プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

6/11【Fortune Dream】4団体ホープが激突…ノア清宮が締めた 次回開催は来年

☆小橋建太プロデュース『Fortune Dream 5』東京・後楽園ホール(2018年6月11日)
○清宮海斗&吉田綾斗vs野村卓矢&杉浦透×

 5回目を数える小橋プロデュース興行のメインで4団体のホープが火花。ノアの清宮がタイガースープレックスでFREEDOMSの杉浦を下して興行を締めくくった。若い4人を称えた大会プロデューサーの小橋は来年の次回大会を示唆した。

 プロデューサーの小橋が自ら選んだ各団体の20代ホープによるタッグマッチ。プロレス界の未来を担うノア・清宮&K-DOJO・吉田組とFREEDOMS・杉浦&大日本・野村組が激突した。

 ゴング前から両軍の気持ちは爆発寸前。各団体のファンからも熱い声援が飛ぶ。のっけからアグレッシブな戦いとなったが、まず最初に場内を沸かしたのは野村。笑みを浮かべてリングに入ると、鋭いローキックや強烈なビンタで清宮をぐらつかせ、何度もどよめきを誘った。

 その野村と杉浦が清宮に集中攻撃に打って出て試合を掌握する。野村の豪打が続けば、杉浦は急角度のバックドロップをズバリ。たまらず清宮は場外に転げ落ちた。リングに戻ると、杉浦がキャメルクラッチに捕獲。吉田がこん身のミドルキックを背中に連打してカットに入ったが、杉浦は手を離さず、意地になって絞め続ける。

 劣勢を打開したのが、フラストレーションを溜め込んでいた吉田だった。タッチをもらうと、ファイスクラッシャー、カカト落とし、ロックボトムと杉浦に猛攻を浴びせる。野村とも熱をこもった攻防を展開。野村が強烈なミドルキックを突き刺せば、耐えた吉田はニーアッパーから側頭部を蹴り飛ばしかかった。その蹴り足をキャッチした野村は裏アキレス腱固めに捕獲。コブラツイストや逆エビ固めで絞めに絞める。エルボー合戦で激情をぶつけ合うと、ハイキックが交錯し、両者大の字に。

 2人に負けじと清宮と杉浦も真っ向勝負。清宮はさきほどのお返しとばかりにバックドロップで引っこ抜くと、ミサイルキックをぶち込んだ。窮地に追い込まれた杉浦もこん身のエルボーで反攻。自分の頬を突きだして清宮のヒジを受け止める。激しい競り合いが続いたが、杉浦がスパインバスターで制した。

 野村や吉田もリングに飛び込み、大技が連鎖。4選手がリング上で倒れ込むと、場内は大きな拍手に包まれる。何とか立ち上がった杉浦は、ドロップキックを清宮にグサリ。フィッシャーマンバスター、カナディアン式変型DDTも火を噴き、決定機を掴んだ。

 杉浦はスターダストプレスで勝負に出るも、清宮は寸前で回避。変型リバースDDTからジャーマンを仕掛ける。粘る杉浦はエルボーを振り回すが、清宮は鬼の連打で返り討ちにすると、杉浦のローリングエルボーを食らっても倒れず、ドロップキックを一閃。急角度のジャーマンスープレックスで引っこ抜くと、最後はタイガースープレックスで熱戦を制した。

 若さ溢れる一戦で清宮&吉田が激勝。2人は笑顔で握手を交わす。大会プロデューサーの小橋は4人の健闘を称え、プロレス界の未来を担う手を掲げてみせた。

 出場全選手が集結し、記念撮影が終わると、最後に小橋があいさつ。「再会あり、旅立ちあり、引退あり、そして未来あり。本当に素晴らしい大会ができたと自分自身も思っています」と満足げに大会を振り返ると、「また来年、『Fortune Dream 5』とは違った形で、『Fortune Dream 6』をしたいと考えています。みんなの試合を見てやりたいと思いました」と来年の次回大会開催を示唆し、「来年また会いましょう」と興行を締めくくった。

