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12/30【WRESTLE-1】カズ25周年記念試合へ師匠ウルティモにも毒ガス噴射? 近藤修司インタビュー

 副社長として、カズ・ハヤシとともにWRESTLE-1をけん引する近藤修司。現在のカズにとってはリング内外の重要なパートナーだ。今回、近藤もカズのデビュー25周年記念試合に出場することが決定している。副社長という経営陣の立場で語る、このデビュー25周年記念試合の意味とは? そして、師匠であるウルティモ・ドラゴンとの久々の遭遇にも毒ガスをぶっ放す――。


【近藤修司インタビュー】

──近藤選手は、現在カズ選手のリング内外のパートナーとして一番身近にいる存在だと思うんですけど、今回、カズ選手がデビュー25周年記念試合を行なうことになったことについてお話を聞かせていただけますか?

▼近藤「多分、本人はそれどころじゃないと思いますよ。社長として1年目で『WRESTLE-1 AWARD 2017』で新人賞をもらっていましたけど、デビュー25周年を迎えたことなんか吹っ飛んでいる感じでしたからね」

──それは端から見ていてそう思われますか?

▼近藤「だって、僕はカズさんの仕事をお手伝いできないしね。副社長だけど、そこは分担作業だし、やっていることが違うんで。僕は副社長になってもそんなにやることは変わらないけど、カズさんはガラリと変わりましたからね。今までは他の人がやってきたことをカズさん自身でやらなきゃいけなかったりするんで、やばいと思いますよ」

──近藤選手の「やばい」という表現がプロレス団体の社長という仕事のやばさを物語っていますね(笑)。

▼近藤「だって、やばいとしか言いようがないし」

──かと言って、リング上のパフォーマンスが落ちてるわけじゃないですからね。しっかりとコンディションを整えて、以前と変わらぬ試合のクォリティーを見せてくれているし。

▼近藤「まあ今のW-1はそんなに試合数も多くないんでね。25年やってきた中で、今が一番少ないんじゃないですか? だから、カズさんの身体のことを考えたら、今の時点では逆に良かったのかなと思いますけどね。ただ、これからW-1も興行は増えていくでしょうし、そこは気をつけてほしいところではありますよね」

──なるほど。まあ、そういう中でのデビュー25周年記念試合に近藤選手も出場することになりましたけど。

▼近藤「光栄なことですけど、偉い人たちばっかり集まるから気を遣わなきゃいけないですよね。相手にサスケさんがいるし、この間トランプ大統領の格好で出てきたんでしょ? だったら、僕は貴乃花か太川陽介で出ていこうかなと思っています(笑)」

──冗談はさておき(笑)、W-1のリングでは若い選手を相手にすることが多い中で、自分が一番下のキャリアっていうシチュエーションも今の近藤選手にはないですよね。

▼近藤「ないですね。でも、僕は昔からキャリアとか考えてやらないんで。そんなに気にしてないというか、勝手に気にしないだけなんですけどね」

──ああ、性格的な問題ですね(笑)。

▼近藤「だから、そのへんは注意しなきゃいけないのはサスケさんだけですね」

──マスターは何をするのか想像がつかないですからね(笑)

▼近藤「そうですね。あとはUDでしょうね」

──UDって…ウルティモ・ドラゴン選手ですね。

▼近藤「UDって基本的に触ったことがないので」

──カズ選手的には近藤選手とウルティモ選手の顔合わせを見たいという希望もあって、この組み合わせにしたそうですけどね。

▼近藤「そうでしょうね。まあ、だいぶ昔の話になっちゃうから、今のW-1のお客さんがどれぐらい知っているのかわからないですけど、僕の師匠なんでね。ちゃんと教わってます。ただ、何を教わったのか憶えてないんですけど(笑)」

──そんなことはないでしょう(笑)

▼近藤「メキシコまで行ってスパーリングばっかりやってましたけどね。その時は夜が練習だったんですけど、スパーリングばっかりですよ。完全に関節の取り合い。ルチャを教わりに来たのに、なんでこんなことをやってるんだろうってずっと思っていましたけどね」

──やっぱりウルティモ選手も新日本プロレスの道場にいた時代の記憶がそうさせたんですかね。

▼近藤「そうでしょうね。嫌でしたね、あの練習は」

──試合では絡んだことはないんですか?

