プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

【新日本】オメガ3WAY制してIWGPヘビー死守 ドームで棚橋と激突

『KING OF PRO-WRESTLING』東京・両国国技館(2018年10月8日)
IWGPヘビー級選手権試合3WAYマッチ ○ケニー・オメガvsCodyvs飯伏幸太×

 オメガが飯伏、Codyとの3WAY戦を制し、IWGPヘビー級王座V3。挑戦権利証を持つ棚橋弘至と1・4東京ドームで対戦することが確定した。

 IWGPヘビー級王者・オメガは9・15広島で石井を撃破。G1 CLIMAXで敗れた雪辱を果たし、2度目の防衛に成功した。その後、G1公式戦で引き分けたゴールデン☆ラヴァーズのパートナー・飯伏との再戦が浮上。しかし、10・1ロサンゼルスでUS王者になったCodyが、いがみ合っているわけでもないのに戦おうとする2人に、自分を加えた3WAY戦を提案した。オメガも「そのアイデアは魅力的だ。俺たちのやり方で歴史を作りたい」と興味を示し、約4年5ヵ月ぶり3度目となる3WAYによるIWGPヘビー級戦が決定した。

 序盤から3人は激しく主導権を奪い合う。オメガと飯伏が共闘する時間もあったが、突然、オメガが裏切り、片翼の天使を狙う場面も。そんなゴールデン☆ラヴァーズの間で暗躍したのがCodyだった。オメガに合体攻撃を呼びかけてすぐに裏切ったり、ゴールデン☆ラヴァーズの真っ向勝負をぶち壊したりと、インサイドワーク全開で立ち回った。

 シーソーゲームの3WAYはさらに白熱していく。Codyをコーナー上に抱え上げると、オメガがそこに飯伏をパワーボムで投げつけた。ならばと今度は飯伏は逆さ吊り状態になったCodyめがけてオメガをやり投げで叩きつける。引かないオメガは飯伏がCodyにスワンダイブ式ジャーマンを狙ったのを見逃さず、飯伏に飛びついて2人ごと回転エビ固めでぶん投げると、両者にVトリガーを乱射した。負けじと飯伏はCodyがオメガにパワーボムを仕掛けた場面で、空中でオメガの身体を奪い取って急角度のジャーマンをズバリ。ハイレベルな裏のかき合いが続いた。

 Codyはリングサイドにテーブルを設置すると、スワンダイブ攻撃を狙ったオメガを突き飛ばしてそこに墜落させる。決定機を掴んで舌なめずりをしたCodyだったが、ここで飯伏が猛攻。ディザスターキックをハイキックで撃墜すると、シットダウン式ラストライド、クロスアームスープレックス、カミゴェと大技ラッシュで勝負に出た。場内は騒然となったが、海野レフェリーがカウント3を数えようとした瞬間、オメガがその手を押さえてカウント3を阻止する。この強引なカットに飯伏がキレた。オメガどころかCodyにまで強烈なストレート掌底を連打。マウントポジションからオメガに掌底やナックルパートをこれでもかと浴びせた。

 一気にカミゴェを再び狙うも、今度はCodyが介入。オメガにクロスローズを見舞うと、飯伏がスワンダイブ式フットスタンプでカットに入ったのを利用し、避けてオメガに更なるダメージを与える。そして、クロスローズでダメ押しするも、オメガは王者の意地でキックアウトした。

 ならばとCodyは標的を飯伏に変え、DIN'S FIRE(変型リバースゴリーボム)を敢行。場外からパイプイスを持ち込んで殴り飛ばしにかかる。ここでゴールデン☆ラヴァーズは互いを上手く守って絆の強さを垣間見せると、飯伏がハイキックでCodyを場外に蹴落とした。

 その直後、オメガが勝負に出た。リバースフランケン、ダブルアーム式パイルドライバー、Vトリガーと一気呵成に盟友を攻め立てる。そして、最後は片翼の天使で3カウントを奪取。Codyのカットはギリギリ間に合わなかった。

 3WAY戦で飯伏を破り、オメガがIWGP王座V3。飯伏やCodyと抱き合って健闘を称え合ったオメガは、充実感をあらわに。そして、日本語で「もう最後で、東京ドームのメインが決まったんじゃないですか? 確かそろそろ会見ですから、もう何も言わなくていいんじゃない。だから締めましょう」と語り、飯伏&Codyとともに「グッバイ&グッナイ」で締めくくろうとした。

 が、こここに挑戦権利証が入ったアタッシュケースを持った棚橋が登場。一転して両国国技館は「棚橋」コール一色に。来年の1・4東京ドームで雌雄を決することが確定した2人が向かい合う。オメガに促されてマイクを持った棚橋は「ケニー、俺は怒ってるよ。みんな拍手してたけど、ここは新日本だから。俺があえて言ってやるよ。ケニー、お前、賞味期限切れだ。東京ドームで決着付けようぜ」と宣言。アタッシュケースを見せつけた。

