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3/12【NOAH】石森がノア退団、フリー転向 “世界規模”でのさらなる飛躍目指し

 石森太二がノアを退団し、フリーに転向することになった。12日付けで所属選手契約が解除された。今後はフリーとして“世界規模"での活動を目指すが、一方で「国内にもやりたい相手がいる」とも話した。

 3度就いたGHCジュニア王座は最多防衛記録を持ち、GHCジュニアタッグ王座6度の戴冠は最多戴冠記録。初参戦から12年、所属として10年間、苦しい時期のノアを支え続けてきた石森が、2月に35歳を迎えたタイミングで“フリー転向"の決断を下した。

 デビューの地はメキシコ。「海外にいた方が精神状態が安定する」と語るなど、もともと海外志向も強かった。近年、親交のある中邑真輔(WWE)や飯伏幸太、かつてノアジュニアとしてしのぎを削ったザック・セイバーJr.ら同世代レスラーの世界的な活躍をみるにつけ、刺激を受け続けた。自身も昨年からインパクト・レスリングに定期参戦し、Xディビジョン王座を獲得。「数年前から腐りかけていた時期があったんですけど、昨年ベルトを獲ることができた時に『見ている人は見ているんだな。やることをやっていれば結果はついてくるんだな』と確信したので、それに賭けてみたい…と思った」と、ここ1年で“外の世界"への思いが急激に強まった。

 遠征中には元パートナーで現WWEのヒデオ・イタミ(KENTA)とも米オーランドで再会。「『太二の人生だから、悩んで出した答えなら俺は尊重するよ』と言っていただいたので、それが後押しになりました」とも明かした。「自分のファイトスタイルであと何年プロレスが続けられるかと考えたら、残り10年もできない。ここが決断の時、ここで一歩を踏み出さなければ一生後悔する。人生は一度しか無いので、それに賭けてみたい…という方が強くなりました」と話した。

 2月末の契約更改で団体側に退団を申し入れ、了承されていた。会見に同席した内田雅之会長は「ノアを再生するうえでの貢献は感謝しかない。彼の存在がNOAH the REBORNに拍車をかけたのは間違いない。ノアのクオリティの高さを国内外問わずアピールしていただいた。個人としての思想や思いを尊重し、フリーという立場でもノアに協力や助けをしてくださるものと思って、快く送り出したい」と話した。

 石森としても“ノア再興"を目指す志なかばでの決断。「葛藤は凄くあった」というが、「本当に応援していただいたファンの皆様、今回このような発表となってしまい、申し訳なく思っています。素晴らしい選手、スタッフの皆さん、そしていつも温かいご声援をいただいたノアファンの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。現パートナーのHi69については「“ノアのXX"としては終わってしまいますけど、『俺らは一生XXだから』と。そういう温かい言葉もいただいたので、今後とも仲良くしていきたい」と語り、将来的なノア参戦についても「“絶対はない"というのがこのプロレス界。ノアという団体には思い出がありますんで、何かご縁がありましたら、その時はよろしくお願いします」と話した。

 当面は抱き続けてきた自らの思いを具現化すべく、“世界規模"での活躍を目指す。すでに海外マットからのオファーも受けているが、一方で「国内にもやりたい相手がいるのも確かです」とも語った。事務所などには所属せず、いわゆる“ブッキング"の窓口も個人で担当。「はっきり言ってイバラの道になると思います。今まで通り安定もしませんし、保障もありません。ですがフリーという立場で幅は広がると思っています」と話した。

 「この選択が良いか悪いかは別として、最終的には『あぁ石森、素晴らしいレスラーになったね』と言われるようにやって結果を出します。今後もご声援、よろしくお願いいたします。ありがとうございました」と頭を下げて会見を締めくくった石森。方舟からまた一人、フリーバードが世界を目指して羽ばたいた。

 石森退団に関する会見の模様は以下の通り。

【会見の模様】

※会見の冒頭で内田雅之会長から12日付けで石森の所属選手契約が解除された旨が発表される。3・11横浜文体大会前から申し入れがあったことを明かしたうえで、「ノアを再生するうえでの貢献は感謝しかない。彼の存在がNOAH the REBORNに拍車をかけたのは間違いない。ノアの存在を国内外問わずアピールしてくれた。ノアのクオリティの高さを世界じゅうに広げていただいた。その功績には感謝以外ない。個人としての思想や思いを尊重し、フリーという立場でもノアに協力や助けをしてくださるものと思って、快く送り出したい」と話す。

▼石森「このたび私、石森太二はプロレスリング・ノアを退団させていただくことになりました。ノア所属となって10年。これから先のプロレスラー人生を考え、ひとつの節目かなと思い、また新たな気持ちで挑戦する決意を固めました。退団理由につきましては、個人的にはまだまだ第一線で戦っていきたい気持ちがあります。ですが、今の自分のファイトスタイルであと何年プロレスが続けられるかと考えたら、残り10年もできないと思います。そういうことを考えたうえで、最近では海外遠征なども経験させていただき、より外の世界に興味を持ちました。ノアに上がるようになって12年、プロレスキャリアなら16年、年齢は35歳。ここが決断の時、ここで一歩を踏み出さなければ一生後悔するだろうと思い、ノアの石森太二としては一区切りさせていただいて、フリーという立場から新たなステージに向かうことを決意しました」

――いつ頃から考え始めていた?

