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6/20【大日本】木高との壮絶死闘制す 竹田が“感謝"のデスマッチ王座V7

東京・後楽園ホール(2018年6月20日)
BJW認定デスマッチヘビー選手権試合 蛍光灯4ROPES+ギガラダー+ガラスボードデスマッチ ○竹田誠志vs木高イサミ×

 壮絶な死闘に後楽園ホールが何度も沸騰する中、最後は奥の手・リバースUクラッシュ改で竹田が激勝。木高を下し、デスマッチ王座防衛記録最多タイとなる7度目の防衛を果たした。試合後、竹田と木高は互いに感謝の思いをぶつけ、デスマッチらしからぬ爽やかな空気に包まれた。

 デスマッチ王者の竹田は5・5横浜で“デスマッチの象徴"小林を下し、6度目の防衛に成功。名実ともにデスマッチ戦線の頂点に立った。そんな竹田に牙をむいたのが木高だった。5・13後楽園ではタッグマッチながら王者を直接ピン。挑戦表明をぶち上げた。竹田も「テメエの挑戦待ってたよ」と承諾。両者の5年ぶりとなる一騎打ちが決定した。試合形式は「蛍光灯4ROPES+ギガラダー+ガラスボードデスマッチ」。竹田が勝てば小林に並んで防衛最多タイ記録、木高が勝てば約4年ぶり2度目の戴冠となる。

 ゴング直後からいきなり蛍光灯が乱れ飛ぶと、互いに蛍光灯の上で受け身をとって両者の狂気があらわに。リング上に2つ設置されたガラスボードの一方に竹田を投げつけた木高が先制すると、交互に蛍光灯を挟み込んだサッカーボールキックを打ち合って場内をヒートアップさせた。

 竹田はハサミを持ち込んで、木高の額に何度も振り下ろす。が、木高も腕ひしぎ逆十字固めに捕らえてハサミ強奪を画策。互いにポジションを奪い合ったが、競り勝った木高がハサミ攻撃のお返しに成功した。

 トペスイシーダもさく裂すると、巨大なギガラダーをリングに投入。それを首に巻いて回転し、木高を吹き飛ばす。4脚のイスを使って残るもう1つのガラスボードをリングに設置。そこめがけて雪崩式フランケンシュタイナーを狙った。

 だが、踏ん張った竹田が雪崩式ジャンピングパワーボムを敢行。衝撃音とともにガラスボードが砕け散った。チャンスを掴んだ竹田はランニングニーwith蛍光灯、エクスプロイダーと猛攻。パイプイスを躊躇なく顔面に振り下ろし、今度はハサミボードをリングに投入した。

 粘る木高はそのハサミボードへのフェイスクラッシャーで反撃開始。竹田もハサミボードを使った串刺しニーで反攻するが、木高はフランケンシュタイナー、勇脚、蛍光灯めがけてのブレーンバスターと怒濤のラッシュに出ると、ダイビングダブルニードロップから間髪入れずにギガラダーブレイク(巨大ラダーからのダイビングダブルニー)を投下した。

 場内はカウントの大合唱となったが、竹田は意地のキックアウト。両者はここから壮絶な大技合戦に雪崩れ込む。竹田がジャーマンでぶん投げれば、木高はすぐにエクスプロイダーを返す。竹田がキチンシンクに行けば、木高はラリアットでやり返した。

 ここがチャンスと、再びラダーの上にあがった木高だったが、笑みとともに立ち上がった竹田が逆側からラダーに昇り、頂上から雪崩式ブレーンバスターを敢行。必殺のリバースUクラッシュも完璧に決まった。それでもなお愚直に勝利を目指す木高はヨーロピアンクラッチで不意を突き、勇脚や絶槍を突き刺したものの、最後は竹田がドラゴンスープレックス、ランニングニーwith蛍光灯と畳みかけ、秘密兵器のリバースUクラッシュ改で死闘を制した。

 後楽園ホールを揺るがす大熱闘は竹田に凱歌。これで防衛回数は7回となり、最多記録に並んだ。リング上で木高と視線を合わせた竹田は「試合前からイサミさんとはとんでもねえ試合ができる予感がしたけど、まさかこんなに血を流せるとは思ってなかった。今は最高の気分です。ひょっとしたら、今までの大日本でのタイトルマッチで一番楽しかった」と充実感をあらわに。木高も気持ちは同じで、「そんなの当たり前だろ? 相手は誰だと思ってんだよ。いい試合なんて、初めから当たり前じゃん」と呼応し、早くも再挑戦までアピールした。

