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7/18【全日本】世界ジュニアV5戦決定 両国ダブルヘッダー実現へ佐藤が“トリッキーおじさん”TAJIRI突破宣言

 7・30大阪大会で世界ジュニアヘビー級王座5度目の防衛戦が決まった佐藤光留が18日、神奈川・横浜市の全日本事務所で会見。8・27両国大会で青木篤志とのアジアタッグ&世界ジュニアのタイトルマッチダブルヘッダーを実現させるためにも「いかに自我を保てるか」をテーマに“トリッキーおじさん"TAJIRI突破を誓った。

 佐藤は7・17後楽園大会で田中稔を退け、世界ジュニアV4に成功。その試合後、TAJIRIにグリーンミストを噴射された。当初は試合後の疲労感もあってか、青木篤志と見間違えてしまったが、のちにTAJIRIだったことを確認。「いつでも、どこでも、誰とでも」との姿勢で受けて立つことを決めた。

 TAJIRIは日本国内だけでなく、アメリカ最大の団体WWEで活躍したこともある。それは誰もが認める実績だが、佐藤は違う。「TAJIRIさんが海外で残した功績というのはあるんでしょうけど、逆に言えばTAJIRIさんをきっかけに、このスタイルだったらワシでもいけるんちゃうかと思って勘違いアメプロレスラーみたいのを増殖させた。僕からしたら元凶」と批判的な言葉を口にした。

 佐藤が抱くプロレスラー像は「強さ、格闘技を追い求めるプロレス」で、TAJIRIはその正反対に当たる。「トリッキーおじさん」呼ばわりした佐藤は、「どっちが正しいのか、このタイトルマッチで証明してみたい。自分はトリッキーにいきませんから。正面から倒しにいきたい」と宣言。TAJIRI恐るるに足らずといわんばかりに強気な姿勢を強調した。

 毒霧噴射でもん絶させられ、顔面に染み込んだ緑色を落とすのに苦労させられた。タイトルマッチでも警戒すべきところといえそうだが、佐藤は「頭突きがきて捕まえられたら投げられて、関節を逆に極められる中で、やべぇ毒霧もあると思っちゃうと、自分の攻撃っていうのは出ないんですよ」とあえて気にせず。「これで負けたらベルトを失うんだ、今まで自分が信じてきたプロレスが否定されるんだと思うとTAJIRIさんのトリッキーさ加減に引っかかっちゃうんですね。いかに自我を保てるか」と自分流を貫く構えをみせた。

 夏のビッグマッチ8・27両国大会へ向けて佐藤が描くのは青木とのアジアタッグ&世界ジュニアのタイトルマッチダブルヘッダー。そのためにも、まずは難敵・TAJIRIという関門を突破する。

【会見の模様】
▼佐藤「第43代世界ジュニア王者・佐藤光留です。昨日、田中選手にもう6回目かな。今まで一回も勝ったことなかったんですけど、ベルトをかけた試合で勝利することができまして。もちろんその一回一回の試合が大事なんですけど、何があってもやめないこと、やめない限りチャンスがくるんだと、自分のプロレスで証明できたことが非常にうれしかったです。人がいい気分に浸ってるところ、肩を叩かれて後ろを振り返ったら、メガネをかけてモジャモジャの髪の毛でヒゲ生えた奴がいたんで、青木さんと思って、ついにきたんだ、両国でアジアタッグやったあとにお前の世界ジュニア受けるというんだと思ったら、急に緑色の霧を吹かれまして。のちにプロ格DXなど有料サイトで確認したところ、あれはTAJIRIさんだったということで。これはTAJIRIさんの挑戦表明だと思っております。日にちも、どこのリングでも受けて立つ、いつでも、どこでも、誰とでもという気持ちは変わっておりません。個人的にはTAJIRIさんの功罪といいますか、TAJIRIさん自身が海外に行って、マッシモなんかも彼はレジェンドだと言っていますが、TAJIRIさんが海外で残した功績というのはあるんでしょうけど、逆に言えばTAJIRIさんをきっかけに、このスタイルだったらワシでもいけるんちゃうかと思って勘違いアメプロレスラーみたいのを増殖させた。僕からしたら元凶ですけど、それを作った人だと思います。16日の新木場でハードヒットという自分の興行をやって全日本の選手もたくさん出ていただいたんですけど、強さ、格闘技を追い求めるプロレス、それは日本の価値観です。正反対にいるTAJIRIさんのプロレスとどっちが強いのか、どっちが正しいのか、このタイトルマッチで証明してみたいと思います。ただ、スタイル的にみたら昔の威光は消え、ただのトリッキーなおじさんになってますので、これ以上、トリッキーな若者を増やさないように。自分はトリッキーにいきませんから。正面から倒しにいきたいと思います」

――TAJIRIはこれまで戦ってきた中であまりいないタイプ?

