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8/23【WRESTLE-1】「我々はプロレス幸福実現党」 W-1の現状を批判、三富政行インタビュー

 暑くなるにつれて、突じょWRESTLE-1、特にACEに対して辛らつな言葉とともに批判を始めた三富政行。8・11後楽園大会では同志である藤原ライオンを連れてきたが、9・2横浜文体では大家健とタッグを結成し、ACEの一(はじめ)&皇壮馬と対戦する。「プロレスで幸せになりたい」と主張する三富の真意は何なのか? 話を聞いてみた。

【三富政行インタビュー】

──三富選手がいきなりACEに対して牙を剥き始めて驚きました。

▼三富「ACEというか、W-1全体にですよ。W-1って凄く矛盾が多いと思うんですよね。僕は2015年の12月から参戦しているんですけど、ドンドン選手が離れていって、よく来てくれていたファンの方もドンドン離れていっているのを見てきたんですよ。その原因も参戦する中でなんとなくわかってきたというか、それが今の僕の主張にもつながっているんですけど、とにかくこの団体には矛盾が多い! その最たる例がプロレスリングACEだと思っているんです」

──W-1の矛盾の象徴がACEだと。

▼三富「プロレス総合学院は凄く革命的なアイデアだと思っていたんですけど、元々プロレス界にいろいろな人材を輩出していくというのが目的だったじゃないですか? じゃあ、どんな人材を他の団体に輩出しましたか?」

──今のところいないですね。卒業した人はACEに入り、W-1のリングに上がるっていう流れになっていますよね。

▼三富「卒業した子たちの行き場所がないから、ACEを作らざるを得なくなった。でも、それでは試合数が少ないから、W-1の本体に上げる。それってハッキリ言って会社の都合じゃないですか? そんな会社都合で闘っているレスラーにお客様が乗れますかっていう話なんですよ」

──でも、ACEの選手は会社の都合で闘っているとは思ってないと思うんですけどね。

▼三富「いや、乗りづらいに決まってますよ。そういうことをしているから、選手も嫌気がさして離れてしまう。ファンも嫌気がさして感情移入ができずに離れてしまう。それが僕が分析したW-1の現状ですよ。W-1って元を正せば全日本プロレスから分裂した団体という見られ方もしますけど、他の団体から入ってきた人もいます。いろいろな団体で下積みを経験し、苦労した結果、このW-1というリングで武藤さんの血を受け継ぎながら闘っているわけじゃないですか? アンディ選手や稲葉選手を見ていて相当な下積みを経験してきたんだろうなと感じるんですよ。僕は学プロ、インディ団体出身ということに後ろめたさはないんですけど、やっぱり彼らに対しては壁を感じるんですよね」

──ちゃんとした団体で下積みを積んでいないという部分での壁ですか?

▼三富「そうです。その壁ってもの凄く大きく感じるんですけど、ACEの子たちに対しては同様の壁を下に感じてますね」

──一緒にしてくれるなということですね。

▼三富「僕はW-1に上がり続ける目標としてそういうメジャーの系譜を継ぐ人たちを超えていきたいという気持ちがあるんですよ。自分が培ってきたキャリア、人生を総動員して超えたいと。そういう気持ちをACEの子たちからは微塵も感じない! これはファンも思っているかもしれないですけど、お金さえ払えばプロレスラーになれるのって」

──厳しい言葉ですね(笑)

▼三富「でも、そう感じないですか? そういう選手を僕がファンだったら応援したいとは思わないです。あと、W-1はそういう選手たちをプッシュしようとしているじゃないですか?」

──ACEの選手たちも頻繁にタイトルマッチに登場しますからね。

▼三富「こういう団体側の露骨なプッシュってプロレスファンは一番嫌がりますからね。お客様は選手に自分を投影して応援したいという気持ちを起こすんですよね。でも、乗れないACEの選手をW-1がさらに乗れないプッシュという行為をしてくる。これ以上に乗れないものはないですよね」

──つまりファンが嫌がることを二重にしてしまっているということですね。

▼三富「そうです! プロレスって人生のぶつけ合いだと僕は思っているんですけど、ACEの子たちは大した人生経験もしてないし、人間としての厚みもない。プロレス業界におけるキャリアの厚みもない。それでもW-1は簡単にカードをくれると。元々キミらはどっかの団体に入りたかったのに夢が叶わずにプロレス総合学院に入ったんでしょ? それなのに惰性に任せてW-1に上がり続けていていいのって僕は言いたいんですよ。話を聞くと、憧れていた選手や団体もあるんです。でも、結局自分の中に確固とした自我がないから、言われたことだけをやる。W-1しか上がるところがないからそこで闘う。それではお客様はいつまで経っても彼らに乗れないですよ」