▼近藤「やってないですよ。メキシコでやっているかもしれないですけど、ほとんど触ってないですよ。メキシカンのジジイは触っていたような気がしますね」

──メキシカンのジジイ(笑)。

▼近藤「結構有名な偉い人です、ワハハハハ!」

──名前は忘れたけど、多分有名(笑) でも、ここで試合をするとなるとどうですか?

▼近藤「まあ、これと言った感傷的なものはないですけけど、あとはノリですよ。UDももう全盛期ではないし、知らない人にとってはただのトカゲのオッサンですからね(笑)」

──龍です、龍! でも、これは近藤選手流の挑発と受け止めて、当日の絡みに期待していてますよ。

▼近藤「まあそう解釈してもらっていいです。ただ、やっぱりカズさんの記念マッチだし、そこは楽しみというよりは僕自身は役割をまっとうしないとなっていう感じですよ。僕も東郷さんも、そして相手の3人もカズさんの周りでどう動くか? そこがこの試合の鍵でしょうね」

──副社長としてのお祝いを考えると。

▼近藤「いや、一番のお祝いは休ませてあげたいっていうことですよ(笑) ぶっちゃけ言っちゃえば。一番のお祝いは1週間ぐらい何もしない日を作るっていうことじゃないですか?」

──ただ、それはできないし、だったらリング上でもうちょっと働いてもらおうかと。

▼近藤「しょうがないでしょうね、レスラーだから(笑)」

──でも、逆に現役のレスラーとしてリングに上がって何かを発散できるからこそ、過酷な社長業をやれているという側面はないんですかね?

▼近藤「どうなんですかね? そのへんは言わないから。ただひたすらやってますよね。ひたすら進んでいる感じですよ。何があろうとひたすら歩いている。それを僕は客観的に見ている感じですよね。ただ、この試合がメインイベントではないなと思いますね。「メインイベントはタッグチャンピオンシップだろう!」って主張を土肥熊あたりがしないとダメなんですよ。「なんで記念試合がメインイベントで俺たちがセミなんだ!」って言わないと。チャンピオンなんだから」

──いくらお祝いのカードとはいえ。

▼近藤「今のW-1は未来志向なんだから。やっぱりチャンピオンがそのへんを訴えるようじゃないとダメなんですよ」

──まあ、今の若い選手が中心となっているW-1で、カズ選手や近藤選手の世代が高い壁であるというのを見せつけるいいきっかけだとも思うんですけどね。

▼近藤「いや、結局、経営する立場として今回の記念試合だって組んだわけで、それに対して若い奴らが「なんでだよ!」っていう主張を唱えられるようになったら、その時が本当の世代交代だということですね」

──ということはまだまだ時代は変わらないということですか?

▼近藤「まだまだですね。がっかりですね(笑)」

──今後のカズ選手に選手として、あるいは社長として期待することってありますか?

▼近藤「期待はしないです。向こうもそんなに期待してほしくはないんじゃないですか?」

──それは重荷になってしまうということですか?

▼近藤「期待をするしないの話じゃないのかもしれないですね。今のW-1は社長のカズさんも含めて、一人一人がやるしかないんですよ。短冊を作ってもしょうがないんですよ」

──短冊?

▼近藤「七夕で願いごとを書く短冊。願いごとを言っている場合じゃない。どうしたら前に進めるのかっていうのを一人一人が考えて実行していく。それが今のW-1に必要なことなんですよ。もう期待とか希望とか願いとか、その次元にはないんですよね、きっと」

──願いを言う前に実行をしてないとダメだと。

▼近藤「動かないとダメですよね。選手が団体を高みに持っていくとか、トップに持っていくとか言うけど、じゃあ具体的に何をしているのかって話なんですよ。もう短冊でうわ言を書いているようじゃ、僕もカズさんも信用しないんで。そんなことより動いてくれと。そのためにどうすべきか理論を構築して、動いてほしいですね」

──それぞれがやるべきことを考えて動けということですね。

▼近藤「そんな感じでしょう」

──わかりました。それでは、最後にカズ選手に25周年のお祝いのメッセージをいただけますか?

▼近藤「まあ社長になって一番大変な思いをしているのはカズさんなんですよね。だから、いい加減にやったほうがいいんじゃないかなと。あんまり根を詰めてやっちゃうとしんどいんでね。レスラーとしては25周年だけど、社長としてはまだ1年も経ってないし、いい加減にやりながら、一緒にがんばりましょう」

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