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12/16【NOAH】「一番おっかなかった」中嶋とのGHC戦へ「混沌に充実もたらす闘いを」 マサ北宮インタビュー

 12・24後楽園大会で中嶋勝彦のGHCヘビー級王座に挑戦するマサ北宮。兄弟子であり、パートナーでもある中嶋との王座戦がノアの今年を締めくくる一番で実現する。自身飛躍の一年を振り返りつつ、若い世代が隆起する現在のノア、GHCヘビー奪取への思いを語った。


【マサ北宮インタビュー】

――今年は北宮選手にとって、キャリアの中でも大きな節目になった一年だったのでは?

▼北宮「そうですね、4月に(北宮光洋から)マサ北宮に改名して、そこからはあっという間でした。ファンの期待の高まりも感じたし、それに応えようと気持ち的にも充実していました」

――今年は改名と同時期にジ・アグレッションとして始動し、7・16後楽園ではGHCタッグ王座に挑戦。さらに9・23後楽園では初めてGHCヘビー級王座にも挑みました。そして、『グローバル・リーグ戦 2016』(以下、『GL』)では準優勝を飾ったわけですが、この一年でとくに印象深かった場面は?

▼北宮「やっぱり、近々ということもありますけど、鈴木みのるとやったGLの決勝ですね。たとえ、ベルトに挑戦しても結果的には獲れてないんで、何か一つ冠がほしい中、死に物狂いで臨んだリーグ戦で、最後まで勝ち進むことができたので。ただ、あと一歩のところでつまずいたんで、何より悔しいという気持ちが大きいです。でも、現時点での自分の力を知ることができたのは収穫だったかな、と」

――リーグ戦では丸藤正道選手や杉浦貴選手から初勝利も収めましたね

▼北宮「そこは自信になりましたね。でも、次にやって負けたら『あれはラッキーだった』ってなってしまうので、ここから先が勝負だと思います」

――そして、12・2後楽園と12・3有明をもって、鈴木軍がノアマットから去ることになりましたが、それについて思うことは?

▼北宮「う〜ん、ノアvs鈴木軍というくくりでは決着がついたんでしょうけど、マサ北宮個人としては借りを返せていないという気持ちなので……。ちょっと、最後はあっけなさを感じるところはありました」

――北宮選手に関しては、まさに鈴木軍に食らいつくことで、徐々に存在感を発揮してきたイメージがあります。

▼北宮「たしかに、それで成長した部分はあると思います。だからこそ、自分は鈴木みのるに負けたままで終わったというのが、腑に落ちないというか。その溜まったうっ憤を、ノアマットでの戦いにぶつけていきたいですね」

――そして今回、中嶋選手に挑戦を果たすわけですが、まず12・3ディファでの宣戦布告に至った経緯というのは?

▼北宮「やっぱり、決勝で負けたものの、GL準優勝という結果は残したし、鉄は熱いうちに打てじゃないですけど、この勢いに乗った状態のままベルトを獲りにいきたいな、と」

――北宮選手は「新生ノアの風穴をあけるのは俺しかいない!」というコメントも残していますね。

▼北宮「俺は常々、若い人間が出ていかなきゃいけないと言ってますけど、いま中嶋勝彦がベルトを巻いているなら、同世代の自分しかいないだろうっていうのはあったので。このまま、ほかの人間が挑戦するのを指くわえて見て、時代を逆戻りさせたくないっていう気持ちは大きいです」

――現在、各大会で中嶋選手と前哨戦を行なっていますが、その試合後に北宮選手が「いつだってそうだ。俺が杉浦とのGHC王座戦に負けたあと、中嶋がベルトを獲った。俺がGL決勝で鈴木に負けたあと、中嶋がベルトを防衛した」とコメントしていました。かたちとしては、中嶋選手がパートナーである北宮選手の仇を取っているというか。

▼北宮「そこは歯がゆいし、見方によっては相棒の尻拭いをしているわけですから。中嶋勝彦が杉浦に勝ったときも、鈴木を破ったときもセコンドで観ていましたけど、うれしい反面、情けないのと悔しいのでヘンテコリンな気持ちでしたよ」

――複雑な感情だったわけですね。少し、二人の歴史を紐解きたいのですが、そもそも北宮選手が健介オフィス(のちのダイヤモンド・リング)に入団した当初、自分と同年齢の先輩である中嶋選手はどのような存在でしたか?

