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12/27【金村引退興行】引退試合で関本&耕平&火野と真っ向勝負、最後のブリブラダンス…金村が26年間のプロレス人生に終止符

 『金村キンタロー引退興行』が27日、東京・後楽園ホールで行われ、金村キンタローが引退試合で関本大介&佐藤耕平&火野裕士を相手に真っ向勝負を展開。最後のブリブラダンスでリングに別れを告げ、26年のプロレス人生に終止符を打った。

 金村はアニマル浜口ジムを経て、90年12月20日、パイオニア戦志でデビュー。91年8月にW★ING旗揚げに参加後、IWAジャパン、FMW、WEWなどで頭角を現し、“理不尽小僧"の異名で活躍した。その後、アパッチプロレス軍を率いて活動してきたが、左ヒザの故障もあって昨年11月に引退を決意。今年1月から引退ロードを行い、ついにこの日、ラストマッチを迎えた。

 金村ゆかりの選手が多数参戦した今大会。金村はメインイベントの引退試合で田中将斗&黒田哲広の盟友二人とトリオを結成し、関本大介&佐藤耕平&火野裕士と対戦した。

 おなじみのテーマ曲「COME OUT AND PLAY」が流れる中、南側通路に登場した金村はアパッチプロレス軍解散興行となった12・25新木場大会で金本浩二を破って奪取したWEWヘビー級ベルトを巻いて最後のリングへ。パートナーの田中、黒田とともにトレードマークのブリブラダンスを披露した。

 開始のゴングを聞くと、金村は先発を買って出て関本と対峙。お株を奪う逆水平で果敢に立ち向かった。関本、火野にブレーンバスターで立て続けに叩きつけられても、黒田とのダブルタックルで火野をなぎ倒し、キスを交わすと手を組んでのダブルエルボードロップを投下。さらに金村が関本に、田中が耕平にコーナー最上段から場外にダイブしてのテーブルクラッシュを競演した。

 その後、金村を待っていたのは相手チームの猛攻。火野に逆水平、耕平にローキックを連発されて動きが止まり、火野のセントーン、耕平のダイビングニードロップを立て続けに被弾。関本にはテーブル破片攻撃を連発された。

 負けじと金村もテーブルの破片を何度も関本の脳天に振り下ろして逆襲。フロントスープレックスで投げ飛ばして気を吐いたが、終盤にローンバトルへと追い込まれてしまう。それでも逆さ押さえ込みや首固めで関本を丸め込んで粘った金村だったが、関本こん身のラリアットを食らって動きが止まった。さらに耕平のパイルドライバー、火野のダイビングボディプレス、関本のラリアットと息もつかせぬ波状攻撃が襲う。金村も何とか3カウント寸前に返したものの、関本がジャーマンでぶっこ抜いて万事休す。金村は3カウントを聞いた。

 15分41秒、金村ラストマッチは幕を閉じた。試合後、パートナー、相手チームと握手を交わした金村。引退セレモニーでは日高郁人、山川竜二さん、松永光弘さん、安生洋二さんらゆかりある人たちが激励に駆けつけ、金村の労をねぎらった。

 そして、この日急きょ欠場となった大仁田厚も駆けつけた。松葉杖をつきながらリングに上がった大仁田は金村と握手、抱擁を交わしてからリングを降りると、「金村。今日は休んですいませんでした」と欠場を謝罪してから、「金村選手、今までいろんなことあったよな。だけど本当に、本当にごくろうさまでした」との言葉を送った。金村も「大仁田さん、ありがとうございました」と深々と一礼。大仁田は「今度焼肉おごるよ」と言い残して去っていった。

 リング上に残った金村は「自分はあんまり苦労したことないレスラーだと思うんですよ。茨城社長のおかげでビクター・キニョネスに20代前半でメインイベンターにさせてもらって、田中将斗、黒田哲広、ミスター雁之助と戦えて、それが一番うれしかったです。茨城さん、ビクター・キニョネス、大仁田さん、そして冬木さん、破壊王(橋本真也)がいなかったら今の僕はいません。僕の財産は田中将斗、黒田哲広、こいつらと戦って、最高の親友です。26年と1週間はあっという間でした」とレスラー人生を振り返ると、「とにかくプロレスラーの仲間、裏方スタッフ、マスコミの方々、いろいろ教えてくれた人たち、何より26年間と1週間応援してくれたファンの方々、本当にありがとうございました」と感謝。リング上にWEWベルトを置くと、引退テンカウントゴングを神妙な表情で聞いた。

 最後のゴングが鳴らされた瞬間、リング上を赤い紙テープが埋め尽くした。「COME OUT AND PLAY」が流れる中、金村は盟友・田中、黒田とともに最後のブリブラダンス。そして金村が師と仰いだ故・冬木弘道さんのテーマ曲「SHOOT IT」に曲が変わると、金村はWEWベルトを掲げてファンの温かい歓声に応え、最後のリングを降りた。これにて金村のプロレスラー生活は幕。26年間戦い続けたリングに別れを告げた。

【試合後の金村】
――引退興行に懐かしい顔触れが集まったが?

▼金村「うれしいですね。貴たちFREEDOMS、大日本、DDTが快く参戦してくれたのは、大日本様々、DDT様々、FREEDOMS様々ですよ」

――引退後はどうする?

▼金村「知り合いがいるんで紹介してもらって、管理職になるんですけど。チンピラにはならないですよ。今、生活が充実してるんで」

――26年間思い出は山ほどあると思うが?

▼金村「本当はもうちょっと引退ずれるんやったら、RIZINにミルコ(クロコップ)来るんでしょ。そこで決着つけようかなと思ったんですけどね。リベンジ。聞かないんですか? 一番思い出に残ってる試合は?って。橋本真也戦と言いたいんですけど、2試合シングルやって、2回とも記憶がない。やっぱり常に田中将斗が僕の節目、20周年、25周年、ずっとあいつ一緒なんですよね。今でも月に数回会ってますから」

――大きいケガも多かったが?

▼金村「おそらく一番救急車で運ばれた日本人レスラーだと思いますよ」

――それでも26年間続けてこられたのは?

▼金村「産んでくれたお母さんに感謝です」

――関本と先発で対峙した時の気持ちは?

▼金村「ぶっちゃけた話、途中で何年か離れたことあるけど、あいつとシングル1回しかやったことないんです。あいつが19歳ぐらいの時。そこから一回も負けてなかったんですよ。今日やられましたけど。どうせ来年の頭、復活するんで、その時にリベンジします。そんなわけない!」

――セレモニーに山川さんが来場したが?

▼金村「山川が来た時は涙腺が緩んだね。あいつの復帰のこととかいろいろ思い出して。でもTAJIRIが日本からいなくなるのが一番寂しいですけどね。このリングブーツは(五所川原)吾作にいきます。ニーパッドもジーパンも吾作にいきます。カバン空っぽにして帰りますよ。26年と1週間、マスコミの方々、本当にありがとうございました。歩いてリングを降りる夢を実現できました」

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