1/4【NOAH】「俺がまた王様になる」 1・7GHC戦へ杉浦貴インタビュー
年初大会の1・7後楽園大会で中嶋勝彦のGHCヘビー級王座に挑む杉浦貴。昨年末に鈴木軍を脱退しながらもノア全体に喧嘩を売り、今度は“一匹狼"と化した。ノア勢に危機感を煽りつつ、鈴木軍撤退後のツアーでは全勝。丸藤正道との一騎打ちも制して再び中嶋の前に立つ杉浦に現在の心境を聞いた。
【杉浦貴インタビュー】
──24日の後楽園大会は雰囲気のいい、盛り上がった大会でした
▼杉浦「まあ、後楽園はよかったよ。ただ、ああいう雰囲気は元々ノアにあったものだから。鈴木軍が来てからちょっと雰囲気が変わってしまったけど、それがただ元に戻っただけかもしれないしね。あれで喜ばれても困るよな」
──ただ、シリーズ中は杉浦選手の「行動に移せ」という言葉に呼応するかのように、それぞれ独自の動きを始めた選手が出始めてきました。闘っていて、そういう雰囲気は感じたんじゃないですか?
▼杉浦「まあ、常にアンテナ張っている選手っていうのは行動に移すなり、しゃべる内容も変わってきてはいるよな。そういう奴らはたしかにいる。ただ、相変わらずのほほんとした奴もいたけどな」
──ということは、まだまだ危機感を感じていない選手というか、杉浦選手の問いかけの意味がわかっていない選手もいるということですか?
▼杉浦「でも、俺はべつにみんながみんなに動けとか言っているわけじゃないしね。響かない奴っていうのはいくら言ったって響かねえんだよ。そういうのほほんとした奴にまで動けとは言ってないから。自分で危機感を感じているなら動けってことだからな。響かない奴はほっとくしかないよ」
──なるほど。自分なりに考えて動けということですね。それで杉浦選手自身は丸藤選手と最終戦の12・24後楽園大会で一騎打ちをして勝利しました。
▼杉浦「まあ、丸藤に勝ったけど、やっぱりベルトだからね。ベルトがなきゃどうにもならない。だから、また来年の一発目で勝負だなっていう気持ちだよな」
──でも、いつも通りの中身の濃い試合でしたよね。改めてああいうシチュエーションで丸藤選手と闘ってみてどう思われました?
▼杉浦「どうも思わねえよ! 丸藤とはずっとやってきているんだから、今さら何もねえよ。そっちが言った通り、いつも通りだよ。特別な思いもないし」
──メイン終了後にGHCヘビー級王座への挑戦を表明されましたけど、それへのステップのひとつだったということですか?
▼杉浦「そういうことだよ。中嶋に挑戦するための足がかりでしかないな」
──中嶋選手と北宮選手のGHC戦はご覧になっていましたか?
▼杉浦「シャワー浴びてたから見てない」
──シリーズ中の中嶋選手の闘いぶりはいかがでしたか? 新しいノアでのチャンピオンとしてかなり気張っていたと思うんですけど、杉浦選手の目にはどう映っていたのかなと。
▼杉浦「いちいちあいつの試合なんか観てねえよ。『んばってる』とか言ってもらいてえのか?」
──いや、そんなことはないですけど、物足りなさを感じたりしているんですか?
▼杉浦「チャンピオンらしさなんていきなり備わってるもんじゃないから。何度も防衛を重ねていってだんだん備わってくるものだからね。今の時点ではあんなもんじゃない? ただ、去年の今頃の風景を考えてみたら、メインで中嶋vs北宮がやっているっていうのは考えられなかったことだから。選手としては成長しているだろうな」
──実際、杉浦選手は中嶋選手に負けてベルトを取られているわけじゃないですか?
▼杉浦「そうだよ」
──リベンジしたいという気持ちもあるんですか?
▼杉浦「そんな気持ちはねえよ! ただ、対ノアっていうことを考えたら、ベルトを持っている奴が一番強いってことなんだから、そこに行くのは必然だろう」
──まあ、24日の後楽園大会の試合後におっしゃっていた「てっぺん目指さなきゃ意味ねえんだよ」ということを身をもって行動に移したと。
▼杉浦「そういうことだよ」
──若きチャンピオンにノアの闘いはこういうものだというものを身体で教え込んでやろうとかっていう気持ちもありますか?
▼杉浦「あんまりねえな。そんなのは試合していれば覚えていくもんだし、俺も上の世代の人たちとやっていくなかで身につけていったもんだから。俺は単純に頂点に立ちたいだけ。レスラーとしてね」
──なるほど。それで次期シリーズですけど、新年一発目の1・7後楽園大会では中嶋選手とのGHC戦の他にも、いくつか注目カードが組まれています。まず9日の後楽園大会では清宮選手とのシングルマッチが組まれていますが、12・14新宿FACE大会では清宮選手をいたぶっている印象がありましたけど、手応えを感じたからこその厳しい攻めだったんでしょうか?
▼杉浦「いや、若い芽は今のうちに摘んでおかないと」
──清宮選手を脅威に感じる部分もあったんですか?
▼杉浦「ねえよ! あいつは二十歳そこそこだろ。それはない」
──11日の横浜大会では小峠選手とのシングルマッチが組まれています。小峠選手はヘビー級に転向を宣言していますが、杉浦選手が言っていた行動に移した選手のひとりだと思うんですが
▼杉浦「まあ、奴もジュニアでは二冠になっただろ? ある程度やりきったっていうのがあるんじゃねえ?」
──杉浦選手もかってはジュニアからヘビーに転向されているじゃないですか? 今回の小峠選手と拳王選手がジュニアからヘビーに転向するという動きはどう思われますか?
▼杉浦「いや、俺の場合とはちょっと違うよね。俺は元々ヘビーでやっていて、ジュニアに行けって言われて行ったんで、悪い先輩に」
──悪い先輩…
▼杉浦「『おまえヘビーでやってても出番ないよ』って言われたことがあったんだよ。それでジュニアでやってただけだから。まあ、小峠の場合は悪い先輩のアドバイスでヘビーになったわけじゃねえだろう」
──杉浦選手の言葉に反応したのか、どんどんリング上が活性化しつつあるなと感じますね
▼杉浦「個人個人でいろんなテーマを持ってやっている連中が出てきたのは感じるよ。ただ、これを継続しなきゃいけないんでね。だから、来年以降が重要になってくる」
──わかりました。では、改めて最後に中嶋戦に向けて意気込みをお願いできますか?
▼杉浦「ない」
──ない…
▼杉浦「ベルトを取り返して、俺がまた王様になる。そうすれば偉そうなことを遠慮なく言えるようになるから」
──今でも言っているような気が
▼杉浦「これでも遠慮してんだよ!」
──でも、自分が偉そうにしているほうが、ノアがいい方向に進むっていう考えもあるんですか?
▼杉浦「ノアのこととか関係ねえよ。ただ、俺が偉そうにしたいだけ。まあ、結果としてそうなりゃそうなったでいいんじゃねえの?」