▼北宮「健介オフィスは少数精鋭だったので、佐々木さんの次のキャリアが中嶋勝彦だったんですね。佐々木さんが『若い連中をまとめろ』ということを本人に言ってたでしょうけど、当時は若頭として凄く厳しかったですよ。いまでこそ、タッグを組んでいるときは気さくに話したりしていましたけど、当時は考えられなかったですね」

――健介イズムというか、練習に対して妥協がなかった、と?

▼北宮「練習もそうですし、私生活からですね。中嶋勝彦が合宿所に来ると、背筋がピーンと伸びましたから(笑)。健介オフィスは『リングを下りたら紳士たれ』というか、礼儀に厳しかったんですけど、佐々木さんは雲の上の存在なので、俺にとっては中嶋勝彦が一番おっかなかったですね」

――その関係性が、徐々に変わっていったわけですか?

▼北宮「そうですね。デビューが近づいてきてから、ようやくまともに口をきいてもらえるようになったというか」

――では、中嶋選手のことをレスラーとしては、間近でどのように見ていましたか?

▼北宮「当時はいまよりさらに若いわけですけど、臆せずに上に向かっていく姿には感銘を受けましたね。若いレスラーはこうあるべきだっていうのを、一番体現していたと思います。自分もあのファイトスタイルに感化されて、誰が相手だろうとガンガン向かっていくようになりました」

――現在、前哨戦で中嶋選手と戦っている中で、GHCヘビー級王者になって変化を感じる部分はありますか?

▼北宮「やっぱり、チャンピオンということはテッペンなので、ドッシリ構えているとは思いますけど、そういう部分では昔のハングリーさというか、中嶋勝彦の一つの魅力がなりを潜めているなって。食らいついていた立場から、噛みつかれるほうになったので。そういう意味では、コッチのほうはいくしかない立場なんで、勢いはあると思います」

――対戦相手として、中嶋選手の警戒する部分は?

▼北宮「どこからでも蹴りが飛んでくるところですね。ノアにはあんまり、そういうタイプがいないので」

――今回の王座戦は、去年のGL公式戦以来となりますが、そのときとはお互いに立場を変えての一戦になります。GHCヘビーを賭けて戦うという部分で、感慨深いものはありますか?

▼北宮「まあ、出が同じ二人で、ノアの年内最終戦のメインでベルトを懸けて戦うという部分では、思うところはあります。ただ、そんな感傷に浸っているヒマはないし、これから前に進んでいく中での一つの戦いだと思っているので」

――現在進行形のノアの戦いを見せるというか。

▼北宮「そうですね。思い出にふけるのはオッサンになってからでいいんで」

――健介オフィス繋がりという部分でお聞きしたいのですが、ノアが鈴木軍と最終決着戦を行なっていた12月2日に、大阪で北宮選手が敬愛するマサ斎藤さんがパーキンソン病を押して、リングに立ちました。それについて思われることは?

▼北宮「自分も映像や記事で観ました。やっぱり、熱くなりましたね……。マサさんはリングに生きるレスラーなんだなって思ったし、何よりプロレスを愛してるんだなと、あらためて感じました。GHCのベルトを獲ったら、報告したいですね」

――では、最後にこの王座戦を楽しみにしているファンへのメッセージを。

▼北宮「年内最終戦でベルトに挑戦することになりましたけど、ただの今年の総決算とかじゃなく、来年に繋がる戦いにしたいと思っています。やっぱり、鈴木軍が去り、団体自体も混沌としている中で、もっとリング上を盛り上げて、充実させたいという気持ちが強いんですよね。俺と中嶋勝彦なら、そういう戦いを見せられると思っています」

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