▼佐藤「いや、たくさんいましたね。逆に。TAJIRIさんが増やしたんだと思います。TAJIRIさんはトリッキーなおじさんだと思いますけど、トリッキーな青年たちもトリッキーな若者たちも、多かれ少なかれ、僕がパンクラスに影響を受けたように、TAJIRIさんに影響を受けてプロレスのスタイルを作った人は多いと思うんで。地力は違うと思いますけど。TAJIRIさんがWWE…WWFか。わかんねぇや。行って帰ってくるまで日本にああいうスタイルは基本的にいなかったですからね」

――警戒したり、脅威に感じるところはない?

▼佐藤「スタイルは全然警戒することじゃない。ただその人間性ですね。つかんでもつかんでもトリッキーによけるし、つかめないと思ったらつかみやすいところにいるし。そのトリッキー加減はまさにトリッキーですよ。トリッキーおじさんですよホントに」

――トリッキーな面を凌駕できれば問題ない?

▼佐藤「結局、試験とかと同じなんですよ。プロレスの試合も、それがたとえ麻雀とかも全部そうなんですけど、やること自体は凄く簡単なことなんですよ。けど、これに落ちたらもう1年、浪人生だ、これで負けたら血液を失うんだ、これで負けたらベルトを失うんだ、今まで自分が信じてきたプロレスが否定されるんだと思うとTAJIRIさんのトリッキーさ加減に引っかかっちゃうんですね。いかに自我を保てるかだと思うんですよ。だいたいプロレスっていうのは選ばれた人間しかできなかったものが、いろんな経緯があったんでしょうね。本当は選ばれてない人たちもできるようになった。けど選ばれてないからこそ、選ばれるように何かを犠牲にして、何かをかけて、何か代償つけてプロレスやってきたと思う。もちろんTAJIRIさんはそっち側の人間だと思うんですけどね。選ばれなかった奴が代償もなしにリングに上がれるようになってる。僕も体格的には選ばれなかった人間ですから。いろんな代償払ってリングに上がってますから。だから一発ぶち込んでやろうと思いますよね」

――この一戦をクリアすれば、両国ダブルヘッダーが見えてくるが?

▼佐藤「両国前にもきっと誰か出てくると思う。でもいつでも、どこでも、誰とでも。6月の北海道で3回タイトルマッチやって、これが決まって、今回も3回目ですよ。ナンボでもやりますよ。佐藤、青木が組んでアジアタッグ、これも全部タイトルマッチにしてもらって構わないと思ってますから。8月には総合に出るの決まってるんで。全部一緒ですよ。全部僕のプロレスですから」

――毒霧を食らったことで対策を練れそうだが?

▼佐藤「そこに対策を練ると、それは完全にトリッキーですよ。人間みんな手が2本、足が2本。頭突きがきて捕まえられたら投げられて、関節を逆に極められる中で、やべぇ毒霧もあると思っちゃうと、自分の攻撃っていうのは出ないんですよ。あとTAJIRIさんの毒霧、落ちないんですよ。そのままコンビニいきましたからね。夜、顔と手がまあまあ緑のオッサンがATMでお金下ろしてましたからね。何にも言われなかったですけどね。だから僕には全然大丈夫です」

――毒霧を落とすのにどのぐらいかかった?

▼佐藤「2時間ぐらい風呂入りましたよ。歯ブラシで顔面磨くんですよ。だから手はまだ落ちてないんですよ。あと耳掃除すると緑色の何かが出てくるんです。でも何にも動じないです。動じた時点でTAJIRIさんのトリッキーの中に入ってますから。これがプロレスラーの日常なんで」

――トリッキーさはTAJIRIが一番?

▼佐藤「違うトリッキーさを持った奴、もう一人いるんですけど。でも一級品ではありますよね」

――もう一人は誰?

▼佐藤「言わないです。黙ってても出てくるんで言わないです」

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