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7/5【WRESTLE-1】GP3連覇へ「去年から止まっている時計の針を動かす!」 W-1提供・征矢インタビュー

 昨年の『W-1 GP』で2連覇を果たしながら、その後の負傷のため、年間最大のビッグマッチである横浜文化体育館大会を欠場せざるを得なくなった征矢学。3連覇がかかる今回のグランプリと、捲土重来を期す横浜文体のメイン。ワイルド男の現在の心境やいかに――。

【征矢学インタビュー】
──3連覇のかかった『W-1 GP』の日が迫ってまいりました。現在はどのような心境ですか?

▼征矢「そうなんですよね。3連覇なんですよね。ただ、結局去年はトーナメントで優勝して横浜文体のメインでの挑戦が決まった矢先にケガをしてしまったということで、私の中ではあそこから下降気味というか、ベルトに挑戦しても奪還できずという状況が続いているんですよ。おそらくあそこから運気も下がってきているんですよね」

──去年の夏からいいことがないですか

▼征矢「だから、皆さんは時代は動いていると思っているかもしれないですけど、私の中では止まっているんですよ。あの夏から止まってます。1分も動いてないです。皆さんがその間に何回呼吸したか知らないですけど、私の中の時間は1分も動いてません」

──そうなんですか? 最近ははぐれ連合軍を結成したりいろいろありましたけどね

▼征矢「いや、1分も動いてないですよ。皆さんは何日間も朝昼晩寝て起きてっていう活動を繰り返しているかもしれません。でも、私の中では1分、いや1秒も動いてないんです。昨年の文体はW-1の年間最大のビッグイベントという扱いで、これから盛り上げていこうという矢先にケガをしてしまい、ベルトに挑戦することすらできなかった。だから、今回はトーナメントの3連覇を目指すというよりは、ここであえて自分の1年を重く受け入れるという意味で、どうしても勝たないといけないんですよ。去年から止まっている時計の針を動かすためにね」

──2連覇という絶頂から地獄に突き落とされたような感じだったんですか?

▼征矢「地獄というより死んだんでしょうね」

──死にましたか。

▼征矢「殺されたっていう感じですよ。だから、まずは生き返るために今回のトーナメントで優勝して、文体のメインで挑戦するまで這い上がらないといけない。険しく長い道のりですよ。ただ、これだけは言える。私は悔しい思いもしているし、優勝もしているので、このグランプリには誰よりも思い入れがある」

──このグランプリに懸ける気持ちは誰にも負けないと

▼征矢「はい。現在のチャンピオンが先輩だろうが後輩だろうがもう関係ない。負けた俺が弱かっただけ。そいつに勝たなきゃいけないんですよ。だから今回のトーナメントでも先輩のくせに正々堂々とやらないで、反則ばっかりしやがってなんて言われるかもしれない。そんなことまでして勝ちたいのかと言われるかもしれない。ただ、それぐらいの気持ちで挑戦していかないと意味がないんですよ!」

──征矢選手にしてみれば、どんな手を使ってでも勝ち上がっていかないと意味がないということなんですね。

▼征矢「私は一度ビッグチャンスを逃していますから。そういう気持ちです」

──なるほど。そして、1回戦の相手は元チームメイトの熊ゴロー選手になりました

▼征矢「結局プロレスラーというものは個ですから。己の個をどうやって作り上げていくのか? 同じチームにいたとしても、結局は同じ腹から出てきた人間じゃないわけですよ。私と熊ゴローの親は違うじゃないですか?」

──そりゃそうですよ(笑)

▼征矢「だから、自分は自分だし、客観的には元チームメイトの熊ゴローとの対決っていうふうに見られるかもしれないですけど、私はあまり意識していないです。熊ゴローはワイルドを離れたくて離れたわけですからね。でも、一度離れた人間は二度とワイルドを名乗れないですから」

──あ、もうワイルドは名乗ってはダメだと

▼征矢「ダメです。そんなことが許されたらこの世の中で犯罪が多くなりますよ」

──どういうことですか?(笑)

▼征矢「たとえば人を殺しちゃいました。じゃあ、また人を殺していいんですかっていう話ですよ」

──ダメに決まってますけど、犯罪を起こした人は刑務所などに入って更生して、人生をやり直すじゃないですか。熊ゴロー選手にそういう機会は与えられないっていうことですか?

▼征矢「いや、やり直しなんておかしいですよ。あいつにはもうワイルドはないから」

──では、ただの対戦相手の1人に過ぎないと

▼征矢「そうです。まあ、私自身にもまだ自分の中のワイルドという信念がわからない部分もあるんですよ。完璧に自分がワイルドだとは思ってないです。ワイルドを追求するためにこの先のプロレス人生を突き進んでいきたいと思っているんで、もう死んだ人間のことはいいです」

──死んじゃいないですけどね(笑) でも、熊ゴロー選手はタッグチャンピオンになったり、UWAの世界6人タッグ選手権でも征矢選手からフォールを奪ったりしているじゃないですか? 1プレイヤーとしてその実力はどう評価しますか?