▼石森「“外の世界"ということに関しては何年か前から考えてはいたんですが、退団を具体的に考え始めたのはここ1年ですかね。インパクト・レスリングに上げさせていただいて、凄くそれが大きな刺激になりました」

――当面参戦予定はないが、今後ノアにフリーとして上がる選択肢もある?

▼石森「“絶対はない"というのがこのプロレス界。ノアという団体には思い出がありますんで、何かご縁がありましたら、その時はよろしくお願いします…ということです」

――今後決まっていることや、考えているフリーとしての活動プランは?

▼石森「今後の活動につきましては、まだ詳細はお伝えできませんが、まずは海外からのオファーをいただいておりますので、自分としても興味深いことですので、それは受けたいと思っております。また時期が来ましたら皆様にはご報告させていただきたいと思っています」

――ノアとしては苦しい時期の10年間を所属として支えてきたが、ノアを再び盛り上げることへの心残りや葛藤はあった?

▼石森「これだけ長くお世話になりましたし、プロレスキャリア16年のなかで12年間、この団体でお世話になって。そういう葛藤は凄くあったんですが、やはり人生は一度しか無いので、それに賭けてみたい…という方が強くなってしまった、というのが自分の出した答えです」

――海外志向も強かったが、改めてインパクト・レスリングの参戦時に今回の決断へと大きく傾いた?

▼石森「昨年、インパクト・レスリングに上がらせていただいて、こんな小さい体でもベルトを獲ることができましたし、数年前から腐りかけていた時期があったんですけど、昨年ベルトを獲ることができた時に『見ている人は見ているんだな。やることをやっていれば結果はついてくるんだな』と確信したので、それに賭けてみたい…と思ったことがひとつ。あとは遠征中にWWEのイタミ・ヒデオ(KENTA)選手とお話しする機会があって、そこでいろいろと話をするうちに『太二の人生だから、悩んで出した答えなら俺は尊重するよ』と言っていただいたので、それが後押しになりました」

――親交のある中邑真輔や飯伏幸太、KENTAら海外で活躍するレスラーから影響を受けた部分もある?

▼石森「はい。中邑さんもそうですし、友達の飯伏君もそうですし、ノアでずっとやり合っていたザックは見事に世界じゅうで人気選手になってますんで、それにもの凄く刺激を受けたのは大きいです。自分自身も年齢が35になりますんで、最後のチャンスだと思って羽ばたこうと思いました」

――現パートナーのHi69からはどんな話をして、どんな言葉をかけられた?

▼石森「『太二の人生だから、この決断は寂しいけど頑張ってくれ』と言われました。僕としてもHi69はレスラーしての技術面もそうですが、人間的にも大好きなので、“ノアのXX"としては終わってしまいますけど、『俺らは一生XXだから』と。そういう温かい言葉もいただいたので、今後とも仲良くしていきたいと思っています」

――ノアでの思い出深い出来事を挙げるとすれば?

▼石森「そうですね…長い間お世話になって、いろいろあって…。どれかひとつ、と言われると難しいですね。それと、僕のこと以上に、素晴らしい選手、スタッフの皆さん、そしていつも温かいご声援をいただいたノアファンの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」

――自分がいなくなってしまうノアという団体に思うことがあれば?

▼石森「自分は退団していく身でありますから、これから先のノアやノアジュニアに対してのコメントは控えさせていただきます。ただ、今回こういう形で退団となってしまい、応援してくださっているノアのファンの皆様、関係者の皆様には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも12年間、長い間応援していただいて本当に感謝しています」

――活躍することが恩返しになる?

▼石森「そうですね。自分としてはステップアップを目指しての決断です。はっきり言ってイバラの道になると思います。今まで通り安定もしませんし、保障もありません。ですがフリーという立場で幅は広がると思っています」

――改めてこのタイミングで決断した最後の後押しになったものは?

▼石森「このタイミングになったのは、契約更改が2月末にありまして、このモヤモヤした気持ちのなかで1年間やるのは失礼だと思いましたし、自分自身の年齢ですかね。35歳という。これが40だったら自分は決断していないと思います。この35歳という一番動ける時期に動きたいと思ったことが、決断した一番のきっかけです」

――フリーとして『これは果たしたい』という目標は?

▼石森「今、世界じゅうで日本人レスラーが活躍しています。自分もそこに並べるくらい“世界規模"で石森太二というものをアピールできるように今後は頑張っていきたいと思います。一方で国内にもやりたい相手がいるのも確かです」

――改めて最後にメッセージを

▼石森「本当に長い間お世話になり、ありがとうございました。今後はフリーとして国内外問わず、レスラーとしての可能性を探っていきたいと思っております。本当に応援していただいたファンの皆様、今回このような発表となってしまい、申し訳なく思っています。ですが、私はこの決断について後悔はしておりません。この選択が良いか悪いかは別として、最終的には『あぁ石森、素晴らしいレスラーになったね』と言われるようにやって結果を出します。今後もご声援、よろしくお願いいたします。ありがとうございました」

※会見終了後、内田会長と握手して写真撮影

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