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6/5【新日本】「大阪城でウェーブを」 KUSHIDAが5度目のIWGPジュニア戴冠へ公約、ヒロムはオスプレイ戦に変更要求も菅林会長が却下

 BEST OF THE SUPER Jr.24優勝者・KUSHIDAが5日、東京・中野坂上の新日本事務所で会見。6・11大阪城大会でIWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロムへの挑戦が決まり、三度目の正直による雪辱と頂点返り咲きを誓うKUSHIDAは「勝てばあの大阪城ホール、1万人オーバーの観客席でウェーブやりたい」と公約。一方、王者・ヒロムは会見中の菅林直樹会長に挑戦者をウィル・オスプレイに変更するよう迫ったものの却下された。

 超満員札止めとなった6・3代々木大会で幕を閉じたスーパージュニアはKUSHIDAが2年ぶり2度目の優勝を飾った。そしてこの日、ビッグマッチ6・11大阪城大会でのIWGPジュニア挑戦が正式決定。頂点返り咲きに王手をかけた。

 だが、オスプレイを次期挑戦者に指名していた王者・ヒロムは収まらない。菅林会長が会見中に乱入し、「何でオスプレイじゃないんですか? あれだけ言ったのに。どうしてKUSHIDAなんですか会長!?」と疑問符を連発。「初対戦で負けたウィル・オスプレイ選手、彼を大阪城のチャレンジャーとして指名させていただきます。会長の口からはっきりとカード変更の方をよろしくお願いします」と挑戦者変更を迫った。

 確かに1・4東京ドーム、4・9両国と、KUSHIDAに連勝中のヒロムにとって3度目の対決は意味を見出せないものかもしれない。「何でいつもこうなんですか!? 俺たちの言うことは何一つ聞いてくれない。大阪城で俺とKUSHIDAなんて誰も見たいと思ってないですよ! もう今年に入って彼とシングル2回も勝ってるんですよ! しかも2分ですよ。2分で試合が終わっちゃいました。彼は強くないです。いいんですか!? 二度あることは三度ありますよ!」と泣きながら主張したものの、菅林会長は聞く耳を持たず。「発表した通りでやらせていただきます」と却下した。

 ヒロムの主張をKUSHIDAは「精神的に未熟なチャンピオンのわがまま」とバッサリ。「基本的に僕はプロレスのチャンピオンに挑戦者の指名権はよっぽどのことがない限りない」というのがKUSHIDAの考えで、「今BEST OF THE SUPER Jr.が終わって、新日本プロレス内のジュニアの立場全体を考えると、ここは今までどおり僕がやってきた、わがままを言わずに黙って最高の仕事をすると。批判、体制批判、文句、わがまま、これは誰でも言えますからね。何も建設的でもない」と自論を説いた。

 KUSHIDAにとってヒロムとのタイトルマッチは待ち望んだ一戦といえる。今年に入ってからの2連敗によって、「どっかで心と体のバランスが非常に崩れて、精神的にも乖離があった」という不安定な状態に追い込まれた。スーパージュニアでも苦闘を強いられたが、劇的な逆転優勝を達成。新兵器バック・トゥ・ザ・フューチャーがその原動力の一つとなったのも大きく、「今までもアイデアとしてあったんですけど、試合の中でどう落とし込むかという部分で発揮できてなかったんですけど、そういうバリエーション、勝つための方程式も増えましたので、過去2回とは違います」と自信を取り戻すことができた。

 そしてスーパージュニアの成功を通じて、「確実に前に向けて、上に向けて前進できてるんじゃないか」と新日ジュニアの躍進を実感できたのが何よりも大きい。「この勢い、流れを止めることなくジュニアを盛り上げていきたい」との思いを強くしたKUSHIDAは、「もう一回、高橋ヒロムと戦って、三度目の正直を体現したい。この6ヶ月分、失った時間、高橋ヒロム、時限爆弾によって壊された僕の未来を取り戻したい」とヒロムへのリベンジと5度目のIWGPジュニア戴冠を誓うばかり。6・3代々木大会での優勝後は久々のウェーブを呼び込んだが、「KUSHIDAが勝てばあの大阪城ホール、1万人オーバーの観客席でウェーブやりたい」との公約も掲げた。