 各選手がリングを降りても、メインで戦った若い4人はそのまま残り、距離を取ってにらみ合う。最後まで握手は交わさず、未来の再戦を誓った。

 試合を決めた清宮だったが、目指す高みはまだ遠く、「今日は若手ということで、ある意味、チャレンジのような形でやらせていただきましたけど、お客さんも今日の試合には納得いってないところもあるかもしれないし、僕自身もまだ不甲斐ないところがあるので」と反省の弁。「今度はしっかりメインイベンターとして小橋さんに呼ばれるように、また明日から頑張っていきたいと思います」と更なる精進を誓った。パートナーの吉田は「自分は今日の相手の2人もそうですし、横に立っていただいた清宮さんも含めて、また1対1とかでもやれたらいいなと思っているんで。何度でもここに立ちたいと思います」と次なる戦いを熱望。それを聞いた清宮も大きく頷いていた。


【試合後の清宮&吉田】
――若手4人のメインはどうだった?

▼清宮「向こうがガンガン来るのははじめからわかってたんですけど、僕の想像を超えてくるぐらいの熱さを相手からもらって。逆にそれが僕の刺激になった部分がありました」

▼吉田「本当に単純に凄いしんどい試合でしたし、ムチャクチャ痛かったんですけど、それがゆえに凄い楽しかったんで。またここに戻ってきたいなって思いました」

――今後に向けての意気込みは?

▼清宮「今日は若手ということで、ある意味、チャレンジのような形でやらせていただきましたけど、お客さんも今日の試合には納得いってないところもあるかもしれないし、僕自身もまだ不甲斐ないところがあるので。今度はしっかりメインイベンターとして小橋さんに呼ばれるように、また明日から頑張っていきたいと思います」

▼吉田「自分は今日の相手の2人もそうですし、横に立っていただいた清宮さんも含めて、また1対1とかでもやれたらいいなと思っているんで。何度でもここに立ちたいと思います」


【小橋の総括コメント】
――大会を振り返ると? 大いに盛り上がったが

▼小橋「そうですね。本当に最初に言っていた、再会あり、旅立ちあり、引退あり、未来あり。それぞれが本当に詰まった大会になったと思います」

――特に1つの場面にはしぼれないと思うが…

▼小橋「そうですね。本当に1つとは…。いつも『Fortune Dream』をやった後に、『どの試合がよかった?』とか、『どの場面がよかった?』と聞かれるんですけど、答えられないというのが本当のところですね。全部がよかったです」

――最後のメインイベント、若い4人の試合が終わって、健闘を称えに行った時、嬉しそうな表情をしていたが?

▼小橋「彼らたちは期待に応えてくれたという思いと…全力を出し切れた、自分たちのできることをやってくれた。それが試合に出てたので、ファンのみんなもそれを見てくれたんじゃないかと。それを見てくれたのが嬉しかったですね」

――セミファイナルもとんでもない戦いになった

▼小橋「そうですね。どれがベストバウトだったとかあんまり決めたくないんですけど、本当にどれもよかったと思います」

――女子選手の試合も素晴らしかったし、北原選手の最後も印象に残った

▼小橋「女子の3WAYというのは初めて組んだ試合方式で、今の女子プロレス界3強ですよね。その3人が集まって試合をやってくれて、非常に嬉しいですね。北原選手の引退試合を『Fortune Dream』のリングでやってくれたことが気持ちを強く表してるんじゃないかなと思います」

――蝶野選手とのトークバトルは?

▼小橋「蝶野さんは本当に口が上手いですね。喋りが上手いです。でも、15年前のタイトルマッチを振り返って楽しかったですね。15年後にこうしてトークバトルをやっているとは、その時は思ってもなかったので。プロレスって本当にいいなって」

――次回大会については期待していい?

▼小橋「そうですね。今回みたいにいろんなものが詰まったものになるかどうか。企画をまたいろいろとじっくり考えてやりたいなと思いますし、本当にいろいろなタイミングが重なって、そういういい大会になりましたから、また別の意味でいい大会になるような…。今日みたいに、みんながハッピーになるような大会にしたいなと思います」

――次回に期待している

▼小橋「頑張ります。これは絶対にそうですと、その日に向かって頑張るってことが一番大切なことで。目標に向かって前に進むのが大切なことだと思っているので。今は頑張るしかないです」

プロ格 情報局