 棚橋が去っていくと、オメガは「東京ドームだったら、『GO ACE』になるかもしれないですけど、両国はすいませんですが、両国はですね…」とプライドを見せつつ、「グッバイ&グッドナイ!」で改めて大会を締めた。

 バックステージでも棚橋は「ベストバウトマシーンなんでしょ? お客さん置いてけぼりじゃん。ぜひね、棚橋相手にベストバウトしてください」とオメガを挑発。一方のオメガも「もちろん棚橋のことはリスペクトしているけど、彼の過ごしてきた時間、過去というものをしっかりと封印すべき時が来たんじゃないかと思っている。そこに置いてあるショットガンに弾丸を撃ち込み、それを終わらせようと思う」と言い放った。ドーム決戦まであと3ヵ月。早くも2人の気持ちは爆発寸前だ。

【試合後のオメガ】
▼オメガ「今もやはり複雑な気持ちだ。もちろん歴史を作った事実は変わらないが、自分の親友を倒したことに対しては悲しい気持ちもある。しかし今、どうすればよかったのかと考えれば、もちろん勝つ以外何もない。勝てたことはなにものにも変えられないものだと思う。でも、この1勝やプロレスラーとしてのキャリアの成功以外にも大切なものがあるというのもわかっている。ただ私たちはプロレスを変えるため、プロレスを見ている世界を変えるためにも、この3WAYをやってみたかったんだ。今日3WAYを初めて見た人もいるし、様々な意見があるかもしれないが、それをやってみて、ファンにそれを味わわせてあげることができるのは俺たちだけだったと思う。だからこそ、新しいことをやるのに恐れはないし、それを1人ではなくこのメンバーでできたことを嬉しく思っている。東京ドームに行くけど、その前にも試合はあるし、フィンレーのことも片付けなければならない案件だ。それが終わってしまったら、俺と棚橋の2人きり。最大の称号を懸けた1対1の戦いになる。棚橋は記者会見や自分のPodcastや好きなところで好きなことを言うんだろうけど、それは言葉でしかない。そうやってファンを洗脳して、自分の味方にするのもいいかもしれないが、東京ドームのリングの上でお前の戦略は俺に上手く効かないないはずだ」

――チャンピオンとして東京ドームに進むことについては?

▼オメガ「いろいろな歴史、そしてストーリーというものを何も考えずにあとに置くことは考えていない。私はインターコンチネンタルのチャンピオンとして、そしてUSチャンピオンとして、様々なことを成し遂げてきた。特にUSチャンピオンの時にはクリス・ジェリコと戦って、新しいストーリーを作り上げた。そして今、IWGPのヘビー級で3WAYというまた新たなことをやってみせた。ここにいる人たちみんな…自分だけじゃない。みんなでこの歴史を作っているんだ。そういった新しいこと、そして未来に向けて私はプロレスを進めて行っている。もちろん棚橋のことはリスペクトしているけど、彼の過ごしてきた時間、過去というものをしっかりと封印すべき時が来たんじゃないかと思っている。そこに置いてあるショットガンに弾丸を撃ち込み、それを終わらせようと思う。ただ、ここにはまだもう1つだけ戦いをするスペースは残っているだろう。自分自身を終わらせるそのショットは私が打ち込んでやる。我々は歴史を描いているんだ。これは身体的にも精神的にも大変摩耗するものだし、今現在も疲労で一杯だ。怪我を押しての試合になっている。今は気分がよくない。そういうところまで言っておくから、みんなに通訳してほしい。また明日会いましょう」

【Codyの話】「(肩を貸して連れてきた飯伏のことを気遣うと)去年の今頃を思い出してほしい。飯伏とWRESTLE KINGDOMに挑戦するために、いろいろとずるいことをやっていた。それがこの1年でこれだけ変わるんだから面白いものだ。ここにいる俺たちだけじゃなく、誰もが巻けることなんて好きじゃない。友人だとはいえ、負けてしまったことには凄いほろ苦い気分で一杯だ。でも、俺たちは新しいファミリーを作ることができたし、それについては興奮した気持ちだ。飯伏、お前もよかった。ケニーは東京ドームに進むことになった。それも、あのリングに一番最後に入る男…すなわちメインイベンターとしてWRESTLE KINGDOMに進むことになった。俺たち全員で全力でサポートする。2019年はそういう年にしたい。それ以降はどうなるかわからないが、俺たちは俺たちのままやっていく」

プロ格 情報局