【会見の模様】
※菅林直樹会長による6・11大阪城大会カード発表会見の途中にヒロムが乱入

▼ヒロム「ちょっと待ってください! いやぁ来てよかったぁ。まだ間に合いますよね? 来てよかった。何でオスプレイじゃないんですか? あれだけ言ったのに。どうしてKUSHIDAなんですか会長!? 確かにBEST OF THE SUPER Jr.決勝にも行けませんでしたよ。KUSHIDA選手素晴らしい。おめでとうございます(と拍手) それは確かに素晴らしいですよ。でもBEST OF THE SUPER Jr.は終わりました。大阪城の話ですよ。今ここからは大阪城の話に移ります。まだチャレンジャーが決まっていないので、俺の口から直接、次のチャレンジャーを指名いたします。初対戦で負けたウィル・オスプレイ選手、彼を大阪城のチャレンジャーとして指名させていただきます。会長の口からはっきりとカード変更の方をよろしくお願いします」

※菅林会長は無言

▼ヒロム「(泣き出して)何でいつもこうなんですか!? 俺たちの言うことは何一つ聞いてくれない。大阪城で俺とKUSHIDAなんて誰も見たいと思ってないですよ! もう今年に入って彼とシングル2回も勝ってるんですよ! しかも2分ですよ。2分で試合が終わっちゃいました。彼は強くないです。いいんですか!? 二度あることは三度ありますよ! これは日本に古くからあることわざです。あぁー!!(と叫びながら去る)」

――カード変更はない?

▼菅林会長「はい、発表した通りでやらせていただきます」

※菅林会長が退席後、KUSHIDAが登場

▼KUSHIDA「日本には古くからこういうことわざがあります。三度目の正直。確かに今年に入って高橋ヒロムに2回いかれましたけれども、何を言っても言い訳になることはわかっています。ひとつ言えることは負けた理由は自分の中でわかっているということです。二つの負け、しっかり認めたうえでBEST OF THE SUPER Jr.優勝しましたので、チャンピオンとスーパージュニア優勝者、どっちが強いか、はっきり決めさせていただきます」

――先ほどヒロムが菅林会長にオスプレイを挑戦者に変更するよう要求していたが?

▼KUSHIDA「ちょっと精神的に未熟なチャンピオンのわがままかなというふうには思いますね。実際、去年、彼と同じ立場で僕も優勝できませんでした。オスプレイが優勝して。スーパージュニアが次期挑戦者決定戦になってほしくないというのは、どうやら今のチャンピオンも同じ考えだと思います。しかし去年、オスプレイが優勝してその場で挑戦要求されました。大阪城で退けました、それを。僕も重々わかっていながら、ただ優勝できなかったことに対するある種の恥ずかしさというか情けなさ。自分がチャンピオンと名乗っていながら他に強い者がいるという状況は非常に歯がゆい時間でしたので、今回、大阪城で決まりまして、それをチャンピオンが拒否すると。本心なのか、今流行りの体制批判、反体制を主張することによって自分の立場を明らかにしているのかもしれませんけれども、ちょっとみっともない発言かなと思いますね。基本的に僕はプロレスのチャンピオンに挑戦者の指名権はよっぽどのことがない限りないと思ってますので。実際、このROHのベルトだって去年IWGPのベルトを獲って指名した、そしてそれが、実現したことはなかったので、ここにきて主張するというよりも、今BEST OF THE SUPER Jr.が終わって、新日本プロレス内のジュニアの立場全体を考えると、ここは今までどおり僕がやってきた、わがままを言わずに黙って最高の仕事をすると。批判、体制批判、文句、わがまま、これは誰でも言えますからね。何も建設的でもないので、ここはポジティブにもう一回、高橋ヒロムと戦って、三度目の正直を体現したいと思います」

――ウェーブを起こしたり感動的なエンディングになったが優勝後の反響は?

▼KUSHIDA「対戦相手に恵まれてるっていうのは凄くあって、オスプレイとやれた、このコンディション、このキャリア、このタイミングで。非常に運命的なものというか。BEST OF THE SUPER Jr.、今年で8回目ですか、参加させてもらって、8年ともメンバーが毎年確実に色が違うというか、同じメンバーでやることはないので、その年その年の最高クラスの世界最高峰が集まるリーグ戦という意味では、かけがえのないというか、その時を共有できたなと。代々木も何やらもうプロレスでは使えない。代々木第二、思い出のある場所なんですけど、そういう場所もなくなってしまうといううわさも聞きましたので、あの日、あの瞬間を味わえたことに凄く感謝してますね。あとはこのスケジュールでこれだけのシングルマッチやって、こうして生きていられる丈夫な体に生んでくれた両親には感謝してます。試合後ですね、いろんな感情が渦巻きましたけれども、何やらこの対戦カード、ズラっと並んでいますよね。休憩がないと聞きました。これは一丁、KUSHIDAが勝てばあの大阪城ホール、1万人オーバーの観客席でウェーブやりたいですね。どうでしょうか。勝てばウェーブをやります」

――ジュニア王者vsスーパージュニア覇者の頂上決戦ととらえている? それともリベンジの思いが強い?

