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6/19【全日本】12年ぶり一騎打ち 崔が山本返り討ちでアジアヘビーV3、ボディガー名乗り

☆『2018ダイナマイトシリーズ』北海道・帯広市総合体育館(2018年6月19日)
アジアヘビー級選手権試合=○崔領二vs山本尚史×

 崔が12年ぶりの一騎打ちとなった山本尚史を返り討ちにし、アジアヘビー級王座3度目の防衛に成功。ボディガーが挑戦の名乗りを上げた。

 かつて両者は崔がZERO-MAX(現ZERO1)、山本が新日本にそれぞれ在籍していた2006年に団体の枠を超えたライバル闘争を展開。2度実現したシングル対決はいずれも崔が勝利している。

 この日、12年の歳月を経て、全日マットでアジアヘビー級王座をかけて両者が対決することになった。ヨシタツは崔に雪辱を遂げ、12年前の過去を清算するためにも本名の山本尚史による出陣を宣言。当時の十八番だったバックドロップによる勝利も見据えていた。

 黒のショートタイツ&レガース着用で出陣した山本はヨシタツ殺法を封印。開始早々、バックドロップを仕掛ける積極姿勢をみせ、プランチャを放つと、当時得意とした顔面ウォッシュも披露。足4の字固めでもん絶させたが、崔も譲らない。再びバックドロップを阻止すると、お返しとばかりに飛びつきヒザ十字固めで絞め上げる。顔面ウォッシュもしっかりやり返し、山本の反撃をヒザ蹴り連打でせき止めると、ブレーンバスター、サッカーボールキック連打の猛攻を浴びせた。

 山本も蹴り足をキャッチしてのドラゴンスクリューで逆襲すると、フィッシャーマンスープレックスで巻き返しに出たが、コーナーに上がったところを崔が雪崩式ブレーンバスターで叩き落として流れをひっくり返した。エルボー合戦に持ち込んだ山本をヒザ蹴り、ミドルキックで返り討ち。粘る山本もフロントハイキックからみたびバックドロップを狙ったが、崔は体を浴びせて決めさせず。赤川鉄橋を突き刺すと、最後はシドマスを爆発させて3カウントを奪った。

 かつてのライバル・山本を返り討ちにした崔がアジアヘビーV3を果たした。「所属じゃない二人が全日本のリングでタイトルマッチするっていうのはね、俺とあいつは感慨深い。一部の昔から見てるファンは感慨深かったと思う」と振り返ったが、それは二人にとって「ただの自己満足」と考えている。だからこそ、「いろんなことがあって今があって、ベルトかけて再戦させてもらえたのが、まず全日本プロレスのリングであることに意味があって、俺も山本も何より感謝しないといけない」としたうえで、「このタイトルマッチやらせてもらったことで100倍も200倍も俺は新しいものを生んでこそプロレスラー」との決意を口にした。

 試合後、次なる挑戦者が現れた。ボディガーだ。両者は今年1月に韓国ソウルで行われたアジアヘビー級王座決定トーナメントの決勝戦で対決し、崔が勝利している。「次、そのベルトをかけて俺とやってもらえませんか? そして借りを返す。まぁ、そういうこっちゃ」と挑戦を表明してきたボディガーに対し、崔は「プロレスの試合はな、第1試合だろうがメインだろうが、ベルトかかっていようが、かかっていまいが、どこでやろうが、何人の観客の前でやろうが、楽なもんちゃうぞ。よう頭に入れてタイトルマッチ挑んでこい!」と通告しつつ受諾。バックステージでも「お前挑戦したいって言ったな。言うのはタダや。やるのは千倍難しい。お前が言ったから飲み込むな。実行しろ」とメッセージを送った。

 一方、山本は12年ぶり3度目の対決で借りを返すことができなかった。崔との戦いを通じて「一つ思ったのが根本的に変えなきゃダメ」と痛感し、「全てを変える。もうね、この体ではね、勝てないよ。もう肉体改造、練習、全て見直して、また山本小鉄さんの練習でもイチからやるか」と自らを作り直すつもり。もちろん崔への雪辱はあきらめず、「今日、俺が負けたことによってストーリーは続くから。少なくとも俺が彼に勝つまでは、1勝するまではね、この物語は続いていくから」と続きを見据えていた。

