10/10【全日本】6度目の前哨戦で王者・ゼウスが宮原ピン
『2018旗揚げ記念シリーズ』東京・後楽園ホール(2018年10月10日)
○ゼウス&火野裕士vsヨシタツ&宮原健斗×
10・21横浜文体の三冠戦へ向けた6度目の前哨戦で、王者・ゼウスが挑戦者・宮原を直接ピン。タイトル防衛に弾みを付けた。
ここまで5回続いてきた三冠戦の前哨戦はがっぷり四つの五分と五分。しかし、“聖地”後楽園ホールに狙いを定めていたゼウスが実力を存分に見せつけた。
ゼウスは火野と、宮原はヨシタツと組んで対戦。序盤戦から両者は積極的にやり合う。互いに先発した場面では警戒して大きな動きはなかったが、控えに回った宮原がゼウスを場外に連行。リングサイドや南側スタンド席で頭突きを乱射して三冠王者を圧倒した。これでゼウスの闘志も燃え上がる。負けじと宮原を場外に連れ出し、「東」と刻まれた看板に3度連続で頭から叩きつけてお返しした。
その後、ゼウスと火野の逆水平が効果を見せ、宮原は劣勢に。ゼウスの串刺しバイセップスエクスプロージョンやフロントスープレックスも食らってしまい、ピンチを迎えた。それでも自力で反撃すると、あとを受けたヨシタツが奮闘。火野と激しいせめぎ合いを繰り広げる。そして、両軍同時にタッチを交わし、再び宮原とゼウスが相対した。
宮原は低空ドロップキックをぶち込み、側頭部をドロップキックで射貫くと、串刺しブラックアウトの構えに入るが、先に動いたゼウスがバイセップスエクスプロージョンを一閃。火野とのパワフルな連続攻撃もズバリと決まる。宮原もヨシタツのアシストを得て、雪崩式ブレーンバスターなどで反攻。串刺しバイセップスエクスプロージョンに被弾しても、追尾して串刺しブラックアウトをぶち込み、エルボー合戦からブレーンバスターで投げ飛ばしたが、すぐに立ち上がったゼウスはバイセップスエクスプロージョンでお返しして、両者大の字となった。
ヨシタツが割って入るも、火野がラリアットで場外に叩き落とし、リングに残ったのは三冠王者と挑戦者のみ。ここがチャンスと、宮原は後頭部に串刺しブラックアウトを見舞い、ジャーマン、正調ブラックアウトと猛攻。シャットダウンスープレックスで勝負に出る。
しかし、パワーではね除けたゼウスは強烈なドロップキックから逆襲に転じると、バイセップスエクスプロージョンをグサリ。粘る宮原はジャックハマーを不時着して切り返し、ブラックアウトをぶち込んだものの、ゼウスはまたまたバイセップスエクスプロージョンを振り抜いて鎮圧し、最後はジャックハマーで完璧な3カウントを奪い取った。
前哨戦で初めて直接挑戦者を下したゼウスは、ピクリとも動かない宮原の眼前でベルトを掲げて勝ち誇る。ヨシタツの肩を借りて去って行く宮原を呼び止めると、「今日は得意のイキることはできへんか? 寂しいな」と挑発。にらみ返した宮原を見ると、「ええ目しとるやないかい。10月21日、もっともっと楽しい祭りを2人でしようぜ。今年一番の大祭りにするぞ」と通告した。
最後は観客とともに「全日本プロレスは祭りやで。わっしょーい! わっしょーい! わっしょーい!」と締め。「この後楽園という場所でやっぱり健斗から勝たんとね。次のタイトルマッチに向けての勢いというものを見せたかったんで。今日は狙っていた通りに行きましたね」と会心の勝利を振り返ったゼウスは、「7月29日に獲った気持ち…以上の気持ち、全身全霊で。王者ですけど、またまた挑む気持ちで、必ず勝ちたいと思ってます」と近づきつつある決戦に向けて気合いを入れた。
【試合後のゼウス】
――前哨戦で初めて直接宮原選手から勝利したが?
▼ゼウス「そうですね。今日、後楽園で狙ってて。この後楽園という場所でやっぱり健斗から勝たんとね。次のタイトルマッチに向けての勢いというものを見せたかったんで。今日は狙っていた通りに行きましたね。明日、明後日はオフなんで。今日はタイトルマッチの気持ちで、全力で勝たせてもらって。まあ、徐々に直していくという感じでね」
――ゼウス選手の中でも上り調子だと?
▼ゼウス「やっぱり彼との中で勢いの差はできていると思うんですよ。自分はやっぱり、正直5回目でやっとベルトを獲って。4回負けて5回目で獲ってるんで。ここで横からすくっていくというのは僕の中で必ずあるところなんで。彼が獲られたところでまたすぐに獲りにいっても、僕の守りにいくテンションとまたちょっと違うと思うんで。全力で必ず勝ちに行きますよ」
――これからも前哨戦が続くが?
▼ゼウス「そうですね。素晴らしい相手なんで。7月29日に獲った気持ち…以上の気持ち、全身全霊で。王者ですけど、またまた挑む気持ちで、必ず勝ちたいと思ってます。皆さん、今日もありがとうございました。全日本プロレスは祭りやで。わっしょーい、わっしょーい、わっしょーい」
【宮原の話】「クソ! 21日…21日が勝負だ。クソ」
