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12/20【WRESTLE-1】「自由になります」 KAIが年内で退団、フリー転向

 WRESTLE-1(W-1)は20日、12月31日づけでKAIが退団すると発表した。来年からはフリーとして活動していく。

 この日、都内W-1事務所で師・武藤敬司とともに会見したKAIは「私、KAIは自由になります。去年ぐらいからW-1のほうで“自由"にやらさせていただいて、その中で『これは本当に自由なのか』と思ってきて。もっともっと自分のなかで自由になりたい思いが芽生えてきて、そのためにどうすればいいか考えまして。自由、英語にするとフリー。武藤さんに相談させていただいて、快く引き受けていただきました」と説明。今後もフリーとしてW-1に参戦するものの「いろんな団体に上がりたい」と話した。

 KAIは2006年に『武藤塾』の新人オーディションに合格して全日本に入団。武藤の付け人を務めつつ、将来のエース候補として“英才教育"を受けた。2013年のW-1旗揚げにも参加し、デビューから一貫して武藤のもとにあった。

 「ファンの時代から武藤敬司を見ていて、入ってからも武藤さんについてきて。ずっと親の下で育った子供だったと思うんですよ。そろそろ本当に自分自身で羽ばたくタイミングじゃないかなと感じたところもあったんですよ」と“親離れ"も決断の背景にあったことを明かしつつ、「でも羽ばたいてどこかへ行くかもしれないけど、もしかしたら親のもとに帰ってくるかもしれない。それも含めての“自由"です。僕の中で親は一生、親で変わらないですね。この決断を了承してくださったW-1、そして武藤さんには感謝しかないですね」と話した。

 同席した武藤は「実は引き留めに努力した」と明かしたものの、「自由に生きたいという熱意に押されて了承しました。まぁちょうど10年のひとくくりで悩む時期だと思うんですよ。それで決断した結果だと思います」と理解を示した。

 粒ぞろいだった“武藤全日本”2007年デビュー組。KAI、真田聖也(SANADA)、大和ヒロシ、BUSHI(T28)で武藤のもとにとどまっているのは大和のみとなったことで、さすがに寂しげな表情を浮かべた武藤ではあったものの、「もう10年か。いろんな武藤イズムを叩きこんだつもりです。どのリングいっても活躍できると思っているんで頑張ってください」とエールを送った。


【会見の模様】

▼KAI「私、KAIは自由になります。去年ぐらいからW-1のほうで“自由"にやらさせていただいて、その中で『これは本当に自由なのか』と思ってきて。もっともっと自分のなかで自由になりたい思いが芽生えてきて、そのためにどうすればいいか良く考えまして。自由、英語にするとフリーですね。そう考えるようになって、武藤さんに相談させていただいて、快く引き受けてくださって。僕の中では“自由"というのは武藤さんの背中をみて感じてきたものがあるんですよ。武藤さんって自由奔放な方じゃないですか。武藤塾から(全日本に)入門して、付け人もずっとやらさせてもらってて、背中をみて育ってきたんですよ。僕の中で自由というのは武藤敬司から自然と受け取ったもの。僕のなかに自然と入ってきて、発するようになって、そう思うようになって、今年をもってW-1を退団して、来年は自由…フリーという形で。W-1にも自由に上がらせていただくんですけど、そういう経緯になりました。この決断を了承してくださったW-1、そして武藤さんには感謝しかないですね。今後ともよろしくお願いします」

▼武藤「すべてはKAIの言った通りですね。ちょっと前からW-1のリングで“自由"をテーマに戦ってきたんですが、それはリング内のキャラクター作りだけなのかな…と思っていたら、ここに来て生き方も自由にしたいという彼の熱意。彼はさっき“快く出してくれた"と言いましたけど、正直一生懸命、引き留めることに努力したんだけど、自由に行きたい熱意に押されて、こういう感じになってしまいました。もう10年か。武藤塾から始まってな。リング上だけではなく、いろんな武藤イズムを叩きこんだつもりです。どのリングに行っても活躍できると信じてますんで、頑張ってください」

――決断するまでに葛藤はなかった?

▼KAI「悩んだ後の決断ですし、武藤さんが先ほど言った通り、リング上だけ(の自由)で、そんな気持ち(フリー転向)は無かったんですよね。でも、本当に自由だ、自由だって言ってるうちに、そういう気持ちが芽生えてきたのも、ある種自然なことかもしれませんし、自分に嘘をつきたくないな…っていうのがありました」

――KAI選手は『武藤さんの背中を見て決断した』と言っていたが?

▼武藤「うーん、その辺はまだこいつ俺のこと良く見えてないな…って。意外と俺、窮屈にしてんだよ(苦笑)」

▼KAI「すみません…まだまだ甘かったです」

――戦力的には痛手だが?

▼武藤「俺自身がいろんなリングで試合してるワケであって。KAIと同期で同じ武藤塾から始まった真田(SANADA)も今ではいないし、BUSHIもいないし。大和はいるか…。まぁちょうど10年のひとくくりで悩む時期だと思うんですよ。それで決断した結果だと思います」

――愛弟子が去っていく寂しさは?

▼武藤「だから、冒頭で言ったじゃん。俺は引き留めたんだけど、彼の熱意に押されたという。やっぱり寂しいけど、しょうがないと」

――どんな活躍を期待する?

▼武藤「うーん…俺、こいつの言ってる『自由だ』『フリーだ』っていうのはいまいちピンと来なくてですね。まぁ…ピンと来ないから何とも言えないんだよなあ(笑) でも、メディアを通してでもKAIは素晴らしいという評判だけは聞きたいね」

――今後W-1とどの程度関わっていく? フリーになることで具体的に描いているものはある?

▼KAI「W-1には1月からも上がっていきますので。“いつまで"というのは決まってもないです。やりたいことは…“自由"っていうのは責任が伴いますからね。その辺はちゃんとした行動を…」

▼武藤「え? 自由っていうのは責任が無いんだろ?」

▼KAI「自分自身に対しまして…」

▼武藤「まぁ自由っていうものを通り越すと、責任ある立場になりたいと思う時が来ると思うんだよ」

――“やりたいこと"は?

▼KAI「それはもう、いろんな団体に上がりたいです」

――若手も育ってきたW-1に対するメッセージは?

▼KAI「僕が見ててもいいですからね、W-1の若手。凄いと思うんですよ。正直言って。才能ある選手もいっぱいいるし」

▼武藤「そこから逃げるわけじゃないだろ?」

▼KAI「いえいえ、逃げるんじゃないです。自由になるんです」

▼武藤「自由っていうのは、一歩間違えると“逃げる"って意味もありそうでなぁ」

▼KAI「そうですかね…逃げません」

――才能ある選手がいるから心配はしていない?

▼KAI「僕もある意味(稲葉大樹に)ベルト獲られてるわけですから。正直、あの時ホッとした気持ちもあって。あと僕もキャリアもうすぐ10年になりますし。ファンの時代から武藤敬司を見ていて、入ってからも武藤さんについてきて。ずっと親の下で育った子供だったと思うんですよ。そろそろ本当に自分自身で羽ばたくタイミングじゃないかなと感じたところもあったんですよ。でも羽ばたいてどこかへ行くかもしれないけど、もしかしたら親のもとに帰ってくるかもしれない。それも含めての“自由"です。僕の中で親は一生、親で変わらないですね」

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