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8/11【新日本】6年ぶり至高対決でオメガと激闘 飯伏が初のG1決勝進出、“神"棚橋と頂上決戦へ

『戦国炎舞-KIZNA- Presents G1 CLIMAX 28』東京・日本武道館(2018年8月11日)
Bブロック公式戦 ○飯伏幸太vsケニー・オメガ×

 6年ぶりの至高対決でオメガを撃破。飯伏が初のG1決勝進出を決め、Aブロックを制した棚橋弘至との頂上決戦に駒を進めた。

 6勝2敗のオメガと5勝3敗の飯伏がBブロック公式戦で激突した。セミファイナルで内藤哲也が敗れたため、この試合の勝者がBブロック覇者に。引き分けた場合はオメガが勝ち上がる。2人の一騎打ちは2012年6月のDDT武道館大会以来、約6年ぶり。前回は過激な大技合戦の末、飯伏が37分超の死闘を制している。

 期待感が充満する中、決戦のゴングが打ち鳴らされる。序盤戦は一進一退の攻防が続いた。出し惜しみしない2人は早い段階から大技を狙っていく。オメガが断崖式片翼の天使を、飯伏がスワンダイブ式ジャーマンをそれぞれ仕掛けたが、どちらも決まらない。しかし、その飯伏を強引に抱え上げたオメガが、お株を奪うひとでなしドライバー(変型ツームストンパイルドライバー)をエプロンで繰り出して、先にチャンスを掴んだ。蒼い衝動式牛殺しやVトリガー、クロイツラスと得意技を怒濤の乱射。スイング式DDTで場外に追い込むと、ノータッチトペコンヒーロで飛翔する。

 だが、飯伏もコーナー上のオメガをオーバーヘッドキックで蹴り飛ばして逆転。危険な雪崩式パイルドライバーは未遂に終わったが、雪崩式フランケンシュタイナーをお見舞いした。コーナー最上段からの三角飛び式ケブラーダもさく裂。リングに戻ると、その場飛び式ムーンサルトダブルニーを落とす。エグい一撃に場内はどよめいた。

 それでもオメガは下がらない。カミゴェやシットダウン式ラストライド狙いをかいくぐり、後頭部にニールキックを発射。コーナーに吹き飛んだ飯伏の延髄にVトリガーをねじ込む。そして、コーナー最上段からの雪崩式ドラゴンスープレックスへ。

 場内を揺るがすほどの超大技だったが、飯伏は脅威の身体能力で不時着。ラリアットの相打ちを挟んで、ハーフネルソンスープレックス2連発を見舞うと、こん身のラリアットをフルスイングで叩き込んだ。シットダウン式ラストライドでオメガをマットに叩きつけると、雄叫びをあげてカミゴェを一閃。飯伏は勝利を確信するも、オメガはギリギリでキックアウト。場内は騒然となる。

 飯伏はヒザのサポーターを下げ、生ヒザ式のカミゴェを狙うが、粘るオメガは足に飛びついて必死に抵抗。ここから、2人は互いに片方の手を取りながら、エルボー合戦で火花を散らした。飯伏はハイキックで不意を突くも、その瞬間、手を離したオメガはヒザ蹴りでカチ上げる。飯伏も強烈な掌底を乱射したものの、ロープに飛んだところを、オメガ追尾してVトリガーを発射。さらに、連発を狙ってダッシュしたものの、今度は飯伏がカウンターのハイキックを合わせて、ダブルダウンとなった。

 死闘はクライマックスに。飯伏が久々にフェニックススプラッシュを解禁したものの、オメガは自爆を誘う。動きの鈍った飯伏の後頭部にVトリガーをねじ込むと、ダブルアーム式パイルドライバーで追撃。さらに、生ヒザ式Vトリガーを突き刺し、片翼の天使の構えに。飯伏はリバースフランケンで切り返しを狙うが、踏ん張ったオメガはそのまま後頭部からマットに突き刺す危険技で鎮圧。意識朦朧となった飯伏にまたまたVトリガーを発射すると、雪崩式片翼の天使へ。

 しかし、最後の最後で飯伏はひらめきを見せた。エルボーを振り回して切り抜けると、コーナー上でオメガの背中に立ち、そのまま後頭部にフットスタンプを投下。飯伏らしい無茶な荒技で勝機をたぐり寄せる。さらに雪崩式タイガードライバーで追撃すると、最後は生ヒザ式カミゴェがさく裂。大合唱の中、3カウントを奪い取った。

