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12/31【WRESTLE-1】2018年のテーマはW-1の国土回復 「ツッコミどころを一つずつ是正していく」 W-1提供・三富インタビュー

 1・8後楽園大会で三富政行はガッツワールドの大谷譲二、竹田光珠と組んで頓所隼&一&馬場拓海のACEトリオと対戦する。ACE勢批判を展開し、抗争を繰り広げてきた三富はハングリー精神旺盛なパートナー二人をぶつけることでACE勢に対し「プロレスへの情熱」の有無を問いかけるつもり。2018年へ向けて「W-1のレコンキスタ。国土回復運動を引き続きやっていきます。現状、W-1にはツッコミどころが多すぎる。ACEの件もそうですけど、しれっといなくなる選手もいれば、あるのかないのかわからないユニットもあるし、ツッコミどころ満載ですよね。こういったものを一つずつ是正していきます」との目標を掲げた。W-1提供の三富インタビューは以下の通り。

【三富インタビュー】
──この間の12月の後楽園大会で、三富選手がもっとがんばっている奴を連れてくるって言っていましたけど、発表されたカードには大谷譲二選手と竹田光珠選手という選手の名前がありました。ACEとの抗争が続く中、今度はこの2人を連れてきた理由を教えていただけますか?

▼三富「前回の後楽園大会で頓所選手に僕自身が不覚を取ってしまったんですけど、前とは違うなという印象を抱いたんですね。技術も違うし、体力も違うし、気迫もありました」

──その部分では変化が感じられたということですね。

▼三富「でも、肝心のプロレスに対する情熱が感じられなかったんですよ」

──情熱ですか。それは気迫とはまた違うものなんですね。

▼三富「違いますね。厳しい練習にがんばって耐えて乗り切れば、気迫って出てくると思うんですよ。でも、以前から感じているし、言っていることでもあるんですけど、ACEの子たちからはプロレスでのし上がってやろうというハングリーな情熱が欠けている。僕もそうでしたけど、インディーの中にはプロレスだけで食っていきたいのに、練習環境すらままならず、一般の社会人として働きながらやっている選手もいる。練習をするのにもお金を払わなきゃいけなかったりする中で、試合のオファーがドンドン来るようにがんばっている姿を僕は目の当たりにしていたんです。ACEの子たちって、環境的には恵まれているじゃないですか」

──ちゃんと練習する道場もありますしね。

▼三富「立派なもんですよ。でも、情熱が感じられないし、レスラーとしてのアイデンティティを確立できてないと思うんですよ。それはなぜかと考えた時に、彼らには対立する何かがないんですよね」

──対立概念がないということですね。

▼三富「そうです。レスラーのアイデンティティというのは、対立する相手がいて、初めて形成されていくとものだと思うんですよ。ACEの子たちにはそれがない。僕と闘ったって彼らにはメリットがないし、W-1の先輩に食らいついていったとしても、W-1とACEは別の団体ですよって言われたら、元も子もないじゃないですか? だから、彼らが何と闘っているのかが見えてこない。でも、今回上がる大谷選手はガッツワールドの選手で、竹田選手は666の選手ですけど、お互いはもちろん、常に他の団体の選手を意識してやっていますよ。それは前に出たASUKA PROJECTの瀧澤選手や佐山選手もそうです。俺のほうが上に行ってやる、いつか大きな団体に上がってやる。そういう意識のもとで闘っているはずなんですよね。でも、ACEの子たちはエスカレーター式でW-1の試合に出られる。その現状を僕はぬるま湯って表現したんですけどね」

──まあ、後楽園のリングや横浜文体のリングにも上がれてしまうわけですもんね。

▼三富「そうなんですよ。でも、大谷選手や竹田選手にとって後楽園で試合をするということは、もの凄く貴重な機会だし、それに対して懸けている部分もあると思うんですよ。僕もDDT傘下のユニオンプロレスでやっていた時は後楽園大会なんて年に1〜2回だったし、やる時はみんなで注力して、絶対に成功させて、これでプロレス界でのし上がってやろうという気持ちでしたからね。でも、ACEの子たちは毎月W-1の後楽園に出られる。これは恵まれすぎてますよ。しかも、バックステージで『次がんばります』みたいなコメントを残して帰るっていうルーティンワークをこなしているだけ。これではアイデンティティは確立されないし、情熱も生まれてこないと思いますね」

──まあ、確かに恵まれているとハングリーさは生まれづらいですよね。

▼三富「将来のビジョンがないからですよ。僕は一回討論したいですね。『君らはどういうビジョンを持っているの?』って。語れる子はいないと思います」

──その一方で、W-1の若手である佐藤選手と試合をする機会があったじゃないですか? その時に佐藤選手とACEの子たちは違うとおっしゃっていました。ただ、佐藤選手もW-1所属とはいえ、ある部分ではACEの選手と同じような環境でやっているわけじゃないですか?

