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12/12【全日本】2019年一発目の三冠戦へ宮原、キーワードは「お互いの歴史」、2度目の挑戦・KAIは背水の陣

 1・3後楽園大会で三冠ヘビー級選手権試合が決まった王者・宮原健斗、挑戦者・KAIが12日、神奈川・横浜市の全日本事務所で会見。初防衛戦となる宮原は2019年一発目の三冠戦のテーマを「かつてエースを叫んだ男vsプロレスの神様からエースを宿命づけられた男」と定め、2度目の三冠挑戦となるKAIは「もう自分自身あとがない」と背水の陣を敷いた。

 2019年最初の三冠戦がこの日決まった。舞台は1・3後楽園大会。第62代王者・宮原にKAIが挑戦する。KAIは11・25横浜大会における最強タッグ公式戦で宮原にピンフォール勝ち。最強タッグで王者に唯一の黒星をつける実績を作って2度目の挑戦を決めた。

 だが、最高王者はその図式を超越したテーマを今回の初防衛戦に定めている。キーワードは「歴史」だ。健介オフィス出身の宮原は2008年2月にデビュー。若手時代は健介オフィスと提携関係にあった全日本のリングにも上がり、試合経験を積んだ。当時、KAIはデビュー2年目でメキシコ遠征から帰国したばかり。宮原の目には「一番光ってた選手だし、やっぱり突出してるな、ずば抜けてるなって印象深かった」と映ったという。

 その後、KAIは2013年に全日本を退団し、WRESTLE-1に移籍。エースを自称し、団体の中心選手として活躍した。一方、宮原は入れ替わるように全日本に入団。今や押しも押されもしないエースとして全日マットをけん引している。そんな両者が至宝ベルトをかけて戦う今回のテーマを宮原は「かつてエースを叫んだ男vsプロレスの神様からエースを宿命づけられた男」と掲げた。「いろいろな紆余曲折あって、へたしたらKAI選手がこの僕のポジションにいた可能性が一番近い選手」と言うように、KAIが全日本に残留していれば、二人のプロレスラー人生は今とは違ったものとなっていたかもしれない。もちろん今のKAIにも「総合力の高い選手」と一目置いており、「この戦いは俺にとって待ち望んでた戦い」とまで言い切った。

 一方、KAIは昨年2・3横浜文体で第59代王者ジョー・ドーリングに挑んで敗れて以来、約1年ぶり2度目の三冠ベルト挑戦。宮原とは2017年4月のチャンピオン・カーニバル公式戦、同年9月の王道トーナメント1回戦で対決し、これが3度目の一騎打ちとなる。過去2戦はいずれも敗北に終わっており、KAIにとっては雪辱戦。「かつて自分もエースだって叫んでいろいろみてきた部分とかもあって、そういうところをちゃんとしてるなっていうのを感じたんで。やっぱ団体を背負う男というのはこういう男なんだなって凄く感じました」と宮原に敬意を表しつつ、「その団体を背負ってるエースというのを倒すっていうのは凄く価値が大きいこと」とキッパリ。もちろん3連敗を喫するつもりはさらさらなく、「自分自身あとがないと思ってるんで、今回のこの挑戦は何が何でも勝ちたい」と背水の陣を敷いた。

 過去2戦はいずれも熱戦だったが、至宝ベルトをかけた3度目の対決はそれを上回る激闘が予想される。2019年の三冠戦線は因縁めいたこの両者の戦いで幕を開ける。

【会見の模様】
▼KAI「KAIです。スッキリしてます。まずはこの三冠挑戦を受諾してくれた現三冠王者・宮原選手、そして全日本プロレス、PWFに感謝したいと思います。自分自身が三冠に挑戦するのは去年の2月以来2度目になるんですけど、宮原選手とシングルで戦うのは3回目になるんですけど、いずれも負けているんで。三冠戦はジョーさんだったんですけど、それも負けてますし、過去2回シングルマッチで戦った宮原選手にも負けてるんで、もう自分自身あとがないと思ってるんで、今回のこの挑戦は何が何でも勝ちたいと思ってます。奇しくも来年、自分、年男なんです。まさにイノシシのように猪突猛進の精神でこのベルトを獲りにいきます」

