も考えてないから(笑)。考えないことが一番なんですよ」
▼丸藤「まさにその通りですね(笑)」
――想像がつかないから面白い?
▼矢野「ひとつ言えるのは、これで鈴木軍が負けたら、タッグという意味では崖っぷちですよね。だいぶ追い詰められますよ」
▼丸藤「俺たちはあれだけK.E.S.に勝ってきたし、鈴木、飯塚っていうのは、ある意味、鈴木軍の核だから、そこを倒すことができれば、俺たちも次のステップにいけるんじゃないかと思います」
――王者像は?
▼丸藤「そうやって固い考え方を持っていると、疲れてくたびれたチームになってしまう(笑) 俺たちの試合だったり、結果だったりを見たお客さんが『ああ、こういうタッグチームなんだ』って感じてもらえればいいんじゃないですか。『俺たちはこういうチームなんだ』って言って、それが全然拍子抜けなことになっていたら、すげぇ格好悪い(笑) プロレスのいいところは、試合でリング上ですべてを見せられるところですから」
▼矢野「もちろん、ベルトに権威があるのは分かっているけど、それすらも化学反応を起こすための1つの媒体でしかないんですよ」
▼丸藤「有言実行に自信がないわけじゃない。全てが謎かけになるようなチームの方が面白いんじゃないかと」
▼矢野「みんな答えを言いたがりますけどね、答えを言われてから見て面白いものなんてないですよ」
▼丸藤「学校のテストも答えを見たら怒られるでしょ? 答えから入っちゃダメですよ」
▼矢野「映画見に行っても、結末が分かったら怒るじゃないですか」
▼丸藤「ネタバレ厳禁!」
――これからあらゆるパズルを創っていく?
▼矢野「我々自身もそれが楽しみなんですよ。自分たちが思っている価値観と、他人が思っている価値観は違う。だから、どこまでタッグとしていけるのか楽しみですね」
▼丸藤「どこまで可能性が広がるかは自分たちでも分からない」
▼矢野「急にいやになっちゃうかもしれないね(爆笑)」
▼丸藤「なんか、合わねえなって(笑)」