【崔の話】「前から言ってたんですけど、ヨシタツが山本になって挑戦するというのは、しかも所属じゃない二人が全日本のリングでタイトルマッチするっていうのはね、俺とあいつは感慨深い。一部の昔から見てるファンは感慨深かったと思う。だけど、ただの自己満足ですからね。そうじゃないですね。やっぱいろんな道を通ってプロレスラーってデビューして、それが所属なのか、外から来るのか、いろいろあるけど、俺も山本もいろんな道から来て、デビューして昔戦って、12年後こうやって再戦して、結末を言うのはおかしな話やけど、締め方っていうのかな。この俺らのキャリアが終わる時、そこに向けて逆算して俺たちがやらなきゃいけないことって山ほどあって、12年前と同じこと発言してたら、たぶん誰からも相手にされないと思う。いろんな縁があって、本当にいろんな人の縁と、自分の実力と、自分の足りなかったこととか、いろんなことがあって今があって、ベルトかけて再戦させてもらえたのが、まず全日本プロレスのリングであることに意味があって、俺も山本も何より感謝しないといけないですね。俺ら所属じゃないけど、本当に大事なセミファイナルというポジションをいただいて、これは勝っても負けても関係ない。そこを信じて組んでくれた全日本プロレスに俺たちはまず感謝しないといけないし。このタイトルマッチやらせてもらったことで100倍も200倍も俺は新しいものを生んでこそプロレスラーやと思うんで。ちょっと目がみえないんで、うまく言えないですけど。で、ボディガーが来ましたけど、何回も言ってますけど、ベルト防衛とか誰かの腰にベルトが渡った時に挑戦したいって言ってくるのは、まぁ正直ね、誰でもできるんですよ。変な話、素人でもできるんですよ。言うのはタダだから。でもね、商売なんですよ、ビジネスなんですよ、プロレスって。そして超人たちが戦う場なんですよ。すべての面で答え出して、結果出してナンボなんですよ。ボディガー、よう言うといてください。言うのはタダ。誰でも言える。ウチの母親でも言えるわ、言うんなら。口が達者な奴ならもっとええこと言えると思う。でもね、プロレスファンを熱狂させて、まだまだプロレスみたことないみんなにプロレス好きになってもらって、病院のベッドの上で体が動かない障害を持った、それでもプロレスを応援してくれてるたくさんの子供たちに涙を流してもらうぐらい素晴らしいもの伝えて、全日本プロレスの名前、そして自分たちの名前を押し上げる。普通の努力じゃ無理やからな。ええかボディガー、お前挑戦したいって言ったな。言うのはタダや。やるのは千倍難しい。お前が言ったから飲み込むな。実行しろ。正直、いつこのタイトルマッチが組まれるかわからん。俺はお前の挑戦受けたる。だけど口だけで終わるんやったら最初から言うな。お前の責任はめちゃくちゃ重いぞ。俺はこのベルトずっと巻き続けてることと同じぐらい重いぞ。勝ちました、ベルト獲りました、挑戦しました、負けました。そんなもんで済むと思ってたらプロレス辞めろ。責任重大や。プロレスを甘く捉えるな」

【山本の話】「因果なもんでね、山本vs崔が12年後、全日本プロレスでやってるっていうね、全く予想できなかった、この展開は。まぁね、一つ思ったのが根本的に変えなきゃダメだなって。今日、山本尚史でやってみて。昔のまだ俺がヤングライオンだった時代、あの頃の気持ちっていうのをもう一回思い起こさなくちゃいけないのかなってちょっと思った。全てを変える。もうね、この体ではね、勝てないよ。もう肉体改造、練習、全て見直して、また山本小鉄さんの練習でもイチからやるかっていうね。ヨシタツでやってたらどうなってたかとか、そういうことじゃなくて、崔領二には山本尚史で勝たないと意味がないから。まぁね、今日、俺が負けたことによってストーリーは続くから。少なくとも俺が彼に勝つまでは、1勝するまではね、この物語は続いていくから。何かね、あんま過去にとらわれなくてもいいのかなって気がちょっとして、またここから新しい山本尚史と崔領二の歴史を作っていけばいいのかなって今日ちょっと感じた。まぁ、今まで1回も勝ってないくせに何言ってんだって言われるかもしれないけど、これから山本尚史と崔領二の12年越しの新しいストーリーをまた築き上げていきます。今日はそれだけ。言い訳なし!」

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