▼KUSHIDA「そうですね。やられた借りは、ましてや東京ドームと両国国技館と、でかい会場でいかれてますので、大阪城ホール、もってこいの会場ですよね。何か僕の周りでちょっと感覚的になんですけど、今年に入ってプロレスを見始めたというファンの方も非常に多くて、長くプロレスを見てたり、プロレスを知ってると感覚がそのへん麻痺してくるんですけど、東京ドームから見始めたという人にとってKUSHIDAは高橋ヒロムより弱い人、もしくは若くない人っていうふうな認識かもしれない。そのへんは時の流れは速いですけど、この6ヶ月分、失った時間、高橋ヒロム、時限爆弾によって壊された僕の未来を取り戻したいと思います」

――過去2回と違う部分は?

▼KUSHIDA「そうですね。東京ドームあたりからかな。去年のハードスケジュールっていうのも影響あるのかもしれませんけど、どっかで心と体のバランスが非常に崩れて、精神的にも乖離があってですね。体は疲れてるんだけど、精神はやる気あったりとか、その逆もまたしかりで、そういった時間の中で試合はやってくると。けど、ゴングが鳴れば体は動くと。そういった中で自分はこのまま死んじゃうんじゃないかと思う、それぐらいバランスを崩した。ただ、このスーパージュニアで吹っ切れたというか、新しい技も効果的に。今までもアイデアとしてあったんですけど、試合の中でどう落とし込むかという部分で発揮できてなかったんですけど、そういうバリエーション、勝つための方程式も増えましたので、過去2回とは違います」

――今後、新日ジュニアに対する思いは?

▼KUSHIDA「代々木、今回3年前にリコシェと戦った時に初めて(スーパージュニア優勝戦で)使って、翌年オライリーとやって、チケット完売しませんでした。3年がかりでやっと、ようやくあの会場を満員にできたっていう。これは本当に僕一人の力ではないと思いますし、何よりそれを実感できたのは、僕が優勝して、いろんな選手がリングに上がってきたじゃないですか。その時に一人複雑な表情を浮かべて、だけど笑顔で迎え入れてくれた男がいるんですけど。それはリコシェなんですけど、凄いジェラシーというか、それはたぶん3年前に僕と戦ってあの会場、同じ時期にスーパージュニア決勝で戦った僕が優勝したことに対してもそうだと思うし、試合したオスプレイの成長、あれだけお客さんの感情を引き出して、オスプレイ頑張れというところまで感情を出せたあのシチュエーションに非常に複雑な表情を浮かべてたんですけど、そういう一人ひとりのジュニアの選手の感情、思っていること、気持ち、その一人ひとりの気持ちが3年前より確実に伝わって、一人ひとりのキャラクターも試合スタイルも。何か彼の表情を見た時によりいっそう気が引き締まるじゃないですけれども、そういう気持ちになりましたね。だから3年という時間が流れました。僕が明るい未来に連れていきますと言って数年が経ちました。確実に前に向けて、上に向けて前進できてるんじゃないかと思います、この勢い、流れを止めることなくジュニアを盛り上げていきたいですね」

――初優勝とは違った?

▼KUSHIDA「全然違いましたね。苦しさも全然違ったし、見えた光景もやっぱり全然違いましたね。まぁ長かったなというのが実感としてありましたね。シリーズ始まって、ようやく代々木にたどり着けたなと。成績的にもぎりぎり滑り込みセーフだったんで。途中、何度もあきらめかけたし。何か本当に忘れられない日になりましたね。そして今年をまだまだ忘れられない年にしたいというか、首が詰まって、それが腰に来て骨盤がずれて非常に今、歩きづらいんですけど、この過酷なスーパージュニア期間中ってあんまり練習できないですね。自分を追い込む練習ができないというか。本当に試合第一で考えてこの3週間乗り切ってきたので、終わった瞬間、夜はハイボール飲んで好きなもの食べたんですけど、次の日、早く練習したいなと思いましたね。この期間、練習ができてなかったんで。だからもうすでに僕は気持ちが切り替わってるし、前を見て大阪城を楽しみにしたいなと思いますね」

――大阪城へ向けて不安はない?

▼KUSHIDA「そうですね。このまま意外ともう来週の日曜日で時間が本当にないですよね。後楽園ホールもあるし、もうこのまま連戦ハイのまま突入できるかなという体のフィーリングが今ありますね」

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