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3/27【WRESTLE-1】カズ新社長が誕生、武藤は会長職に GENスポーツエンターテインメントが新人事を発表

 WRESTLE-1を運営するGENスポーツエンターテインメントが27日、東京・南青山の事務所で会見し、2017年4月からの新人事を発表。会長職に就いた武藤敬司に代わり、カズ・ハヤシ(本名・林和広)が新社長に就任した。新社長の右腕として盟友・近藤修司が副社長に就任。CEOとして手腕を振るってきた高木三四郎は相談役を務めることになった。

 2013年9月に旗揚げしたW-1は団体発足から3年7ヶ月を数える今年4月、新体制によって“新起動"を図る。これまで社長を務めてきた武藤が代表取締役会長となり、カズが新社長に就任することになった。

 武藤にとってカズは右腕のような存在。2002年2月の全日本入団に際し、アメリカで活動中だったカズを呼び戻して以来、選手としてはもちろん、コーチなどの役割も託すなども全幅の信頼を置いてきた。

 新体制発足にあたり、武藤は「W-1はこれから若い選手がいっぱい出て行かなきゃいけない中、俺以上に若い奴とのやり取りとか、ノウハウとかを知っている」とカズを新社長に任命。「俺は会長という役割の中、これからは林社長をサポートしながら未来に向けて頑張っていきたい」と後ろ盾となる構えだ。

 92年11月のデビューから24年5ヶ月で初めて“社長レスラー"となるカズは「僕たちが新しくWRESTLE-1というものを作っていきますので、ご期待ください」と団体のさらなる発展を誓っている。そのためには「たとえば大物ガイジンをドンと呼ぶとかそういうことではなく、まず一歩一歩、しっかりと歩いていきたい」と背伸びすることなく着実に上昇を目指していくつもり。「その集大成を9月2日、横浜文化体育館があるんで、そこまでに僕らの形というものをみせたい」と秋のビッグマッチをひとつの区切りに設定した。

 カズが社長就任に際して希望したのが近藤の副社長就任だった。二人は10年以上の間、時には戦い、時には組み、築き上げてきた信頼関係がある。「僕とカズさんはあうんの呼吸というか、何も言わなくても感じ取れる仲」と言い切った近藤は、「僕のやれることはカズさんを全面サポート、あとは現場をまとめることかなと思ってます。僕もカズさんもだと思うんですけど、腹をくくってこの団体を大きくしていく気持ちでやっていきます」とバックアップを約束した。

 これまでCEOとして手腕を振るってきた高木は相談役に就任。「2年間、自分自身もいろいろと勉強になることもありましたし、土台を作るという部分で、ひとつ土台がある程度出来上がったということで、僕はCEOから相談役という形で、今後は林社長をヘルプする立場でやっていければ」と新体制の後方支援を見据えた。

☆GENスポーツエンターテインメント新人事
▼代表取締役会長
武藤敬司
▼取締役社長
林和広(カズ・ハヤシ)
▼取締役副社長
近藤修司
▼相談役
高木三四郎


【会見の模様】
▼武藤「世の中、非常にスピーディーに変わっていく中、プロレス界も同様に変わっていっています。そんな中、未来に向けて新しい布陣で挑むことになりました。代表は林社長になりましたけど、俺は会長という役割の中、これからは林社長をサポートしながら未来に向けて頑張っていきたいと思っていますので、よろしくお願いします」


▼高木「もともとは2年前に当時の武藤社長から請われる形でこのWRESTLE-1のCEOという形で経営をみてまいりましたが、わりともともとはWRESTLE-1の中の人がキチンと経営をできるようになるまで、あくまで土台作りの部分で動いてた部分もございまして、プロレス学校の設立ですとか、いろんなことをやってまいりましたが、全ては中の人たちで運営していくという部分で土台作りができればと思っておりましたので、今そのときが来たのかなと思ってます。実際には2年間、自分自身もいろいろと勉強になることもありましたし、土台を作るという部分で、ひとつ土台がある程度出来上がったということで、僕はこのような形でCEOから相談役という形で、今後は林社長をヘルプする立場でやっていければいいかなと思っております」

▼カズ「このたび社長に就任しました林です。また武藤さんから大きいステップ台というものを僕の目の前に置いていただきました。武藤さんには何かあると常に僕のためってわけじゃないんですけど、ステップ台を前に出してもらって、選手を育てるとか、海外から来たタイミングもそうだし、何かしら武藤さんにはいい次の土台というものを作っていただきました。今回、社長ということになりまして、僕も今までずっと25年間プロレスラーしかやったことがなく続いてきましたけど、また新たな武藤さんが出してくれたこの土台に登るために一生懸命勉強して、今やっているところです。高木さんにも結構前から数字の見方とか教えていただいたりとか、ずっと付きっ切りでいろいろ教えてもらったりとかして、まったくやったことないことを日々精進しながらやっているところです。誰かがWRESTLE-1を作るときに言ってましたけど、僕は武藤さんに楽をしてもらおうとは思ってないです。また僕が社長という新しい台に踏み上がろうとしている時に、武藤さんが今まで感じたことのない新しい台を自分で作って、会長に登るという後姿を見せてもらいたい。僕も今までやってきたプロレス道というものを下に伝えて、その下の選手がまた下にというように。先ほど高木さんが言いましたけど、プロレス界のはじめ、末端にある、作るプロレス総合学院というものを自分たちで持っている、日本プロレス界にはない機関を持っていますので、全てゼロから上までを持った機関としてまい進していきたいと思っております。そして今回、社長をするにあたり、どうしてもやってほしいものを武藤さんに伝えました。それは一緒に戦いを通じてまったくしゃべったことがなかったんですけど、ある戦いを通じてから気持ちと心と体、全てがプロレスラーとしてつながった、今までしゃべったことないのにつながったプロレスラー、近藤修司さんに副社長としてやっていただきたいというお願いをしました」