▼征矢「それはタッグですからね。これが個という闘いになると責任逃れはできないんですよ。自分の失敗はそのまま自分に降りかかるし、自分を信じて闘うという意味ではシングルはタッグとはまったく違います」

──では、タッグベルトを取ろうが、そんな実績は今回のトーナメントでは関係ないということですね

▼征矢「ゼロとは言わないですけどね。まあ、一緒にやっていた時よりは可能性的なものは増えているんじゃないですか? ただ、私は熊ゴローではないからわかりませんね」

──本人は自信たっぷりでしたけどね。準決勝の相手はイケメン選手か土肥選手の勝者になるんですけど、どちらが来ると思いますか?

▼征矢「こればっかりはわからないですよね。イケメンは近藤さんに弟子入りして、その成果をどれだけ出せるかわからないし、土肥ちゃんもトータル的にはイケメンに勝っているけど、このW-1に来てからの対戦成績はイーブンらしいですから。まあ、ここはライバル関係があるし、元々WNC、SMASHからの来た2人ですよね」

──さらに遡って、ハッスルで練習生をやっていた時代からの付き合いらしいです

▼征矢「なるほどね。SMASHにいたとなると、大森(隆男)さんが金沢の旅館から復帰したぐらい時期になりますね」

──ああ、大森選手が本格復帰したのはSMASHのリングでしたね

▼征矢「野上(AKIRA)さんが大森さんに『1秒先には宝物が待ってる』っていうマイクをしてましたよ」

──よくそんなことを憶えてますね(笑)

▼征矢「憶えてますよ、私は。だから、イケメンと土肥ちゃんはデビューが同じぐらいなんですよね。まあ、どっちが上がってくるかわからないです。様子を見るしかないですね」

──大森さんの話は見事に関係なかったですね(笑) では、決勝戦で対戦したい選手はいますか?

▼征矢「個人的には稲葉です。私が昨年トーナメントで優勝しながらもケガで文体を欠場してしまい、プレッシャーの中であの大舞台に立って、試合以外でもずっと緊張している稲葉がいたんでね。本当は稲葉がベルトを巻いている時に挑戦したかったという気持ちもあったんですけど」

──それは稲葉選手も言ってました。だから、『今回優勝してベルトを取ったら、征矢さんとタイトルマッチをやって、去年の文体を僕の中で終わらせる』って。

▼征矢「稲葉も稲葉であの時から1秒も動いてないんでしょうね。ということは、あいつは今でも緊張しているっていうことですかね?」

──それはないと思います(笑)

▼征矢「でも、稲葉はNEW ERAのリーダーとか、好き好んでやっているんでしょうけど、本来持っているものを100%出せてないですよね。若い奴らがベルトを取ってW-1を盛り上げたいという気持ちはなんとなくわかるんですけど、それが稲葉に合っているのかって言ったら疑問ですね」

──リーダーとかやるタイプではないと

▼征矢「100%の稲葉ではないですね。お笑い芸人でアキラ100%っているじゃないですか? 要するにイナバ100%じゃないんですよ。これは私の勝手な意見になりますけど100%じゃない。42%ですよ。58%が活かされてないんですよ。人間って本来潜在能力を100%引き出すことはできないんですよ。だいたい25%、マックスで30%ぐらいと言われています」

──じゃあ、42%も引き出されている稲葉選手は凄いじゃないですか(笑)

▼征矢「(聞かずに)今の稲葉はイナバ100%じゃない。フルチンになって金のお盆みたいなのをつけてプロレスをやってもらいたい」

──本人がやりたくても会社がストップしますよ(笑)

▼征矢「いや、100%の状況になるためにフルチンになって、稲葉ジュニアが出ないように隠しつつ試合をしてもらいたい。そうしたら、あいつは絶対に決勝戦まで上がってくる」

──要するに今の稲葉選手は自分をさらけ出してないっていうことですか?

▼征矢「そういうことです。なんなら反体制派に入るかと言いたい」

──そこではぐれ連合軍に誘うんですか(笑) でも、勝てば文体で芦野選手に挑戦できますし、5月の後楽園大会でのタイトルマッチで負けているわけですから、先程のお話の通り、勝ち上がってリベンジを果たしたいですよね。

▼征矢「それはもちろんですよね。何しろ、前回の文体はリングにも上がれなかった2人ですからね。私は会場の入口でひたすらサイン会をやっていたし、今のチャンピオンもおそらく2階の端のほうの席に座って見ていたのを私はなんとなくわかっています。だから、形は違いますけど、私と同じ気持ちなのかなと勝手に察してます。ただ、あいつは現在チャンピオンですから。心のゆとり的なものはあるかもしれない。ただ、私自身は横浜文体よりも、まずこのトーナメントで優勝するという目先のことに集中したいと思っています」

──ワンデートーナメントですから、優勝するには1日3試合しなきゃいけないんですけど、それについてはいかがですか?

▼征矢「まあ、ダブルヘッダーとかで1日に3試合したことはあるんですけど、同じ興行の中で3試合というのはちょっと違ってくるのかなって思います。ただ、これは試練でしょうね。私が去年ケガして文体を潰してしまったことに対する会社からのお仕置きですよ」

──征矢選手に向けた罰ゲームだということですか(笑)

▼征矢「お仕置きを受けるためにも3試合して優勝しなければいけない。私は甘んじてこのお仕置きを受けますよ。だから、私のお仕置き見たさでもいいです。私のトーナメントに対する気持ちや姿勢を見に、7月12日の後楽園ホールまで来てください。これは義務です。18:00には会場に入れます。よろしくお願いします」

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