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10/19 新日本、全日本、ノアら集結、ブッチャー引退セレモニーも決定 G馬場さん没後20年追善興行、2・19両国で開催

 故ジャイアント馬場さんの没後20年となる来年2月19日に、東京・両国国技館で追善興行が開かれることが19日、都内ザ・キャピトルホテル東急における会見で発表された。新日本、全日本、ノア、大日本、WRESTLE-1といった各団体からレスラーが集結。馬場さんのライバルだったアブドーラ・ザ・ブッチャーの引退セレモニー開催も決まり、スタン・ハンセン氏も特別ゲストとして来場する今昔交錯の豪華ラインナップとなる。

 馬場さんは1999年1月31日に61歳で逝去。そして今年4月14日には馬場さんの夫人・元子さんも78歳で亡くなった。「馬場さんの没後20年には何かしらのイベントを開催したい」と常々口にしていたという元子さんの遺志を叶えるべく、今年7月に行われた「お別れの会」を契機に有志が実現へと動き出した。馬場さんの肖像権管理事業を継承した元子さんの又甥(またおい)にあたる緒方公俊氏(株式会社H.J.T.Production代表)が中心となって実行委員会が組織され、馬場さんに縁深い坂口征二・新日本プロレス相談役、現全日本プロレスを率いる秋山準、天龍源一郎が委員に名を連ねた。

 現段階では新日本、全日本、ノア、大日本、WRESTLE-1からの選手派遣が決定しており、全6〜7試合を予定。「提供試合ではなく、ミックスというか混ぜた形で提供させていただきたいと考えております」(緒方氏)と、団体の枠を超えた試合が実現する見通しだ。5団体以外の団体やフリー選手とも交渉中で、馬場さん没後20年にふさわしいオールスター級の興行となる。

 大会開催にあたって坂口相談役は「プロレス界に入った夜から馬場さんには弟のように可愛がってもらいました。本当にお世話になり、現在こうして、のうのうとしていられるのも馬場さんのおかげだと感謝しています。プロレスファンが喜び、プロレス界をますます隆盛に導くイベントになれば」と話した。

 馬場さんを師に持つ天龍は「馬場さんが亡くなってもう20年経つのかと実感として胸に迫るものがあります。新日本さんはじめ多くの団体が参加してくれることは、僕たち、プロレス界にとってもうれしいこと。力道山さんが亡くなって、プロレス界が危機に陥ったところで、アメリカから帰ってきた馬場さんが頑張ってこんにちのプロレス界があるという思いもあります。今プロレスが再びスポットライトを浴びている時に、最初にそのプロレスが継続する力を与えてくれたのが馬場さんであるということを、最近プロレス会場に足を運ぶようになってくれたファンの人たちにも知ってもらう良い機会。常々元子さんからも『馬場さんの追悼興行やって欲しい』と言っていました。微力ではありますが力添えできればと思っています」と話した。

 さらには数奇な縁も舞い込んだ。馬場さんのライバル、アブドーラ・ザ・ブッチャーの引退セレモニーが開かれることも決まった。追善興行への来場を打診したところ、ブッチャー側から引退セレモニー開催の要望があったという。実行委も馬場さん追善興行とブッチャー引退興行を兼ねた形で開催することを決めた。ブッチャー自身も「もう試合はできないし、ミスター馬場を追悼する大会だというのは、もちろん理解しているが、日本のファンに心を込めた感謝のメッセージを送りたい」とメッセージを寄せた。

 ブッチャー引退に際して天龍は「馬場さんの追善興行と、ブッチャーの引退セレモニーが重なったというのは日本プロレス時代からの何かの縁。ブッチャーへの最高のプレゼントになるはず。(自身がそうだったように)彼にも満足してリングを下りて欲しい」と話した。

 当日は特別ゲストとしてスタン・ハンセンも来場し、かつて“外国人王国"ともいわれた馬場全日本の風景が彩りを添える。馬場さんの名のもとにプロレス界の今と昔が交錯する一大イベントは、多くの期待と注目を集めそうだ。

 大会の決定分概要と、ブッチャーから寄せられたメッセージ全文は以下の通り。


☆2/19(火)東京・両国国技館『ジャイアント馬場没20年追善興行〜王者の魂〜 アブドーラ・ザ・ブッチャー引退記念〜さらば呪術師〜』17:00開場、18:30開始

[主催]
ジャイアント馬場没20年追善興行実行委員会

[実行委員]
・坂口征二
・天龍源一郎
・秋山準
・株式会社H.J.T.Production

[後援]
東京スポーツ新聞社、ベースボール・マガジン社

[協賛]
株式会社e+イープラス

[参加団体]
新日本プロレス
全日本プロレス
大日本プロレス
プロレスリング・ノア
W-1
ほか

[特別ゲスト]
スタン・ハンセン

[チケット料金]
・ブッチャーシート:200000円(リング上でブッチャーに花束を渡せる特典付き、最前列)
・アリーナS席:70000円(特典付き、最前列、2列目)
・アリーナA席:50000円(特典付き)
・マス席A:10000円
・マス席B:7000円
・2階指定席:7000円
・2階自由席:5000円
・小中高生席:1000円


☆ブッチャーからのメッセージ
 来年2月にミスター馬場のメモリアルショーをやるから来日して欲しいという要請を受け、ぜひ参加したいと返事をした。それと同時に、あと何度、自分が大好きな日本に行けるのか、ということも考えてしまった。それは長年アブドーラ・ザ・ブッチャーというレスラーをサポートしてくれた日本のファンに、感謝の言葉を直接伝える機会が何度このあとやってくるのか、ということだ。

 このビジネスを始めて57年。日本に初めて行ってから48年。そろそろコスチュームとフォークを置いて、リタイヤする時が今回のタイミングなのでは、と思ったのだ。

 来年2月、また日本に行けるのなら、アメリカでもカナダでも行っていない、アブドーラ・ザ・ブッチャーの引退セレモニーを行う機会を与えて欲しいと、実行委員会、馬場ファミリーに伝え、了承してもらった。

 もう試合はできないし、ミスター馬場を追悼する大会だというのは、もちろん理解しているが、日本のファンに心を込めた感謝のメッセージを送りたいという気持ちも理解してもらいたい。

 1970年の真夏に日本へ初めて行き、ミスター馬場と大きなスタジアムで初めてシングルマッチをやったことを、今でも昨日のことのように思い出すよ。

 ミスター馬場とはそれから20年以上にわたり、日本中どころか、シカゴやプエルトリコでも闘い、暴れすぎてミセス馬場には何度も怒られたな。ジャイアント馬場と一番血を流し合って闘ったのが俺なのは間違いない。それも500試合以上。詳しい数なんて覚えていない。だが、ミスター馬場は俺にとって最強の敵ジャイアント馬場であり、最高に信頼できるプロモーターであった。馬場夫妻にとっても、アブドーラ・ザ・ブッチャーという存在は最高のドル箱レスラーだったはずだ。

 いつかあの世でミスター馬場と再会したら、二人で試合して、試合後は最高級キューバ産葉巻をくわえながら、昔話をしたいもんだ。でも俺はまだまだこっちの世界で人生をエンジョイするつもりなので、あの世でトレーニングを続け、待っていてくれと伝えたい。

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