▼近藤「今、カズさんから紹介されましたが、近藤修司さんと初めて言われたんじゃないかなと。そういう間柄じゃないというか、この記者の中にも僕とカズさんがどれだけ気持ちがつながってるかよく知ってる記者もいると思うんですけど、僕とカズさんはあうんの呼吸というか、何も言わなくても感じ取れる仲だと思ってます。カズさんに直接副社長の話をされた時に、僕のやれることはカズさんを全面サポート、あとは現場をまとめることかなと思ってます。僕もカズさんもだと思うんですけど、腹をくくってこの団体を大きくしていく気持ちでやっていきますので、よろしくお願いします」

▼カズ「WRESTLE-1を新起動するということで、来週の週刊プロレスさんにこの広告を出させていただきます。4月19日、次の後楽園ですね。そこに週刊プロレスを会場に持っていくと千円キャッシュバック。全てのチケットの千円をキャッシュバックするという広告をさせていただきます。自分たちが持っている自信のあるマッチメークです。今、話しました近藤修司さんと芦野祥太郎チャンピオンのタイトルマッチです。ぜひ観に来てください」

▼武藤「全員キャッシュバックってウチの小学生とか中学生とか高校生(野料金)、いくらなんだよ。(500円ワンコインと知らされて)500円の奴はどうするんだよ?」

▼カズ「500円の人を千円キャッシュバックしたら500円あげることになりますね」

▼武藤「その人たちにも千円キャッシュバックするってこと? お前、社長だろ。どうするの?」

▼カズ「決めていいですか?」

▼武藤「決めていいも何も社長じゃん」

▼カズ「そういうとこですか。じゃあ小学校、中学校、高校生の方も千円キャッシュバックしますので、ぜひ観に来てください」

武藤「(笑) ということらしいです」

――カズ新社長誕生の経緯は?

▼武藤「俺とカズの出会いというのはかなり古い出会いでね。アメリカで一緒に仕事している中で、俺が当時、新日本プロレスから全日本プロレスに移籍するにあたって、カズはWWEで仕事をしている中、その時からですわ。俺の右腕として来てくれないかと。その中で気持ちよく賛同してくれて、その頃から今に至ってまで俺の右腕として一生懸命頑張ってくれている中で、その15、6年前からすでに人材育成とか、道場のコーチとかみんなカズにさせている中で、W-1はこれから若い選手がいっぱい出て行かなきゃいけない中、俺以上に若い奴とのやり取りとか、ノウハウとかを知っている中で、近藤も信頼関係があうんの呼吸だっていう中で、俺もまた違った意味でカズとはあうんの呼吸なわけであって、そんな関係で任命しました」

――社長を引き受けるにあたって悩んだ?

▼カズ「不安はありましたよね。でも先ほども言いましたけど、土台というかステップ台というか、その時々不安はあるんですけど、やっていくとやっぱり自分の肥やしになったし、レスラーとして上がっていくということはこういうことなんだなというのを教えるためにそういうふうな土台を武藤さんが与えてくれてたんだなと思ってるんですね。だから今回、社長というものをやらせてもらいますけど、その時に自分で試行錯誤しながら、武藤さんがみせていった社長としての……」

▼武藤「俺の社長姿をみてたから不安になってんだろ?(笑)

▼カズ「そんなことないですよ(笑)」

▼武藤「反面教師で頑張ればいいんだよ」

▼カズ「僕は言葉がうまくないからあれですけど、武藤さんがやってきた姿勢っていうんですか。背中で見せていく姿勢、それは代々続けていきたいなと思ってます。僕が下の人たちに、その下の人たちがまた下に、その人たちが学院にっていうような、いいピラミッドというか、姿勢を見せていくという姿をずっとやっていかなくちゃいけないなと思ってます。思えば僕が43歳で武藤さんの次に年上の人間になってきたんで、ここはやらなくちゃいけないないうふうな決断も大事なのかなと思っております」

――カズ新社長から副社長を依頼されて即決だった?

▼近藤「僕は即決ですね。そもそも腹くくってやってるんで、何でもやりますよと。それはカズさんから言われたんで、何の問題もなく、不安もないです」

――新体制でやりたいことは?

▼カズ「自分の中ではたとえば大物ガイジンをドンと呼ぶとかそういうことではなく、まず一歩一歩、しっかりと歩いていきたい。そして、すぐに結果というのはなかなか難しいので、その集大成を9月2日、横浜文化体育館があるんで、そこまでに僕らの形というものをみせたいなと思っています」

――会長としてどのような役割を担っていく?

▼武藤「今年、年が明けて最初に言ったんですけど、俺にしかできないこと。それは継続して、もしかしたら少し今まで以上にちょっと自己中心的なことで動く可能性があります。もうすでに先日もDDTさんにお邪魔したり、その前はノアさんにお邪魔したりとか、発表してもいいかな。4月にはドラディション、5月にはDRAGON GATE、6月にはアメリカ、7月には信州プロレス、いろんなとこから今オファーがきてます。何か知らないけど、需要がありますので、それを1個1個こなして、何かひとつ新しいものを見つけることができたらなと思ってます」

――それをWRESTLE-1にもいい形で還元すると?

▼武藤「こればっかりは俺にしかできない、俺しか持ってないパスポートだと思ってますので」

――最後に一言

▼カズ「僕ら若いっていうのかな。僕たちが新しくWRESTLE-1というものを作っていきますので、ご期待ください。よろしくお願いします」

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