▼宮原「1月3日、三冠チャンピオンシップ決まって、最強タッグで唯一負けた男が挑戦する流れ。これはもちろん僕はもう認めざるを得ない。ただね、宮原健斗vsKAI。このカードでただ単に最強タッグで負けた相手で挑戦するというので済ませたくないのが正直なところで。かつて俺の中でKAI選手はエースを叫んでた男という印象が強いんで。エースを叫んでた男vsプロレス界の神様からエースとしての使命を与えられた男。俺はこの勝負だと思ってるんで。それぐらい僕はマスコミの皆様にもね、お互いの歴史掘り下げてもらって当日を迎えたいと思ってるんで。最強タッグで負けた。そんなことはもう俺にとってはどうでもいい。かつてエースを叫んだ男vsプロレスの神様からエースを宿命づけられた男。この戦いだと俺は思ってるんで。ぜひマスコミの皆さん、1月3日まで、それぞれの歴史ぜひ調べてほしい。俺はそれぐらいこの1月3日、この戦いは俺にとって待ち望んでた戦いなんで。歴史をぜひ掘り下げて1月3日までマスコミの皆さんにお願いですね」

――3度目のシングル対決になるが、KAI選手の印象は?

▼宮原「印象はそれはもちろん総合力の高い選手だし、別に今まで何回シングルやったとか、これは三冠ベルトをかけてやるにあたって全く関係ないことなんで。もちろん今までもあるけど、三冠ベルトをかけるのは注目度も高いし、しかも2019年新年一発目の三冠戦ですからね。選手どうこうというのは三冠に挑戦する時点で認めてるからこの試合になってるわけで、今回はホントにね、いろいろな紆余曲折あって、へたしたらKAI選手がこの僕のポジションにいた可能性が一番近い選手だと思ってるし。そこの歴史を掘り下げて僕は当日挑みますよ。非常に今回の戦いにおいて歴史が大事だと。歴史が。それぞれの」

――健介オフィス時代に全日本に上がっていた時期もあったが、当時KAI選手のことを意識した?

▼宮原「意識してましたし、たぶんね、その時、ちょうどキャリア的に1年上になるんですかね。一番光ってた選手だし、やっぱり突出してるな、ずば抜けてるなって印象深かった選手だしね。その中でこうやって12年ですかね。練習生を含めたら。こうして三冠かけて戦うんだから、最強タッグ負けたというより、お互いの歴史を掘り下げて勝負したいと思いますよ」

――KAI選手の中で宮原選手の印象は?

▼KAI「正直、昔の時はそこまでかかわりがなかったんで、わからなかった部分が大きいんですけど、全日本プロレスに移籍して、自分も参戦させてもらって、やっぱ聞いたわけじゃないんですけど、みてる部分、みてきた部分っていうのが凄い似てるなというのは凄く感じましたね。今、宮原選手から言われてちょっと面食らった部分があるんですけど、かつて自分もエースだって叫んでいろいろみてきた部分とかもあって、そういうところをちゃんとしてるなっていうのを感じたんで。やっぱ団体を背負う男というのはこういう男なんだなって凄く感じましたし。だからこそ、その団体を背負ってるエースというのを倒すっていうのは凄く価値が大きいことかなと、ずっと挑んでたんですけど、今まで負けてるんで、今回は何が何でもという気持ちがあります」

――2度目の挑戦になるが、三冠ベルトへの思いは?

▼KAI「自分が所属してた時っていうのは、形は3本だったんですけど。今1本になってますけど、価値は変わってないと思うし、名前も三冠ベルトはプロレス界でも由緒ある誰でも知ってるようなベルトなんで。それをこの団体に上がらせてもらってるからこそ、獲りたいというのは誰もが当たり前だと思うし、自分も一番最初、参戦させてもらう時のあいさつで言いましたからね。その気持ちは今も変わってないですね」

――今まで三冠ベルトを巡って幾多の激闘を繰り広げてきたが、KAI選手とも過去の戦いに匹敵する、あるいは上回る戦いができそう?

▼宮原「過去との戦いは僕の中で終わっていて、2019年はね、新たなね、僕の中で最多防衛記録という夢もあるし。過去との戦いは僕が時代を作ってきた中で終わったんですよ。これからはね、新たなものをファンの皆様へお届けするというチャンピオンの使命がありますから。もちろんKAI選手とならその戦いはできますよ。今回はホント歴史が大事。おそらくKAI選手が紆余曲折あって、ここの僕のポジションに一番近かった男というイメージが僕の中にありますから。その男同士が戦うのが大事なんで」

――宮原選手は全日本のエースだと思う?

▼KAI「エースですね。意識を感じるんで、やっぱりファンの人も認めてる存在じゃないですか。さっきから自分、凄い褒めてもらってる感じがして、こそばゆいですけど、ホントよりいっそう何か1・3に向けて気合が入りましたね」

――今回KAIが勝ってエースになるというのは?

▼KAI「いや僕はだってフリーですから(苦笑)。でもそれは獲ってからいろいろと自分の展望もありますからね」