 血みどろの戦いを終えた両者の口から飛び出したのは意外にも感謝の言葉だった。2人はかつて大日本マットで共闘した時期がある。それを振り返った木高は「お前と組んだ時から一気に景色が変わった。周りの見る目も変わった。本当にありがとう。俺というプロレスラーは、いや、プロレスリングBASARAという団体は、ヘタをしたらお前がいなかったら存在しなかったかもしれない」と最大級の感謝を伝え、悔しさを垣間見せつつ、「大日本プロレス、そしてデスマッチヘビー級、そして竹田誠志、ありがとうございました」と深々と頭を下げた。

 竹田も「この今の竹田誠志があるのは、まぎれもなく木高イサミのおかげだ。俺の11年間、あんたがいなきゃここに立っていないかもしれないから。今日だけは素直に言わしてくれ。ありがとう」と感謝の思いを告白。血みどろの2人と裏腹な爽やかな空気に包まれる中で、2人はガッチリと握手を交わした。

 エールを送りあって竹田は気持ちを新たに。「これから、俺らが歩けなくなる、手が動かなくなる、死んじゃうかもしれない。その中でやっていること…これからもアイツと切磋琢磨して、上に登っていきたいと思います。そして、夏に向けてデスマッチをドンドンやっていくからよ。俺のデスマッチみんな見に来いよ!」と決意の雄叫びを上げると、最後にコーナー上で自分の脳天に蛍光灯を叩きつけ、狂乱の一戦を締めくくった。

【試合後の竹田】
▼竹田「しんどいよ。見ての通り、メチャクチャしんどいけど、メチャクチャ楽しかった。なんかディズニーランドに1日遊びに来たような感覚と一緒かもしれないな。来る前からワクワクして、お客さんがちょっと置いてけぼりだったかもしれないけど、俺は目の前の木高イサミしか今日は見えてなかったよ。本当に理想のデスマッチファイターと言ったらまた違うかもしれないけど、レスリングもできて、狂気性を持ってて、そして人気もある。素晴らしいじゃないの。でも、あんなイサミに今までのデスマッチ人生で…。確かに9年前は俺が先に上にあがったかもしれない。でも、その後、イサミ、宮本にドンドンドンドン差を付けられ、ジェラシーが爆発して。その爆発した時に、今日みたいなタイトルマッチができて本当によかったし、イサミに今日だけは胸張って勝ったって言いたいですね。でも、あの人と昔は飲み歩いたり、デスマッチのことをいろいろと話し合った中だけど、恨みっこじゃなくて、これからもよきライバル、よき対戦相手として、負ける気はないけど、一緒に上にのぼっていきたいですね。まあ、俺が先を行きますけど。全てこれからは上を取っていきます」

――デスマッチの進化形を見せられた?

▼竹田「やっぱり常々言っているけど、俺のデスマッチっていうのは止まらないデスマッチであり、ハイスパートデスマッチ。プラス強さや格闘技色。俺はただベルトを巻いているんじゃなくて、強さを見せたいから。チャンピオンはその団体の象徴。強さを見せる試合をしたい。いろんな頭を使ってやるのがデスマッチ。今日も木高イサミとそういう試合ができた気がするからね。最後も言ったけど、身体が動かなくなるまで。今もちょっと言葉がしどろもどろだけど、脳味噌だっていかれてるよ。でもな、そんな中、いつ死んでもおかしくない中で、この大好きなデスマッチをやってるんだ。ドンドンドンドン進化して、最後には誰も手の付けられないチャンピオンになってやるよ。その上で、木高イサミと今日できたこと。もう一段階上にいける。ありがとうございました」

――防衛回数が7回で小林選手に並んだが、ここから先の防衛戦はそれを超えていく?

▼竹田「前から言っているけど、このベルトの防衛回数、そんなもん、しらねえ。どうでもいいわ。俺は常々、自分のできるデスマッチ、満足できるデスマッチができればそれでいいんだよ。そして、お客さんが喜んでくれたら、記録なんて関係ねえ。記録を生んだら生んだで、それはそれでありがとうございましたと。それは自分のやってきたことの結果なんで」

――凄い試合のあとだったからこそかもしれないが、次に誰も名乗りをあげない状況については?

▼竹田「欲がないよね。正直欲がねえよ。前に下の世代に言ったけど、いつでもかかってこいって言っているのに関わらず、誰も言ってこねえ。それってどうなんだよ? 会社の力があるから、上からの力があるのかもしれないけど、本当にこのベルトがほしかったら、大日本を引っ張っていきたいと思っているなら、所属のヤツらがこういう時でも空気をぶち壊してやってみろって。俺はそんな気持ちでいるよ。気持ちだよ、気持ち。デスマッチは気持ちなんだよ。なんでもそうだよ。デスマッチだけじゃねえよ。本当にお前らがこの団体をどうにかしていくんだったら。結局俺が負けたら…誰が獲るかわからないけど、またイサミかもしれない。また宮本かもしれない。他団体の選手に頼ってたらそれまでだって。大日本の選手が本来なら持っているベルトだよ。そこら辺はちゃんと考えてやってほしい」

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