 この瞬間、飯伏の優勝決定戦初進出が決定。棚橋と雌雄を決することになった。両者は過去3回対戦し、飯伏の1勝2敗。昨年のG1では新兵器・カミゴェで棚橋超えを果たしたものの、11・5大阪でのIC王座戦では棚橋が雪辱している。

 試合が終わればノーサイド。飯伏とオメガは抱擁を交わす。オメガはヤングバックスとともに飯伏の手を掲げて勝利を祝福した。大歓声に背を押された飯伏はマイクを持つと、「ケニー、マット、ニック、ありがとうございました。他のBULLET CLUBの人たち、ありがとうございました。いや、全レスラー、ありがとうございました」と感極まった表情であいさつ。「でも、まだ僕のG1は終わってないんで。明日、俺が優勝して…優勝します」と札止めのファンの前で優勝を誓った。

 死闘を繰り広げた飯伏とオメガは並んでコメントを発表。試合の記憶がないという飯伏だったが、「僕はずっと棚橋さんを神って呼んできたんですけど、明日こそ神を超える時なのかなと思います」と“神超え"を宣言。オメガもセコンドでのバックアップを約束した。

 飯伏が勝てば初優勝、棚橋が勝てば3年ぶり3度目の優勝となる。2018年の夏男になるのは、ゴールデンスターか? 100年に1人の逸材か?

【試合後の飯伏、オメガ】
※2人はコメントブースに座り、肩を並べて話し始める。オメガは日本語でコメント

▼オメガ「何とか自分の力で歩いて帰れました」

▼飯伏「俺は帰れなかった」

▼オメガ「負けることはもちろん悔しいです。それは、チャンピオンとしてはね、悔しいです。でも、俺のパートナー、親友、大好きなパートナー・飯伏幸太が決勝戦に行けて、タナと試合ができて。それで私は嬉しいです。本当に全力で応援するしかない。明日もセコンド、もし飯伏が良かったらセコンドに付きたいと思います」

――6年前と同じ武道館での戦いだった。今の心境は?

▼飯伏「本当に覚えてないです」

▼オメガ「作戦通りでしょ、飯伏さん。私は何も覚えられない。頭も痛い。ぶつかって。明日はタッグマッチでよかった。飯伏さんはちょっと厳しいかもしれないですけど。でも、タナだから大丈夫でしょう。悪口言いたくないですけど、今はコウタイブシの時代ですよ。変に聞こえるかもしれないけど、正直、私もフルパワーで、少し負けたいという気がしました。負けたいというのは、誰かが進化してほしくて。誰かが私より強い相手が出てきてほしかった。それは、私とイブたんにとって、凄いいいことですよね。嬉しいです」

――飯伏選手は試合前に複雑な思いを持っていたようだが、リングに上がってどう感じた?

▼飯伏「あまり記憶がないんで。本当に入場の次は、なんか天井を見てたかなっていう。その次は終わってたかなっていう。途中の記憶がないです」

――優勝決定戦進出が決まったが?

▼飯伏「それは本当に嬉しいです。ただ、どうやってケニーを倒したのか。それがわからないままだから、今は。実感として湧かない部分があるんで。でも、自分が決勝進出できた…そうですよね? 僕の目標は最初から言ってたように、勝つことだったんで。それに徹することができたG1だったなと。まだ最後、1個ありますけど。誰?」

▼オメガ「棚橋」

――その棚橋選手とはどんな戦いになる?

▼飯伏「僕はずっと棚橋さんを神って呼んできたんですけど、明日こそ神を超える時なのかなと思います」

――オメガ選手が見守る中での優勝決定戦となるが、どんな戦いをしたい?

▼飯伏「いやもう、普通に正々堂々と1対1で。勝ったほうが勝ちじゃないですか」

――オメガ選手はどんな思いで試合を見守る?

▼オメガ「飯伏とのシングルは全部私の負けですね。3回目も。なんで答えがないか。それを探さないと。でもやっぱり、自分のパートナーともう戦いたくない。特別な場所じゃないとね。特別な会場じゃないと。今回、G1のBブロックで、仕方がないことでしたけど。これからもう、偶然だったらね…」

※ここで飯伏が立ち上がり、オメガの腕を持って、2人で去っていく

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