──タイトルマッチをやろうがビッグマッチの文体に出ようが、ファンが感情移入できないと。

▼三富「それが現状じゃないんですか?」

──でも、ACEの立花選手はこの間の後楽園大会の試合後に「色眼鏡で見るな!」と主張してたじゃないですか? 「他の奴らと変わらねえ練習をやってんだ」と言っていましたけど、彼らにも自分がしていることへの誇りがあると思うんですよ。

▼三富「ああ、それぐらいの主張があって初めてプロレスラーって言えるんですよ。立花くんみたいな選手がもっと出てくるとW-1も活性化しますよ。ただ、それはまだ一部じゃないですか? 僕はこの間の後楽園で藤原ライオン選手を連れてきましたけど、文体では大家健選手と組みます。『このプロレス界にはお前らの何倍、何十倍もの泥水をすすって生きてきている人間がいるんだ!』っていうことを投げかけたいですよね」

──なるほど。大家選手はそのお手本みたいな選手ですよね。

▼三富「僕はずっとガンバレ☆プロレスで試合をしてきましたけど、大家さんはACEの子たちが授業で習うようなこともできないかもしれないですよ、大げさに言うと。だけど、あの人の人間力には微塵も敵わない。プロレスって人間力の勝負だと思うんですよ。特に僕らインディで試合をしている選手はプロレスが大好きだし、プロレスをやっている自分の人生を肯定したいんですよね。否定されたくないし、バカにされたくないし、プロレスで幸福になりたいんですよ! そういう気概を持っているレスラーたちに、W-1という安定した会社でただ組まれたカードをこなしているだけのACEの連中は敵わないです。そういう意味で大家さんたちを呼んでるんですよ。これはW-1全体に対しても言える。結局、ボーっとしてたからこんなに選手が離れたわけじゃないですか?」

──こういう状況になるまで何も手を打たなかったということですよね。

▼三富「そうです。だから、これはW-1という団体に投げかけたいテーマなんですよね。あとね、もう一つ言わせてもらうと、僕らはプロレス界で生き残りたい。今、僕はW-1のリングにギリギリ上がれていますけど、『お前らみたいな連中が出続けちゃうと、俺らの居場所がなくなるんだ!』って言いたいですよね」

──それが本音ですよね(笑)

▼三富「僕らは生き残るために必死なんですよ! でも、どっちのほうがお客様が乗れます? 僕は自分のほうが乗せられる自信がありますけどね」

──お客様を幸せにする自信があると。

▼三富「あります。僕も今年で28歳になりました。ようやくプロレスに人生が投影され始めてきたと思っているんで、『お前らは目障りだ!』って言いたいですね」

──こういう生き残ろうという必死さをACEの選手たちからは感じられないということですね。

▼三富「微塵も感じない! だから、このW-1のリングに僕らの人生をぶつけることで、磁場が崩れて、ビッグバンのようなことが起きるんじゃないかと期待しているんですよ。僕はそう思って行動しています」

──確かに大家さんは周囲の磁場を崩せる人ですよね(笑)

▼三富「もちろん大家さんもそうですけど、他にもインディやどインディで泥水すすってがんばっている人はたくさんいるんです」

──では、今後もそういった選手たちをW-1のリングに集めて、磁場を崩していこうという考えなんですね。

▼三富「はい。これはユニットでもなんでもないですけど、僕の信念のもと集まってくれるいわゆるプロレスで幸福になりたい人たちをもってして、お客様を幸福にしたいんです。それが僕の行動の理念です」

──そうなるとW-1のリングも幸福になるということですか?

▼三富「そうです。我々はプロレス幸福実現党ですよ!」

──なるほど(笑)。そして、その一大決起集会の場が横浜文体になるということですかね?

▼三富「文体もそうですし、次の9.18後楽園大会でも送り込もうと思っているメンツはいますから。ACEの子たちは少しでもこれに噛み付いてくるなりしてきてほしいんですけどね。文体で対戦する一(はじめ)くんなんかは根底に何か持っているものがあると思っているんですけど、まだ開花してないですよね」

──そういう選手を開花させてやりたいという気持ちもあるんですか?

▼三富「いや、微塵もないですね。プロレス界では何か持っていても開花しなかった人間は所詮淘汰されていくんです。それが淘汰されないW-1がおかしい! でも、こんなのは一例に過ぎないですから。他にも矛盾点はたくさんありますよ」

──では、今後もこういう矛盾点を突いてきたいということですね。

▼三富「突きますね。ただ、僕の行動はW-1にとってのレコンキスタ、つまり国土回復運動ですから。これまでやめていった選手たちが『このリングで闘いたいな』と思える場所に僕のやり方でしていきたい。だから、僕らはプロレス幸福実現党であり、W-1にとっての十字軍でもあるんです。矛盾と言う名の敵を排除して、W-1のリングに幸福を取り戻します!」

──話が段々壮大になってきましたね(笑)。

▼三富「本気ですから。そもそも僕には神がいるんです。僕をW-1に導いてくれた自由の女神がいるんです。その神を招聘する日までがんばりますよ!」

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