▼三富「そうですね。彼は総合学院を卒業した時に『ACEには入りたくない』って言ったんですよ。その感覚ってセンスがあると思いません? おそらくACEに入ってもその先のビジョンが見えなかったと思うんですよね。だから、W-1に入って下積みを積む。そうすればその先が見えてくると思ったんでしょう。そこは彼の中にプロレスに懸けている情熱があるからだと思うんですよね。そういう根本の部分が違うんですよ」

──確かに1期生、2期生がそのままACEに所属していくのを見ているわけですから、普通ならそうなってもおかしくないところを、自分の意思でW-1所属にしてもらったわけですからね。

▼三富「そう考えて自分で動いたわけですよ。これは凄いことですよね。もしかしたら、佐藤選手にとってはACEという対立構造があったからこそ、W-1所属になりたいと思ったんじゃないですか? だからこそ、彼のアイデンティティが確立されていくわけですよ。そういう部分では佐藤選手には凄く情熱を感じますね」

──なるほど。だから、ACEの選手にも大谷選手や竹田選手のような対立構造になりそうな選手を連れてきたということですね。

▼三富「彼らの後楽園に懸ける気持ちをACEの子たちがふっかけられたなら、さすがに気づくと思うんですよ。僕もACEの子たちに厳しいことを言っていましたけど、それは気づいてほしかったからなんで」

──でも、現状では気づいてもらえてないと。

▼三富「まったく感じられないですね。だから、今回大谷選手や竹田選手のように情熱のある選手をぶつけて、後楽園に来るお客さんが彼らのほうがACEの選手よりも凄いと感じたなら、それまでですよ。W-1よりガッツワールドや666のほうがおもしろいじゃんってなっちゃう。それじゃダメじゃないですか? そうならないためにも今回対戦するACEの頓所選手や一選手、馬場選手もがんばるんじゃないかなと。そうすればプロレスに対する情熱も生まれてくるんじゃないかなと思うんですよね。何しろ、実を言うと2人とももう26歳でACEの選手たちに比べれば若くはない。危機感がめちゃくちゃありますからね」

──その危機感が情熱を生み出しているということなんですね。ところで、それぞれどういう選手なんですか?

▼三富「まず大谷選手ですけど、彼は僕の学生プロレスの後輩です。ギャル男コレクションA.G.っていうリングネームでやっていて、YouTubeで潮吹豪vsギャル男コレクションA.G.で検索すると僕の引退のときにした試合の映像が出てきます。2万回ぐらい再生されていますからね」

──それは凄い(笑)。

▼三富「彼はガッツワールドという学生プロレス出身者が集まる団体でデビューしてやっているんですけども、私生活がトンパチなんですよね。それがプロレスにも出てくる。あともの凄く身体の柔軟性が高くて、ジャーマンとかノーザンライトスープレックスは他の誰もできないぐらいの弧を描きますよ。ミサイルキックもハイアングルで放つし、何よりも相手に向かっていく気迫やハートが凄く強い選手ですね。ただガッツワールドが解散してしまうんで、彼にとって一戦一戦が生き残りを懸けた闘いでもあるんですよ」

──なるほど。もう一人の竹田選手はどういう選手なんですか?

▼三富「彼はとにかくルックスがいい。身体もグッドシェイプだし、身体つきを見ただけで人目を引くものがありますね。666って宮本裕向選手を輩出した団体なんですけど、インディーの王子を生み出せる団体なんですよね。竹田選手もすでに売れっ子で、まだデビューして1年ぐらいなんですけど、月に10試合以上やっているんですよ。だからACEの子たちよりも経験を積んでいるし、DNAなんかでもいいポジションにいくと思うんで、是非とも注目してもらいたいですね」

──三富選手がACEの選手たちに是非ぶつけたいと思った選手たちですから、注目しましょう。一方で、ご自身は2018年はどのように動いていこうと思われているんですか?

▼三富「僕は前から言っているW-1のレコンキスタ。国土回復運動を引き続きやっていきます。現状、W-1にはツッコミどころが多すぎる。ACEの件もそうですけど、しれっといなくなる選手もいれば、あるのかないのかわからないユニットもあるし、ツッコミどころ満載ですよね。こういったものを一つずつ是正していきます。ACEにしても、プロレス総合学院を作った当初の大義名分から外れてしまったのが問題だったし、ACEを見直して定義付けすることで、総合学院もいろいろな団体にレスラーを輩出する養成所になっていくという本来目指していた姿になっていくと思うんですよね。だって、この間の後楽園でも頓所選手への声援が聞こえたし、それはある意味、ACEという存在がお客様に認知されてきたからだと思うんですよね」

──三富レボリューションの効果が出始めているということですね。それでは2018年も引き続き三富レボリューションに期待しています!

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