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10/21【全日本】34分大激闘でゼンニッポンコール 宮原がゼウスに雪辱で3ヵ月ぶり4度目の三冠戴冠

『2018旗揚げ記念シリーズ』最終戦 神奈川・横浜文化体育館(2018年10月21日)
三冠ヘビー級選手権試合=○宮原健斗vsゼウス×

 宮原が34分の大激闘の末、ゼウスに雪辱を遂げ、3ヵ月ぶり4度目の三冠ベルト戴冠。ゼンニッポンコールの中、「宮原健斗のプロレス人生を懸けて、この全日本プロレスを盛り上げる」と改めて誓った。

 三冠王者vs王道トーナメント覇者。秋の頂上決戦をこの日迎えた。王者・ゼウスは「過去最高のゼウスで勝つ」と宣言し、宮原は「負けたら最高を名乗れなくなる」と背水の陣で臨む構えをみせていた。至宝・三冠戦は両者の覚悟を物語るような死闘となった。

 序盤から中盤にかけて一進一退の攻防が続く中、先に流れを作ったのは王者だった。エプロン上での攻防で宮原のブラックアウトをキャッチしたゼウスはシュバインを敢行。続けてトップロープ超えのトペスイシーダを発射して主導権を握った。

 これで一気に動きが鈍った宮原は雪崩式ブレーンバスターで叩き落とされたが、串刺しバイセップスエクスプロージョンを食らっても、追尾しての串刺しブラックアウトで応戦。ブレーンバスター合戦を制し、ゼウスの後頭部にブラックアウトを突き刺す。すかさずジャーマン、ブラックアウトでたたみかけたが、ゼウスもフロントスープレックスで投げ、ジョン・ウーを放つと、チョークスラムで叩きつけて巻き返した。

 ここからはブラックアウトとバイセップスエクスプロージョンの打ち合いの様相を呈した。フライングバイセップスエクスプロージョンをかいくぐった宮原が後頭部にブラックアウトを突き刺し、二段式ジャーマンを敢行すれば、ゼウスはカウンターのドロップキックで逆襲し、バイセップスエクスプロージョンをさく裂。ジャックハマーは宮原が決めさせず、スタンド状態のブラックアウトをぶち込んだ。

 その後もシーソーゲームが繰り広げられる中、宮原が勝機をつかんだ。ブラックアウトをこれでもかと連射し、シャットダウンを爆発。勝負あったかに思われたが、ゼウスは王者の意地で3カウント寸前に肩を上げてみせる。シャットダウンを返されたのはおそらくこれが初めて。驚きを隠せない宮原に右のナックルパンチを打ち込んだゼウスがバイセップスエクスプロージョンでたたみかけ、一気にジャックハマーを爆発させた。

 今度は宮原がギリギリで肩を上げた。両者のフィニッシュホールドはいずれも決まらず。場内が沸騰する中、ゼウスがバイセップスエクスプロージョンからのジャックハマーを狙うものの、不時着した宮原はシャットダウンが無理とみるや、回転足折り固めでニアフォールに追い込む。ゼウスもバイセップスエクスプロージョンで応戦するものの、宮原はスタンド状態でのブラックアウトを2連発。これでゼウスは足をふらつかせながら意識朦朧状態となり、すかさず宮原がこの日2度目となるシャットダウン・スープレックス・ホールドを爆発。ようやく3カウントが入った。

 横浜を熱狂させた大激闘の末、頂上決戦を制した宮原が3ヵ月ぶりに三冠王者に返り咲いた。これぞ三冠戦という戦いを繰り広げた両者への歓声はいつまでも鳴りやまず、ゼンニッポンコールが自然発生した。考え方、スタイルは違えど、宮原もゼウスも全日本をもっと盛り上げていきたいとの思いは同じ。二人は試合後、ガッチリと握手を交わし、宮原は「2人でお互いのプロレスをして、もっともっと全日本プロレス、高みに行きましょうよ」と呼びかけた。

 この日の観客動員は1999人で満員マークはつかず。まだまだ集客面で苦戦が続く全日本だが、この日、覚悟を胸に戦った二人の死闘によって浮上の可能性を提示することができたと言える。試合後のリング上で宮原は「次、チャンピオンとして俺に何ができるか…。宮原健斗のプロレス人生を懸けて、この全日本プロレスを盛り上げることだと、俺は今日、今思いました」との誓いを立てた。

 「こんなもんじゃないって。プロレス界を面白くするのは全日本プロレスなんだ。今以上に面白くできるのは全日本プロレスの存在だと、俺は本気で思ってる」。さらなる高みを目指す最高男にとって、全日本の現状は到底満足できるものではない。ならば自分自身が中心となって今以上に発展させていくのみ。「何をもって高みなのか? 何をもって盛り上げるというのか? 人それぞれそれは違うと思う。ただ俺は思う高みに持って行くんだ。それは俺を見てれば、おのずとわかるから」と言い切った宮原がようやく取り戻した黄金に輝く三冠ベルトとともに上だけを見据えて全日マットをけん引する。

【宮原の話】「久しぶりの感触。4度目…4度目、俺がチャンピオンとして何ができるか。今、思った。俺が自分のプロレス生活、プロレス人生を懸けて、この全日本プロレスを高みに持っていく。何をもって高みなのか? それは1人1人で違うと思う。何をもって高みなのか? 何をもって盛り上げるというのか? 人それぞれそれは違うと思う。ただ俺は思う高みに持って行くんだ。それは俺を見てれば、おのずとわかるから。全日本プロレスはずっと言ってきた。こんなもんじゃないって。プロレス界を面白くするのは全日本プロレスなんだ。今以上に面白くできるのは全日本プロレスの存在だと、俺は本気で思ってるから。そのみんなの思いと、プロレス界の一部の思いを、俺はこれからリング上で体現していく。なぜなら、三冠ヘビー級チャンピオンはそういうもんだ。そして、プロレス界で満場一致で最高の男・宮原健斗がそう言うんだ。そうなるに決まってるだろ? とにかく11月から、また宮原健斗、並びに全日本プロレスから目を離すなよ」

【ゼウスの話】「クソ…。また取り戻したる」

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